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公開番号2024058963
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022166412
出願日2022-10-17
発明の名称カーボンナノチューブ回収装置およびカーボンナノチューブ製造装置ならびにカーボンナノチューブの回収方法
出願人DOWAサーモテック株式会社,株式会社名城ナノカーボン,株式会社大阪ソーダ
代理人個人,個人,個人,個人
主分類D01F 9/133 20060101AFI20240422BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】カーボンナノチューブの量産製造時において、所望量のカーボンナノチューブを製造するまでの時間を短縮することが可能なカーボンナノチューブ回収装置およびカーボンナノチューブの製造装置ならびにカーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブ生成装置2で生成されたカーボンナノチューブを回収するカーボンナノチューブ回収装置3において、巻取室30と、回収室40と、回収室40内に供給されたガスを排出する第1排気ライン61と、巻取室30内に供給されたガスを排出する第2排気ライン70と、を設け、回収室40は、巻取室30と通じる第1開口部51を有し、第1開口部51を開閉する開閉機構53を設け、第1排気ライン61からの排気と、第2排気ライン70からの排気と、第1排気ライン61及び第2排気ライン70の両方からの排気とを変更可能に構成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
カーボンナノチューブ生成装置で生成されたカーボンナノチューブを回収するカーボンナノチューブ回収装置であって、
前記カーボンナノチューブを巻き取る巻取室と、
前記巻取室よりも下方に設けられ、前記カーボンナノチューブを回収する回収室と、
前記回収室内に供給されたガスを排出する第1排気ラインと、
前記第1排気ラインが接続される排気口と、
前記巻取室内に供給されたガスを排出する第2排気ラインと、を有し、
前記巻取室は、
前記カーボンナノチューブを巻き取る巻取部材と、
前記第2排気ラインが接続される排気口と、を有し、
前記回収室は、前記巻取室と通じる第1開口部を有し、
前記第1開口部を開閉する開閉機構が設けられ、
前記第1排気ラインからの排気と、前記第2排気ラインからの排気と、前記第1排気ライン及び前記第2排気ラインの両方からの排気とを変更可能に構成されていることを特徴とする、カーボンナノチューブ回収装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記第1排気ラインと前記第2排気ラインの動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1開口部が開口した状態で前記カーボンナノチューブを巻き取って形成した巻回体を前記回収室に貯蔵する工程において、少なくとも前記第1排気ラインからの排気を行い、
前記第1開口部が閉口した状態で前記回収室内の前記カーボンナノチューブを回収する工程において、少なくとも前記第2排気ラインからの排気を行う制御を実行するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
【請求項3】
前記排気口は、前記巻取部材よりも下方に位置していることを特徴とする、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
【請求項4】
前記第2排気ラインは、
排ガス中の前記カーボンナノチューブを捕集するフィルターと、
前記フィルターに付着した前記カーボンナノチューブを剥離させる清掃機構と、を有すること特徴とする、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
【請求項5】
前記巻取室内に供給されたガスを排出する第3排気ラインを有し、
前記第2排気ラインからの排気と前記第3排気ラインからの排気とを変更可能に構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
【請求項6】
前記回収室の内部に、該回収室に対して着脱自在に設置されたメッシュ状の回収カゴが設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
【請求項7】
前記回収室内に貯蔵された前記カーボンナノチューブを圧縮する圧縮機構を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
【請求項8】
前記回収室は、
ハウジングと、
前記ハウジングの下方に設けられた貯蔵容器と、を有し、
前記ハウジングには、前記第1開口部と、前記開閉機構と、前記貯蔵容器と通じる第2開口部と、が設けられ、
前記貯蔵容器は、前記ハウジングに対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
【請求項9】
カーボンナノチューブを生成する生成装置と、
請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ回収装置と、を有することを特徴とする、カーボンナノチューブ製造装置。
