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公開番号2024035115
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2023132275
出願日2023-08-15
発明の名称機械式時計学的運動のスプリング式バランスアセンブリのバランススプリング
出願人ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
代理人個人,個人,個人
主分類G04B 17/06 20060101AFI20240306BHJP(時計)
要約【課題】外側最終コイルをスタッドに確実に取り付けることができるバランススプリングを提供する。
【解決手段】バランススプリング1は、内側第一コイル2と呼ばれる第一自由端と、外側最終コイル6と呼ばれる第二自由端との間に延びる一連のコイルS1~Snによって形成され、コイルS1~Snは、バランススプリング1が自由状態にあるときに偏心して配置され、バランススプリング1の外側最終コイル6は、スタッドへの取り付けのための停止手段で終端し、バランススプリング1は、スプリング式バランスアセンブリ内に組み込まれた状態にあるときに、中心に置かれ、同心円状の螺旋であり、コイルS1~Snは、バランススプリング1が組み込まれた状態にあるときに同心円状に再配置され、バランススプリング1がスタッドに取り付けられることにより、バランススプリング1のコイルに弾性応力が生じ、停止手段はスタッド14に拘束されるように取付けられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
機械式時計学的運動のスプリング式バランスアセンブリのバランススプリング(1)であって、前記バランススプリング(1)は、内側第一コイル(2)と呼ばれる第一自由端と、外側最終コイル(6)と呼ばれる第二自由端との間に延びる一連のコイル(S1,...,Sn)によって形成され、前記コイル(S1,...,Sn)は、前記バランススプリング(1)が自由状態にあるときに偏心して配置され、前記バランススプリング(1)の前記外側最終コイル(6)は、スタッド(14)への取り付けのための停止手段で終端し、前記バランススプリング(1)は、前記内側第一コイル(2)によって天芯に取り付けられ、前記バランススプリング(1)が機械式時計学的運動に組み込まれたスプリング式バランスアセンブリ内に組み込まれた状態にあるときに前記外側最終コイル(6)によって前記スタッドに取り付けられ、前記コイル(S1,...,Sn)は、このバランススプリング(1)が組み込まれた状態にあるときに同心円状に再配置され、前記バランススプリング(1)が前記スタッド(14)に取り付けられることにより、前記バランススプリング(1)の前記コイルに弾性応力が生じ、その結果、前記停止手段は前記スタッド(14)に拘束されるように取り付けられる、バランススプリング(1)。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記停止手段は、フック(8)の形状を有する、請求項1に記載のバランススプリング。
【請求項3】
前記フック(8)は、T形状、L形状、U形状又はアンカー形状である、請求項2に記載のバランススプリング。
【請求項4】
前記バランススプリング(1)は、シリコンから作られる、請求項1に記載のバランススプリング。
【請求項5】
機械式時計学的運動のスプリング式バランスアセンブリのためのバランススプリング(1)及びスタッド(14)によって形成される時計学的アセンブリであって、前記バランススプリング(1)は、内側第一コイル(2)と呼ばれる第一自由端と、外側最終コイル(6)と呼ばれる第二自由端との間に延びる一連のコイル(S1,...,Sn)によって形成され、前記コイル(S1,...,Sn)は、前記バランススプリング(1)が自由状態にあるときに偏心して配置され、前記バランススプリング(1)の前記外側最終コイル(6)は停止手段で終端し、前記スタッド(14)は、前記停止手段を受ける凹部が作られるベース(16)を備え、このバランススプリング(1)が時計学的運動に組み込まれた前記スプリング式バランスアセンブリ内に組み込まれた状態にあるときに、前記コイルは同心円状に再配置され、前記バランススプリングが前記スタッドに取り付けられることにより、前記バランススプリング(1)のコイルに弾性応力が生じ、その結果、前記停止手段は前記スタッド(14)における前記凹部内に拘束されるように係合する、バランススプリング(1)及びスタッド(14)によって形成される時計学的アセンブリ。
【請求項6】
前記凹部は、前記ベース(16)の両側に延びる溝(18)によって形成され、この溝(18)は、前記溝(18)に対して横方向に前記スタッド(14)に作られるスロット(20)に通じている、請求項5に記載のバランススプリング(1)及びスタッド(14)によって形成される時計学的アセンブリ。
【請求項7】
少なくとも1つのノッチ(24)が前記溝(18)に対して平行に作られる、請求項5に記載のバランススプリング(1)及びスタッド(14)によって形成される時計学的アセンブリ。
【請求項8】
2つのノッチ(24)が前記溝(18)の両側に前記溝(18)に対して平行に作られる、請求項7に記載のバランススプリング(1)及びスタッド(14)によって形成される時計学的アセンブリ。
【請求項9】
前記凹部は、前記スタッド(14)の周壁に作られる1つ又は2つのノッチ(24)によって形成される、請求項5に記載のバランススプリング(1)及びスタッド(14)によって形成される時計学的アセンブリ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、時計学的運動のスプリング式バランスアセンブリのためのバランススプリングに関する。本発明は、バランススプリング及びスタッドを備える時計学的アセンブリにさらに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
