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公開番号2025181467
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-11
出願番号2024089467
出願日2024-05-31
発明の名称リヨセル繊維及びその製造方法
出願人青島紗支紡織科技有限公司,青島新嘉程家紡有限公司,青島尼希米生物科技有限公司
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類D01F 2/00 20060101AFI20251204BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】温度調節機能が長期間維持され、且つ、ホルマリンを吸収することができるリヨセル繊維とその製造方法を提供する。
【解決手段】リヨセル繊維はセルロース、コアセル構造を有するマイクロカプセル、及びホルマリン捕捉剤を含み、このマイクロカプセルは、リヨセル繊維マトリックス及びホルマリン捕捉剤と架橋され、マイクロカプセルのコアは相変化材料及びナノ核生成剤を含み、マイクロカプセルのセルはメラミン変性尿素ホルムアルデヒド樹脂プレポリマーを含む。リヨセル繊維の製造方法は、セルロースパルプ、N-メチルモルホリン-N-オキシド、コアセル構造を有するマイクロカプセル、及びホルマリン捕捉剤を混合し、後処理を行う紡糸原液準備工程、紡糸原液準備工程を経て得られた紡糸原液を紡糸する紡糸工程、及び、紡糸工程を経て得られる糸をマイクロ波処理工程に付すマイクロ波処理工程を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セルロース、コアセル構造を有するマイクロカプセル、及びホルマリン捕捉剤を含むリヨセル繊維であって、
当該マイクロカプセルは、当該セルロース及び当該ホルマリン捕捉剤と架橋され、
当該マイクロカプセルのコアは相変化材料及びナノ核生成剤を含み、
当該マイクロカプセルのセルはメラミン変性尿素ホルムアルデヒド樹脂プレポリマーを含む、リヨセル繊維。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記セルロース、マイクロカプセル、ホルマリン捕捉剤の含有量の質量比が100:49.8~99.7:2.5~5の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載されたリヨセル繊維。
【請求項3】
前記マイクロカプセルのセルがナノ酸化亜鉛粒子を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載されたリヨセル繊維。
【請求項4】
前記相変化材料は、パラフィン、n-オクタデカン、n-ノナデカン、及びn-エイコサンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、
前記ナノ核生成剤は、ナノ酸化亜鉛、ナノ二酸化チタン、ナノ炭酸カルシウム、及びナノシリカからなる群から選ばれる少なくとも1つを含み、
前記ナノ核生成剤の粒径は15~50nmの範囲であり、
前記ナノ核生成剤と前記相変化材料の含有量の質量比が0.2~0.3:10の範囲であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載されたリヨセル繊維。
【請求項5】
前記ホルマリン捕捉剤と前記マイクロカプセルの含有量の質量比が1~1.5:20の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載されたリヨセル繊維。
【請求項6】
前記マイクロカプセルのセル中のナノ酸化亜鉛粒子と前記メラミン変性尿素ホルムアルデヒド樹脂プレポリマーの含有量の質量比が0.1~0.3:1の範囲であることを特徴とする、請求項3に記載のリヨセル繊維。
【請求項7】
前記ホルマリン捕捉剤は、アミド化合物であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載されたリヨセル繊維。
【請求項8】
セルロースパルプ、N-メチルモルホリン-N-オキシド、コアセル構造を有するマイクロカプセル、及びホルマリン捕捉剤を混合し、後処理を行う紡糸原液準備工程、
当該紡糸原液準備工程を経て得られた紡糸原液を紡糸する紡糸工程、及び、
当該紡糸工程を経て得られる糸をマイクロ波処理工程に付すマイクロ波処理工程を含む、リヨセル繊維の製造方法。
【請求項9】
前記マイクロ波処理工程で照射されるマイクロ波の周波数が1560~1800MHzの範囲であり、前記マイクロ波処理工程の処理時間が20~36分間の範囲であることを特徴とする、請求項8に記載されたリヨセル繊維の製造方法。
【請求項10】
前記セルロースパルプに含まれるα-セルロースの含有量が92~99質量%であり、
前記マイクロカプセルと、前記ホルマリン捕捉剤と、前記セルロースパルプに含まれる前記α-セルロースとの含有量の比が質量比で50.6~101.8:2.5~5:100であることを特徴とする、請求項8に記載されたリヨセル繊維の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リヨセル繊維及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
科学技術の発展と人々の生活水準の向上に伴い、繊維産業は、機能化及びインテリジェント化の方向に徐々に発展しており、温度調節繊維がそのうちの重要な一種である。温度調節繊維は、双方向の自動温度調節機能を備えており、相変化材料(PCM)を利用して、相変化過程において潜熱を放出または吸収して温度調節の目的を達成する。
【0003】
既存の温度調節繊維のほとんどは、ビスコース繊維をベースにしたものである。例えば、特許文献1は、温度調節機能を備える温度調節セルロース繊維の製造方法を開示している。特許文献2は、ビスコース繊維及びその製造方法を開示している。
【0004】
特許文献1及び2に開示されている繊維の紡糸プロセスは長く、当該プロセスにおいて水酸化ナトリウム、二硫化炭素、硫酸など腐食性を有する化学原料が使用されるので、深刻な環境汚染が引き起こされている。これに鑑み、リヨセル繊維をベースにした温度調節繊維が生まれた。
【0005】
リヨセル繊維は、セルロースをN-メチルモルホリン-N-オキシド(NMMO)に溶解してドライジェット湿式紡糸プロセスによって製造される再生セルロース繊維である。リヨセル繊維の製造プロセスは、ビスコース繊維と比べ、シンプルで環境に優しく、物理的及び機械的特性が優れており、寸法安定性が良いため、消費者に好まれている。特許文献3には、温度調節機能を実現する相変化材料である半精製パラフィン混合物をリヨセル繊維の紡糸スラリーに直接添加し、温度調節機能を備えたリヨセル繊維の製造が開示されている。しかし、前記リヨセル繊維中の相変化材料は、リヨセル繊維から失われやすく、繊維の温度調節機能も長期間は維持されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
中国特許出願公開第1995497号明細書
中国特許出願公開第101942706号明細書
中国特許出願公開第110886026号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、温度調節機能が長期間維持され、且つ、ホルマリンを吸収することができるリヨセル繊維とその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは前記課題に鑑みて検討を重ね、セルロース、コアセル構造を有する特定のマイクロカプセル、及びホルマリン捕捉剤を含むリヨセル繊維の温度調節機能が長期間維持されることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0009】
本発明は、セルロース、コアセル構造を有するマイクロカプセル、及びホルマリン捕捉剤を含むリヨセル繊維であって、
当該マイクロカプセルは、当該セルロース及び当該ホルマリン捕捉剤と架橋され、
当該マイクロカプセルのコアは相変化材料及びナノ核生成剤を含み、
当該マイクロカプセルのセルはメラミン変性尿素ホルムアルデヒド樹脂プレポリマーを含むリヨセル繊維に関する。
【0010】
更に本発明は、セルロースパルプ、N-メチルモルホリン-N-オキシド、コアセル構造を有するマイクロカプセル、及びホルマリン捕捉剤を混合し、後処理を行う紡糸原液準備工程、
当該紡糸原液準備工程を経て得られた紡糸原液を紡糸する紡糸工程、及び、
当該紡糸工程を経て得られる糸をマイクロ波処理工程に付すマイクロ波処理工程を含む、リヨセル繊維の製造方法に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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