【請求項10】
請求項1に記載のカーボンナノチューブ回収装置を用いたカーボンナノチューブの回収方法であって、
前記第1開口部が開口した状態で、カーボンナノチューブ生成装置で生成されたカーボンナノチューブを巻き取って形成した巻回体を前記回収室に貯蔵する貯蔵工程と、
前記第1開口部が閉口した状態で、前記回収室内の前記カーボンナノチューブを回収する回収工程と、を有し、
前記貯蔵工程において、少なくとも前記第1排気ラインからの排気を行い、
前記回収工程において、少なくとも前記第2排気ラインからの排気を行うことを特徴とする、カーボンナノチューブ回収方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブを回収するカーボンナノチューブ回収装置およびそのカーボンナノチューブ回収装置を有するカーボンナノチューブ製造装置ならびにカーボンナノチューブの回収方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブは、導電性、熱伝導性、機械的強度等の優れた特性を有することから、多くの分野で注目されている新素材である。カーボンナノチューブの製造装置として、特許文献1には、炭素を含む原料(炭素源)を熱分解させてカーボンナノチューブを生成する化学気相成長法(すなわちCVD法)を用いた製造装置が知られている。
【0003】
また、特許文献2には、CVD法によるカーボンナノチューブの生成を行う反応炉の回収部内、又はその近傍に、カーボンナノチューブの回収装置を設けることが開示されている。特許文献2に記載の回収装置は、カーボンナノチューブを巻き取る巻取部材を回転させることでカーボンナノチューブをロール状に巻き取って巻回体を形成し、その巻回体を回収部に設けられた取り出し口から取り出してカーボンナノチューブを回収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-064918号公報
特開2004-190166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載のカーボンナノチューブの回収装置においては、カーボンナノチューブの巻回体が所定の径になった段階で回収部から巻回体を取り出している。そのため、カーボンナノチューブの巻回体を1つ製造する毎に、カーボンナノチューブの生成装置を停止し、かつ、製造された巻回体を回収するために反応炉と回収部を常温まで降温させる必要がある。また、カーボンナノチューブの生成を再開する際には、反応炉内の雰囲気温度をカーボンナノチューブの生成に適した温度まで昇温させる必要がある。
【0006】
すなわち、特許文献2に記載のカーボンナノチューブの回収装置では、カーボンナノチューブを回収する都度、反応炉の降温と再昇温が必要となり、反応炉でカーボンナノチューブを生成できない時間が長くなる。このため、カーボンナノチューブを量産製造する場合には、所望量のカーボンナノチューブの製造が完了するまでに長い時間を要していた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カーボンナノチューブの量産製造時において、所望量のカーボンナノチューブを製造するまでの時間を短縮することが可能なカーボンナノチューブ回収装置およびカーボンナノチューブの製造装置ならびにカーボンナノチューブの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために、カーボンナノチューブの生成装置と回収装置との間で雰囲気を遮断することによって、生成装置を降温させずにカーボンナノチューブを回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
上記課題を解決する本発明の一態様を以下に開示する。
[1]カーボンナノチューブ生成装置で生成されたカーボンナノチューブを回収するカーボンナノチューブ回収装置であって、
前記カーボンナノチューブを巻き取る巻取室と、
前記巻取室よりも下方に設けられ、前記カーボンナノチューブを回収する回収室と、
前記回収室内に供給されたガスを排出する第1排気ラインと、
前記第1排気ラインが接続される排気口と、
前記巻取室内に供給されたガスを排出する第2排気ラインと、を有し、
前記巻取室は、
前記カーボンナノチューブを巻き取る巻取部材と、
前記第2排気ラインが接続される排気口と、を有し、
前記回収室は、前記巻取室と通じる第1開口部を有し、
前記第1開口部を開閉する開閉機構が設けられ、
前記第1排気ラインからの排気と、前記第2排気ラインからの排気と、前記第1排気ライン及び前記第2排気ラインの両方からの排気とを変更可能に構成されていることを特徴とする、カーボンナノチューブ回収装置。
[2]前記第1排気ラインと前記第2排気ラインの動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第1開口部が開口した状態で前記カーボンナノチューブを巻き取って形成した巻回体を前記回収室に貯蔵する工程において、少なくとも前記第1排気ラインからの排気を行い、
前記第1開口部が閉口した状態で前記回収室内の前記カーボンナノチューブを回収する工程において、少なくとも前記第2排気ラインからの排気を行う制御を実行するように構成されていることを特徴とする、[1]に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[3]前記排気口は、前記巻取部材よりも下方に位置していることを特徴とする、[1]または[2]に記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[4]前記第2排気ラインは、
