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公開番号2024080060
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022192940
出願日2022-12-01
発明の名称二次電池用の集電体及び二次電池
出願人TDK株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 4/66 20060101AFI20240606BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 二次電池に用いられる集電体として、軽量、且つ、性能劣化が少なく長寿命な集電体と、当該集電体を用いた二次電池が期待されている。
【解決手段】
二次電池用の集電体は、樹脂膜1Aと、樹脂膜1Aの第1面上に接して配置された第1金属膜1Bと、樹脂膜1Aの第2面上に接して配置された第2金属膜1Cとを備え、樹脂膜1Aは、酸変性ポリオレフィンを含み、且つ、評価指標が所定条件を満たしている。酸変性ポリオレフィンは、金属との接着性に優れる材料であり、中間層を介在させることなく、これらが強固に接着され、薄く、軽量なものとなる。樹脂膜の両面上には第1金属膜及び第2金属膜が配置されており、厚み方向の構造の対称性が増加し、応力を緩和している。特に、評価指標が特定の条件を満たす場合、接着性のみならず、電解液耐性も高くなる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂膜と、
前記樹脂膜の第1面上に接して配置された第1金属膜と、
前記樹脂膜の第2面上に接して配置された第2金属膜と、
を備え、
前記樹脂膜は、
酸変性ポリオレフィンを含み、且つ、
以下の条件:
0.02≦(X1/X2)≦0.2、
1≦(Y1/Y2)≦19
を満たしており、
X1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1716cm
-1
付近に存在するC=O伸縮由来のピーク強度、
X2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1456cm
-1
付近に存在するCH

由来のピーク強度、
Y1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1377cm
-1
付近に存在するCH

由来のピーク強度、
Y2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの721cm
-1
付近に存在するCH

由来のピーク強度、
である二次電池用の集電体。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記樹脂膜は、
二軸延伸された樹脂膜であり、且つ、
以下の条件:
0.05≦(X1/X2)≦0.2、
1.2≦(Y1/Y2)≦8.2
を満たしている、
請求項1に記載の二次電池用の集電体。
【請求項3】
前記樹脂膜は、以下の関係:
4.4℃≦(Tm1-Tm2)、
を満たしており、
Tm1は、第1回目において、前記樹脂膜が融解するまで昇温し、この昇温時において、示差走査型熱量計により計測される融解ピーク温度であり、
Tm2は、前記第1回目の昇温後に、前記樹脂膜が再結晶化するまで冷却し、前記樹脂膜が融解するまで、第2回目の昇温を行い、この昇温時において、示差走査型熱量計により計測される融解ピーク温度である、
請求項2に記載の二次電池用の集電体。
【請求項4】
前記樹脂膜が、100質量部の前記樹脂膜に対して、5質量部以上20質量部以下の酸変性ポリオレフィンと、50質量部以上90質量部以下のホモポリマーのポリプロピレンを含む、
請求項1に記載の二次電池用の集電体。
【請求項5】
前記酸変性ポリオレフィンは、無水マレイン酸変性ポリプロピレンである、
請求項4に記載の二次電池用の集電体。
【請求項6】
前記第1金属膜及び前記第2金属膜の少なくとも一方は、Al、Cu、Fe、Zn、及びNiからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池用の集電体。
【請求項7】
容器と、
前記容器内に充填された電解液と、
前記容器内に配置された第1集電体と、
前記容器内に配置された第2集電体と、
前記容器内に配置されたセパレータと、
前記第1集電体と前記セパレータの間に配置された正極活物質と、
前記第2集電体と前記セパレータの間に配置された負極活物質と、
を備えた二次電池において、
前記第1集電体又は前記第2集電体は、
樹脂膜と、
前記樹脂膜の第1面上に接して配置された第1金属膜と、
前記樹脂膜の第2面上に接して配置された第2金属膜と、
を備え、
前記樹脂膜は、
酸変性ポリオレフィンを含み、且つ、
以下の条件:
0.02≦(X1/X2)≦0.2、
1≦(Y1/Y2)≦19
を満たしており、
X1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1716cm
-1
付近に存在するC=O伸縮由来のピーク強度、
X2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1456cm
-1
付近に存在するCH

由来のピーク強度、
Y1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1377cm
-1
付近に存在するCH

由来のピーク強度、
Y2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの721cm
-1
付近に存在するCH

