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公開番号2024054656
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022161031
出願日2022-10-05
発明の名称築磯構造体、基礎構造および基礎構造の施工方法
出願人鹿島建設株式会社
代理人個人
主分類E02B 3/08 20060101AFI20240410BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】洗掘を防止しつつ多様な種類の生物の生息場として機能する築磯構造体、基礎構造および基礎構造の施工方法を提供する。
【解決手段】築磯構造体3は、自立可能な蛇籠4と、蛇籠4に充填される充填材5とを具備する。築磯構造体3の下部には洗掘防止用マット7が配置され、築磯構造体3の下方における空隙率は上方における空隙率よりも小さく、少なくとも築磯構造体3の上方において、蛇籠4の内部には充填材5とともに中空体8が配置される。基礎構造14は、複数の築磯構造体3同士が連結されて、モノパイル2の周囲を囲むように配置される。基礎構造14を施工する際には、水底に築磯構造体3を環状に配置した後、環状に配置された築磯構造体3の中央にモノパイル2を打設する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
水中に配置される築磯構造体であって、
自立可能な蛇籠と、
前記蛇籠に充填される充填材と、
を具備し、
前記築磯構造体の下部には、洗掘防止用マットが配置され、
前記築磯構造体の下方における空隙率が、前記築磯構造体の上方における空隙率よりも小さく、
少なくとも前記築磯構造体の上方において、前記蛇籠の内部には、前記充填材とともに中空体が配置されることを特徴とする築磯構造体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記蛇籠を構成する網体は、相対的に撓みやすい方向と、これと直交する相対的に撓みにくい方向とを有し、基礎の周囲に配置された前記築磯構造体において、前記蛇籠の上下面では前記基礎の周方向に前記網体の撓みにくい方向が略揃っており、前記蛇籠の側面では上下方向に前記網体の撓みにくい方向が略揃っていることを特徴とする請求項1記載の築磯構造体。
【請求項3】
前記築磯構造体は、複数の前記蛇籠が積層されて構成され、
最下段の前記蛇籠の下部に、前記洗掘防止用マットが配置され、
最下段の前記蛇籠における空隙率が、上段側の前記蛇籠における空隙率よりも小さく、
前記中空体は、上段側の前記蛇籠に配置されることを特徴とする請求項1記載の築磯構造体。
【請求項4】
それぞれの前記蛇籠の上面の少なくとも一部が、前記蛇籠を構成する網体で覆われずに、前記充填材が前記蛇籠から露出することを特徴とする請求項3記載の築磯構造体。
【請求項5】
積層された前記蛇籠の間に透水性のマットを挟み込むことを特徴とする請求項3記載の築磯構造体。
【請求項6】
前記蛇籠を構成する網体は、相対的に撓みやすい方向と、これと直交する相対的に撓みにくい方向とを有し、
積層された上段側の前記蛇籠の下面における前記網体の撓みにくい方向に略平行に、積層された下段側の前記蛇籠の上面の対向する2辺の近傍に棒状のずれ止め部材が配置されることを特徴とする請求項3記載の築磯構造体。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の築磯構造体を用いた基礎構造であって、
複数の前記築磯構造体同士が連結されて、基礎の周囲を囲むように配置されていることを特徴とする基礎構造。
【請求項8】
前記基礎の周囲には洗掘防止工が設置され、
複数の前記築磯構造体は、前記洗掘防止工を囲むように、前記基礎からの距離が交互にずれるように配置されることを特徴とする請求項7記載の基礎構造。
【請求項9】
周方向に環状に配置された前記築磯構造体同士の間が、前記基礎を中心とした放射方向に対して傾斜するように配置されることを特徴とする請求項7記載の基礎構造。
【請求項10】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の築磯構造体を用いた基礎構造であって、
前記築磯構造体はリング状であって、基礎の周囲に配置されていることを特徴とする基礎構造。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、築磯構造体、基礎構造および基礎構造の施工方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
