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公開番号2024040876
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-26
出願番号2022145514
出願日2022-09-13
発明の名称イオン交換膜の評価方法及び品質管理方法
出願人株式会社アストム,国立大学法人山口大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類B01D 65/10 20060101AFI20240318BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】本発明の課題は、上記問題点を解決し、イオン交換膜の1価イオン選択性を簡易に評価できる評価方法を提供することにある。
【解決手段】イオン交換膜の1価イオン選択性の評価方法であって、予め複数のイオン交換膜について電気透析試験による1価イオン選択性の評価と膜電位の測定を行い、前記電気透析試験による1価イオン選択性の評価と前記膜電位の測定による測定結果との相関関係を取得し、評価対象のイオン交換膜については、膜電位の測定のみを行い、その測定結果を前記相関関係と照合することにより、1価イオン選択性を評価する前記評価方法。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
イオン交換膜の1価イオン選択性の評価方法であって、予め複数のイオン交換膜について電気透析試験による1価イオン選択性の評価と膜電位の測定を行い、前記電気透析試験による1価イオン選択性の評価と前記膜電位の測定による測定結果との相関関係を取得し、評価対象のイオン交換膜については、膜電位の測定のみを行い、その測定結果を前記相関関係と照合することにより、1価イオン選択性を評価する前記評価方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
膜電位の測定は、測定対象となるイオン交換膜を、イオン交換膜の一方の側が電解質の高濃度溶液に接し、他方の側が電解質の低濃度溶液に接するように配置し、両溶液間の電位差を測定することにより行うことを特徴とする請求項1記載の評価方法。
【請求項3】
膜電位の測定における電解質として、KCl、NH

Cl又はKNO

を使用することを特徴とする請求項2記載の評価方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか記載の評価方法を使用して、イオン交換膜の品質管理を行うイオン交換膜の品質管理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン交換膜の1価イオン選択性の評価方法、及びこれを利用したイオン交換膜の品質管理方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
イオン交換膜を用いたイオン濃縮技術である電気透析(ED)、ドナン透析(DD)等において、Na

、K

、NH
4+
等の複数種の1価イオンの混合溶液、あるいは1価イオン及び2価イオン(いずれのイオンも単一種であっても複数種であってもよい)の混合溶液から目的とするイオンを分離して濃縮・脱塩することは製塩分野、水処理分野、排液処理分野、食品や医薬品原料の製造プロセス等で重要な技術である。イオン交換膜を用いたイオン濃縮技術である電気透析(ED)技術を応用して処理する処理水にはNa

、K

、NH
4+
等の1価カチオン、F

、Cl

、Br

、NO


等の1価アニオン、Ca
2+
、Mg
2+
等の2価カチオン、SO

2-
等の2価アニオンなど複数のイオン種が含まれている場合が多い。これらの中で、例えばCa
2+
、SO

2-
等の2価イオンが共存している溶液を電気透析で濃縮する場合、スケールが発生して、膜を破壊する場合がある。また、特定の1価イオンを選択的に分離・濃縮することが必要な応用分野がある。このため、特定イオンの分離濃縮を行うために特定イオンの選択透過性を有するイオン交換膜が開発されている。特に1価イオンと2価イオンの混合溶液から1価イオンを選択的に透過する1価イオン選択性を有するイオン交換膜が開発されている。
【0003】
このような1価イオン選択性を有するイオン交換膜において、1価イオンの選択性を定量的に評価することは、膜の材料設計や、実際の製品の品質管理上重要である。しかしこれまで、選択透過性イオン交換膜のイオン選択性を定量的に評価するためには、実際に対称のイオン交換膜を用いて当該イオンが混在する溶液を使用した電気透析を行い、その透過比を測定する必要があった(特許文献1の段落[0049]参照)。しかし、この方法では、対象のイオン交換膜を用いた電気透析装置を作製するため多くの労力と費用が必要になるという問題点があった。また、選択性の指標が安定するためには多くの時間がかかるという問題点があった。指標が安定するために必要な時間については、例えば、Na、Caの選択性指標T
Na
Ca
の経時変化を示した非特許文献1の第40ページ図2.14では選択性指標が安定するのに24時間程かかることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-172559号公報
【非特許文献】
【0005】
「イオン交換膜 基礎と応用」(田中 良修、丸善出版株式会社、平成28年12月20日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点を解決し、イオン交換膜の1価イオン選択性を簡易に評価できる評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記問題点を解決するために、1価イオン選択性の評価方法の検討を開始した。検討を進めるなかで、膜電位の測定結果が電気透析試験による1価イオン選択性の評価結果と相関関係を有することを見いだし、このことを利用すれば、簡易にイオン交換膜の1価イオン選択性を評価できる評価方法を提供できることを見いだした。本発明は、こうして完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。
(1)イオン交換膜の1価イオン選択性の評価方法であって、予め複数のイオン交換膜について電気透析試験による1価イオン選択性の評価と膜電位の測定を行い、前記電気透析試験による1価イオン選択性の評価と前記膜電位の測定による測定結果との相関関係を取得し、評価対象のイオン交換膜については、膜電位の測定のみを行い、その測定結果を前記相関関係と照合することにより、1価イオン選択性を評価する前記評価方法。
(2)膜電位の測定は、測定対象となるイオン交換膜を、イオン交換膜の一方の側が電解質の高濃度溶液に接し、他方の側が電解質の低濃度溶液に接するように配置し、両溶液間の電位差を測定することにより行うことを特徴とする上記(1)の評価方法。
(3)膜電位の測定における電解質として、KCl、NH

Cl又はKNO

を使用することを特徴とする上記(2)の評価方法。
(4)上記(1)~(3)のいずれか記載の評価方法を使用して、イオン交換膜の品質管理を行うイオン交換膜の品質管理方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の評価方法は、イオン交換膜の1価イオン選択性を簡易に評価でき、特に1価イオンと2価イオンの混合溶液から1価イオンを選択的に透過する1価イオン選択性を簡易に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施例で使用した膜電位の測定装置を示す図である。
図2は、実施例で使用した電気透析試験装置を示す図である。
図3は、「FKS-20(ブランク)」の電気透析試験結果を示す図である。
図4は、「FKS-20(5)」の電気透析試験結果を示す図である。
図5は、「FKS-20(10)」の電気透析試験結果を示す図である。
図6は、「FKS-20(20)」の電気透析試験結果を示す図である。
図7は、実施例における膜電位と電気透析試験結果との相関関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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