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公開番号2025160928
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-23
出願番号2025131410,2023517828
出願日2025-08-06,2021-06-01
発明の名称石炭から低密度炭素繊維を製造するためのシステム及び方法
出願人カーボン ホールディングス インテレクチュアル プロパティズ, エルエルシー,CARBON HOLDINGS INTELLECTUAL PROPERTIES, LLC
代理人個人
主分類D01F 9/145 20060101AFI20251016BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】ガラス繊維断熱材の代替として、建築環境におけるエネルギー効率を向上させるための手頃な価格の炭素繊維断熱材を製造するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本明細書で開示する実施形態は、石炭を処理するシステム及び方法に関するものである。直接空気捕捉システムは、電圧源と、該電圧源と電気的に接続されている石炭由来の電気活性ポリマーとを備え、該石炭由来の電気活性ポリマーに電圧を印加したときに、該石炭由来の電気活性ポリマーに二酸化炭素を結合させるようにされる。二酸化炭素を捕捉する方法は、電気活性ポリマーを二酸化炭素を含むガス流に入れることと、該電気活性ポリマーに電圧を印加して該二酸化炭素を該電気活性ポリマーに結合することと、該電気活性ポリマーに印加された電圧の極性を反転させて、該二酸化炭素を放出させることと、を含む。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
電圧源と、該電圧源と電気的に接続されている石炭由来の電気活性ポリマーとを備え、該石炭由来の電気活性ポリマーに電圧を印加したときに、該石炭由来の電気活性ポリマーに二酸化炭素を結合させるようにされた、直接空気捕捉システム。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
該石炭由来の電気活性ポリマーは、低熱伝導性炭素繊維を含む、請求項1に記載の直接空気捕捉システム。
【請求項3】
該石炭由来の電気活性ポリマーが、グラフェンと、酸化グラフェンと、グラフェンナノチューブと、グラフェンドットとのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の直接空気捕捉システム。
【請求項4】
より大きな断熱特性を促進させる追加の空隙をもたらすようにされたグラフェンナノチューブをさらに含む、請求項1に記載の直接空気捕捉システム。
【請求項5】
該石炭由来の電気活性ポリマーが、
原料石炭を液化工程にかけてアントラセンを形成することと、
該アントラセンを酸化してアントラキノンを形成することと、
該アントラキノンを塩素処理してジクロロアントラキノンを形成することと、
該ジクロロアントラキノンを重合して石炭由来の電気活性ポリマーを生成することと、
を含むプロセスによって石炭から得られる、請求項1に記載の直接空気捕捉システム。
【請求項6】
該アントラキノンが塩酸で塩素処理される、請求項1に記載の直接空気捕捉システム。
【請求項7】
電気活性ポリマーを、二酸化炭素を含むガス流に入れることと、
該電気活性ポリマーに電圧を印加して該二酸化炭素を該電気活性ポリマーに結合することと、
該電気活性ポリマーに印加された電圧の極性を反転させて、該二酸化炭素を放出させることと、
を含む、二酸化炭素を捕捉する方法。
【請求項8】
該電気活性ポリマーが、カーボンナノチューブと、グラフェンと、酸化グラフェンと、グラフェンドットと、該電気活性ポリマーの導電性を高めるように構成されたこれらの組み合わせとのうちの少なくとも1つを含むことができる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
二酸化炭素を収集することと、該二酸化炭素を合成ガスと、炭化水素材料と、高密度化液体とのうちの少なくとも1つに変えることと、を更に含む、請求項7に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年5月29日に出願された「石炭から低密度炭素繊維を製造するためのシステム及び方法(SYSTEMS AND METHODS FOR MANUFACTURING LOW-DENSITY CARBON FIBER FROM COAL)」と題する米国仮特許出願第63/031,725号に基づく出願であり、その優先権を主張し、この仮特許出願の開示内容は参照によりその全体が組み込まれる。
続きを表示(約 3,200 文字)【0002】
本明細書に記載された実施形態は、概括的には、炭素製品及び炭素系材料の処理方法に関する。より詳細には、これら実施形態は、低密度炭素繊維、並びに石炭から低密度炭素繊維を製造するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
繊維材料は、商業航空、レクリエーション、工業、及び輸送産業などの広範な産業において多くの様々な用途に使用されている。炭素繊維は、高強度、高弾性率、高導電性などの優れた特性により、様々な複合材料に使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱処理による有機繊維の炭化によって製造できる従来の炭素繊維(例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、又はセルロース系炭素繊維)等の、従来から知られている方法を用いて製造された炭素繊維は、低い電気伝導率を示し、また開発コストがかかる。そのため、炭素繊維の製造者及び使用者は、炭素繊維を製造する新規で改良された方法を求め続けている。本明細書に記載される多くのシステム及び方法は、従来の高コストで低収量のPAN系又はセルロース系の断熱性繊維よりも有利な、低コストで高収量の石炭系ピッチ前駆体を使用することができる。本明細書に記載のシステム及び方法はまた、現在ある炭素繊維に比較してコストを大幅に低減する低コストのピッチ系炭素繊維であって、全ての有用な用途に用いられることを可能とする炭素繊維を提供することができる。例えば、本システム及び方法は、ガラス繊維断熱材の代替として、建築環境におけるエネルギー効率を向上させるための手頃な価格の炭素繊維断熱材を製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示する実施形態は、石炭から低密度炭素繊維を製造するための方法に関するものである。本明細書における実施形態はまた、石炭由来の電気活性ポリマーを含む直接空気捕捉システム、及びガス流から二酸化炭素(CO

