特許ウォッチ

公開番号2024042248
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2022146830
出願日2022-09-15
発明の名称電波修正時計および電波修正時計の制御方法
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G04G 3/02 20060101AFI20240321BHJP(時計)
要約【課題】温度補償データを容易に作成できる電波修正時計の提供。
【解決手段】電波修正時計は、第1の周波数で発振してクロック信号を出力する第1発振部と、クロック信号を基準に動作する計時部と、第1発振部に比べて周波数の温度依存性が小さく、かつ、第2の周波数で発振してクロック信号を出力する第2発振部を備え、時刻情報を含む電波を受信する受信部と、温度データを取得する温度取得部と、第2発振部から出力されるクロック信号を基準にして求められる第1発振部の発振周波数と、温度取得部で取得した温度データとに基づいて、第1発振部の温度補償データを算出する制御部と、算出された温度補償データを記憶する記憶部と、を備え、制御部は、記憶部に記憶した温度補償データと、温度取得部で取得した温度データに基づいて第1発振部の温度補償を行うことを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
第１の周波数で発振してクロック信号を出力する第１発振部と、
前記クロック信号を基準に動作する計時部と、
前記第１発振部に比べて周波数の温度依存性が小さく、かつ、第２の周波数で発振してクロック信号を出力する第２発振部を備え、時刻情報を含む電波を受信する受信部と、
温度データを取得する温度取得部と、
前記第２発振部から出力されるクロック信号を基準にして求められる前記第１発振部の発振周波数と、前記温度取得部で取得した温度データとに基づいて、前記第１発振部の温度補償データを算出する制御部と、
算出された前記温度補償データを記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記温度補償データと、前記温度取得部で取得した温度データに基づいて前記第１発振部の温度補償を行う
ことを特徴とする電波修正時計。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
請求項１に記載の電波修正時計において、
前記電波は、測位衛星から送信される電波である
ことを特徴とする電波修正時計。
【請求項３】
請求項１に記載の電波修正時計において、
前記制御部は、前記第２発振部を動作させ且つ前記第２発振部からのクロック信号の出力に関係しない前記受信部の少なくとも一部の動作を停止させた状態で、記温度補償データを算出する温度補償データ作成モードを備える
ことを特徴とする電波修正時計。
【請求項４】
請求項３に記載の電波修正時計において、
前記温度補償データ作成モードであることを表示する表示部を備えることを特徴とする電波修正時計。
【請求項５】
請求項１に記載の電波修正時計において、
前記制御部は、
所定条件に合致すると前記受信部を作動して時刻情報を取得する自動受信動作を実行する間隔よりも短い間隔で前記温度補償を実行することを特徴とする電波修正時計。
【請求項６】
請求項１に記載の電波修正時計において、
前記制御部は、
前記受信部による時刻情報の受信成功または受信失敗の結果によって前記第１発振部の温度補償を実行する間隔を変更することを特徴とする電波修正時計。
【請求項７】
第１の周波数で発振してクロック信号を出力する第１発振部と、
前記クロック信号を基準に動作する計時部と、
前記第１発振部に比べて周波数の温度依存性が小さく、かつ、第２の周波数で発振してクロック信号を出力する第２発振部を備え、時刻情報を含む電波を受信する受信部と、
温度データを取得する温度取得部と、
温度補償データを記憶する記憶部と、を備える電波修正時計の制御方法であって、
前記第２発振部を含む前記受信部の少なくとも一部を動作させて前記第２発振部からのクロック信号を出力する工程と、
前記第２発振部から出力される前記クロック信号を基準にして前記第１発振部の発振周波数を測定する工程と、
前記温度取得部を作動して温度データを測定する工程と、
前記第１発振部の発振周波数と前記温度データとに基づいて、前記第１発振部の温度補償データを算出する工程と、
前記温度補償データを前記記憶部に記憶する工程と、
を備えることを特徴とする電波修正時計の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、電波修正時計および電波修正時計の制御方法に関する。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、ＧＰＳ衛星から衛星信号を受信して、取得した時刻情報に基づいて計時している時刻の修正を行う電波修正時計において、温度センサーを備え、水晶振動子の発振周波数の温度補償を行うことが開示されている。
