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公開番号2024076690
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2022188371
出願日2022-11-25
発明の名称分離システム及び分離方法
出願人本田技研工業株式会社,国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B01D 59/12 20060101AFI20240530BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】装置の劣化を抑制しつつ、軽水素及び重水素を含む流体から高い分離効率で重水素を分離できる分離システム及び分離方法の提供。
【解決手段】複数の分離装置を直列に連結して備え、複数の分離装置はアノード触媒層とカソード触媒層が設けられた電解質膜を備え、アノード流路には軽水素及び重水素を含む第一流体を流入する第一の流入流路112aと、第一流体よりも重水素含有率が低い第二流体を流出する第一の流出流路112b,212bが接続され、カソード流路には第三流体を流入する第二の流入流路113a,213aと、軽水及び重水を含む第四流体を流出する第二の流出流路113b,213bが接続され、複数の分離装置のうち少なくとも最上流の分離装置が、第三流体として水蒸気を含む気体を流入し、第四流体として第三流体とアノード触媒層からカソード触媒層へ移動した重水素とを流出する第一の分離装置10である、分離システム1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも軽水素及び重水素を含む流体から前記重水素を分離する複数の分離装置を直列に連結して備える分離システムであって、
前記複数の分離装置は、それぞれ電解質を有する電解質膜を備え、
前記電解質膜の両面のうち、第一の面にアノード触媒層及びアノード流路がこの順に設けられ、第二の面にカソード触媒層及びカソード流路がこの順に設けられ、
前記アノード流路には、少なくとも軽水素及び重水素を含む気体である第一流体を前記アノード流路に流入する第一の流入流路と、前記第一流体よりも重水素含有率が低い気体である第二流体を前記アノード流路から流出する第一の流出流路とが接続され、
前記カソード流路には、第三流体を前記カソード流路に流入する第二の流入流路と、少なくとも軽水及び重水を含む第四流体を前記カソード流路から流出する第二の流出流路とが接続され、
前記複数の分離装置のうち少なくとも最上流の分離装置が、前記第三流体として少なくとも水蒸気を含む気体を前記カソード流路に流入し、前記第四流体として前記カソード流路を通過した前記第三流体と前記アノード触媒層から前記カソード触媒層へ移動した前記重水素とを前記カソード流路から流出する第一の分離装置である、分離システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第一の分離装置は、前記水蒸気を発生させる加湿器を備える、請求項1に記載の分離システム。
【請求項3】
前記第一の分離装置において前記カソード流路に流入される前記第三流体は窒素をさらに含む、請求項1又は2に記載の分離システム。
【請求項4】
前記複数の分離装置は、1つ以上の前記第一の分離装置と、前記第一の分離装置の下流に設けられた、前記第一の分離装置以外の1つ以上の第二の分離装置とからなり、
前記第一の分離装置では発電は行わず、
前記第二の分離装置では発電を行う、請求項1又は2に記載の分離システム。
【請求項5】
前記複数の分離装置のうち少なくとも1つは、循環手段をさらに備え、
前記循環手段は、前記アノード流路から流出した前記第二流体の一部を、前記アノード流路に返送する第一の返送流路を有する、請求項1又は2に記載の分離システム。
【請求項6】
前記複数の分離装置は、1つ以上の前記第一の分離装置と、前記第一の分離装置の下流に設けられた、前記第一の分離装置以外の1つ以上の第二の分離装置とからなり、
前記第一の分離装置の発電量が、前記第二の分離装置の発電量よりも小さい、請求項1又は2に記載の分離システム。
【請求項7】
直列に連結した複数の分離装置を用いた、少なくとも軽水素及び重水素を含む流体から重水素を分離する分離方法であって、
前記複数の分離装置は、それぞれ電解質を有する電解質膜を備え、
前記電解質膜の両面のうち、第一の面にアノード触媒層及びアノード流路がこの順に設けられ、第二の面にカソード触媒層及びカソード流路がこの順に設けられ、
少なくとも軽水素及び重水素を含む気体である第一流体を前記アノード流路に流入し、前記第一流体よりも重水素含有率が低い気体である第二流体を前記アノード流路から流出し、
第三流体を前記カソード流路に流入し、少なくとも軽水及び重水を含む第四流体を前記カソード流路から流出し、
前記複数の分離装置のうち少なくとも最上流の分離装置において、前記第三流体として少なくとも水蒸気を含む気体を前記カソード流路に流入し、前記第四流体として前記カソード流路を通過した前記第三流体と前記アノード触媒層から前記カソード触媒層へ移動した前記重水素とを前記カソード流路から流出する、分離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軽水素及び重水素を含む流体から重水素を分離する分離システム及び分離方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
水素同位体である重水素の濃縮技術として、直列に連結した複数の燃料電池を用い、各燃料電池において独立に発電を行いつつ、水素同位体を含むガスから水素同位体を分離して、水素同位体を含有する液水として取り出す方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2018/194182号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、複数の燃料電池の発電を利用しているため、燃料電池が劣化しやすい。また、重水素を含むガスから重水素を効率的に分離できず、重水素の濃度が高い液水として取り出すことができない。
【0005】
本発明は、装置の劣化を抑制しつつ、軽水素及び重水素を含む流体から高い分離効率で重水素を分離できる分離システム及び分離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記の態様を有する。
[1] 本発明に係る分離システムは、少なくとも軽水素及び重水素を含む流体から前記重水素を分離する複数の分離装置を直列に連結して備える分離システムであって、前記複数の分離装置は、それぞれ電解質を有する電解質膜を備え、前記電解質膜の両面のうち、第一の面にアノード触媒層及びアノード流路がこの順に設けられ、第二の面にカソード触媒層及びカソード流路がこの順に設けられ、前記アノード流路には、少なくとも軽水素及び重水素を含む気体である第一流体を前記アノード流路に流入する第一の流入流路と、前記第一流体よりも重水素含有率が低い気体である第二流体を前記アノード流路から流出する第一の流出流路とが接続され、前記カソード流路には、第三流体を前記カソード流路に流入する第二の流入流路と、少なくとも軽水及び重水を含む第四流体を前記カソード流路から流出する第二の流出流路とが接続され、前記複数の分離装置のうち少なくとも最上流の分離装置が、前記第三流体として少なくとも水蒸気を含む気体を前記カソード流路に流入し、前記第四流体として前記カソード流路を通過した前記第三流体と前記アノード触媒層から前記カソード触媒層へ移動した前記重水素とを前記カソード流路から流出する第一の分離装置である。
この構成によれば、第一の分離装置において、カソード流路に酸素の代わりに水蒸気を含む気体である第三流体を流入することで、同位体交換反応によりHD+H

