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公開番号2024049082
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155337
出願日2022-09-28
発明の名称糸処理装置
出願人TMTマシナリー株式会社
代理人弁理士法人ATEN
主分類D01D 7/00 20060101AFI20240402BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】糸走行方向において糸処理装置の糸処理部の上流側と下流側に配置された2つの規制ガイドへの糸掛け作業を容易にすることである。
【解決手段】糸処理装置7は、糸処理部21と、第1規制ガイド22と、第2規制ガイド23と、第1糸保持部材24と、第2糸保持部材25とを含む。第1糸保持部材24は、複数の第1保持溝24aを有し、糸掛位置と受け渡し完了位置との間を移動可能である。第2糸保持部材25は、複数の第2保持溝25aを有し、糸掛位置と受け渡し完了位置との間を移動可能である。糸掛位置にある第1糸保持部材24と、糸掛位置にある第2糸保持部材25とは、糸走行方向において互いに隣接している。左右方向から見たときに、糸掛位置にある第1糸保持部材24の第1保持溝24aの深さ方向である第1深さ方向D1と、糸掛位置にある第2糸保持部材25の第2保持溝25aの深さ方向である第2深さ方向D2とのなす角度xが鋭角である。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
複数の糸が走行する糸走行方向と交差する配列方向に並んだ状態で走行する前記複数の糸に所定の処理を施すための糸処理部と、
前記配列方向に並んだ複数の第1溝を有し、前記糸走行方向において前記糸処理部よりも上流側に配置された第1規制ガイドと、
前記配列方向のピッチが前記複数の第1溝と同じである複数の第2溝を有し、前記糸走行方向において前記糸処理部よりも下流側に配置された第2規制ガイドと、
前記配列方向のピッチが前記複数の第1溝と同じである複数の第1保持溝を有し、前記第1規制ガイドに掛けられる複数の糸を保持可能な第1糸保持部材と、
前記配列方向のピッチが前記複数の第2溝と同じである複数の第2保持溝を有し、前記第2規制ガイドに掛けられる複数の糸を保持可能な第2糸保持部材と、
を備え、
前記第1糸保持部材は、前記複数の第1保持溝に前記複数の糸が掛けられる糸掛位置と、前記第1規制ガイドへの前記複数の糸の受け渡しが完了する受け渡し完了位置との間を移動可能であって、
前記第2糸保持部材は、前記複数の第2保持溝に前記複数の糸が掛けられる糸掛位置と、前記第2規制ガイドへの前記複数の糸の受け渡しが完了する受け渡し完了位置との間を移動可能であって、
前記糸掛位置にある前記第1糸保持部材と、前記糸掛位置にある前記第2糸保持部材とは、前記糸走行方向において互いに隣接しており、
前記配列方向から見たときに、前記糸掛位置にある前記第1糸保持部材の前記第1保持溝の深さ方向である第1深さ方向と、前記糸掛位置にある前記第2糸保持部材の前記第2保持溝の深さ方向である第2深さ方向とのなす角度が鋭角であることを特徴とする糸処理装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1深さ方向において、前記糸掛位置にある前記第2糸保持部材の先端は、前記糸掛位置にある前記第1糸保持部材の先端よりも、前記第1保持溝の開口する開口側にある、
又は、
前記第2深さ方向において、前記糸掛位置にある前記第1糸保持部材の先端は、前記糸掛位置にある前記第2糸保持部材の先端よりも、前記第2保持溝の開口する開口側にあることを特徴とする請求項1に記載の糸処理装置。
【請求項3】
前記配列方向から見たときに、前記第1深さ方向と、前記第2深さ方向とのなす角度は15度以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の糸処理装置。
【請求項4】
前記第1糸保持部材及び前記第2糸保持部材は、板状の部材であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の糸処理装置。
【請求項5】
