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公開番号2024089031
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2022204125
出願日2022-12-21
発明の名称セル多重インバータ
出願人株式会社明電舎
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02M 7/49 20070101AFI20240626BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】セル多重インバータにおいて、定常時におけるスイッチング回数の増加を抑制し、かつ系統電圧や出力電流が急変した際の過電流を抑える。
【解決手段】セル多重インバータは、交流系統ACの各相にスター結線で多重に接続した複数のセルcellu1~cellw4と、複数のセルのスイッチング素子のゲート指令を生成するゲート指令生成部と、を備える。複数のセルのうち一部のセルは商用周波数または出力周波数の1周期に1回のスイッチングを行う商用周波数駆動セルとして駆動し、複数のセルのうち残りのセルは商用周波数駆動セルよりも高い周波数で駆動する高周波駆動セルとして駆動する。ゲート指令生成部において、商用周波数駆動セルは、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも小さいときはスイッチング回数の増加を抑制し、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも大きいときはスイッチング回数の増加を許容する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
交流系統の各相にスター結線で多重に接続した複数のセルと、複数の前記セルのスイッチング素子のゲート指令を生成するゲート指令生成部と、を備え、
複数の前記セルのうち一部の前記セルは商用周波数または出力周波数の1周期に1回のスイッチングを行う商用周波数駆動セルとして駆動し、
複数の前記セルのうち残りの前記セルは前記商用周波数駆動セルよりも高い周波数で駆動する高周波駆動セルとして駆動するセル多重インバータであって、
前記ゲート指令生成部は、
前記商用周波数駆動セルは、電圧指令値の傾きが傾き閾値よりも小さいときはスイッチング回数の増加を抑制し、前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも大きいときはスイッチング回数の増加を許容し、前記傾き閾値は、前記高周波駆動セルのゲート指令生成に使用するキャリア三角波の傾きの半分以下とすることを特徴とするセル多重インバータ。
続きを表示(約 3,800 文字)【請求項2】
前記ゲート指令生成部は、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は前記固定閾値に前記第1ヒステリシス幅を加算し、
それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令の条件に応じて前記第1ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項1記載のセル多重インバータ。
【請求項3】
前記ゲート指令生成部は、
前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さいときは前記商用周波数駆動セルの1台がスイッチングした場合において前記高周波駆動セルも1台スイッチングするようにし、かつ、前記商用周波数駆動セルと前記高周波駆動セルの出力電圧レベルの変化が互いに打ち消し合うように制限し、
前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも大きいときは上記制限を無くすことを特徴とする請求項1記載のセル多重インバータ。
【請求項4】
前記ゲート指令生成部は、
高周波駆動セル電圧指令値とPD方式のキャリア三角波の比較に基づいて前記高周波駆動セルのゲート指令を生成し、
前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さい時は、前記キャリア三角波の傾きがプラスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容することを特徴とする請求項3記載のセル多重インバータ。
【請求項5】
前記ゲート指令生成部は、
高周波駆動セル電圧指令値とPS方式のキャリア三角波の比較に基づいて前記高周波駆動セルのゲート指令を生成し、
前記電圧指令値の傾きが前記傾き閾値よりも小さい時は、
前記電圧指令値がプラスの時は最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、前記電圧指令値がマイナスの時は最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの増加を許容し、
前記電圧指令値がプラスの時は最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容し、前記電圧指令値がマイナスの時は最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時に前記商用周波数駆動セルの出力電圧レベルの減少を許容することを特徴とする請求項3記載のセル多重インバータ。
【請求項6】
前記ゲート指令生成部は、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、
それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾きの条件に応じて前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項4記載のセル多重インバータ。
【請求項7】
前記ゲート指令生成部は、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、
それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾きの条件に応じて前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値との比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項5記載のセル多重インバータ。
【請求項8】
