特許ウォッチ

公開番号2025161736
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-24
出願番号2025024231
出願日2025-02-18
発明の名称紡糸設備
出願人TMTマシナリー株式会社
代理人弁理士法人ATEN
主分類D01D 5/08 20060101AFI20251017BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】非接触で紡糸口金の温度を容易に把握する。
【解決手段】糸Yを紡出する紡糸口金31を有する紡糸装置3と、紡糸口金31から放射された赤外線が入射する位置に配置されており、入射した赤外線を反射する反射板8と、反射板8によって反射された赤外線を受光することで、紡糸口金31の温度分布を測定可能なサーマルカメラ9と、を備えている。反射板8とサーマルカメラ9とは、紡糸口金31から紡出される糸Yの糸道を挟んで配置される。サーマルカメラ9は、移動可能に構成された走行体10に設けられている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
糸を紡出する紡糸口金を有する紡糸装置と、
前記紡糸口金から放射された赤外線が入射する位置に配置されており、入射した前記赤外線を反射する反射板と、
前記反射板によって反射された前記赤外線を受光することで、前記紡糸口金の温度を測定可能な赤外線センサと、を備え、
前記反射板と前記赤外線センサとは、前記紡糸口金から紡出される前記糸の糸道を挟んで配置される紡糸設備。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記赤外線センサは、前記紡糸口金の温度分布を測定可能である請求項１に記載の紡糸設備。
【請求項３】
前記反射板は、複数の前記紡糸口金からそれぞれ放射された前記赤外線を反射可能である請求項１又は２に記載の紡糸設備。
【請求項４】
前記赤外線センサは、複数の前記紡糸口金からそれぞれ放射されて、１又は複数の前記反射板で反射された前記赤外線を一度に受光可能である請求項１～３のいずれか１項に記載の紡糸設備。
【請求項５】
移動可能に構成された移動体を備えており、
前記赤外線センサは、前記移動体に設けられており、
前記赤外線センサは、前記移動体が移動することで、複数の前記紡糸口金からそれぞれ放射されて、１又は複数の前記反射板で反射された赤外線を受光可能である請求項１～４のいずれか１項に記載の紡糸設備。
【請求項６】
一方向に配列された複数の前記紡糸装置を備えており、
前記移動体は、前記複数の紡糸装置をまたがって移動可能であり、
前記赤外線センサは、前記移動体が移動することで、前記複数の紡糸装置の前記紡糸口金の温度を測定可能である請求項５に記載の紡糸設備。
【請求項７】
前記紡糸装置の下方に配置されており、前記紡糸口金から紡出された前記糸を冷却する冷却装置を備えており、
前記反射板は、前記冷却装置よりも下方に配置されている請求項１～６のいずれか１項に記載の紡糸設備。
【請求項８】
前記紡糸装置の下方に配置されており、前記紡糸口金から紡出された前記糸に油剤を付与する給油ガイドを有する油剤付与装置をさらに備えており、
前記反射板は、前記油剤付与装置に取り付けられている請求項１～７のいずれか１項に記載の紡糸設備。
【請求項９】
前記油剤付与装置は、前記給油ガイドの上方に配置され、且つ、前記給油ガイドを覆わない位置と前記給油ガイドを覆う位置との間で移動可能に構成されたカバーをさらに有しており、
前記カバーが前記反射板として機能する請求項８に記載の紡糸設備。
【請求項１０】
前記反射板は、上下に移動可能に設けられており、
前記反射板による前記赤外線の反射角度を調整する角度調整機構を備えている請求項１～９のいずれか１項に記載の紡糸設備。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、紡糸を生成する紡糸設備に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１には、糸を紡出する紡糸装置を備えた紡糸設備が開示されている。紡糸装置は、紡糸パックが着脱可能に構成されている。紡糸装置は、装着された紡糸パックに供給された高温の溶融ポリマーを紡糸パックの紡糸口金に形成されたノズルから紡出する。かかる紡糸設備においては、紡糸口金の清掃等のメンテナンスを定期的に行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２３－５３６７１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上述のような紡糸設備において生成される糸の品質は、紡糸口金の温度によって変動する。例えば紡糸口金のメンテナンス後の糸生産再開始時は、紡糸口金の温度が低下しており、紡糸装置から紡出される糸の品質は低い。したがって、紡糸口金の温度が十分に上昇するまでの間、紡糸装置から紡出された糸を破棄する必要がある。糸を破棄する時間は経験により設定されるものであり、適切であるかは不明確である。そこで、紡糸口金に熱電対を取り付けて紡糸口金の温度を測定することも考えられる。しかしながら、紡糸口金には溶融ポリマーを吐出するノズルが密集して形成されており、ポリマーが接触しない位置に熱電対を取り付けるのは難しい。これを解消するために、紡糸口金の下方に赤外線センサを設置し、非接触で直接紡糸口金の温度を測定することも考えられる。この場合は、赤外線センサは、紡糸口金から放射された赤外線が入射する位置に配置する必要がある。よって、赤外線センサの位置が紡糸口金から紡出される糸の糸道の近傍となる。その結果、落下する高温の溶融ポリマーにより赤外線センサが破損したり、落下する糸くずにより赤外線センサが汚れることで温度測定ができなくなったりする問題が生じる。
【０００５】
本発明の目的は、非接触で紡糸口金の温度を容易に把握可能な紡糸設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
第１の発明にかかる紡糸設備は、糸を紡出する紡糸口金を有する紡糸装置と、前記紡糸口金から放射された赤外線が入射する位置に配置されており、入射した前記赤外線を反射する反射板と、前記反射板によって反射された前記赤外線を受光することで、前記紡糸口金の温度を測定可能な赤外線センサと、を備え、前記反射板と前記赤外線センサとは、前記紡糸口金から紡出される前記糸の糸道を挟んで配置される。
【０００７】
本発明では、反射板は、紡糸口金から放射された赤外線が入射するように、比較的糸道の近傍に配置される。一方、赤外線センサは、反射板によって反射された赤外線を受光する位置に配置すればよい。したがって、赤外線センサは、糸道を挟んで反射板とは反対側において、比較的糸道から離れた位置に配置することができる。したがって、高温の溶融ポリマーにより赤外線センサが破損したり、糸くずにより赤外線センサが汚れることで温度測定ができなくなったりする問題が起こりにくくなる。よって、非接触で容易に紡糸口金の温度を把握できる。
【０００８】
第２の発明にかかる紡糸設備では、第１の発明において、前記赤外線センサは、前記紡糸口金の温度分布を測定可能である。
【０００９】
本発明では、赤外線センサによって紡糸口金の温度分布を測定することで、紡糸口金の温度ムラの有無等を把握できる。したがって、低品質な糸が生産されるのを確実に抑えることができる。
【００１０】
第３の発明にかかる紡糸設備では、第１又は第２の発明において、前記反射板は、複数の前記紡糸口金からそれぞれ放射された前記赤外線を反射可能である。
（【００１１】以降は省略されています）

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