TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024077986
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022190262
出願日2022-11-29
発明の名称光ファイバ用母材、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法
出願人株式会社フジクラ
代理人個人
主分類C03B 37/012 20060101AFI20240603BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】 クラッドの外周面の円形からの歪みが抑制された光ファイバを製造し得る光ファイバ用母材を提供する。
【解決手段】 マルチコアファイバ用母材1Pのクラッドロッド20Pには、特定領域ARに重心が位置し、断面積が挿入用貫通孔20Hを形成するクラッドロッド20Pの内周面と挿入用貫通孔20Hに挿入されるコアロッド10Pの外周面との隙間の断面積の0.5倍以上2倍以下である調整用貫通孔20Aが形成され、特定領域ARは、一対の挿入用貫通孔20Hに接する共通外接線ECTと、クラッドロッド20Pの中心20PCを通り一対の挿入用貫通孔20Hに接する一対の中心通過接線CPTと、クラッドロッド20Pの外周面において、一対の中心通過接線CPTで挟まれる外周線部分POCと、で囲われる領域である。
【選択図】 図2

特許請求の範囲【請求項1】
複数の挿入用貫通孔を有するクラッドロッドと、
前記挿入用貫通孔に挿入される複数のガラスロッドと、
を備え、
前記クラッドロッドは、特定領域に重心が位置し、断面積が前記挿入用貫通孔を形成する前記クラッドロッドの内周面と当該挿入用貫通孔に挿入される前記ガラスロッドの外周面との隙間の断面積の0.5倍以上2倍以下である調整用貫通孔を有し、
前記特定領域は、前記クラッドロッドにおいて、互いに隣り合う一対の前記挿入用貫通孔に前記クラッドロッドの外周側で接する共通外接線と、前記クラッドロッドの中心を通ると共に、前記中心と前記共通外接線との間において一対の前記挿入用貫通孔に互いに向かい合う側で接する一対の中心通過接線と、前記クラッドロッドの外周面において、一対の前記中心通過接線で挟まれ、前記共通外接線に対向する外周線部分と、で囲われる領域である
ことを特徴とする光ファイバ用母材。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記特定領域に前記調整用貫通孔の全体が位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用母材。
【請求項3】
前記外周線部分の中点に内接し前記調整用貫通孔の前記断面積と同じ面積を有する仮想円に外接し前記クラッドロッドの前記中心を中心とする仮想円の内側に前記調整用貫通孔の重心が位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用母材。
【請求項4】
前記重心は、前記クラッドロッドの前記中心と前記外周線部分の中点とを通る直線上に位置する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ用母材。
【請求項5】
前記調整用貫通孔は複数の貫通孔から成る
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ用母材。
【請求項6】
少なくとも2つの前記貫通孔は、前記クラッドロッドの前記中心を中心とする仮想円上に位置する
ことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ用母材。
【請求項7】
複数の挿入用貫通孔を有するクラッドロッドの前記挿入用貫通孔にガラスロッドを挿入する挿入工程を備え、
前記クラッドロッドは、特定領域に重心が位置し、断面積が前記挿入用貫通孔を形成する前記クラッドロッドの内周面と当該挿入用貫通孔に挿入される前記ガラスロッドの外周面との隙間の断面積の0.5倍以上2倍以下である調整用貫通孔を有し、
前記特定領域は、前記クラッドロッドにおいて、互いに隣り合う一対の前記挿入用貫通孔に前記クラッドロッドの外周側で接する共通外接線と、前記クラッドロッドの中心を通ると共に、前記中心と前記共通外接線との間において一対の前記挿入用貫通孔に互いに向かい合う側で接する一対の中心通過接線と、前記クラッドロッドの外周面において、一対の前記中心通過接線で挟まれ、前記共通外接線に対向する外周線部分と、で囲われる領域である
ことを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の光ファイバ用母材の製造方法で製造された光ファイバ用母材を線引きする線引工程を備える
ことを特徴とする光ファイバの製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の光ファイバ用母材の製造方法で製造された光ファイバ用母材をコラプスして光ファイバ中間体とするコラプス工程と、
前記光ファイバ中間体を線引きする線引工程を備える
ことを特徴とする光ファイバの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ用母材、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバ通信システムの普及に伴い、光ファイバによって伝送される情報量が飛躍的に増大している。このような背景から、複数のコアの外周が1つのクラッドにより囲まれたマルチコアファイバが用いられている。マルチコアファイバは複数のコアのそれぞれを伝搬する光により複数の信号を伝送させることができるので、1つの光ファイバ当たりの伝送容量が増大される。
【0003】