排ガス中の前記カーボンナノチューブを捕集するフィルターと、
前記フィルターに付着した前記カーボンナノチューブを剥離させる清掃機構と、を有すること特徴とする、[1]~[3]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[5]前記巻取室内に供給されたガスを排出する第3排気ラインを有し、
前記第2排気ラインからの排気と前記第3排気ラインからの排気とを変更可能に構成されていることを特徴とする、[1]~[4]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[6]前記回収室の内部に、該回収室に対して着脱自在に設置されたメッシュ状の回収カゴが設けられることを特徴とする、[1]~[5]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[7]前記回収室内に貯蔵された前記カーボンナノチューブを圧縮する圧縮機構を備えることを特徴とする、[1]~[6]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[8]前記回収室は、
ハウジングと、
前記ハウジングの下方に設けられた貯蔵容器と、を有し、
前記ハウジングには、前記第1開口部と、前記開閉機構と、前記貯蔵容器と通じる第2開口部と、が設けられ、
前記貯蔵容器は、前記ハウジングに対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする、[1]~[7]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置。
[9]カーボンナノチューブを生成する生成装置と、
[1]~[8]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収装置と、を有することを特徴とする、カーボンナノチューブ製造装置。
[10] [1]に記載のカーボンナノチューブ回収装置を用いたカーボンナノチューブの回収方法であって、
前記第1開口部が開口した状態で、カーボンナノチューブ生成装置で生成されたカーボンナノチューブを巻き取って形成した巻回体を前記回収室に貯蔵する貯蔵工程と、
前記第1開口部が閉口した状態で、前記回収室内の前記カーボンナノチューブを回収する回収工程と、を有し、
前記貯蔵工程において、少なくとも前記第1排気ラインからの排気を行い、
前記回収工程において、少なくとも前記第2排気ラインからの排気を行うことを特徴とする、カーボンナノチューブ回収方法。
[11]前記カーボンナノチューブを巻き取る巻取部材よりも下方で、前記第2排気ラインによる排気を行うことを特徴とする、[10]に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[12]前記第2排気ラインに設けられたフィルターに付着した前記カーボンナノチューブを剥離させる清掃機構を用いて、前記フィルターの内面を定期的に清掃することを特徴とする、[10]または[11]に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[13]前記フィルターの清掃または前記フィルターの交換作業を行う際に、前記第2排気ラインに代えて第3排気ラインを使用することを特徴とする、[12]に記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[14]前記貯蔵工程において、前記回収室の内部に設置されたメッシュ状の回収カゴに前記カーボンナノチューブを貯蔵し、
前記回収工程において、前記カーボンナノチューブが貯蔵された前記回収カゴを、他の回収カゴと交換することを特徴とする、[10]~[13]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[15]前記貯蔵工程において、前記回収室内に貯蔵された前記カーボンナノチューブを圧縮することを特徴とする、[10]~[14]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収方法。
[16]前記回収室は、ハウジングと、前記ハウジングの下方において該ハウジングに対して着脱自在に取り付けられた貯蔵容器と、を有し、
前記回収工程において、前記ハウジングから前記貯蔵容器を取り外して、前記貯蔵容器内の前記カーボンナノチューブを回収することを特徴とする、[10]~[15]のいずれかに記載のカーボンナノチューブ回収方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カーボンナノチューブの量産製造時において、所望量のカーボンナノチューブを製造するまでの時間を短縮することが可能なカーボンナノチューブ回収装置およびカーボンナノチューブの製造装置ならびにカーボンナノチューブの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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