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公開番号2024062603
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-10
出願番号2022170558
出願日2022-10-25
発明の名称電流出力装置および抵抗測定装置
出願人日置電機株式会社
代理人個人
主分類H03F 1/52 20060101AFI20240501BHJP(基本電子回路)
要約【課題】電圧源を誤って逆極性で接続したときであっても半導体素子の故障を回避する。
【解決手段】電流制御信号Sicを出力する定電流制御部3と、電源電圧+Vccを可変して供給電圧+Vcを出力する可変電源部4pと、電源電圧-Vccを可変して供給電圧-Vcを出力する可変電源部4mと、電流制御信号Sicを増幅して定電流Ipを出力するFET5pと、電流制御信号Sicを増幅して定電流Imを出力するFET5mと、供給電圧+VcがFET5pのソースの電圧値よりも高くなるように可変電源部4pを制御する電圧制御部6pと、供給電圧-VcがFET5mのソースの電圧値よりも低くなるように可変電源部4mを制御する電圧制御部6mと、供給電圧+Vcが第1のしきい値電圧よりも低下したときおよび供給電圧-Vcが第2のしきい値電圧よりも上昇したときに、遮断回路7に接続点P1と抵抗Rtとの接続を遮断させる処理部9とを備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
正極性の定電流信号の電流値を制御する電流制御信号を出力する定電流制御部と、
入力されている正電圧の第1の電源電圧の電圧値を第1の電圧制御信号に従って可変して第1の供給電圧として出力する第1の可変電源部と、
前記定電流制御部から出力された前記電流制御信号を前記第1の供給電圧を用いて増幅して電流出力端子から前記定電流信号として負荷に出力する第1の半導体素子と、
前記第1の供給電圧の電圧値が前記第1の半導体素子における前記電流出力端子の電圧値の高低に追従して、かつ当該電流出力端子の電圧値よりも高い電圧値となるように、前記第1の電圧制御信号を出力して前記第1の可変電源部を制御する第1の電圧制御部とを備えている電流出力装置であって、
前記第1の半導体素子の前記電流出力端子と前記負荷との間に配設されて遮断制御信号に従い当該電流出力端子と当該負荷との接続を遮断する遮断部と、
前記第1の供給電圧の電圧値が予め規定された第1のしきい値電圧よりも低下したときに前記遮断制御信号を前記遮断部に出力して前記第1の半導体素子の前記電流出力端子と前記負荷との接続を遮断させる処理部とを備えている電流出力装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
負極性の定電流信号の電流値を制御する電流制御信号を出力する定電流制御部と、
入力されている負電圧の第2の電源電圧の電圧値を第2の電圧制御信号に従って可変して第2の供給電圧として出力する第2の可変電源部と、
前記定電流制御部から出力された前記電流制御信号を前記第2の供給電圧を用いて増幅して電流出力端子から前記定電流信号として負荷に出力する第2の半導体素子と、
前記第2の供給電圧の電圧値が前記第2の半導体素子における前記電流出力端子の電圧値の高低に追従して、かつ当該電流出力端子の電圧値よりも低い電圧値となるように、前記第2の電圧制御信号を出力して前記第2の可変電源部を制御する第2の電圧制御部とを備えている電流出力装置であって、
前記第2の半導体素子の前記電流出力端子と前記負荷との間に配設されて遮断制御信号に従い当該電流出力端子と当該負荷との接続を遮断する遮断部と、
前記第2の供給電圧の電圧値が予め規定された第2のしきい値電圧よりも上昇したときに前記遮断制御信号を前記遮断部に出力して前記第2の半導体素子の前記電流出力端子と前記負荷との接続を遮断させる処理部とを備えている電流出力装置。
【請求項3】
正極性および負極性のいずれか一方の極性の定電流信号の電流値を制御する電流制御信号を出力する定電流制御部と、
入力されている正電圧の第1の電源電圧の電圧値を第1の電圧制御信号に従って可変して第1の供給電圧として出力する第1の可変電源部と、
入力されている負電圧の第2の電源電圧の電圧値を第2の電圧制御信号に従って可変して第2の供給電圧として出力する第2の可変電源部と、
前記正極性の定電流信号の電流値を制御する電流制御信号が前記定電流制御部から出力されたときに作動して、前記定電流制御部から出力された前記電流制御信号を前記第1の供給電圧を用いて増幅して電流出力端子から前記正極性の定電流信号として負荷に出力する第1の半導体素子と、
前記負極性の定電流信号の電流値を制御する電流制御信号が前記定電流制御部から出力されたときに作動して、前記定電流制御部から出力された前記電流制御信号を前記第2の供給電圧を用いて増幅して電流出力端子から前記負極性の定電流信号として前記負荷に出力する第2の半導体素子と、