河川や海岸などの水域では、開発によって環境が変化して生物の生息場が失われることがある。これに対し、生物の生息場を回復する試みとして、特許文献1には中詰材を充填した網状の籠体を平面的に設置する方法が記載されている。また、特許文献2には収容体に石又はコンクリートと多孔質部材を収容した洗掘抑制ユニットを海底構造物の周囲に設置し、洗掘抑制ユニットを藻場の再生に用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6241925号公報
特開2022-11420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の方法では、籠体を平面的に設置するため生物が生息できる空間が限られていた。また、特許文献2に記載された洗掘抑制ユニットは、海底への設置後に空隙が潰れたり砂で埋まったりするため、大きな魚の生育には適していなかった。
【0005】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、洗掘を防止しつつ多様な種類の生物の生息場として機能する築磯構造体、基礎構造および基礎構造の施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために第1の発明は、水中に配置される築磯構造体であって、自立可能な蛇籠と、前記蛇籠に充填される充填材と、を具備し、前記築磯構造体の下部には、洗掘防止用マットが配置され、前記築磯構造体の下方における空隙率が、前記築磯構造体の上方における空隙率よりも小さく、少なくとも前記築磯構造体の上方において、前記蛇籠の内部には、前記充填材とともに中空体が配置されることを特徴とする築磯構造体である。
【0007】
第1の発明の築磯構造体は、下部に洗掘防止用マットが配置され、下方における空隙率が上方における空隙率よりも小さいため、洗掘を防止できる。また、築磯構造体は、蛇籠が自立可能であり、上方において蛇籠の内部に充填材とともに中空体が配置されるため、多様な種類の生物の生息場を形成できる。
【0008】
前記蛇籠を構成する網体は、相対的に撓みやすい方向と、これと直交する相対的に撓みにくい方向とを有し、基礎の周囲に配置された前記築磯構造体において、前記蛇籠の上下面では前記基礎の周方向に前記網体の撓みにくい方向が略揃っており、前記蛇籠の側面では上下方向に前記網体の撓みにくい方向が略揃っていることが望ましい。
蛇籠の側面で上下方向に網体の撓みにくい方向が略揃っていることにより、蛇籠の潰れを抑制して自立可能とすることができる。また、蛇籠の上下面で基礎の周方向に網体の撓みにくい方向が略揃っていることにより、蛇籠の上面と下面に基礎の周方向に沿って延びる凸部と凹部が形成されやすくなり、蛇籠を積層した時に凸部と凹部が噛み合うことで基礎を中心とした放射方向への蛇籠の移動が抑制される。
【0009】
前記築磯構造体は、複数の前記蛇籠が積層されて構成され、最下段の前記蛇籠の下部に、前記洗掘防止用マットが配置され、最下段の前記蛇籠における空隙率が、上段側の前記蛇籠における空隙率よりも小さく、前記中空体は、上段側の前記蛇籠に配置されてもよい。
これにより、築磯構造体における上方と下方の空隙率の管理が容易になる。また、中空体が配置されて空隙率が大きい蛇籠を用いることにより、築磯構造体の上方において波や流れによる水平方向および鉛直方向の圧力差の発生が抑制されるので、築磯構造体の転倒や滑動を防止できる。
【0010】
複数の蛇籠を積層する場合、それぞれの前記蛇籠の上面の少なくとも一部が、前記蛇籠を構成する網体で覆われずに、前記充填材が前記蛇籠から露出してもよい。
また、積層された前記蛇籠の間に透水性のマットを挟み込んでもよい。
さらに、前記蛇籠を構成する網体は、相対的に撓みやすい方向と、これと直交する相対的に撓みにくい方向とを有し、積層された上段側の前記蛇籠の下面における前記網体の撓みにくい方向に略平行に、積層された下段側の前記蛇籠の上面の対向する2辺の近傍に棒状のずれ止め部材が配置されてもよい。
蛇籠を積層した時に網体同士が直接重なると滑りやすいが、充填材を蛇籠から露出させたり、透水性マットを挟み込んだり、ずれ止め部材を配置したりすることにより、蛇籠を積層した時の滑りを防止できる。また、最上段の蛇籠において上面から充填材が露出していれば、微細から大型の藻類の生育基盤となる。
(【0011】以降は省略されています)

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