下記特許文献1には、マルチコアファイバの製造方法が記載されている。特許文献1では、マルチコアファイバのクラッドとなるクラッドロッドに形成された複数の貫通孔にコアロッドを挿入し、クラッドロッド、コアロッド間を一体化させ、線引きする。さらに、特許文献1には、偏波保持ファイバの製造方法が記載されている。この偏波保持ファイバの製造方法では、偏波保持ファイバのクラッドとなるクラッドロッドに形成された一対の貫通孔に応力付与部となる応力付与ロッドを挿入し、クラッドロッド、応力付与ロッド間を一体化させ、線引きする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-14078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のマルチコアファイバや偏波保持ファイバといった光ファイバの製造方法のように、クラッドロッドの複数の貫通孔にガラスロッドを挿入する場合、クラッドロッドにおける貫通孔の内壁と、ガラスロッドの外周面との間に隙間が生じる。この隙間は、光ファイバ用母材が光ファイバとなるまでに潰される。従って、ガラスロッドが挿入される貫通孔と対向するクラッドロッドの外周面の部位は、隙間が潰れる分、他の位置よりも内側に移動し易く、クラッドの外周面の断面形状の円形からの歪みが大きくなり易い。このため、光ファイバの直径の計測を安定して行うことが難しい。光ファイバを製造する際、一般的に光ファイバの直径を計測しながら線引きを行い、計測された直径から線引きの速度が調整される。よって、クラッド断面形状が円形から歪んでいる場合、光ファイバ製造時の外径変動が大きくなってしまう。このため、クラッド外周面の断面形状は円形に近いことが好ましい。
【0006】
そこで、本発明は、クラッドの外周面の円形からの歪みが抑制された光ファイバを製造し得る光ファイバ用母材、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の態様1は、複数の挿入用貫通孔を有するクラッドロッドと、前記挿入用貫通孔に挿入される複数のガラスロッドと、を備え、前記クラッドロッドは、特定領域に重心が位置し、断面積が前記挿入用貫通孔を形成する前記クラッドロッドの内周面と当該挿入用貫通孔に挿入される前記ガラスロッドの外周面との隙間の断面積の0.5倍以上2倍以下である調整用貫通孔を有し、前記特定領域は、前記クラッドロッドにおいて、互いに隣り合う一対の前記挿入用貫通孔に前記クラッドロッドの外周側で接する共通外接線と、前記クラッドロッドの中心を通ると共に、前記中心と前記共通外接線との間において一対の前記挿入用貫通孔に互いに向かい合う側で接する一対の中心通過接線と、前記クラッドロッドの外周面において、一対の前記中心通過接線で挟まれ、前記共通外接線に対向する外周線部分と、で囲われる領域であることを特徴とする光ファイバ用母材である。
【0008】
このような光ファイバ用母材によれば、光ファイバ用母材から光ファイバが製造される過程において、クラッドロッドにおける挿入用貫通孔の内壁とガラスロッドの外周面との隙間が潰れる。また、調整用貫通孔も潰れる。この調整用貫通孔は、重心が特定領域に位置し、断面積が上記隙間の断面積の0.5倍以上2倍以下の貫通孔である。このため、挿入用貫通孔と対向するクラッドロッドの外周面の部位が内側に移動し、特定領域におけるクラッドロッドの外周面の少なくとも一部も内側に移動する。従って、本発明の光ファイバ用母材によれば、クラッドロッドが調整用貫通孔を有さない場合と比べて、クラッドの外周面の円形からの歪みが抑制された光ファイバを製造し得る。
【0009】
本発明の態様2は、前記特定領域に前記調整用貫通孔の全体が位置することを特徴とする態様1の光ファイバ用母材である。
【0010】
この光ファイバ用母材によれば、クラッドの外周面の変形からの歪みがより抑制された光ファイバを製造し得る。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
低温エナメル
1か月前
日本電気硝子株式会社
封着材料
3か月前
AGC株式会社
化学強化ガラス
2か月前
日本山村硝子株式会社
封着材料
1日前
日本電気硝子株式会社
ガラスの製造方法
1か月前
AGC株式会社
ガラス成形装置
3か月前
日本山村硝子株式会社
導体添加用ガラス
3か月前
ダイキン工業株式会社
表面処理剤
2か月前
日本電気硝子株式会社
配線基板補強用ガラス基板
1か月前
AGC株式会社
膜付き基材
15日前
AGC株式会社
膜付き基材
15日前
AGC株式会社
車両用フロントガラスの製造方法
2か月前
HOYA株式会社
フツリン酸ガラス及び光学素子
3か月前
AGC株式会社
積層膜付き基材
15日前
AGC株式会社
車両用フロントガラスの製造方法
2か月前
AGC株式会社
車両用窓ガラス
1か月前
湖北工業株式会社
シリカガラス及びその製造方法
1か月前
日本電気硝子株式会社
ガラス板の製造方法及びガラス板
2日前
日本電気硝子株式会社
ガラス物品の製造方法
18日前
HOYA株式会社
ガラス
24日前
信越化学工業株式会社
光ファイバ母材とその製造方法
3か月前
住友電気工業株式会社
樹脂塗布装置
3か月前
株式会社オハラ
結晶化ガラス
3か月前
株式会社ジーシー
ガラス組成物及び歯科用組成物
3か月前
日本電気硝子株式会社
ガラス板の製造方法
1か月前
AGC株式会社
ディスプレイ用ガラス
2か月前
日本電気硝子株式会社
ガラス物品の製造方法
22日前
信越化学工業株式会社
光ファイバ用ガラス母材の製造方法
1か月前
日本板硝子株式会社
ガラス繊維およびガラス繊維用組成物
1か月前
ヘラクレスガラス技研株式会社
電波透過型遮熱複層ガラス
1か月前
日本電気硝子株式会社
ガラス繊維の製造方法
11日前
株式会社オハラ
光学ガラス及び光学素子
1か月前
AGC株式会社
ガラス製造装置およびガラス製造方法
1か月前
旭ファイバーグラス株式会社
グラスウール組成物
3か月前
日本電気硝子株式会社
多孔質ガラス材の製造方法及び多孔質ガラス材
2か月前
AGC株式会社
ガラス溶解装置、およびガラス製造方法
2か月前
続きを見る