O⇔H

+HDOとなり、重水素を分離する分離係数が向上する。加えて、第一の分離装置では発電を利用しなくても重水素を分離できるのでH

の消費を抑えることができ、分離システムの劣化も抑制することができる。
【0007】
[2] 前記第一の分離装置は、前記水蒸気を発生させる加湿器を備えていてもよい。
この構成によれば、第一の分離装置において、カソード触媒層に第三流体として水蒸気を流入しやすい。
【0008】
[3] 前記第一の分離装置において前記カソード流路に流入される前記第三流体は窒素をさらに含でいてもよい。
この構成によれば、同位体交換反応が起こりやすくなり、反応効率も上がる。
【0009】
[4] 前記複数の分離装置は、1つ以上の前記第一の分離装置と、前記第一の分離装置の下流に設けられた、前記第一の分離装置以外の1つ以上の第二の分離装置とからなり、前記第一の分離装置では発電は行わず、前記第二の分離装置では発電を行ってもよい。
この構成によれば、第一の分離装置のアノード触媒層から流出した第二流体を第二の分離装置にて発電に利用でき、消費することができる。
【0010】
[5] 前記複数の分離装置のうち少なくとも1つは、循環手段をさらに備え、前記循環手段は、前記アノード流路から流出した前記第二流体の一部を、前記アノード流路に返送する第一の返送流路を有していてもよい。
この構成によれば、アノード流路から流出した第二流体を再利用でき、重水素を含む第二流体を余すことなく使用できる。
(【0011】以降は省略されています)

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