由来のピーク強度、
である二次電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、二次電池用の集電体及び二次電池に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1~特許文献3は、リチウムイオン電池等に用いられる集電体を開示している。集電体の正極材料としてアルミニウム(Al)、負極材料として銅(Cu)が知られている。特許文献4~特許文献8は、ポリプロピレン膜を開示している。樹脂膜を挟む一対の金属膜を備えた集電体は、金属単体で構成した集電体よりも、軽量化することができる。例えば、特許文献3に記載された集電体は、ポリプロピレン膜の両面に、無機絶縁膜からなる中間層を介して、金属膜を配置している。リチウムイオン電池においては、LiPF

/エチレンカーボネート含有溶媒など、リチウムイオンを含む電解液が用いられる。また、近年では、その他のアルカリ金属イオン電池や、マグネシウムイオン電池等の二次電池も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-319695号公報
特開2019-102429号公報
特開2021-82612号公報
国際公開2013/146367号
特開2008-238438号公報
特表2020-520127号公報
国際公開2006/123530号
特開2019-167513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リチウムイオン電池等の二次電池に用いられる集電体として、さらに、軽量、且つ、性能劣化が少なく長寿命な集電体と、当該集電体を用いた二次電池が期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の二次電池用の集電体は、樹脂膜と、前記樹脂膜の第1面上に接して配置された第1金属膜と、前記樹脂膜の第2面上に接して配置された第2金属膜と、を備え、前記樹脂膜は、酸変性ポリオレフィンを含み、且つ、以下の条件:0.02≦(X1/X2)≦0.2、1≦(Y1/Y2)≦19を満たしている。
【0006】
X1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1716cm
-1
付近に存在するC=O伸縮由来のピーク強度である。X2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1456cm
-1
付近に存在するCH

由来のピーク強度である。Y1は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの1377cm
-1
付近に存在するCH

由来のピーク強度である。Y2は、前記樹脂膜をフーリエ変換赤外線分光法の全反射測定法で測定した場合に得られる赤外線吸収スペクトルの721cm
-1
付近に存在するCH

由来のピーク強度である。
【0007】
本開示の二次電池は、容器と、前記容器内に充填された電解液と、前記容器内に配置された第1集電体と、前記容器内に配置された第2集電体と、前記容器内に配置されたセパレータと、前記第1集電体と前記セパレータの間に配置された正極活物質と、前記第2集電体と前記セパレータの間に配置された負極活物質と、を備えた電池において、前記第1集電体又は前記第2集電体は、本開示の集電体である。
【0008】
酸変性ポリオレフィンは、金属との接着性に優れる材料である。樹脂膜として、酸変性ポリオレフィンを用いた場合には、樹脂膜と金属膜との間の接着性が増加するので、中間層を介在させることなく、これらが強固に接着される。したがって、この集電体は、薄く、軽量なものとなる。更に、樹脂膜の両面上に第1金属膜及び第2金属膜が配置されており、厚み方向の構造の対称性が増加しているので、樹脂膜にかかる応力を緩和させることができ、電解液に対する金属膜のデラミネーションを抑制することができ、性能劣化が少なく長寿命な集電体となる。
【0009】
特に、第1評価指標X(=X1/X2)と、第2評価指標Y(=Y1/Y2)が、上記条件を満たす場合、接着性のみならず、電解液耐性も高くなる。樹脂膜の材料としては、主成分であるマトリックス樹脂としてのポリプロピレンに、副成分としての酸変性ポリオレフィンを添加して混合した樹脂が挙げられる。第1評価指標Xに寄与するC=O結合を含む酸変性ポリオレフィンの添加により接着性は増加するが、電解液耐性もバランス良く向上させるために、第1評価指標Xに加えて、(CH

)及び(CH

)に相関する第2評価指標Yも規定した。少なくとも、樹脂膜が、100質量部の樹脂膜に対して、5質量部以上20質量部以下の酸変性ポリオレフィンと、50質量部以上90質量部以下のホモポリマーのポリプロピレンを含む場合、接着性及び電解液耐性が向上することが確認された。好適には、酸変性ポリオレフィンは、無水マレイン酸変性ポリプロピレンである。集電体の性能劣化が少なくなれば、集電体及びこれを用いた二次電池は、長寿命なものとなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の二次電池用の集電体及び二次電池は、軽量、且つ、性能劣化が少なく長寿命なものとなる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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