時計学の分野では、バランスに関連するバランススプリングが、機械式時計のスプリング式バランスと一般的に呼ばれる調整部材を形成する。バランススプリングは、最初に、応力が加えられていないときに同心円状のコイルに巻かれた非常に薄いスプリングとして見られる。組み込み状態では、内側第一コイルと呼ばれるバランススプリングの第一端部が天芯に取り付けられたコレットに取り付けられ、外側最終コイルと呼ばれるバランススプリングの第二端部が、バランスブリッジのスタッドホルダによって通常取り付けられる部分であるスタッドに取り付けられる。
【0003】
より具体的には、振動システムとも呼ばれる機械式時計のタイムベースは、スプリング式バランスアセンブリ及び脱進機を備える。バランスは、第一軸受と第二軸受との間で枢動され、ラジアルアームによってバランスリムに接続された天芯からなる。バランススプリングは、その内側第一コイルによって、例えば、コレットによって天芯に取り付けられ、その外側最終コイルによって、スタッドホルダによって運ばれるスタッド等の固定された取り付け点に取り付けられる。
【0004】
脱進機は、その非常に広範な実施形態において、インパルスピンを運ぶテーブルローラ及びノッチが作られるセーフティローラからなる二重ローラシステムを備える。脱進機は、第一軸受と第二軸受との間で枢動するアンクル心棒を有するアンクルレバーをさらに備える。アンクルレバーは、フォークを入口アーム及び出口アームに接続するレバーからなる。フォークは入口ホーン及び出口ホーンからなり、その間にダーツが延びる。フォークの移動は入口ドテピン及び出口ドテピンによって制限され、これはアンクルブリッジと一体にすることができる。入口アーム及び出口アームは、それぞれ入口アンクル及び出口アンクルを運ぶ。最後に、アンクルレバーは、第一軸受と第二軸受との間で枢動するがんぎ車アーバを備えるがんぎ車と協働する。
【0005】
バランススプリングは、静止時に螺旋形状をとるスプリングである。時計学的運動の平面に平行な水平面に巻かれたバランススプリングは、1つの目的のみを果たす。すなわち、死点とも呼ばれる平衡の位置を中心に、できるだけ一定の周波数でバランスを振動させることである。バランスが所与の方向に枢動することにより平衡の位置を離れると、それはバランススプリングに張力をかける。これにより、バランススプリングに復元トルクが発生し、バランスを平衡の位置に戻す。このビートの間に、バランススプリングは拡張する。しかしながら、バランスが所定の速度、つまり運動エネルギーを獲得すると、それは以前とは逆の方向に平衡の位置を超え、これにより、バランスにかかる復元トルクがそれを再び停止して、それを別の方向に回転させるまで、バランススプリングに再び張力をかける。
【0006】
このようにバランススプリングは交互に拡張及び収縮する。これは呼吸と言われる。しかしながら、多くの要因が、拡張期と収縮期との間にバランススプリングが等時的に展開するのを防ぐ役割を果たし得る。特に、バランススプリングは酸化及び磁気に耐えなければならず、これらはコイルを互いにくっつかせ、時計を停止させてしまう。一方で、大気圧の影響は少ない。熱は金属を膨張させ、寒さは金属を収縮させるため、長い間、温度が主な問題となっている。したがって、バランススプリングは、変形しても常に元の形状に戻ることができるように、弾力性が必要である。
【0007】
バランススプリングの製造に使用される材料は、通常、鋼である。そのような鋼は延性があり、腐食に耐えなければならない。最近の開発は、シリコンからバランススプリングを生成することも提案している。シリコンバランススプリングは、特に磁気の感度が低いであるため、以前の鋼のものよりも正確である。しかしながら、費用が高く、壊れやすいため、組み立てがより困難である。
【0008】
バランススプリングは等時性でなければならない。バランススプリングがどの程度まで回転するかに関係なく、振動するのにかかる時間は常に同じでなければならない。バランススプリングが数度収縮するだけであれば、ほとんどエネルギーを蓄積せず、ゆっくりと平衡位置に戻る。バランススプリングが平衡位置から遠くに移動すると、非常に速く反対方向に移動する。重要なのは、この2つの旅程が完了するのに同じ時間がかかるということである。基本的な考え方は、バランススプリングが利用できるエネルギーは一定ではなく、時計が完全に巻かれていようと、蓄積パワーの最後の時間であろうと、依然として機能しなければならないということである。
【0009】
バランススプリングは寸法が小さいため、組み立てが困難である。しかしながら、バランススプリングの両端を取り付けるやり方も、時計学的運動の速度の精度に大きな影響を与える。ほとんどの機械式時計学的運動では、バランススプリングの両端はドリル加工された部品に挿入され、プライヤを使用して手動で強制的に組み立てられるピンによって固定される。これにより、バランススプリングがわずかに回転する可能性があり、運動速度の精度に悪影響を及ぼす。
【0010】
もう1つの手法は、接着剤を使用してバランススプリングの端部を取り付けることによる。しかしながら、この手法にも限界がある。その粘度のために、接着剤は毛細管作用によってバランススプリングに引張力を与え、スタッドの壁にバランススプリングの端部を押し付け、そこでこれらの端部が係合し得ることが観察されている。結果として生じるバランススプリングの変形は、そこに機械式応力を誘起し、この機械式応力は一定の速度を維持するのに悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
(【0011】以降は省略されています)

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