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公開番号2025178031
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024103996
出願日2024-06-27
発明の名称耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維及びその製造方法と応用
出願人江蘇塩城蘭邦特種紡織集団有限責任公司
代理人園田・小林弁理士法人
主分類D01F 6/92 20060101AFI20251128BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維及びその製造方法と応用を提供する。
【解決手段】多孔質沸石、カーボンナノチューブ、超高分子量ポリエチレン微小繊維を複合機能基材とし、多孔質沸石は、繊維における特別な結晶構造により、大きな応力場を有するようになり、環境中の水蒸気分子に対する吸着性能がより高くなる。カーボンナノチューブは、導電性に優れるため、繊維に帯電防止効果をもたらすことができるとともに、管状構造により材料の密度を効果的に低減することで、繊維の軽量化が実現される。最後に、本発明で選択した超高分子量ポリエチレン微小繊維は、繊維の強度と性能安定性を向上させるとともに、多孔質沸石、カーボンナノチューブと相乗効果を生じさせることができ、これにより、得られた繊維製品の機能が多様化された。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フレキシブル網状構造を有し、
(i) 多孔質沸石、カーボンナノチューブ、超高分子量ポリエチレン微小繊維を複合機能基材とし、通常の融解紡糸繊維を本体繊維基材とすることと、
(ii) 融解紡糸された多機能複合繊維に対する複合機能基材の総含有量が0.5%~10%であることと、を含むことを特徴とする、耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記複合機能基材における超高分子量ポリエチレン微小繊維の使用量と、多孔質沸石およびカーボンナノチューブの総使用量との比は2~5:1であることを特徴とする、請求項1に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維。
【請求項3】
前記複合機能基材における多孔質沸石とカーボンナノチューブとの使用量比は1~3:1であることを特徴とする、請求項1に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維。
【請求項4】
前記超高分子量ポリエチレン微小繊維は、直径が2~4um、長さが20~40um、分子重合度が150万~300万、融点が130~136℃であることを特徴とする、請求項2に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維。
【請求項5】
前記多孔質沸石の粒子径は2000~2500メッシュであることを特徴とする、請求項3に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維。
【請求項6】
前記カーボンナノチューブは、直径が2~4nm、長さが20~40um、体積抵抗率≦100Ωであることを特徴とする、請求項3に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維。
【請求項7】
前記通常の融解紡糸繊維は、ポリエステル、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン、ナイロンのいずれか一方を含むことを特徴とする、請求項1に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維。
【請求項8】
前記融解紡糸された多機能複合繊維は、多孔質沸石とカーボンナノチューブとを含む母粒子A、および、超高分子量ポリエチレン微小繊維を含む母粒子Bをブレンドして溶融紡糸することにより得られ、
母粒子A、母粒子Bおよび担体粒子を50~70℃で撹拌して均一に混合し、ブレンド粒子を得るステップであって、前記担体粒子はPET粒子、ポリプロピレン粒子の一方を含み、融解紡糸された多機能複合繊維の総含有量に対する母粒子A、母粒子Bに含まれる複合機能基材の総量を0.5%~10%、複合機能基材の総量に対する母粒子Bにおける超高分子量ポリエチレン微小繊維の含有量を50~85%に制御する、当該ステップと、
ブレンド粒子をポリマーホッパーに加え、250~300℃で二軸スクリュー押出機により押出し、冷却延伸して巻き取って完成品のフィラメントを得るステップであって、冷却ブロー温度が17~21℃、冷却ブロー風速が0.4~0.5m/s、延伸倍率が4~5倍、巻取張力が20~30cNである、当該ステップとを含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維の製造方法。
【請求項9】
前記母粒子Aの製造方法は、
