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公開番号2024025561
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022129088
出願日2022-08-12
発明の名称コークスの製造方法
出願人JFEスチール株式会社,国立大学法人九州大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C10B 53/08 20060101AFI20240216BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供する。
【解決手段】コークスの製造方法は、酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、半炭化物と石炭とを混合して混合物を得る混合ステップと、混合物を300μm以下の粒子径に粉砕して混合粉を得る粉砕ステップと、125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含む。
【選択図】無し
特許請求の範囲【請求項1】
酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
前記半炭化物と石炭とを混合して混合物を得る混合ステップと、
前記混合物を300μm以下の粒子径に粉砕して混合粉を得る粉砕ステップと、
125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含むコークスの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記粉砕ステップでは、前記混合物を100μm以下の粒子径に粉砕して前記混合粉を得る請求項1に記載のコークスの製造方法。
【請求項3】
酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
前記半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、
前記半炭化物粉と300μm以下の粒子径の石炭粉とを混合して混合粉を得る粉末混合ステップと、
125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含むコークスの製造方法。
【請求項4】
前記粉末混合ステップでは、前記混合粉における前記半炭化物粉の配合比を、50wt%以上とする請求項3に記載のコークスの製造方法。
【請求項5】
前記半炭化物粉砕ステップでは、前記半炭化物を100μm以下の粒子径に粉砕して前記半炭化物粉を得て、
前記粉末混合ステップでは、前記半炭化物粉と100μm以下の粒子径の前記石炭粉とを混合して前記混合粉を得る請求項3に記載のコークスの製造方法。
【請求項6】
酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
前記半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、
125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記半炭化物粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含むコークスの製造方法。
【請求項7】
前記半炭化物粉砕ステップでは、前記半炭化物を100μm以下の粒子径に粉砕して前記半炭化物粉を得る請求項6に記載のコークスの製造方法。
【請求項8】
前記半炭化ステップでは、木質系バイオマスを250℃以上300℃以下に加熱して前記半炭化物を得る請求項1から7の何れか一項に記載のコークスの製造方法。
【請求項9】
前記炭化ステップでは、前記成型物を500℃以上900℃以下の乾留温度で乾留してコークスに転換する請求項6又は7に記載のコークスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コークスの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化への対策として、製銑プロセスにおいても、温室効果ガスの排出量と吸収量との均衡(いわゆる、カーボンニュートラル)が要請される。製銑における高炉プロセスでは、コークスを多量に消費して二酸化炭素を排出することから、例えば高炉プロセスにおける化石燃料由来のコークスの使用量の低減が要請される。
【0003】
特許文献1には、木質系バイオマスを用いたコークスの製造方法が開示されている。この製造方法では、バイオマスは、予め粉砕機で10mm以下程度に粉砕される。粉砕されたバイオマスは溶媒抽出槽に搬送され、エタノール等の溶媒を用いてバイオマスに含まれる低分子成分を溶媒抽出される。その後、加熱機で150~350℃に加熱され、成形機で加圧成形して、バイオマス成形物とされる。このバイオマス成形物は、乾留炉で乾留、炭化されてコークスとされる。
【0004】
特許文献2には、複合固形燃料及び複合固形燃料の製造方法が記載されている。この複合固形燃料は、石炭粉と、バイオマス粉とを含む。複合固形燃料の製造方法の一例として、バイオマスを250℃以上500℃以下で加熱する工程と、加熱されたバイオマスを粉砕してバイオマス粉を得る工程と、バイオマス粉と、石炭粉とを混合する工程と、混合する工程で得られた混合物を、50MPa以上150MPa以下で圧縮成型する工程と、を有する製造方法が開示されている。
【0005】
非特許文献1には、間接的引張強度試験法によるコークス強度(高炉用成型コークスの強度)の検討の結果が開示されている。この開示によれば、高炉プロセスで一般的に使用される商用コークスの強度は、間接引張強度で3~5MPa程度であることがわかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-359898号公報
特開2021-176938号公報
【非特許文献】
【0007】
間接的引張強度試験法によるコークス強度の検討(I)、燃料協会誌、第54巻、第584号、1975年、P983-993、宮川亜夫ら、[令和4年6月13日検索]、インターネット<https://www.jstage.jst.go.jp/article/jie1922/54/12/54_12_983/_pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、高炉プロセスは製銑における中核技術である。そのため、高炉プロセスにおいて、化石燃料由来のコークスを単純にバイオマス由来のコークスに置き換えることは容易ではない。例えば、従来の高炉プロセスで一般的に使用される商用コークスの強度と同等以上の強度のコークスでなければ、従来の高炉プロセスを踏襲した製銑が困難になる場合も想定される。詳述すると、高炉で銑鉄を製造するには、高炉に鉄鉱石類とコークスとを交互に投入して層状に充填し、羽口から吹き込まれる高温の熱風でこの充填層を加熱すると共に、主にコークスから発生したCOガスで鉄鉱石類を還元し溶製することが必要である。こうした高炉の操業を安定して行なうには、炉内の充填層での通気性や通液性の確保が必要である。例えばコークスの強度が低いと、充填層でコークスがその形状を維持できず、充填層での通気性や通液性が損なわれる場合がある。そのため、充填層での通気性や通液性を確保すべく所定の強度を有するコークスの使用が必要となる。また、経済的側面で見ると、従来の高炉プロセスで一般的に使用される商用コークスに対する製造工程の大きなコストアップは受け入れがたい。そのため従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法の提供が望まれる。
【0009】
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るコークスの製造方法は、
酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
前記半炭化物と石炭とを混合して混合物を得る混合ステップと、
前記混合物を300μm以下の粒子径に粉砕して混合粉を得る粉砕ステップと、
125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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