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公開番号2024064943
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2023044733
出願日2023-03-20
発明の名称バナナ繊維の製造方法
出願人個人,Fu-Hsiang YANG
代理人個人,個人,個人
主分類D01B 1/10 20060101AFI20240507BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】バナナの仮茎の利用価値を創造しながら、バナナ繊維の生産効率を効果的に向上させることができるバナナ繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】バナナの仮茎からバナナ繊維を採取するバナナ繊維の製造方法であって、バナナの仮茎を圧搾し、圧搾済みのバナナの仮茎を得るステップ(A)と、圧搾済みのバナナの仮茎をサッカロミセス・セレビシエにより発酵反応させ、発酵培養物を得るステップ(B)と、発酵培養物が発酵している状態で、発酵培養物をペクチナーゼにより加水分解させ、発酵・加水分解産物を得るステップ(C)と、発酵・加水分解産物を固体部分及び液体部分となるように固液分離させるステップ(D)と、固体部分に対してアルカリ処理と洗浄処理と漂白処理と軟化処理と乾燥処理とを行なって繊維材料を得るステップ(E)と、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
バナナの仮茎からバナナ繊維を採取するバナナ繊維の製造方法であって、
前記バナナの仮茎を圧搾し、圧搾済みのバナナの仮茎を得るステップ(A)と、
前記ステップ(A)で得た圧搾済みのバナナの仮茎をサッカロミセス・セレビシエにより発酵反応させ、発酵培養物を得るステップ(B)と、
前記ステップ(B)で得た発酵培養物が発酵している状態で、前記発酵培養物をペクチナーゼにより加水分解させ、発酵・加水分解産物を得るステップ(C)と、
前記ステップ(C)で得た発酵・加水分解産物を、固体部分及び液体部分となるように固液分離させるステップ(D)と、
前記ステップ(D)で得た固体部分に対して、アルカリ処理と洗浄処理と漂白処理と軟化処理と乾燥処理とを行なって繊維材料を得るステップ(E)と、を含む、
ことを特徴とするバナナ繊維の製造方法。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記ステップ(B)においては、前記圧搾済みのバナナの仮茎を、20℃~32℃の範囲内にある温度で発酵反応させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のバナナ繊維の製造方法。
【請求項3】
前記ステップ(C)においては、前記発酵培養物を、15℃~55℃の範囲内にある温度で加水分解させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のバナナ繊維の製造方法。
【請求項4】
前記バナナ繊維の製造方法は、
前記ステップ(E)で得た繊維材料に対して開繊作業を行なうステップ(F)を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のバナナ繊維の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、植物繊維の製造技術に関し、具体的には、バナナの仮茎から繊維を採取するバナナ繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
バナナ(学名:Musa × paradisiaca)は、バショウ科(Musaceae)における多年生植物であり、且つ食用果実として重要な作物である。しかし、バナナの果実が採集された後、仮茎(pseudostem)などの農業廃棄物が残る。また、大量のバナナの仮茎が廃棄されると、例えばゾウムシや蟻などの農作物に被害を及ぼす害虫を招くだけではなく、バナナの仮茎の腐敗に伴ってメタンのような温室効果ガスが排出して地球環境に悪影響を与える恐れがある。このため、農業廃棄物と食糧と環境保護といった課題に配慮するためには、農作物の採集後に残されたもの(例えば残茎)を利用することが益々重要となっている。
【0003】
また、バナナの仮茎に含まれているセルロース(cellulose)とヘミセルロース(hemicellulose)とリグニン(lignin)とは、互いに絡まり合っていて、バナナの仮茎において複雑で強靭な網状構造をなしている。したがって、バナナの仮茎を処理するためには、バナナの仮茎に対して脱リグニン処理(delignification)を行なう必要がある。なお、従来のバナナの仮茎の処理方法は、削り落とす工程(scrape)(物理的な処理)と、酸処理(acid treatment)やアルカリ処理(alkaline treatment)といった工程(化学的な処理)と、を含む。しかしながら、従来のバナナの仮茎の処理方法によれば、繊維の採取効率が悪く、また綿繊維のような細かい繊維が流失するといった産量に悪影響を及ぼす問題が発生する可能性がある。
【0004】
なお、特許文献1には、パイナップル葉から繊維を採取する方法が開示されている。この方法は、パイナップル葉に対してアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及び酵素加水分解(enzymatic hydrolysis)で順に反応させることによって、パイナップル葉繊維を採取する。その中で、該酵素は、ラッカーゼ(laccase)、キシラナーゼ(xylanase)、及びペクチナーゼ(pectinase)から選択されたものである。また、特許文献1では、異なる酵素溶液でパイナップル葉を処理してパイナップル葉繊維を取得する方法が開示され、そして取得したパイナップル葉繊維に対して残留セリシン(residual sericin)や太さや柔軟度や色や光沢に係る分析を行なった結果も示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
中国特許出願公開第111996603号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の結果によると、当該パイナップル葉繊維の採取方法によれば、ペクチナーゼだけを酵素とする場合に比べて、ラッカーゼ及びキシラナーゼを合わせたものを酵素として得られたパイナップル繊維は、より優れた分析結果を得ることができるとある。これは、すべての脱リグニンに用いられる酵素がパイナツプル葉繊維の採取に適用され得ることではないことを表している。
【0007】
また、上記のような研究が存在しているが、依然としてバナナの仮茎のような農業廃棄物を有効活用して植物繊維の生産効率を向上させる製造工程を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、バナナの仮茎からバナナ繊維を採取するバナナ繊維の製造方法であって、以下の(A)~(E)の各ステップを含むことを特徴とするバナナ繊維の製造方法を提供する。
(A)前記バナナの仮茎を圧搾し、圧搾済みのバナナの仮茎を得る。
(B)前記ステップ(A)で得た圧搾済みのバナナの仮茎をサッカロミセス・セレビシエにより発酵反応させ、発酵培養物を得る。
(C)前記ステップ(B)で得た発酵培養物が発酵している状態で、前記発酵培養物をペクチナーゼにより加水分解させ、発酵・加水分解産物を得る。
(D)前記ステップ(C)で得た発酵・加水分解産物を、固体部分及び液体部分となるように固液分離させる。
(E)前記ステップ(D)で得た固体部分に対して、アルカリ処理と洗浄処理と漂白処理と軟化処理と乾燥処理とを行なって繊維材料を得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るバナナ繊維の製造方法によれば、バナナの仮茎の利用価値を創造しながら、バナナ繊維の生産効率を効果的に向上させることができる。これによって、農業廃棄物による環境問題を大いに低減することができることに加え、バナナの経済価値を高めることもできる。
【0010】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の実施形態の詳細に説明することにより明白になる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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