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公開番号2024065264
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022174021
出願日2022-10-31
発明の名称レーザー加工装置
出願人株式会社ディスコ
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類B23K 26/364 20140101AFI20240508BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】被加工物にレーザー光線を照射して溝を形成した後に、デブリを除去するために改めてレーザー光線の照射する必要がないレーザー加工装置を提供する。
【解決手段】レーザー光線照射手段の発振機構は、成長デブリを破壊する第一のモードと、溶融デブリの発生を抑制する第二のモードと、成長デブリを破壊するとともに溶融デブリの発生を抑制する第三のモードとを有しする。発振機構38は、第一のモードと、第二のモードと、第三のモードとのいずれかを選択する選択手段を備え、第一のモードにおいて第一のグループを一単位として繰り返し周波数を設定し、第二のモードにおいて第二のグループを一単位として繰り返し周波数を設定し、第三のモードにおいて第三のグループを一単位として繰り返し周波数を設定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする送り手段と、を含むレーザー加工装置であって、
該レーザー光線照射手段は、パルスレーザー光線を発振する発振機構と、該発振機構が発振したパルスレーザー光線を集光して該保持手段に保持された被加工物に照射する集光器と、を含み、
該発振機構は、
被加工物へのパルスレーザー光線の照射によって被加工物から発生するプラズマが消滅するまでの時間内に次のパルスレーザー光線を照射してプラズマを途切れることなく継続させて成長デブリを破壊するパルスレーザー光線の数を設定して第一のグループとする第一のグループ設定部と、該第一のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第一のグループと隣接する該第一のグループとの時間間隔とするとともに該第一のグループを構成するパルスレーザー光線の時間間隔を設定する第一の時間間隔設定部と、を備える第一のモードと、
被加工物へのパルスレーザー光線の照射によって溶融デブリが発生する時間より短い時間でパルスレーザー光線を照射することを条件として溶融デブリが固化する時間までに照射するパルスレーザー光線の数を設定して第二のグループとする第二のグループ設定部と、該第二のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第二のグループと隣接する該第二のグループとの時間間隔とするとともに該第二のグループを構成するパルスレーザー光線の時間間隔を設定する第二の時間間隔設定部と、を備える第二のモードと、
被加工物へのパルスレーザー光線の照射によって溶融デブリが発生する時間より短い時間であるとともにパルスレーザー光線の照射によって被加工物から発生するプラズマが消滅するまでの時間内に次のパルスレーザー光線を照射してプラズマを途切れることなく継続させて成長デブリを破壊することを条件として溶融デブリが固化する時間までに照射するパルスレーザー光線の数を設定して第三のグループとする第三のグループ設定部と、該第三のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第三のグループと隣接する該第三のグループとの時間間隔とするとともに該第三のグループを構成するパルスレーザー光線の時間間隔を設定する第三の時間間隔設定部と、を備える第三のモードと、を有し、
該第一のモードと、該第二のモードと、該第三のモードとのいずれかを選択する選択手段を備え、
該第一のモードにおいて該第一のグループを一単位として繰り返し周波数を設定し、
該第二のモードにおいて該第二のグループを一単位として繰り返し周波数を設定し、
該第三のモードにおいて該第三のグループを一単位として繰り返し周波数を設定するレーザー加工装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
該発振機構は、パルスレーザー光線を発振する複数のレーザーダイオードを備え、
該第一のグループ設定部において、該複数のレーザーダイオードが発振するパルスレーザー光線によって該第一のグループを設定し、
該第二のグループ設定部において、該複数のレーザーダイオードが発振するパルスレーザー光線によって該第二のグループを設定し、
該第三のグループ設定部において、該複数のレーザーダイオードが発振するパルスレーザー光線によって該第三のグループを設定し、
該第一の時間間隔設定部において、パルス遅延生成器によって該複数のレーザーダイオードに所望の時間間隔で信号を入力するとともに、該第一のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第一のグループと隣接する該第一のグループとの時間間隔となるように信号を入力し、
該第二の時間間隔設定部において、パルス遅延生成器によって該複数のレーザーダイオードに所望の時間間隔で信号を入力するとともに、該第二のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第二のグループと隣接する該第二のグループとの時間間隔となるように信号を入力し、
該第三の時間間隔設定部において、パルス遅延生成器によって該複数のレーザーダイオードに所望の時間間隔で信号を入力するとともに、該第三のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第三のグループと隣接する該第三のグループとの時間間隔となるように信号を入力する、請求項1記載のレーザー加工装置。
【請求項3】
該発振機構は、パルスレーザー光線を発振する複数の発振器を備え、
該第一のグループ設定部において、該複数の発振器が発振するパルスレーザー光線によって該第一のグループを設定し、
該第二のグループ設定部において、該複数の発振器が発振するパルスレーザー光線によって該第二のグループを設定し、
該第三のグループ設定部において、該複数の発振器が発振するパルスレーザー光線によって該第三のグループを設定し、
該第一の時間間隔設定部において、遅延電圧器によって該複数の発振器に所望の時間間隔で電圧を印可するとともに、該第一のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第一のグループと隣接する該第一のグループとの時間間隔となるように電圧を印可し、
該第二の時間間隔設定部において、遅延電圧器によって該複数の発振器に所望の時間間隔で電圧を印可するとともに、該第二のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第二のグループと隣接する該第二のグループとの時間間隔となるように電圧を印可し、
該第三の時間間隔設定部において、遅延電圧器によって該複数の発振器に所望の時間間隔で電圧を印可するとともに、該第三のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第三のグループと隣接する該第三のグループとの時間間隔となるように電圧を印可する、請求項1記載のレーザー加工装置。
【請求項4】