)を捕捉する方法に関するものである。本明細書に開示される方法は、連続的なプロセスを含んでもよい。一例として、本明細書に開示される方法は、ガス流からCO

を捕捉するための石炭由来の電気活性ポリマーを含む直接空気捕捉システムを含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、石炭を処理する方法は、原料石炭を液化工程にかけてピッチ樹脂を形成することと、該ピッチ樹脂を可変結晶化度(variable crystallinity)紡糸工程にかけて原料繊維を形成することと、該原料繊維を酸素安定化工程にかけることと、安定化された繊維を炭化工程にかけて低熱伝導性炭素繊維を形成することと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、この石炭を処理する方法は、可変結晶化度紡糸工程の前又は間に、ピッチ樹脂にブレンド添加剤を添加することをさらに含んでもよい。ブレンド添加剤は、等方性ピッチと、程度の異なる異方性ピッチと、熱可塑性ブレンド添加剤とのうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施形態では、熱可塑性ブレンド添加剤は、フェノール樹脂とリグニンとのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、可変結晶化度紡糸工程は、メルトブローン溶媒和紡糸システム(melt blown solvated-spinning system)を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、当該石炭を処理する方法は、原料繊維を発泡させて炭素繊維内に空隙(ボイド)を生じさせることを含むことができる。実施形態において、当該石炭を処理する方法は、可変結晶化度紡糸工程の前又は間に、ピッチ樹脂に酸素含有添加剤を添加することを含むことができる。酸素含有添加剤は、酸素含有ポリマー材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、当該石炭を処理する方法は、可変結晶化度紡糸工程の前又は間に、ヘテロ原子を含む1つ以上の化合物をピッチ樹脂に添加することを含むことができる。ヘテロ原子を含む1つ又は複数の化合物は、酸素又は窒素を含む。当該石炭を処理する方法は、いくつかの実施形態において、低熱伝導性炭素繊維を処理して炭素繊維断熱材を生成することも含むことができる。いくつかの実施形態において、低熱伝導性炭素繊維は、酸素安定化処理の温度と共振時間(resonance time)によって決まる熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、原料繊維を酸素安定化工程にかけることが、酸素安定化処理中にガス又は蒸気を導入して低熱伝導性炭素繊維の熱伝達率を決めることを含む。
【0008】
一実施形態においては、直接空気捕捉システム(direct air capture system)が開示される。直接空気捕捉システムは、電圧源と、電圧源と電気的に接続されている石炭由来の電気活性ポリマーとを備えることができる。この直接空気捕捉システムは、石炭由来の電気活性ポリマーに電圧を印加したときに、石炭由来の電気活性ポリマーに二酸化炭素を結合させるようにすることができる。いくつかの実施形態では、石炭由来の電気活性ポリマーは、低熱伝導性炭素繊維を含む。この石炭由来の電気活性ポリマーは、グラフェンと、酸化グラフェンと、グラフェンナノチューブと、グラフェンドットとのうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、直接空気捕捉システムは、より大きな断熱特性を促進させるために追加の空隙をもたらすようにされたグラフェンナノチューブを含むことができる。いくつかの実施形態において、石炭由来の電気活性ポリマーは、所定のプロセスによって石炭から得られる。この所定のプロセスは、原料石炭を液化工程にかけてアントラセンを形成することと、アントラセンを酸化してアントラキノンを形成することと、アントラキノンを塩素処理してジクロロアントラキノンを形成することと、ジクロロアントラキノンを重合して石炭由来の電気活性ポリマーを生成することと、を含み得る。いくつかの実施形態において、アントラキノンは、塩酸で塩素処理されるようにできる。
【0009】
いくつかの実施形態において、二酸化炭素を捕捉する方法が開示される。二酸化炭素を捕捉する方法は、電気活性ポリマーをガス流に入れることと、電気活性ポリマーに電圧を印加して二酸化炭素を電気活性ポリマーに結合することと、電気活性ポリマーに印加された電圧の極性を反転させて二酸化炭素を放出させることと、を含むことができる。ガス流は、ある量の二酸化炭素を含むことができる。いくつかの実施形態では、電気活性ポリマーは、カーボンナノチューブと、グラフェンと、酸化グラフェンと、グラフェンドットと、それらの組み合わせとのうちの少なくとも1つを含むことができる。この電気活性ポリマーは、当該電気活性ポリマーの導電性を増加させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、二酸化炭素を捕捉する方法は、二酸化炭素を収集することと、二酸化炭素を合成ガスと、炭化水素材料と、高密度化液体とのうちの少なくとも1つに変えることと、を更に含むことができる。
【0010】
開示されるいずれの実施形態からの特徴も、限定されることなく、互いに組み合わせて使用することができる。加えて、本開示の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面の検討を通して、当業者にとって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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