TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024048671
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022154717
出願日2022-09-28
発明の名称時計用部品、時計、および、時計用部品の製造方法
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類G04B 19/06 20060101AFI20240402BHJP(時計)
要約【課題】明度L*の値が非常に低い黒色を呈する時計用部品を提供すること。
【解決手段】本開示の時計用部品は、基材と、基材の少なくとも一部を覆う多層膜と、を備え、基材における多層膜と対向する表面には、複数の凹部が形成され、基材を厚さ方向に切断した断面視で、複数の凹部は、第1辺と、第1辺に対して傾けられ、端部で第1辺と当接する第2辺とにより規定され、断面視において、基材の厚さ方向と直交する方向に沿った第2辺の長さに対する、基材の厚さ方向に沿った第2辺の長さの比は1/2よりも大きく、多層膜は、Crを含む材料から構成される色吸収膜を3層以上含んでおり、基材の厚さ方向から見た平面視で、L*a*b*色空間における明度L*の値が10以下であることを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、
前記基材の少なくとも一部を覆う多層膜と、を備え、
前記基材における前記多層膜と対向する表面には、複数の凹部が形成され、
前記基材を厚さ方向に切断した断面視で、複数の前記凹部は、第1辺と、前記第1辺に対して傾けられ、端部で前記第1辺と当接する第2辺とにより規定され、
前記断面視において、前記基材の厚さ方向と直交する方向に沿った前記第2辺の長さに対する、前記基材の厚さ方向に沿った前記第2辺の長さの比は1/2よりも大きく、
前記多層膜は、Crを含む材料から構成される色吸収膜を3層以上含んでおり、
前記基材の厚さ方向から見た平面視で、L*a*b*色空間における明度L*の値が10以下である
ことを特徴とする時計用部品。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の時計用部品において、
前記多層膜は、前記多層膜を平面に配置した場合において、前記多層膜の厚さ方向から見た平面視で、前記明度L*の値が18以下である
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項3】
請求項1に記載の時計用部品において、
前記多層膜は、Ta



、SiO

、TiO

、Al



、ZrO

、Nb



、HfO

、Na

Al


14
、Na

AlF

、AlF

、MgF

、CaF

、BaF

、YF

、LaF

、CeF

、および、NdF

の少なくとも1種を含む材料から構成される色調整膜を備える
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項4】
請求項3に記載の時計用部品において、
前記色吸収膜は、Crを含む材料から構成される膜の他に、Ag、Pt、Au、Cu、Al、Cr、Sn、Fe、Tiの少なくとも1種を含む材料から構成される膜を有する
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項5】
請求項4に記載の時計用部品において、
前記多層膜は、Crを含む材料から構成される前記色吸収膜と、Al