前記第1糸保持部材の前記糸掛位置と前記受け渡し完了位置との間の移動と、前記第2糸保持部材の前記糸掛位置と前記受け渡し完了位置との間の移動を連動させる連動機構を有することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の糸処理装置。
【請求項6】
前記連動機構は、
前記配列方向に沿った第1揺動軸を中心に回転可能であって、前記第1糸保持部材を揺動可能に支持する第1揺動アームと、
前記配列方向に沿った第2揺動軸を中心に回転可能であって、前記第2糸保持部材を揺動可能に支持する第2揺動アームと、を有し、
前記第1揺動アームは第1ギアを含み、
前記第2揺動アームは第2ギアを含み、
前記連動機構は、前記第1ギアと前記第2ギアとの噛み合いによって前記第1揺動アームと前記第2揺動アームとを連動して回転させることで、前記第1糸保持部材の移動と、前記第2糸保持部材の移動を連動させることを特徴とする請求項5に記載の糸処理装置。
【請求項7】
前記第1糸保持部材の前記糸掛位置は、前記配列方向から見たときに、前記第1糸保持部材が、前記第1規制ガイド及び前記第2規制ガイドに複数の糸が掛けられたときの糸道から、前記第1溝の開口する開口方向に外れる位置であり、
前記第2糸保持部材の前記糸掛位置は、前記配列方向から見たときに、前記第2糸保持部材が、前記第1規制ガイド及び前記第2規制ガイドに複数の糸が掛けられたときの糸道から、前記第2溝の開口する開口方向に外れる位置であることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の糸処理装置。
【請求項8】
前記第1規制ガイドは、前記配列方向から見たときに、前記糸掛位置にある前記第1糸保持部材に掛けられた複数の糸の糸道から外れた位置に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の糸処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、糸に所定の処理を施す糸処理装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、紡糸装置から紡出される複数の糸を巻取装置で巻き取るように構成された紡糸生産設備が知られている。例えば、特許文献1には、複数の糸を下方に紡出する紡糸装置と、紡糸装置の下方に配置され、複数の糸を送るための糸送りローラとを含む紡糸生産設備(特許文献1の紡糸巻取装置)が開示されている。
【0003】
このような紡糸生産設備において、紡糸装置と糸送りローラとの間における糸道上に、例えばマイグレーションノズル等の糸処理部を有する糸処理装置が配置されることがある。マイグレーションノズルとは、圧縮空気の噴射の作用を利用して糸に集束性を付与する装置である。マイグレーションノズルは、例えば特許文献2に記載の交絡装置の交絡部と同様の構成を有しており、互いに略平行且つ略等ピッチで走行している複数の糸に対して、集束性を付与する処理が行われる。糸走行方向におけるマイグレーションノズルの上流側及び下流側には、マイグレーションノズルにおいて複数の糸が互いに略平行且つ略等ピッチとなるように複数の糸を規制するための規制ガイドがそれぞれ設けられている。各規制ガイドには、マイグレーションノズルにおける複数の糸のピッチと同じピッチで複数の溝が形成されている。各規制ガイドに形成された複数の溝に複数の糸を掛けることによって、マイグレーションノズルにおいて複数の糸が互いに略平行且つ略等ピッチで走行することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-057148号公報
特開2019-105007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、紡糸装置から紡出された複数の糸を、マイグレーションノズルの上流側及び下流側に配置された2つの規制ガイドに掛ける際には、複数の糸を纏めて吸引するサクションガンが用いられる。紡糸装置から紡出された複数の糸は、サクションガンの吸引口に収束しており、複数の糸のピッチは糸走行方向の上流側から下流側に向かうにつれて狭くなっている。このため、2つの規制ガイドへの糸掛けは、複数の糸のピッチと各規制ガイドの溝のピッチとが合うように作業員によってサクションガンの位置が調整されつつ行われる。しかしながら、サクションガンによって糸処理装置の2つの規制ガイドに糸を掛ける場合、以下の問題が生じる。
