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公開番号2024051672
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157957
出願日2022-09-30
発明の名称金属酸化物多孔質繊維
出願人JNC株式会社
代理人弁理士法人みのり特許事務所
主分類D01F 9/08 20060101AFI20240404BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】平均細孔径が比較的大きく、比表面積が大きすぎない所定の多孔質構造を有する金属酸化物多孔質繊維を提供する。
【解決手段】平均繊維径が0.1μm以上、5μm以下であり、平均細孔径が10nm以上、100nm以下であり、細孔容積が0.5cm3/g以下であり、比表面積が6.0m2/g以上、50m2/g以下である金属酸化物多孔質繊維。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
平均繊維径が0.1μm以上、5μm以下であり、平均細孔径が10nm以上、100nm以下であり、細孔容積が0.5cm

/g以下であり、比表面積が6.0m

/g以上、50m

/g以下である、
金属酸化物多孔質繊維。
続きを表示(約 120 文字)【請求項2】
酸化アルミニウムおよび/または酸化チタンからなる、
請求項1に記載の金属酸化物多孔質繊維。
【請求項3】
α型結晶構造を有する酸化アルミニウムからなる、
請求項1に記載の金属酸化物多孔質繊維。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化物多孔質繊維に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
静電紡糸法によって形成した無機化合物の多孔質繊維が知られている。このような多孔質繊維は、例えば、樹脂に配合させて複合体として使用することが知られている。この多孔質繊維を樹脂に配合した複合体は、多孔質繊維に樹脂が入り込んで樹脂の動きが抑制されるため(アンカー効果)、高い機械特性や耐熱性を有する。このような複合体は、自動車等のボディ、電子部品、医療材料などの様々な用途に使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、金属無機化合物を溶解させた無機系曳糸性ゾル溶液と、溶媒と、ポリマーとを混合することによって紡糸溶液を調製し、その紡糸溶液を静電紡糸して複合微細繊維を生成し、その複合微細繊維を焼成することによって複合微細繊維からポリマーを除去して多孔質無機繊維を製造する方法が開示されている。
また特許文献2には、アルミニウムイソプロポキシドと、細孔形成剤と、紡糸助剤とを硝酸に溶解させたゾル紡糸液を調製し、そのゾル紡糸液を静電紡糸して酸化アルミニウムゲル繊維を調製し、その酸化アルミニウムゲル繊維を700℃~900℃で焼成してγ型結晶構造の多孔質アルミナナノファイバーを製造する方法が開示されている。
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-7697号公報
中国公開特許公報103011778号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1および特許文献2の金属酸化物多孔質繊維は、いずれも多数の細孔を設け、比表面積を増大させることを目的としている。しかし、金属酸化物多孔質繊維の比表面積を大きくしすぎると次のような課題があることがわかった。
第1に、平均繊維径が5.0μm以下の多孔質繊維は、比表面積が大きくなると凝集性が大きくなり、溶媒での分散性や流動性が低下することがわかった。そのため、ハンドリング性が低下する。
第2に、平均繊維径が5.0μm以下の多孔質繊維は、比表面積が大きくなりすぎると繊維として脆くなりすぎることがわかった。そのため、粉砕工程後で繊維形状を保てない、あるいは、粉砕工程において大きさ(例えば、所定のアスペクト比)の制御がしにくくなる。
第3に、金属酸化物多孔質繊維は、大気中に置くと多孔質繊維の細孔内に水分が取り込まれるため、比表面積が大きくなりすぎると、その細孔内に取り込まれる水分量が増加して吸湿性が高くなることがわかった。これは湿気に弱い電子部品等の用途には好ましくない。
本発明はこのような事情を鑑みて研究・開発されたものであり、所定の物性を有する金属酸化物多孔質繊維を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、鋭意検討した結果、所定の多孔質構造を有する金属酸化物多孔質繊維は、多孔質繊維としての特性を維持しつつ、溶媒に対する分散性や流動性を有し、耐衝撃性を有し、かつ、吸湿性が抑制されていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下のように構成される。
[1]平均繊維径が0.1μm以上、5μm以下であり、平均細孔径が10nm以上、100nm以下であり、細孔容積が0.5cm

/g以下であり、比表面積が6.0m

/g以上、50m

/g以下である、金属酸化物多孔質繊維。
[2]酸化アルミニウムおよび/または酸化チタンからなる、[1]に記載の金属酸化物多孔質繊維。
[3]α型結晶構造を有する酸化アルミニウムからなる、[1]に記載の金属酸化物多孔質繊維。
【発明の効果】
【0009】
本発明の金属酸化物多孔質繊維は、平均細孔径が比較的大きく、比表面積が大きすぎない所定の多孔質構造を有するため、凝集が抑制されて、溶媒への分散性や流動性といったハンドリング性が向上する。また脆くなりすぎず粉砕工程後でも繊維形状を維持させることができる。さらに吸湿性が抑制されることで湿気に弱い電子部品などの製品寿命を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1aおよび図1bは、それぞれ実施例1の酸化アルミニウム多孔質繊維および比較例5の酸化アルミニウム繊維の走査型電子顕微鏡写真である。
実施例1の酸化アルミニウム多孔質繊維および実施例2の酸化アルミニウム多孔質繊維のX線回析像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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