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公開番号2024044502
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022150062
出願日2022-09-21
発明の名称窒化アルミニウム焼結基板、その製造方法および電子回路用絶縁基板
出願人株式会社トクヤマ,DOWAメタルテック株式会社
代理人個人
主分類C04B 35/582 20060101AFI20240326BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】窒化アルミニウム焼結基板を用いた電子回路用絶縁基板の耐部分放電性を向上させる。
【解決手段】窒化アルミニウム粒子の焼結体の中に、窒化ホウ素粒子が散在している焼結構造体からなり、前記焼結構造体の破断面を観察した反射電子像において、窒化ホウ素粒子の表面が現れている領域の面積率が1.0~5.0%であり、窒化ホウ素粒子の表面が現れている1つの領域の輪郭の内部を1つのBNドメインと言うとき、BNドメインの長径/短径の平均値である平均アスペクト比が6.0以下である、窒化アルミニウム焼結基板。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
窒化アルミニウム粒子の焼結体の中に、窒化ホウ素粒子が散在している焼結構造体からなり、前記焼結構造体の破断面を観察した反射電子像において、窒化ホウ素粒子の表面が現れている領域の面積率が1.0~5.0%であり、窒化ホウ素粒子の表面が現れている1つの領域の輪郭の内部を1つのBNドメインと言うとき、BNドメインの長径/短径の平均値である平均アスペクト比が6.0以下である、窒化アルミニウム焼結基板。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記BNドメインの長径による平均径が1.0~5.0μmである、請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結基板。
【請求項3】
前記焼結構造体は、窒化アルミニウム粒子の焼結体の中に、前記窒化ホウ素粒子に加えて更にイットリウム含有酸化物粒子が散在しているものである、請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結基板。
【請求項4】
窒化アルミニウム粉末100質量部に対し、粒子の長径/短径の平均値である平均アスペクト比が6.0以下である窒化ホウ素粉末を0.5~5.0質量部の割合で配合した原料粉の混練物を、シート状に成形して、原料粉シートを得る工程と、
前記原料粉シートを1700~1900℃で焼成する工程と、
を含む窒化アルミニウム焼結基板の製造方法。
【請求項5】
前記窒化ホウ素粉末は、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D50が0.5~5.0μmである、請求項4に記載の窒化アルミニウム焼結基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム焼結基板の少なくとも一方の面に銅または銅合金の導電層が形成されている電子回路用絶縁基板。
【請求項7】
前記窒化アルミニウム焼結基板の厚さが0.1~3.0mmである、請求項6に記載の電子回路用絶縁基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子を搭載する電子回路用絶縁基板として有用な窒化アルミニウム焼結基板、およびその製造方法に関する。また、その焼結基板を用いた電子回路用絶縁基板に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
窒化アルミニウム焼結基板は熱伝導性が良好であり、電子回路用絶縁基板として広く利用されている。窒化アルミニウム焼結基板の製造過程では、製造性向上や絶縁基板の特性向上などを意図して、添加物質を混合することがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、誘電率を低減する目的で窒化アルミニウム粉末に金属ボロンや窒化ホウ素(BN)を添加して焼結体を作製する技術が開示されている。その実施例2には窒化ホウ素をホウ素換算で5.0重量%添加することが記載されている。この場合、窒化ホウ素(BN)としての添加量は10質量%を超える量となる。
【0004】
特許文献2には、窒化ホウ素または酸化物を含有する窒化アルミニウムからなる高熱伝導性セラミック担体が記載されている。その実施例の例1には、窒化アルミニウム99重量%と窒化ホウ素1重量%とからなる粉末混合物を素材に用いて焼結させた担体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平4-144967号公報
