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公開番号2024052555
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2023140136
出願日2023-08-30
発明の名称紡糸設備
出願人TMTマシナリー株式会社
代理人弁理士法人ATEN
主分類D01D 5/088 20060101AFI20240404BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】徐冷空間の上下方向における長さの意図しない変化を長期間抑制し、かつ、徐冷空間において必要な気密性を長期間維持する。
【解決手段】紡糸設備1は、紡糸装置2と、稼働位置とメンテナンス位置との間で移動可能な冷却装置3とを備える。紡糸設備1は、冷却装置3に上側への力を加えるエアシリンダ28と、紡糸装置2の紡糸口金13と冷却装置3の冷却筒21との間に形成された徐冷空間Ssの上下方向における長さを規定する筒状部42と、徐冷空間Ssと外部空間Soとの間に形成された隙間を密閉するシール部30とをさらに備える。シール部30は、接触部53と、接触部53を筒状部42へ付勢する付勢部54と、接触部53及び付勢部54によって形成される隙間を密閉する第1取付部51及び内側取付板58と、を有する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
糸材料をそれぞれ吐出可能に構成された複数の紡糸口金、を有する紡糸装置と、
前記複数の紡糸口金から吐出された前記糸材料をそれぞれ冷却可能に構成された複数の冷却部を有し、前記紡糸装置の下側に配置された冷却装置と、を備える紡糸設備であって、
前記冷却装置を、前記糸材料が紡出されるときの稼働位置と、前記稼働位置よりも下側のメンテナンス位置との間で移動させることが可能に構成され、且つ、前記冷却装置が前記稼働位置に位置しているときに前記冷却装置に対して上側への力を加えるように構成された移動機構と、
前記冷却装置が前記稼働位置に位置しているときに上下方向において前記複数の紡糸口金と前記複数の冷却部との間にそれぞれ形成された複数の徐冷空間の上下方向における長さを規定する、上下方向において前記複数の紡糸口金と前記複数の冷却部との間にそれぞれ配置された複数の規制部と、
前記冷却装置が前記稼働位置に位置しているときに、前記複数の徐冷空間と、上下方向と垂直な水平方向において前記複数の徐冷空間の外側に配置された外部空間との間に形成された隙間を密閉するように構成された複数のシール部と、をさらに備え、
前記複数のシール部の各々は、
前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち一方に取り付けられ、前記複数の徐冷空間のうち対応する1つの徐冷空間の周囲に配置され且つ前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち他方に接触するように構成された接触部と、
前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち前記一方に取り付けられ且つ前記移動機構とは別に設けられ、前記接触部を所定の付勢方向において前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち前記他方に向けて付勢するように構成された付勢部と、
前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち前記一方に固定され、前記接触部及び前記付勢部によって形成される前記隙間を密閉するように構成された、前記1つの徐冷空間と前記外部空間とを隔てる隔壁部と、を有することを特徴とする紡糸設備。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記複数の規制部の温度が前記紡糸装置及び前記冷却装置の稼働時の温度であるときに、前記複数の規制部の材料のヤング率は、10GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の紡糸設備。
【請求項3】
前記複数の規制部の材料は、金属材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紡糸設備。
【請求項4】
前記接触部の温度が前記紡糸装置及び前記冷却装置の稼働時の温度であるときに、前記接触部の材料のヤング率は、10GPa以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の紡糸設備。
【請求項5】
前記接触部の材料は、金属材料であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の紡糸設備。
【請求項6】
前記付勢部は、バネ部材を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の紡糸設備。
【請求項7】
前記バネ部材は、圧縮コイルバネであることを特徴とする請求項6に記載の紡糸設備。
【請求項8】
前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち前記一方は、前記冷却装置であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の紡糸設備。
【請求項9】
前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち前記他方は、
上下方向から見たときに前記複数の徐冷空間をそれぞれ囲むように配置され、且つ上下方向に延びた複数の延在部、を有し、
前記接触部は、前記複数の延在部のうち対応する1つの延在部の周面に接触するように配置され、
前記付勢方向は、上下方向と交差する方向であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の紡糸設備。
【請求項10】
前記複数の規制部は、前記複数の延在部をそれぞれ含み、
