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公開番号2024055989
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-19
出願番号2024033341,2022534051
出願日2024-03-05,2021-06-29
発明の名称複合中空糸膜モジュールおよびその製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類B01D 63/02 20060101AFI20240412BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】有機溶媒を含む液状混合物に対する正浸透技術において、支持膜側からの圧力に対する実用上十分な耐久性(逆圧耐久性)と、高い透水量とが両立された正浸透複合中空糸膜モジュールを提供すること。
【解決手段】中空糸糸束を有する正浸透複合中空糸膜モジュールであって、中空糸が、ポリケトンを含む高分子重合体から成る微細孔性中空糸支持膜の内表面に、高分子重合体薄膜の分離活性層を設けた中空糸であり、 中空糸糸束の膜面積が100cm2以上であり、分離活性層の厚さ方向の断面を撮影した走査型電子顕微鏡画像における分離活性層部分の質量を測定する方法により算出された、中空糸糸束の半径方向および長さ方向における分離活性層の平均厚さの変動係数が0~60%である、モジュール。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の中空糸で構成される中空糸糸束を有する正浸透複合中空糸膜モジュールであって、
前記中空糸が、ポリケトンを含む高分子重合体から成る微細孔性中空糸支持膜の内表面に高分子重合体薄膜の分離活性層を設けた中空糸であり、 前記中空糸糸束の膜面積が100cm

以上であり、
前記分離活性層の厚さ方向の断面を撮影した走査型電子顕微鏡画像における分離活性層部分の質量を測定する方法により算出された、前記中空糸糸束の半径方向および長さ方向における分離活性層の平均厚さの変動係数が0%以上60%以下である、
モジュール。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記分離活性層の厚さ方向の断面を撮影した走査型電子顕微鏡画像において、該分離活性層と中空糸支持膜との界面の長さL1、および該分離活性層表面の長さL2の比L2/L1が、1.1以上5.0以下である、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記比L2/L1が1.2以上3.0以下である、請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記変動係数が0%以上50%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項5】
前記変動係数が0%以上30%以下である、請求項4に記載のモジュール。
【請求項6】
前記高分子重合体が、
多官能アミンから選択される少なくとも1種から成る第1モノマーと、
多官能酸ハライドおよび多官能イソシアネートから成る群より選択される少なくとも1種から成る第2モノマーと、
の重縮合生成物である、
請求項1~5のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項7】
前記高分子重合体が、ポリアミドおよびポリウレアより選択される少なくとも1種である、請求項6に記載のモジュール。
【請求項8】
請求項6に記載のモジュールの製造方法であって、
微細孔性中空糸支持膜の内表面に、前記第1モノマーおよび第2モノマーのうちの一方を含有する第1溶液の液膜を形成する、第1溶液液膜形成工程、
前記微細孔性中空糸支持膜の内側と外側とが、(内側圧力)>(外側圧力)となるように、圧力差を設ける、圧力差設定工程、ならびに
前記第1モノマーおよび第2モノマーのうちの他方を含有する第2溶液を、前記第1溶液の液膜と接触させる、第2溶液接触工程
を経る、モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記圧力差設定工程を行った後、前記第2溶液接触工程を行うまでの時間が、10分以内である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記圧力差を、前記中空糸支持膜の外側を減圧することにより生じさせる、請求項8または9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機溶媒を含む液状混合物から、溶質などとその他とを分離するために用いられる、選択的な透過性を有する複合中空糸膜モジュール、およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、選択透過性を有する分離活性層を、所謂界面重合法により支持膜の内表面に形成させることによって製造される、複合中空糸膜モジュール、およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
分離プロセスにおいて画期的な省エネルギー化が見込める技術として、有機溶媒を含む液状混合物を対象とする正浸透技術が知られている(非特許文献1および2)。
この技術は、有機溶媒を含んだ分離すべき液状混合物(供給溶液)と、それより高い浸透圧を有する溶液(駆動溶液)とを、半透膜を介して接触させ、前記液状混合物から有機溶媒、水、目的物質以外の溶質などを除き、目的物質が高濃度化された溶液を得る技術である。
【0003】