特開昭59-131583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高電圧機器では、電極と絶縁体の境界部分や絶縁体内部の欠陥部分など、電界が集中する箇所で部分放電が生じやすい。部分放電の発生を長期間放置すると、部分放電の強度と頻度が徐々に増加して部材の損傷や絶縁破壊に繋がる恐れがある。一般に部分放電は発電機、電力変圧器、送電線、電力ケーブルなどの高電圧コンポーネントで問題となりやすいが、高耐圧のパワーモジュールでも対策が必要である。パワーモジュールでは、半導体素子を搭載する電子回路用絶縁基板として、部分放電の強度と頻度を低く抑えることができる特性(以下この特性を「耐部分放電性」という。)に優れるものを適用することが望まれる。
【0007】
図1に、半導体素子を搭載する電子回路用絶縁基板の端部付近の断面構造を模式的に例示する。窒化アルミニウム焼結体などからなるセラミックス板1の一方の面に、銅系あるいはアルミニウム系材料からなる回路用金属部材2が接合されている。セラミックス板1の他方の面には、必要に応じて銅系あるいはアルミニウム系材料からなる放熱用金属部材3が接合されている。この例では、セラミックス板1、回路用金属部材2、放熱用金属部材3によって電子回路用絶縁基板10が構成されている。このような基板の場合、セラミックス板1と回路用金属部材2の接合界面端部20の部位、およびセラミックス板1と放熱用金属部材3の接合界面端部30の部位に電界が集中しやすい。主としてこれらの電界集中部位を起点としてコロナ放電による部分放電が発生する。
【0008】
窒化アルミニウム焼結基板は、優れた絶縁性と熱伝導性が要求されるパワーモジュール等の絶縁基板として有用である。今後は電子機器の性能向上に対応すべく、電子回路用絶縁基板にとっては、耐部分放電性の向上も重要となってくる。特許文献1、2には上述のように窒化ホウ素等の添加物質を使用して窒化アルミニウム焼結基板の誘電率や熱伝導性を改善する技術が開示されている。しかし、これらの開示技術では、耐部分放電性を改善することはできない。本発明は、窒化アルミニウム焼結基板を用いた電子回路用絶縁基板の耐部分放電性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは研究の結果、窒化アルミニウム焼結体の中に窒化ホウ素粒子を特定の形態で散在させることにより、その窒化アルミニウム焼結体を用いた電子回路用絶縁基板の耐部分放電性を向上させることが可能になることを見出した。この知見に基づき、本明細書では以下の発明を開示する。
【0010】
[1]窒化アルミニウム粒子の焼結体の中に、窒化ホウ素粒子が散在している焼結構造体からなり、前記焼結構造体の破断面を観察した反射電子像において、窒化ホウ素粒子の表面が現れている領域の面積率が1.0~5.0%であり、窒化ホウ素粒子の表面が現れている1つの領域の輪郭の内部を1つのBNドメインと言うとき、BNドメインの長径/短径の平均値である平均アスペクト比が6.0以下である、窒化アルミニウム焼結基板。
[2]前記BNドメインの長径による平均径が1.0~5.0μmである、上記[1]に記載の窒化アルミニウム焼結基板。
[3]前記焼結構造体は、窒化アルミニウム粒子の焼結体の中に、前記窒化ホウ素粒子に加えて更にイットリウム含有酸化物粒子が散在しているものである、上記[1]または[2]に記載の窒化アルミニウム焼結基板。
[4]窒化アルミニウム粉末100質量部に対し、粒子の長径/短径の平均値である平均アスペクト比が6.0以下である窒化ホウ素粉末を0.5~5.0質量部の割合で配合した原料粉の混練物を、シート状に成形して、原料粉シートを得る工程と、
前記原料粉シートを1700~1900℃で焼成する工程と、
を含む窒化アルミニウム焼結基板の製造方法。
[5]前記窒化ホウ素粉末は、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D50が0.5~5.0μmである、上記[4]に記載の窒化アルミニウム焼結基板の製造方法。
[6]上記[1]~[3]のいずれかに記載の窒化アルミニウム焼結基板の少なくとも一方の面に銅または銅合金の導電層が形成されている電子回路用絶縁基板。
[7]前記窒化アルミニウム焼結基板の厚さが0.1~3.0mmである、上記[6]に記載の電子回路用絶縁基板。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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