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公開番号2024056534
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022163497
出願日2022-10-11
発明の名称高速スキャンフーリエ変換分光器及び分光方法
出願人国立大学法人 東京大学
代理人個人
主分類G01J 3/45 20060101AFI20240416BHJP(測定;試験)
要約【課題】広帯域のラマンスペクトルを短時間で測定可能な高速ラマン分光法および装置の提供。
【解決手段】第1レーザ光源110は、第1パルス光L1を生成する。第2レーザ光源120は、第1レーザ光源110と同期して第2パルス光L2を生成する。干渉計130は、第1パルス光L1をポンプパルスおよびプローブパルスに分波し、ポンプパルスとプローブパルスに可変の相対遅延τを与えた後に、それらを合波して出力する。照射光学系140は、干渉計130の出力と第2パルス光L2を合波し、サンプルSに照射する。受光装置150は、サンプルSから放射される光を受光する。処理装置160は、受光装置150の出力にもとづくインターフェログラムをフーリエ変換し、分光スペクトルを生成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1パルス光を生成する第1レーザ光源と、
前記第1レーザ光源と同期して第2パルス光を生成する第2レーザ光源と、
前記第1パルス光をポンプパルスおよびプローブパルスに分波し、前記ポンプパルスと前記プローブパルスに可変の相対遅延を与えた後に、それらを合波して出力する干渉計と、
前記干渉計の出力と前記第2パルス光を合波し、サンプルに照射する光学系と、
前記サンプルから放射される光を受光する受光装置と、
前記受光装置の出力にもとづくインターフェログラムをフーリエ変換し、分光スペクトルを生成する処理装置と、
を備えることを特徴とする分光器。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記第1レーザ光源は、チタンサファイアレーザであり、
前記第2レーザ光源は、Ybファイバレーザであることを特徴とする請求項1に記載の分光器。
【請求項3】
前記第1パルス光の一部が前記第2レーザ光源の共振器内に注入されて、前記第1レーザ光源と前記第2レーザ光源は受動モード同期することを特徴とする請求項1または2に記載の分光器。
【請求項4】
前記干渉計は、マイケルソン干渉計と、前記マイケルソン干渉計の一方のアームに設けられたレゾナントスキャナと、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の分光器。
【請求項5】
波数帯域200~3200cm
-1
にわたるラマンスペクトルを測定することを特徴とする請求項1または2に記載の分光器。
【請求項6】
フーリエ変換コヒーレント反ストークラマン散乱分光方法であって、
第1レーザ光源が第1パルス光を生成するステップと、
第2レーザ光源が、前記第1レーザ光源と同期して第2パルス光を生成するステップと、
干渉計において、前記第1パルス光をポンプパルスおよびプローブパルスに分波し、前記ポンプパルスと前記プローブパルスに可変の相対遅延を与えた後に、それらを合波して出力するステップと、
前記干渉計の出力と前記第2パルス光を合波し、サンプルに照射するステップと、
前記サンプルから放射される光の出力にもとづくインターフェログラムをフーリエ変換し、分光スペクトルを生成するステップと、
を備えることを特徴とする分光方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、フーリエ変換分光(Fourier-transform spectroscopy)に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
被検物のスペクトルを測定する手法として、コヒーレントラマン(CARS:Coherent Anti-Stokes Raman Scattering)分光法が知られている。コヒーレントラマン分光法は、生細胞のラベルフリー振動イメージング、過渡化学反応速度の追跡、およびフローサイトメトリーと細胞選別のための強力なツールである。
【0003】
超高速コヒーレントラマン分光法の出現により、材料、特に生体細胞や組織内の分子の高感度な特性評価が、ラベリングを必要とせずに空間および時間分解された方法で可能となった。
【0004】
科学的な興味は、フィンガープリント(FP)領域(200~1800cm
-1
)または高周波(HF)領域(2800~3200cm
-1
)の2つに注がれている。しかしながら、従来の超高速コヒーレントラマン分光法では、フィンガープリント(FP)領域(200~1800cm
-1
)または高周波(HF)領域(2800~3200cm
-1
)のラマンスペクトルのいずれかしか取得できなかった。
【0005】
FP領域における超高速コヒーレントラマン分光法は、主にインパルス誘導ラマン散乱やフーリエ変換コヒーレント反ストークラマン散乱(FT-CARS)などの時間領域コヒーレントラマン分光法によって達成されてきた。
【0006】
FT-CARSは、非共鳴バックグラウンドのないスペクトル取得や低周波モードの検出可能性などの優れた利点を有している。FT-CARSは、インターフェログラムをフーリエ変換するフーリエ変換分光の手法をコヒーレントラマン分光に応用したものである。FT-CARS分光法では、分子の振動がポンプパルスによって励起され、ポンプ-プローブ間の遅延を変化させて、プローブパルスを位相変調し、インターフェログラムが測定される。そしてインターフェログラムをフーリエ変換することにより、スペクトル情報を得ることができる。周波数領域コヒーレントラマン分光法では、マルチチャネル検出器(典型的な、リフレッシュレートがkHzオーダーのCCDまたはCMOSイメージセンサーなど)が必要であり、その読み出し速度によって、スペクトル取得レートが制限される。これに対して、時間領域コヒーレントラマン分光法であるFT-CARSでは、広帯域ラマンスペクトルの取得にはシングルチャネル検出器が使用されるため、高速なスペクトル取得が可能となる。
【0007】
一方、HF領域での超高速コヒーレントラマン分光法は、主に誘導ラマン散乱(SRS)が利用されていた。SRS分光法では、誘導ラマン散乱プロセスによって誘起されるポンプまたはストークスパルスの強度変調が、それらの周波数差の関数として検出される。超高速SRS分光法としては、(i)狭帯域入射パルスの波長を高速にスキャンする手法、(ii)広帯域入射パルスを高速マルチチャネル検出器と組み合わせる手法、(iii)広帯域入射パルスを、波長ごとに異なる向きでサンプルに照射する手法(スペクトルフォーカシング)によって実現される。
【0008】
SRS分光法では小さな強度変調(通常、元の強度の10
-4
未満)を検出する必要があるため、超高速SRS分光法には、安定性が高く、強度が高く、波長可変のレーザ光源が必要であるという問題がある。
【0009】
FP領域とHF領域の両方をカバーする超高速コヒーレントラマン分光法として、励起光源として超短パルス(<10fs)を使用する手法が提案されている(非特許文献1)。しかし、この手法は、以下の問題を有している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
K. Hashimoto, J. Omachi, T. Ideguchi, "Ultra-Broadband Rapid-Scan Fourier-Transform CARS Spectroscopy with Sub-10-Fs Optical Pulses.", Opt. Express 2018, 26 (11), 14307.
K. Hashimoto, M. Takahashi, T. Ideguchi, K. Goda, "Broadband Coherent Raman Spectroscopy Running at 24,000 Spectra per Second.", Sci. Rep. 2016, 6 (1), 21036.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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