【0006】
上述したように、サクションガンによって纏めて吸引される複数の糸のピッチは糸走行方向の上流側と下流側とで異なる。一方で、糸走行方向において離間している2つの規制ガイドには、同じピッチで複数の溝が形成されている。このため、一方の規制ガイドの溝のピッチと複数の糸のピッチとが合うようサクションガンの位置を調整して糸を掛けようとしても、他方の規制ガイドにおいては溝のピッチと複数の糸のピッチとが合わず、他方の規制ガイドの溝のうちの本来掛けられるべきでない溝に意図せずに糸が掛けられてしまう。このため、現状、サクションガンを用いて2つの規制ガイドに糸掛け作業を行う際には、作業員が各規制ガイドの複数の溝に対して1本ずつ糸を掛けていく必要があり、糸掛けに多くの時間を要するという問題があった。
【0007】
なお、上記のような問題は、マイグレーションノズルを糸処理部として有する糸処理装置だけでなく、次のような糸処理装置に同様の糸保持部材が設けられている場合にも生じ得る問題である。つまり、互いに略平行且つ略等ピッチで走行している複数の糸に対して糸処理部で所定の処理を行うために、糸処理部の上流側及び下流側に規制ガイドが設けられている他の装置(例えば、複数の糸にオイルを付与するオイルノズルや複数の糸の張力を検出するテンションセンサ等)でも同様の問題は生じ得る。
【0008】
本発明の目的は、糸走行方向において糸処理装置の糸処理部の上流側と下流側に配置された2つの規制ガイドへの糸掛け作業を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の糸処理装置は、複数の糸が走行する糸走行方向と交差する配列方向に並んだ状態で走行する複数の糸に所定の処理を施すための糸処理部と、前記配列方向に並んだ複数の第1溝を有し、前記糸走行方向において前記糸処理部よりも上流側に配置された第1規制ガイドと、前記配列方向のピッチが前記複数の第1溝と同じである複数の第2溝を有し、前記糸走行方向において前記糸処理部よりも下流側に配置された第2規制ガイドと、前記配列方向のピッチが前記複数の第1溝と同じである複数の第1保持溝を有し、前記第1規制ガイドに掛けられる複数の糸を保持可能な第1糸保持部材と、前記配列方向のピッチが前記複数の第2溝と同じである複数の第2保持溝を有し、前記第2規制ガイドに掛けられる複数の糸を保持可能な第2糸保持部材と、を備え、前記第1糸保持部材は、前記複数の第1保持溝に前記複数の糸が掛けられる糸掛位置と、前記第1規制ガイドへの前記複数の糸の受け渡しが完了する受け渡し完了位置との間を移動可能であって、前記第2糸保持部材は、前記複数の第2保持溝に前記複数の糸が掛けられる糸掛位置と、前記第2規制ガイドへの前記複数の糸の受け渡しが完了する受け渡し完了位置との間を移動可能であって、前記糸掛位置にある前記第1糸保持部材と、前記糸掛位置にある前記第2糸保持部材とは、前記糸走行方向において互いに隣接しており、前記配列方向から見たときに、前記糸掛位置にある前記第1糸保持部材の前記第1保持溝の深さ方向である第1深さ方向と、前記糸掛位置にある前記第2糸保持部材の前記第2保持溝の深さ方向である第2深さ方向とのなす角度が鋭角であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、第1規制ガイドと第2規制ガイドに糸掛けを行う際、複数の糸を、一旦、糸掛位置にある第1糸保持部材及び第2糸保持部材に保持させる。糸掛位置にある第1糸保持部材と第2糸保持部材とは糸走行方向において互いに隣接しているため、複数の糸を容易にまとめて掛けることができる。そして、複数の糸を保持させた第1糸保持部材及び第2糸保持部材を受け渡し完了位置に移動させることによって、第1規制ガイド及び第2規制ガイドに複数の糸を掛けることができる。これにより、糸処理装置が複数の糸のピッチが糸走行方向の上流側から下流側に向かうにつれて狭くなっている領域に配置されている場合でも、糸走行方向において糸処理部の上流側に配置された第1規制ガイドと下流側に配置された第2規制ガイドへの糸掛け作業を容易に行うことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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