前記第1の供給電圧の電圧値が前記第1の半導体素子における前記電流出力端子の電圧値の高低に追従して、かつ当該電流出力端子の電圧値よりも高い電圧値となるように、前記第1の電圧制御信号を出力して前記第1の可変電源部を制御する第1の電圧制御部と、
前記第2の供給電圧の電圧値が前記第2の半導体素子における前記電流出力端子の電圧値の高低に追従して、かつ当該電流出力端子の電圧値よりも低い電圧値となるように、前記第2の電圧制御信号を出力して前記第2の可変電源部を制御する第2の電圧制御部とを備え、
前記第1の半導体素子の前記電流出力端子および前記第2の半導体素子の前記電流出力端子の接続点と前記負荷との間に配設されて遮断制御信号に従い当該接続点と当該負荷との接続を遮断する遮断部と、
前記正極性の定電流信号の電流値を制御する前記電流制御信号が前記定電流制御部から出力されている状態において前記第1の供給電圧の電圧値が予め規定された第1のしきい値電圧よりも低下したとき、および前記負極性の定電流信号の電流値を制御する前記電流制御信号が前記定電流制御部から出力されている状態において前記第2の供給電圧の電圧値が予め規定された第2のしきい値電圧よりも上昇したときに、前記遮断制御信号を前記遮断部に出力して前記接続点と前記負荷との接続を遮断させる処理部とを備えている電流出力装置。
【請求項4】
前記第1の電圧制御部は、前記第1の半導体素子における前記第1の供給電圧が入力される電流入力端子の電圧が当該第1の半導体素子の前記電流出力端子の電圧よりも予め規定された電圧値だけ高くなるように、前記第1の電圧制御信号を出力して前記第1の可変電源部を制御する請求項1記載の電流出力装置。
【請求項5】
前記第1の電圧制御部は、前記第1の半導体素子における前記第1の供給電圧が入力される電流入力端子の電圧が当該第1の半導体素子の前記電流出力端子の電圧よりも予め規定された電圧値だけ高くなるように、前記第1の電圧制御信号を出力して前記第1の可変電源部を制御する請求項3記載の電流出力装置。
【請求項6】
前記第2の電圧制御部は、前記第2の半導体素子における前記第2の供給電圧が入力される電流入力端子の電圧が当該第2の半導体素子の前記電流出力端子の電圧よりも予め規定された電圧値だけ低くなるように、前記第2の電圧制御信号を出力して前記第2の可変電源部を制御する請求項2記載の電流出力装置。
【請求項7】
前記第2の電圧制御部は、前記第2の半導体素子における前記第2の供給電圧が入力される電流入力端子の電圧が当該第2の半導体素子の前記電流出力端子の電圧よりも予め規定された電圧値だけ低くなるように、前記第2の電圧制御信号を出力して前記第2の可変電源部を制御する請求項3記載の電流出力装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の電流出力装置と、前記負荷としての測定対象に前記定電流信号を供給すると共に当該測定対象の両端に発生する電圧と当該定電流信号の電流値とに基づいて当該測定対象の抵抗値を測定する測定部とを備えている抵抗測定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、定電流信号を負荷に出力可能に構成された電流出力装置、およびそのような電流出力装置を備えて測定対象の抵抗値を測定可能な抵抗測定装置に関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
この種の電流出力装置として、下記の特許文献に開示された電流出力装置(以下、「電流出力装置1X」ともいう)が知られている。図4に示すように、この電流出力装置1Xは、差動増幅器OPX、トランジスタTRX(半導体素子)、FET2X、抵抗Ra,Rb,Rs1および電圧制御部VCXを備えて構成されている。
【0003】
この電流出力装置1Xでは、差動増幅器OPXが、外部から非反転入力端子に入力された入力信号Vsの電圧値と反転入力端子に入力されるフィードバック電圧Vfとの差分信号をトランジスタTRXのベースに出力する。また、トランジスタTRXは、コレクタに入力される降圧された電圧Vcを用いて差分信号を増幅して、外部負荷RLに定電流の負荷電流ILを出力する。この結果、トランジスタTRXのエミッタの電圧は負荷電圧VLとなる。この際に、電圧制御部VCXが、電源から供給される電源電圧Vddを降圧し、降圧した電圧VcとしてトランジスタTRXのコレクタに出力する。また、抵抗Ra,Rbが、電圧制御部VCXから出力される降圧された電圧Vcと、FET2Xから出力されるドレイン電流IDとの両方に比例する基準電圧Vref(=α×Vc+β×ID)を生成して電圧制御部VCXに出力する。これにより、電圧制御部VCXは、基準電圧Vrefの値が一定に保持されるように、予め定められた最低電圧から電源電圧Vddまでの範囲で降圧された電圧Vcを制御する。
【0004】