を含む材料から構成される前記色調整膜と、が積層される箇所を複数備える
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項6】
基材と、
前記基材の少なくとも一部を覆う多層膜と、を備え、
前記基材における前記多層膜と対向する表面には、複数の凹部が形成され、
前記基材を厚さ方向に切断した断面視で、複数の前記凹部は、第1辺と、前記第1辺に対して傾けられ、端部で前記第1辺と当接する第2辺とにより規定され、
前記断面視において、前記基材の厚さ方向と直交する方向に沿った前記第2辺の長さに対する、前記基材の厚さ方向に沿った前記第2辺の長さの比は1/2よりも大きく、
前記基材の厚さ方向から見た平面視で、L*a*b*色空間における明度L*の値が10以下であり、
前記多層膜は、前記多層膜を平面に配置した場合において、前記多層膜の厚さ方向から見た平面視で、前記明度L*の値が18以下である
ことを特徴とする時計用部品。
【請求項7】
請求項1または請求項6に記載の時計用部品を備える
ことを特徴とする時計。
【請求項8】
基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う多層膜と、を備える時計用部品の製造方法であって、
前記基材の表面に複数の凹部を形成する工程と、
複数の前記凹部が形成された前記基材の表面の少なくとも一部に、前記多層膜を積層させる工程と、を備え、
前記基材を厚さ方向に切断した断面視で、複数の前記凹部は、第1辺と、前記第1辺に対して傾けられ、端部で前記第1辺と当接する第2辺とにより規定され、
前記断面視において、前記基材の厚さ方向と直交する方向に沿った前記第2辺の長さに対する、前記基材の厚さ方向に沿った前記第2辺の長さの比は1/2よりも大きく、
前記多層膜は、Crを含む材料から構成される色吸収膜を3層以上含んでおり、
前記基材の厚さ方向から見た平面視で、L*a*b*色空間における明度L*の値が10以下である
ことを特徴とする時計用部品の製造方法。
【請求項9】
基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う多層膜と、を備える時計用部品の製造方法であって、
前記基材の表面に複数の凹部を形成する工程と、
複数の前記凹部が形成された前記基材の表面の少なくとも一部に、前記多層膜を積層させる工程と、を備え、
前記基材を厚さ方向に切断した断面視で、複数の前記凹部は、第1辺と、前記第1辺に対して傾けられ、端部で前記第1辺と当接する第2辺とにより規定され、
前記断面視において、前記基材の厚さ方向と直交する方向に沿った前記第2辺の長さに対する、前記基材の厚さ方向に沿った前記第2辺の長さの比は1/2よりも大きく、
前記基材の厚さ方向から見た平面視で、L*a*b*色空間における明度L*の値が10以下であり、
前記多層膜は、前記多層膜を平面に配置した場合において、前記多層膜の厚さ方向から見た平面視で、前記明度L*の値が18以下である
ことを特徴とする時計用部品の製造方法。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の時計用部品の製造方法において、
前記凹部は、切削加工、レーザー加工、パターニング加工、化学除去加工、研磨加工、および、鍛造・鋳造加工のいずれか一つを用いて形成される
ことを特徴とする時計用部品の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用部品、時計、および、時計用部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、金属光沢部である基板上に、色調を調整する調色膜を積層した時計用部品が開示されている。特許文献1の時計用部品では、金属光沢部および調色膜により外観の色調を調整することで、貴金属を主材料として用いなくても、審美性を優れたものにできるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-124269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、貴金属のような審美性を持たせることはできるものの、調色膜によって光の反射率を著しく低くすることは難しいことから、ベンタブラックのような明度L*の値が非常に低い黒色を達成することが難しいといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の時計用部品は、基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う多層膜と、を備え、前記基材における前記多層膜と対向する表面には、複数の凹部が形成され、前記基材を厚さ方向に切断した断面視で、複数の前記凹部は、第1辺と、前記第1辺に対して傾けられ、端部で前記第1辺と当接する第2辺とにより規定され、前記断面視において、前記基材の厚さ方向と直交する方向に沿った前記第2辺の長さに対する、前記基材の厚さ方向に沿った前記第2辺の長さの比は1/2よりも大きく、前記多層膜は、Crを含む材料から構成される色吸収膜を3層以上含んでおり、前記基材の厚さ方向から見た平面視で、L*a*b*色空間における明度L*の値が10以下であることを特徴とする。
【0006】
本開示の時計用部品は、基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う多層膜と、を備え、前記基材における前記多層膜と対向する表面には、複数の凹部が形成され、前記基材を厚さ方向に切断した断面視で、複数の前記凹部は、第1辺と、前記第1辺に対して傾けられ、端部で前記第1辺と当接する第2辺とにより規定され、前記断面視において、前記基材の厚さ方向と直交する方向に沿った前記第2辺の長さに対する、前記基材の厚さ方向に沿った前記第2辺の長さの比は1/2よりも大きく、前記基材の厚さ方向から見た平面視で、L*a*b*色空間における明度L*の値が10以下であり、前記多層膜は、前記多層膜を平面に配置した場合において、前記多層膜の厚さ方向から見た平面視で、前記明度L*の値が18以下であることを特徴とする。
【0007】
本開示の時計は、前記時計用部品を備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の時計用部品の製造方法は、基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う多層膜と、を備える時計用部品の製造方法であって、前記基材の表面に複数の凹部を形成する工程と、複数の前記凹部が形成された前記基材の表面の少なくとも一部に、前記多層膜を積層させる工程と、を備え、前記基材を厚さ方向に切断した断面視で、複数の前記凹部は、第1辺と、前記第1辺に対して傾けられ、端部で前記第1辺と当接する第2辺とにより規定され、前記断面視において、前記基材の厚さ方向と直交する方向に沿った前記第2辺の長さに対する、前記基材の厚さ方向に沿った前記第2辺の長さの比は1/2よりも大きく、前記多層膜は、Crを含む材料から構成される色吸収膜を3層以上含んでおり、前記基材の厚さ方向から見た平面視で、L*a*b*色空間における明度L*の値が10以下であることを特徴とする。
【0009】
本開示の時計用部品の製造方法は、基材と、前記基材の少なくとも一部を覆う多層膜と、を備える時計用部品の製造方法であって、前記基材の表面に複数の凹部を形成する工程と、複数の前記凹部が形成された前記基材の表面の少なくとも一部に、前記多層膜を積層させる工程と、を備え、前記基材を厚さ方向に切断した断面視で、複数の前記凹部は、第1辺と、前記第1辺に対して傾けられ、端部で前記第1辺と当接する第2辺とにより規定され、前記断面視において、前記基材の厚さ方向と直交する方向に沿った前記第2辺の長さに対する、前記基材の厚さ方向に沿った前記第2辺の長さの比は1/2よりも大きく、前記基材の厚さ方向から見た平面視で、L*a*b*色空間における明度L*の値が10以下であり、前記多層膜は、前記多層膜を平面に配置した場合において、前記多層膜の厚さ方向から見た平面視で、前記明度L*の値が18以下であることを特徴とする。
【0010】
本開示の時計は、前記時計用部品の製造方法にて製造された時計用部品を用いて構成されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

ナカソネ住設株式会社
スケルトン形コンソール時計
7日前
オメガ・エス アー
携行型時計のベゼル又は風防を駆動するためのプレス装置
8日前
オメガ・エス アー
剛性を調整する手段を備える計時器用共振器機構のための渦巻きばね
1日前
オメガ・エス アー
剛性を調整する手段を備える計時器用共振器機構のための渦巻きばね
1日前
カシオ計算機株式会社
電子時計、時刻表示方法及びプログラム
16日前
カシオ計算機株式会社
スイッチ装置および時計
20日前
セイコーエプソン株式会社
時計用部品、時計、および、時計用部品の製造方法
23日前
モントレ・ジャケ・ドロー・エスアー
自動ロック手段を含む、散発的な瞬間に作動可能な時計モジュール
14日前
モントレ・ジャケ・ドロー・エスアー
自動ロック手段を含む、散発的な瞬間に作動可能な時計モジュール
14日前
ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
時計の設定及び巻上げの動作を最適化する方法、並びに最適化方法を実施するデバイス
2日前