TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025167093
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024071385
出願日2024-04-25
発明の名称アガロースナノファイバーおよびその製造方法
出願人国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類D01F 9/00 20060101AFI20251030BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】アガロースのみを溶媒に溶解した溶液を使ってナノファイバーを製造する技術を提供する。
【解決手段】本発明に係るアガロースナノファイバーの製造方法は、アガロースを、ヘキサフルオロイソプロパノールからなる溶媒、ヘキサフルオロイソプロパノール又はエタノールと水とを混合してなる溶媒に溶解してアガロース溶液を調製し、前記アガロース溶液を用いてエレクトロスピニング法により紡糸してアガロースナノファイバーを製造することを特徴とする。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
アガロースを、ヘキサフルオロイソプロパノールからなる溶媒、水とヘキサフルオロイソプロパノール又は水とエタノールとを混合してなる溶媒に溶解してアガロース溶液を調製し、
前記アガロース溶液を用いてエレクトロスピニング法により紡糸してアガロースナノファイバーを製造する、アガロースナノファイバーの製造方法。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
請求項1に記載のアガロースナノファイバーの製造方法において、
前記アガロースのハイドロゲルを調製し、該アガロースハイドロゲルを凍結乾燥した後、前記溶媒に溶解して前記アガロース溶液を調製する、アガロースナノファイバーの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のアガロースナノファイバーの製造方法において、
前記アガロースハイドロゲルのアガロース濃度が1.5~5.0重量%である、アガロースナノファイバーの製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のアガロースナノファイバーの製造方法において、
前記溶媒が、水とヘキソフルオロイソプロパノールの混合溶媒である、アガロースナノファイバーの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載のアガロースナノファイバーの製造方法において、
前記混合溶媒が、水とヘキソフルオロイソプロパノールとを10:90~5:95の比で混合したものである、アガロースナノファイバーの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のアガロースナノファイバーの製造方法において、
前記混合溶媒が、水とヘキソフルオロイソプロパノールとを7.5:92.5の比で混合したものである、アガロースナノファイバーの製造方法。
【請求項7】
アガロースのみを原料とする、繊維径が10~1000 nmのアガロースナノファイバー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アガロースナノファイバーおよびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
海藻から抽出される天然多糖であるアガロースは、溶融温度とゲル化温度の差が大きく、80~90℃で水に溶解した後、室温に冷却することにより簡単にゲル化するという性質を有する。このような性質を利用して作製されたアガロースのハイドロゲルや繊維材料、スポンジ状の材料は組織工学、医薬品デリバリー、バイオセンサー等の分野で広く利用されている。
【0003】
天然多糖にはアガロース以外にもセルロース、キチン、キトサン、アルギン酸、デキストリン等、様々な種類があり、これらの天然多糖を原料とするナノファイバーは、高い増粘性・保水性を有し、且つ生体適合性に優れるため、食品や医療材料や美容材料として注目されている。また、天然多糖のナノファイバーは軽量で且つ高強度という性質を有することから、建材、自動車部品材料、電気材料等への応用も期待されている。
【0004】
ナノファイバーの製造方法の一つにエレクトロンスピニングと呼ばれる電界紡糸技術がある。エレクトロスピニングでは、ナノファイバーの原料となる物質を溶かした溶液をシリンジに充填し、該シリンジ内の溶液に高電圧を印加することでシリンジのノズルから溶液を噴出させ、直径が数十ナノメートルから数マイクロメートルオーダーのファイバーを製造する。
【0005】
エレクトロスピニング法によりナノファイバーを製造するためには、適切な溶媒に原料を溶解して溶液を調製する必要がある。ところが、アガロースはゲル化し易いという性質を有するため、エレクトロスピニングの材料となるアガロース溶液の調製が難しい。そのため、アガロースのナノファイバーを得るために、アガロースとキトサン等の他の高分子化合物とをブレンドして調製した溶液が用いられているのが実状であった(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