該第一のモードにおいて、1秒間に発振する複数の該第一のグループから所定数の該第一のグループを間引くことによって繰り返し周波数を設定し、
該第二のモードにおいて、1秒間に発振する複数の該第二のグループから所定数の該第二のグループを間引くことによって繰り返し周波数を設定し、
該第三のモードにおいて、1秒間に発振する複数の該第三のグループから所定数の該第三のグループを間引くことによって繰り返し周波数を設定する、請求項1記載のレーザー加工装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、保持手段とレーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする送り手段と、を含むレーザー加工装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、レーザー加工装置によって個々のデバイスチップに分割され、分割された各デバイスチップは携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
レーザー加工装置は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、保持手段とレーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする送り手段と、を含んでいて、ウエーハを高精度に個々のデバイスチップに分割することができる。
【0004】
ところが、レーザー光線の照射によって発生した溶融デブリがデバイスに付着してデバイスチップの品質を悪化させるという問題がある。また、特に銅配線がシリコン基板に積層されたウエーハにおいては、レーザー光線の照射によって銅とシリコンとが溶け合い混ざり合ったデブリがデバイスに付着してデバイスチップの品質を悪化させるという問題がある。このデブリは、半導体材料と金属材料とを含む被加工物において発生しやすいデブリであり、レーザー光線の照射後、時間経過に伴って成長するため成長デブリと呼ばれることがある。
【0005】
そこで、本出願人は、デバイスチップの外周に生成された溶融デブリ、成長デブリを除去するために再度レーザー光線を照射する技術を開発した(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-133437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に開示されている技術においては、被加工物に溝を形成するためのレーザー光線を照射した後に、溶融デブリ、成長デブリを除去するためのレーザー光線を照射する必要があるため、生産性に改善の余地がある。
【0008】
本発明の課題は、被加工物にレーザー光線を照射して溝を形成した後に、デブリを除去するために改めてレーザー光線を照射する必要がないレーザー加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上記の課題を解決する以下のレーザー加工装置が提供される。すなわち、
「被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする送り手段と、を含むレーザー加工装置であって、
該レーザー光線照射手段は、パルスレーザー光線を発振する発振機構と、該発振機構が発振したパルスレーザー光線を集光して該保持手段に保持された被加工物に照射する集光器と、を含み、
該発振機構は、
被加工物へのパルスレーザー光線の照射によって被加工物から発生するプラズマが消滅するまでの時間内に次のパルスレーザー光線を照射してプラズマを途切れることなく継続させて成長デブリを破壊するパルスレーザー光線の数を設定して第一のグループとする第一のグループ設定部と、該第一のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第一のグループと隣接する該第一のグループとの時間間隔とするとともに該第一のグループを構成するパルスレーザー光線の時間間隔を設定する第一の時間間隔設定部と、を備える第一のモードと、
被加工物へのパルスレーザー光線の照射によって溶融デブリが発生する時間より短い時間でパルスレーザー光線を照射することを条件として溶融デブリが固化する時間までに照射するパルスレーザー光線の数を設定して第二のグループとする第二のグループ設定部と、該第二のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第二のグループと隣接する該第二のグループとの時間間隔とするとともに該第二のグループを構成するパルスレーザー光線の時間間隔を設定する第二の時間間隔設定部と、を備える第二のモードと、
被加工物へのパルスレーザー光線の照射によって溶融デブリが発生する時間より短い時間であるとともにパルスレーザー光線の照射によって被加工物から発生するプラズマが消滅するまでの時間内に次のパルスレーザー光線を照射してプラズマを途切れることなく継続させて成長デブリを破壊することを条件として溶融デブリが固化する時間までに照射するパルスレーザー光線の数を設定して第三のグループとする第三のグループ設定部と、該第三のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第三のグループと隣接する該第三のグループとの時間間隔とするとともに該第三のグループを構成するパルスレーザー光線の時間間隔を設定する第三の時間間隔設定部と、を備える第三のモードと、を有し、
該第一のモードと、該第二のモードと、該第三のモードとのいずれかを選択する選択手段を備え、
該第一のモードにおいて該第一のグループを一単位として繰り返し周波数を設定し、
該第二のモードにおいて該第二のグループを一単位として繰り返し周波数を設定し、
該第三のモードにおいて該第三のグループを一単位として繰り返し周波数を設定するレーザー加工装置」が提供される。
【0010】
好ましくは、該発振機構は、パルスレーザー光線を発振する複数のレーザーダイオードを備え、
該第一のグループ設定部において、該複数のレーザーダイオードが発振するパルスレーザー光線によって該第一のグループを設定し、
該第二のグループ設定部において、該複数のレーザーダイオードが発振するパルスレーザー光線によって該第二のグループを設定し、
該第三のグループ設定部において、該複数のレーザーダイオードが発振するパルスレーザー光線によって該第三のグループを設定し、
該第一の時間間隔設定部において、パルス遅延生成器によって該複数のレーザーダイオードに所望の時間間隔で信号を入力するとともに、該第一のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第一のグループと隣接する該第一のグループとの時間間隔となるように信号を入力し、
該第二の時間間隔設定部において、パルス遅延生成器によって該複数のレーザーダイオードに所望の時間間隔で信号を入力するとともに、該第二のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第二のグループと隣接する該第二のグループとの時間間隔となるように信号を入力し、
該第三の時間間隔設定部において、パルス遅延生成器によって該複数のレーザーダイオードに所望の時間間隔で信号を入力するとともに、該第三のグループのパルスレーザー光線の照射によって生じた熱が冷めるまでの時間を該第三のグループと隣接する該第三のグループとの時間間隔となるように信号を入力する。
(【0011】以降は省略されています)

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