具体的には、温度センサーにより計測される温度データをマイクロコントローラーが取得すると、該マイクロコントローラーはクロック信号の周波数を一定にするように補償信号を発振回路に送信する。発振回路は、補償信号に応じて水晶振動子の発振周波数を変化させ、これにより水晶振動子の発振周波数や発振回路から出力されるクロック信号の周波数を温度によらず一定にしている。
【０００３】
時計用の低周波数（一般に３２７６８Ｈｚ）の水晶振動子は、個体ばらつきが大きく、温度特性も個別の水晶振動子で相違するため、温度補償を行う際の補償信号も個別の水晶振動子毎に設定する必要がある。このため、従来は、特許文献２に記載されたように、個別の電波修正時計毎に専用の外部調整装置を用いて補償信号を設定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１８－１６９２９８号公報
特開２０００－２８４０７７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
従来は、個別の電波修正時計毎に温度補償信号を外部調整装置で設定するため、温度補償データの作成に手間がかかる。このため、電波修正時計においても、温度補償データを容易に作成することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示の電波修正時計は、第１の周波数で発振してクロック信号を出力する第１発振部と、前記クロック信号を基準に動作する計時部と、前記第１発振部に比べて周波数の温度依存性が小さく、かつ、第２の周波数で発振してクロック信号を出力する第２発振部を備え、時刻情報を含む電波を受信する受信部と、温度データを取得する温度取得部と、前記第２発振部から出力されるクロック信号を基準にして求められる前記第１発振部の発振周波数と、前記温度取得部で取得した温度データとに基づいて、前記第１発振部の温度補償データを算出する制御部と、算出された前記温度補償データを記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記温度補償データと、前記温度取得部で取得した温度データに基づいて前記第１発振部の温度補償を行うことを特徴とする。
【０００７】
本開示の電波修正時計の制御方法は、第１の周波数で発振してクロック信号を出力する第１発振部と、前記クロック信号を基準に動作する計時部と、前記第１発振部に比べて周波数の温度依存性が小さく、かつ、第２の周波数で発振してクロック信号を出力する第２発振部を備え、時刻情報を含む電波を受信する受信部と、温度データを取得する温度取得部と、温度補償データを記憶する記憶部と、を備える電波修正時計の制御方法であって、前記第２発振部を含む前記受信部の少なくとも一部を動作させて前記第２発振部からのクロック信号を出力する工程と、前記第２発振部から出力される前記クロック信号を基準にして前記第１発振部の発振周波数を測定する工程と、前記温度取得部を作動して温度データを測定する工程と、前記第１発振部の発振周波数と前記温度データとに基づいて、前記第１発振部の温度補償データを算出する工程と、前記温度補償データを前記記憶部に記憶する工程と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
実施形態の電波修正時計および測位衛星を示す説明図である。
前記電波修正時計の回路構成を示すブロック図である。
前記電波修正時計のＲＯＭに記憶されるプログラムを示す図である。
前記電波修正時計のフラッシュメモリーに記憶されるデータを示す図である。
前記電波修正時計の時計用発振器およびＴＣＸＯの周波数－温度特性を示すグラフである。
前記電波修正時計の制御表示部の要部を示すブロック図である。
前記電波修正時計の水晶発振器の構成を示す回路図である。
前記電波修正時計の温度補償データの算出方法を説明するための図である。
前記電波修正時計の温度補償データの算出方法を示すフローチャートである。
前記電波修正時計の温度補償動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、実施形態の電波修正時計１を図面に基づいて説明する。本実施形態では、電波修正時計１のカバーガラス側を表面側または上側とし、裏蓋側を裏面側または下側として説明する。
【００１０】
電波修正時計１は、図１に示すように、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のＧＰＳ衛星や準天頂衛星などの測位衛星Ｓからの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正できるように構成されている。なお、ＧＰＳは、Global Positioning Systemの略語である。
（【００１１】以降は省略されています）

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