前記技術において、半透膜を介して行われる物質の移動は、供給溶液と駆動溶液との浸透圧差によって駆動される。したがって、機械的な圧力差を人為的に創出する必要がないことが前記技術の特徴である。しかし実際は、まったく圧力差がない状態を長時間制御することは技術上困難であるから、前記の二つの溶液は、しばしば一方が他方より加圧された状態となる。したがって、前記技術に用いられる半透膜は、供給溶液、駆動溶液のどちら側から圧力を印可された場合でも、これによって機能を損なわない耐久性を有する必要がある。
【0004】
一般に、前記技術においては、微細孔性の支持膜上に、分離を担う薄い分離活性層が形成された複合膜が用いられる。このような複合膜において、実用上最も重要な問題は、支持膜側から印加された圧力に対する耐久性である。前述のとおり、複合膜は、支持膜の上に分離活性層が形成された膜であるから、支持膜側から圧力が印加されると、分離活性層が剥離し、複合膜はその機能を失ってしまう場合がある。
これを防ぐためには、例えば、支持膜と分離活性層とを強固に接着させることが有効であると考えられる。例えば、支持膜と分離活性層とを化学結合を介して強固に接着させた複合膜が提案されている(特許文献2)。しかしながら、これだけでは、支持膜側からの圧力に対する耐久性は十分とはいえない。
一方、分離活性層を、極端に厚くした場合は、支持膜側からの圧力に対して十分な耐久性が得られるが、著しく透過性能が低下してしまうと考えられる。
【0005】
なお、分離活性層は、その表面に微細な凹凸を有している方が、表面積がより大きくなるため、より大きな透過性能が得られることが、一般的に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-213559号公報
国際公開第2016/024573号
特開2017-144390号公報
国際公開第2016/027869号
【非特許文献】
【0007】
Nat. Mater. 16, 276-279(2017)
NATURE COMMUNICATIONS(2018)91426
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、有機溶媒を含む液状混合物に対する正浸透技術において、支持膜側からの圧力に対する実用上十分な耐久性(逆圧耐久性)と、高い透水量とが両立された正浸透複合中空糸膜モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、支持膜側から圧力がかかったとき、分離活性層の中でも最も薄く、脆弱な部分が破壊の起点となって、複合膜が破壊に至ると考えた。
本発明者らは、この考察のもと、本発明の上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。
上記の目的を達成する本発明は、以下のとおりである。
【0010】
《態様1》複数の中空糸で構成される中空糸糸束を有する正浸透複合中空糸膜モジュールであって、
前記中空糸が、ポリケトンを含む高分子重合体から成る微細孔性中空糸支持膜の内表面に高分子重合体薄膜の分離活性層を設けた中空糸であり、 前記中空糸糸束の膜面積が100cm

以上であり、
前記分離活性層の厚さ方向の断面を撮影した走査型電子顕微鏡画像における分離活性層部分の質量を測定する方法により算出された、前記中空糸糸束の半径方向および長さ方向における分離活性層の平均厚さの変動係数が0~60%である、
モジュール。
《態様2》前記分離活性層の厚さ方向の断面を撮影した走査型電子顕微鏡画像において、該分離活性層と中空糸支持膜との界面の長さL1、および該分離活性層表面の長さL2の比L2/L1が、1.1以上5.0以下である、態様1に記載のモジュール。
《態様3》前記比L2/L1が1.2以上3.0以下である、態様2に記載のモジュール。
《態様4》前記変動係数が0~50%である、態様1~3のいずれか一項に記載のモジュール。
《態様5》前記変動係数が0%以上30%以下である、態様4に記載のモジュール。
《態様6》前記高分子重合体が、
多官能アミンから選択される少なくとも1種から成る第1モノマーと、
多官能酸ハライドおよび多官能イソシアネートから成る群より選択される少なくとも1種から成る第2モノマーと、
の重縮合生成物である、
態様1~5のいずれか一項に記載のモジュール。
《態様7》前記高分子重合体が、ポリアミドおよびポリウレアより選択される少なくとも1種である、態様6に記載のモジュール。
《態様8》態様6に記載のモジュールの製造方法であって、
微細孔性中空糸支持膜の内表面に、前記第1モノマーおよび第2モノマーのうちの一方を含有する第1溶液の液膜を形成する、第1溶液液膜形成工程、
前記微細孔性中空糸支持膜の内側と外側とが、(内側圧力)>(外側圧力)となるように、圧力差を設ける、圧力差設定工程、ならびに
前記第1モノマーおよび第2モノマーのうちの他方を含有する第2溶液を、前記第1溶液の液膜と接触させる、第2溶液接触工程
を経る、モジュールの製造方法。
《態様9》前記圧力差設定工程を行った後、前記第2溶液接触工程を行うまでの時間が、10分以内である、態様8に記載の方法。
《態様10》前記圧力差を、前記中空糸支持膜の外側を減圧することにより生じさせる、態様8または9に記載の方法。
《態様11》前記圧力差を、前記中空糸支持膜の内側に加圧することにより生じさせる、態様8または9に記載の方法。
《態様12》前記圧力差を、前記中空糸支持膜の外側および内側を相異なる圧力で加圧することにより生じさせる、態様8または9に記載の方法。
《態様13》前記圧力差が1~100kPaである、態様8~12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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