S. Teng, P. Wang, H. Kim, Mater. Lett. 2009, 63, 2510.
M. A. Salati et al., Polymers 2020, 12, 1150-1165.
K. Katsuura, 工業科学雑誌 1965, 3, 205-209.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、アガロースを他の高分子化合物とブレンドすることなく溶媒に溶解した溶液を用いてナノファイバーを製造する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係るアガロースナノファイバーの製造方法は、
アガロースを、ヘキサフルオロイソプロパノールからなる溶媒、水とヘキサフルオロイソプロパノール又は水とエタノールとを混合してなる溶媒に溶解してアガロース溶液を調製し、
前記アガロース溶液を用いてエレクトロスピニング法により紡糸してアガロースナノファイバーを製造することを特徴とする。
【0009】
上記のアガロースナノファイバーの製造方法においては、
前記アガロースのハイドロゲルを調製し、該アガロースハイドロゲルを凍結乾燥した後、前記溶媒に溶解して前記アガロース溶液を調製することが好ましい。
【0010】
この場合、前記アガロースハイドロゲルのアガロース濃度は、1.5~5.0重量%の範囲であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

東レ株式会社
遮熱性アクリル繊維
1か月前
東レ株式会社
溶融紡糸口金パック
1か月前
東レ株式会社
扁平多様断面繊維を含有した中綿
1か月前
株式会社大林組
繊維材供給システム
11日前
東レ株式会社
耐炎化繊維束および炭素繊維束の製造方法
1か月前
TMTマシナリー株式会社
紡糸設備
17日前
TMTマシナリー株式会社
糸巻取機
13日前
東レ・モノフィラメント株式会社
複合モノフィラメント
1か月前
村田機械株式会社
紡績機
1か月前
村田機械株式会社
玉揚装置及び自動ワインダ
4日前
株式会社カネカ
繊維、及び、繊維構造体
1か月前
マクセル株式会社
樹脂発泡糸の製造方法及びラム押出成形機
5日前
東レ株式会社
偏心芯鞘中空複合繊維原綿およびそれを用いてなる繊維球状体
1か月前
三井化学株式会社
繊維および繊維の製造方法
1か月前
KBセーレン株式会社
繊維、ポリオレフィン繊維、及びポリオレフィン繊維の製造方法
3日前
ユニチカトレーディング株式会社
セルロース繊維製品のリサイクル方法及び短繊維状物
24日前
華巧國際有限公司
生体エネルギー混紡撚繊維およびその使用
27日前
株式会社カネカ
繊維及びその製造方法、並びに、繊維構造体及びその製造方法
1か月前
国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
アガロースナノファイバーおよびその製造方法
3日前
レンチング アクチエンゲゼルシャフト
難燃性リヨセルフィラメント
3日前
株式会社クラレ
液晶ポリエステル繊維およびその製造方法
1か月前
群栄化学工業株式会社
樹脂繊維、その製造方法、炭素繊維、その製造方法、活性炭素繊維およびその製造方法
1か月前
フラテッリ チェカット ミラノ エス.アール.エル.
多列同軸メルトブローン型プラント
1か月前
美津濃株式会社
芯鞘複合繊維及びそれを含む織編物ならびに芯鞘複合繊維の製造方法
24日前
旭化成株式会社
カーボンナノチューブとセルロースを含む繊維及びその製造方法
1か月前
コベイション・インコーポレイテッド
2成分繊維を製造する方法およびこれを含む物品
13日前
フラテッリ チェカット ミラノ エス.アール.エル.
マルチロー同軸スパンボンド及び/又はメルトブローン型生産設備のための紡糸口金
1か月前
三菱ケミカル株式会社
親水性ポリオレフィン系中空糸、親水性ポリオレフィン系中空糸膜、親水性ポリオレフィン系中空糸膜の製造方法及び親水性ポリオレフィン系中空糸膜を用いた中空糸膜カートリッジ
1か月前
カーボン ホールディングス インテレクチュアル プロパティズ, エルエルシー
石炭から低密度炭素繊維を製造するためのシステム及び方法
18日前
チョーチアン ヘンイー ペトロケミカル カンパニー,リミテッド
巻糸パッケージの処理方法、処理装置、電子デバイス、記憶媒体及びプログラム
27日前
東京応化工業株式会社
レジスト組成物、及びレジストパターン形成方法
1か月前
キオクシア株式会社
半導体記憶装置
1か月前
ザ ジャクソン ラボラトリー
高頻度標的化動物遺伝子導入
3日前
ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
呼吸器疾患における肺機能を改善するための気管支拡張剤としての吸入スタチン
1か月前