前記複数の延在部によって、前記複数の徐冷空間の上下方向における前記長さがそれぞれ規定されることを特徴とする請求項9に記載の紡糸設備。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紡糸設備に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、合成繊維からなる糸の紡出から巻取までの処理を行う紡糸設備が開示されている。より具体的には、紡糸設備は、紡糸装置と冷却装置とを有する。紡糸装置は、複数の紡糸口金を有し、各紡糸口金から液状の溶融ポリマーを糸材料として吐出する。冷却装置は、複数の紡糸口金に対応して設けられた複数の冷却筒を有し、各冷却筒を介して冷却風を糸材料に供給する。糸材料は、冷却風により固化されて、1以上のフィラメントからなる糸になる。
【0003】
上下方向において、紡糸装置と冷却装置との間には、降下する糸材料を徐冷するための空間(徐冷空間)が形成されている。また、徐冷空間から、徐冷空間の外側の外部空間に気体が漏れることを抑制するためのシール部材(シール部)が、上下方向において紡糸装置と冷却装置との間に挟まれるように設けられている。上記シール部は、徐冷空間の上下方向における長さを規定するための規制部材(規制部)としても用いられている。以下、説明の便宜上、規制部としても用いられているシール部を「シール部兼規制部」と呼ぶ。
【0004】
一方、特許文献2には、互いに別の部材で形成されたシール部及び規制部を有する紡糸設備が開示されている。より具体的には、紡糸装置側のシール部として筒状の上側フードとその側面に嵌合されたOリングとが設けられ、冷却装置側のシール部として筒状の下側フードが設けられている。下側フードが上側フードの径方向における内側に配置されることにより、Oリングと下側フードとが接触し、徐冷空間が密閉される。また、紡糸装置側の規制部として上側クランプ式ストッパーが設けられ、冷却装置側の規制部としてスライダープレートが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-138301号公報
特開2016-108698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には記載されていないが、徐冷空間の気密性を高めるため、可撓性を有するゴムがシール部兼規制部の材料として一般的に使用されている。紡糸装置及びその近傍の温度は約260~300℃と高いので、熱によってシール部兼規制部が劣化及び変形しやすく、徐冷空間の上下方向における長さが変わってしまうおそれがある。
【0007】
この点、特許文献2に記載のように、シール部と規制部とを別々に設けることで、規制部をゴム以外の材料で形成することは可能である。しかし、特許文献2に記載の構成においても、熱い上側フードに取り付けられ且つ下側フードと接触するOリングとして、一般的にゴム製のOリングが用いられている。このため、熱によるOリングの劣化(すなわち、シール部の劣化)が起こり、必要な気密性を長期間維持できなくなるおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、徐冷空間の上下方向における長さの意図しない変化を長期間抑制し、かつ、徐冷空間において必要な気密性を長期間維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明の紡糸設備は、糸材料をそれぞれ吐出可能に構成された複数の紡糸口金、を有する紡糸装置と、前記複数の紡糸口金から吐出された前記糸材料をそれぞれ冷却可能に構成された複数の冷却部を有し、前記紡糸装置の下側に配置された冷却装置と、を備える紡糸設備であって、前記冷却装置を、前記糸材料が紡出されるときの稼働位置と、前記稼働位置よりも下側のメンテナンス位置との間で移動させることが可能に構成され、且つ、前記冷却装置が前記稼働位置に位置しているときに前記冷却装置に対して上側への力を加えるように構成された移動機構と、前記冷却装置が前記稼働位置に位置しているときに上下方向において前記複数の紡糸口金と前記複数の冷却部との間にそれぞれ形成された複数の徐冷空間の上下方向における長さを規定する、上下方向において前記複数の紡糸口金と前記複数の冷却部との間にそれぞれ配置された複数の規制部と、前記冷却装置が前記稼働位置に位置しているときに、前記複数の徐冷空間と、上下方向と垂直な水平方向において前記複数の徐冷空間の外側に配置された外部空間との間に形成された隙間を密閉するように構成された複数のシール部と、をさらに備え、前記複数のシール部の各々は、前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち一方に取り付けられ、前記複数の徐冷空間のうち対応する1つの徐冷空間の周囲に配置され且つ前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち他方に接触するように構成された接触部と、前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち前記一方に取り付けられ且つ前記移動機構とは別に設けられ、前記接触部を所定の付勢方向において前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち前記他方に向けて付勢するように構成された付勢部と、前記紡糸装置及び前記冷却装置のうち前記一方に固定され、前記接触部及び前記付勢部によって形成される前記隙間を密閉するように構成された、前記1つの徐冷空間と前記外部空間とを隔てる隔壁部と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明では、シール部において、移動機構とは別に設けられた付勢部によって、接触部を紡糸装置及び冷却装置のうち他方に押し付けることができる。また、接触部及び付勢部によって徐冷空間と外部空間との間に隙間が形成されていても、当該隙間を隔壁部によって塞ぐことができる。徐冷空間の圧力と外部空間の圧力との差は一般的に小さいため、必要な気密性をこのようなシール部によって確保できる。これにより、接触部、付勢部及び隔壁部の各々を構成する部材として、ゴム材料からなる部材を用いなくても、徐冷空間と外部空間との間に形成される隙間をある程度密閉できる。
(【0011】以降は省略されています)

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