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公開番号2023122836
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-09-05
出願番号2022026575
出願日2022-02-24
発明の名称生繭の乾燥方法、シルク製品および食品
出願人丸中株式会社,群馬県
代理人
主分類D01B 7/00 20060101AFI20230829BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】熱による黄変が少なく風合いも柔らかい生糸を量産できるとともに、旨味と風味が良好な食用蛹が得られる生繭の乾燥方法を提供する。
【解決手段】本発明の生繭の乾燥方法は、摂氏40度乃至摂氏90度に保持された容器5の内部に生繭を設置し、生繭に含まれる水分子に近赤外線領域の電磁波を吸収させ、電磁波と共振させることで水分子の水蒸気化を促進させ、これによって発生する水蒸気を容器5の外に排出させる。これにより、乾燥歩合を24時間以内に45パーセント以下とし、生繭の表面と乾燥後の繭の表面を測色してCIELAB座標におけるユークリッド距離として計算された両者の色差を、丁度可知差異とされる2.3より小さくする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
生繭に含まれる水分子に近赤外線領域の電磁波を吸収させ、前記電磁波と共振させることで前記水分子の水蒸気化を促進させることを特徴とする、生繭の乾燥方法。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
摂氏40度乃至摂氏90度に保持された容器の内部に生繭を設置し、前記生繭に含まれる水分子に近赤外線領域の電磁波を吸収させ、前記電磁波と共振させることで前記水分子の水蒸気化を促進させ、これによって発生する水蒸気を前記容器の外に排出させることを特徴とする、請求項1に記載の生繭の乾燥方法。
【請求項3】
乾燥歩合を24時間以内に45パーセント以下とすることを特徴とする、請求項1若しくは請求項2に記載の生繭の乾燥方法。
【請求項4】
生繭の表面と乾燥後の繭の表面を測色し、CIELAB座標におけるユークリッド距離として計算した前記生繭の表面と乾燥後の繭の表面の色差が、2.3より小さいことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の生繭の乾燥方法。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の乾燥方法で乾燥した繭から作製されたシルク製品。
【請求項6】
請求項1~4の何れか1項に記載の乾燥方法で乾燥した繭から取り出された蛹を原料とする食品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生繭の乾燥方法、乾燥した繭から作製されたシルク製品、および繭から取り出した蛹を原料とする食品に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
蚕は営繭後に蛹化し、その後、約10日で羽化することが知られている。そのため、蛹が羽化する前に繭から絹糸を繰糸する必要がある。養蚕農家から製糸工場へ繭を出荷した時点では、繭の中で蛹が生きているため、羽化による蛾の発生とカビの発生を防いで繭を長期に保存する目的で、摂氏110度乃至摂氏120度の高温加熱による繭の乾燥作業(乾繭)が一般に行われている。乾繭しないで繭を繰糸する生繰りという方法では、常温での長期保存はできないが、高温で乾燥処理をしていないため、熱による黄変が少なく風合いも柔らかい生糸が得られる(非特許文献1参照)。
【0003】
養蚕の第一目的は蚕から絹糸を得ることであるが、蚕の蛹は貴重なタンパク源としても注目されている。脂質、糖質、蛋白質、ビタミン類、ミネラル等のヒトに有用な栄養素を多く含むことから、食用にも利用されている。蛹の段階では内臓に糞が詰まっていないため、長期滞在する宇宙ステーションでの食料としての利用も研究されている。蛹は、非常に栄養価に富んだ有望な資源であるため、食糧問題の解消にも期待がもてる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
天田守ほか著、「生繭繰糸技術と織物特性」群馬県蚕業試験場研究報告、2000年3月発行、p.65-70
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
摂氏110度乃至摂氏120度の高温による乾繭では、繰糸で得られる生糸に熱による黄変が生じ、風合いも硬くなり商品価値が下がることが問題であった。一方、乾繭を行わない生繰りでは、生繭を長期保存することができないため、繰糸可能な期間が限定され、そのために生糸の生産量を増やすことが困難であった。また、蛹を食用とする場合、摂氏110度乃至摂氏120度の乾繭ではタンパク質の変性や分解が生じ、旨味や風味が損なわれるという問題があった。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、熱による黄変が少なく風合いも柔らかい生糸を量産できるとともに、旨味と風味が良好な食用蛹が得られる生繭の乾燥方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の生繭の乾燥方法は、生繭に含まれる水分子に近赤外線領域の電磁波を吸収させ、電磁波と共振させることで水分子の水蒸気化を促進させる。
【0007】
本発明の生繭の乾燥方法は、摂氏40度乃至摂氏90度に保持された容器の内部において、生繭に含まれる水分子に近赤外線領域の電磁波を吸収させ、電磁波と共振させることで水分子の水蒸気化を促進させ、これによって発生する水蒸気を容器の外に排出させる。
【0008】
本発明の乾燥方法では、乾燥歩合を24時間以内に45パーセント以下とする。
【0009】
本発明の乾燥方法では、生繭の表面と乾燥後の繭の表面を測色してCIELAB座標におけるユークリッド距離として計算された両者の色差を、丁度可知差異とされる2.3より小さくする。
【0010】
本発明の乾燥方法で乾燥した繭からシルク製品を作製する。
(【0011】以降は省略されています)

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