担体粒子、多孔質沸石粉末およびカーボンナノチューブ粉末を50~70℃で混合するように撹拌して加熱し、得られた混合材料を二軸スクリュー押出機に投入して250~300℃で押出し、冷却、乾燥、造粒、篩分けを経て、母粒子Aを得るステップであって、多孔質沸石とカーボンナノチューブとの総含有量は母粒子Aの10~20%であり、多孔質沸石とカーボンナノチューブとの使用量比は2:1~3である、当該ステップを含み、
前記母粒子Bの製造方法は、
担体粒子と超高分子量ポリエチレン微小繊維粉末を30~50℃で混合するように撹拌して加熱し、得られた混合材料を二軸スクリュー押出機に投入して80~100℃で押出し、冷却、乾燥、造粒、篩分けを経て、母粒子Bを得るステップであって、超高分子量ポリエチレン微小繊維の総含有量は母粒子Bの5~15%である、当該ステップを含み、
前記担体粒子は、PET粒子、ポリプロピレン粒子の一方を含むことを特徴とする、請求項8に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の融解紡糸された多機能複合繊維の耐切断性織物の製造への応用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は耐切断性繊維の技術分野に属し、具体的には、耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維及びその製造方法と応用に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
現代工学と技術の分野において、耐切断性繊維の応用は日々に広範囲になっており、特に、安全防護、航空宇宙、自動車製造、船舶工業及びスポーツ用品等の様々な分野に非常に重要な役割を果たしている。これらの分野では、材料の強度、耐久性、軽量性等が高く要求され、耐切断性繊維は優れた物理性能により好まれている。しかし、現在、耐切断性繊維の基材としては、主に超高分子量繊維(UHMWF)を選択するが、こうして、コストが高くなるだけでなく、生産プロセスも複雑で制御されにくくなる。
【0003】
超高分子量繊維は、力学的性質と耐切断性に優れるため、耐切断性繊維市場で主導的な地位を占めている。しかし、このような繊維の生産コストが非常に高くなるのは、複雑な製造プロセスと厳しい生産条件という要因がある。また、超高分子量繊維の生産プロセスには高精度の装置と技術的サポートも必要とし、そして、超高分子量繊維の特殊性により、その生産プロセスが制御しにくく、往々して所定の温度と圧力下で行う必要があり、その結果、生産コストと生産の難易度もさらに向上した。
【0004】
超高分子量繊維に依存する耐切断性繊維製品は、コストと生産の難易度上の問題に加え、機能の面で単一性の問題もある。製造された耐切断性繊維は、超高分子量繊維自体の性質により制限され、往々して単一の耐切断性のみを備え、他の多機能性、例えば、帯電防止、防火、耐熱等の性質に乏しい。耐切断性繊維は、このような単一性により、さらに多くの分野への応用、特に材料の性能要求がさらに厳しい場合、例えば高温環境下での工業生産や軍事装備等への応用が制限されている。
【発明の概要】
【0005】
この部分の目的は、本発明の実施例のいくつかの態様を概略的に説明し、いくつかの好ましい実施例を簡潔に紹介することである。この部分及び本出願の要約書と発明名称において、この部分、要約書及び発明名称の目的を曖昧にしないように、簡略化又は省略を行う場合があり、このような簡略化又は省略は、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0006】
上記及び/又は従来技術に存在する問題に鑑み、本発明を提案した。
【0007】
このため、本発明の目的は、従来技術中の不足を解消し、耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維を提供することである。
【0008】
上記技術的課題を解決するために、本発明は下記技術的解決手段を提供する。前記融解紡糸された多機能複合繊維は、フレキシブル網状構造を有し、
(i)多孔質沸石、カーボンナノチューブ、超高分子量ポリエチレン微小繊維を複合機能基材とし、通常の融解紡糸繊維を本体繊維基材とすることと、
(ii)融解紡糸された多機能複合繊維に対する複合機能基材の総含有量が0.5%~10%であることと、を含む。
【0009】
本発明に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維の好ましい形態として、前記複合機能基材における、超高分子量ポリエチレン微小繊維の使用量と、多孔質沸石およびカーボンナノチューブの総使用量との比は2~5:1である。
【0010】
本発明に記載の耐切断性の融解紡糸された多機能複合繊維の好ましい形態として、前記複合機能基材における多孔質沸石とカーボンナノチューブとの使用量比は1~3:1である。
(【0011】以降は省略されています)

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