この場合、トランジスタTRXのコレクタ-エミッタ間電圧Vce(=Vc-VL)が大きくなったときには、この電位差(Vc-VL)と大きさが等しいFET2Xのゲート-ソース間電圧がFET2Xのしきい値電圧Vthを超えるとドレイン電流IDが流れるため、基準電圧Vrefが大きくなる。
【0005】
一方、電圧制御部VCXは、基準電圧Vrefの値が一定に保持されるように電圧Vcを制御するため、ドレイン電流IDが流れた際には、電圧Vcを降圧する。これにより、トランジスタTRXのコレクタ-エミッタ間電圧Vce(Vc-VL)の上昇が抑制される。したがって、この電流出力装置1Xによれば、入力信号Vsが大きく、かつ外部負荷RLが小さい場合であっても、トランジスタTRXのコレクタ-エミッタ間電圧Vce(=Vc-VL)の上昇が抑制されるため、(Vc-VL)×ILで表されるトランジスタTRXの消費電力の上昇が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6257536号公報(第5-11頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記の電流出力装置1Xには、以下のような課題が存在する。具体的には、電流出力装置1Xの用途としては、本来的には、抵抗である外部負荷RLに定電流の負荷電流ILを出力することが想定されている。この場合、例えば、負荷電流ILとして1Aの定電流を出力し、抵抗Rs1の抵抗値を1Ωとすることを想定すると、入力信号Vsとして+1Vを入力することになる。したがって、差動増幅器OPXの反転端子(抵抗Rs1の両端)に入力されるフィードバック電圧Vfの電圧値は、入力信号Vsの電圧値とほぼ等しい電圧である+1V(1Ω×負荷電流ILの電流値)となる。
【0008】
一方、外部負荷RLを接続するつもりが、外部負荷RLに代えて、電圧源(一例として「電池Bat」とする。)を誤って逆極性で接続してしまうことがある。例えば、図4に示すように、電池電圧が3Vの電池Batを外部負荷RLに代えて誤って逆接続したときには、トランジスタTRXのエミッタの電圧である負荷電圧VLは、-2V(=+1V-3V)となる。このため、電圧制御部VCXは、FET2Xおよび抵抗Ra,Rbによって生成される基準電圧Vrefを入力して電圧Vcを低下させるように制御する。しかしながら、電圧制御部VCXによって最も低下させられる電圧Vcの予め定められた最低電圧は、電源電圧Vddが正の電圧のため、0V以上となっている。この状態では、トランジスタTRXのコレクタ-エミッタ間電圧Vceが少なくとも+2Vとなるため、トランジスタTRXの消費電力は少なくとも2W(+2V×1A)と大きな消費電力となる。したがって、この電流出力装置1Xには、外部負荷RLに代えて電池Batを誤って逆極性で接続したときに、トランジスタTRXの発火や故障を招くという問題点がある。また、トランジスタTRXの発火や故障を防止するためには、トランジスタTRXとして定格消費電力の大きなトランジスタを使用したり、複数のトランジスタを並列接続したりしたうえで、さらに大きなヒートシンクを用いなければならないため、部品のコスト、ひいては電流出力装置の製造コストが増大するという問題点がある。
【0009】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、電圧源を誤って負荷として逆極性で接続したときであっても半導体素子の故障を回避し得る電流出力装置、およびそのような電流出力装置を備えて負荷として接続されている測定対象の抵抗値を測定する抵抗測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく、本発明に係る電流出力装置は、正極性の定電流信号の電流値を制御する電流制御信号を出力する定電流制御部と、入力されている正電圧の第1の電源電圧の電圧値を第1の電圧制御信号に従って可変して第1の供給電圧として出力する第1の可変電源部と、前記定電流制御部から出力された前記電流制御信号を前記第1の供給電圧を用いて増幅して電流出力端子から前記定電流信号として負荷に出力する第1の半導体素子と、前記第1の供給電圧の電圧値が前記第1の半導体素子における前記電流出力端子の電圧値の高低に追従して、かつ当該電流出力端子の電圧値よりも高い電圧値となるように、前記第1の電圧制御信号を出力して前記第1の可変電源部を制御する第1の電圧制御部とを備えている電流出力装置であって、前記第1の半導体素子の前記電流出力端子と前記負荷との間に配設されて遮断制御信号に従い当該電流出力端子と当該負荷との接続を遮断する遮断部と、前記第1の供給電圧の電圧値が予め規定された第1のしきい値電圧よりも低下したときに前記遮断制御信号を前記遮断部に出力して前記第1の半導体素子の前記電流出力端子と前記負荷との接続を遮断させる処理部とを備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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