前記ゲート指令生成部は、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は前記固定閾値に前記第1ヒステリシス幅を加算し、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0かつ前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は前記固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1かつ前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、
それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾き条件に応じて前記第1ヒステリシス幅、前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項4記載のセル多重インバータ。
【請求項9】
前記ゲート指令生成部は、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は固定閾値から第1ヒステリシス幅を減算し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の時は前記固定閾値に前記第1ヒステリシス幅を加算し、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがマイナスの時は前記固定閾値に第2ヒステリシス幅を加算し、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1、かつ、前記電圧指令値がプラスならば最も大きい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時および前記電圧指令値がマイナスならば最も小さい前記キャリア三角波の傾きがプラスの時は前記固定閾値から前記第2ヒステリシス幅を減算し、
それ以外の時は前記固定閾値をそのままとし、
前記電圧指令値と、前記商用周波数駆動セルのゲート指令および前記キャリア三角波の傾きの条件に応じて前記第1ヒステリシス幅、前記第2ヒステリシス幅を加算減算した前記固定閾値またはそのままの前記固定閾値と、の比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成することを特徴とする請求項5記載のセル多重インバータ。
【請求項10】
1相当たりの前記セルの台数がN台(N≧2)、前記高周波駆動セルの台数がM台(M≧1)であって、
前記電圧指令値と2(N-M)個の前記固定閾値とのそれぞれの比較に基づいて前記商用周波数駆動セルのゲート指令を生成する2(N-M)個の商用セルゲート指令生成部と、
それぞれの前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の時は1/2Nを出力し、0の時は-1/2Nを出力する第1スイッチと、
すべての前記第1スイッチの出力を加算する第1加算器と、
前記電圧指令値から前記第1加算器の出力を減算する第2減算器と、
前記第2減算器の出力とPS方式またはPD方式のキャリア三角波を比較し、前記高周波駆動セルのゲート指令を生成する第2比較器と、
を備え、
前記商用セルゲート指令生成部は、
前記電圧指令値から前記固定閾値を減算した値からバッファの出力を減算する第1減算器と、
前記第1減算器の出力が0よりも大きい場合は1を、それ以外の場合0を前記商用周波数駆動セルのゲート指令として出力する第1比較器と、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が1の場合はマイナスの前記第1ヒステリシス幅を出力し、前記商用周波数駆動セルのゲート指令が0の場合はプラスの前記第1ヒステリシス幅を出力する第2スイッチと、
前記商用周波数駆動セルのゲート指令が変化してから所定時間は前記第2スイッチの出力を出力し、それ以外の時は0を出力する第3スイッチと、
前記第3スイッチの出力を記憶し、1演算時間前の値を出力する前記バッファと、
を備えたことを特徴とする請求項2記載のセル多重インバータ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、交流系統の各相にスター結線で複数のセルを多重に接続したセル多重インバータに関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
セル多重インバータの一例として、三相交流の系統に連系するシングルスター・ブリッジセル(SSBC)のモジュラー・マルチレベル・カスケード変換器(MMCC)が知られている。また、MMCC-SSBCのフルブリッジセルの直流側に別途電源やDC/DCコンバータなどが接続された構成も知られている。
【0003】
この構成の主な例としては、例えば特許文献1にあるようなソリッドステート・トランスフォーマー(SST)がある。特許文献1ではSSTの主回路構成が開示されている。
【0004】
図1にMMCC-SSBCと共振コンバータ方式の双方向絶縁型DC/DCコンバータを組み合わせた1相あたりセル4台からなるSSTを示す。
【0005】
高圧の交流電力を直列接続したセルで直流電力に変換し、直流電力を高周波の交流電力に変換し、トランスで絶縁、整流することで直流電力に変換できる。逆向きの電力融通も可能である。SSTは高周波トランスを用いるため、従来の商用周波数トランスよりも小型にできる。
【0006】
また、別の用途としては特許文献2の高圧多重インバータも該当する。特許文献2では高圧多重インバータの構成が開示されている。
【0007】
特許文献2の実施形態15や特許文献3では、MMCC-SSBCや多重インバータを構成する各セルのスイッチング素子を駆動する方式として、大半のセルで商用周波数の1周期に1回のスイッチングを行い、一部のセルのみ高いスイッチング周波数で駆動するというものが提案されている。
【0008】
この方式では、商用周波数で動作する多くのセル(以下、商用周波数駆動セルと称する)にはスイッチング損失は大きいが安価であるSi-IGBTといったデバイスを使用し、高いスイッチング周波数で駆動するセル(以下、高周波駆動セルと称する)には低損失だが高価であるSiC-MOSFETなどのデバイスを適用することで、高効率とコスト低減を両立できる。
【0009】
さらに、出力電圧のマルチレベル化により、スイッチングにより出力電圧に重畳するリプルの振幅が小さくなる。このため変換器の出力端に接続するリアクトルなどのフィルタ回路の小型化・低コスト化も可能となる。特許文献3の請求項は無効電力補償装置に限定されているが、SSTにも適用することができる。
【0010】
また、商用周波数駆動セルのゲート信号の接続を一定周期毎に切り替えて熱責務を均等にする方法も提案されている。
(【0011】以降は省略されています)

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