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公開番号2025177206
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024083814
出願日2024-05-23
発明の名称粉末高速度鋼
出願人山陽特殊製鋼株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類C22C 38/00 20060101AFI20251128BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】耐摩耗性及び靱性のバランスに優れた粉末高速度鋼の提供。
【解決手段】粉末高速度鋼は、
C:1.00質量%以上1.50質量%以下、
Si:0.60質量%以上1.20質量%以下、
Mn:0.60質量%以上1.50質量%以下、
Cr:2.0質量%以上4.0質量%以下、
Mo:0.5質量%以上4.0質量%以下、
V:0.5質量%以上3.0質量%以下、
及び
Co:2.0質量%以上6.0質量%以下、
を含有している。残部は、Fe及び不可避的不純物である。この粉末高速度鋼は、多結晶の金属組織を有している。この金属組織の、大角粒界にて判定された粒界に基づく結晶粒の粒度番号は、11以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
Ｃ：１．００質量％以上１．５０質量％以下、
Ｓｉ：０．６０質量％以上１．２０質量％以下、
Ｍｎ：０．６０質量％以上１．５０質量％以下、
Ｃｒ：２．０質量％以上４．０質量％以下、
Ｍｏ：０．５質量％以上４．０質量％以下、
Ｖ：０．５質量％以上３．０質量％以下、
及び
Ｃｏ：２．０質量％以上６．０質量％以下、
を含有しており、
残部がＦｅ及び不可避的不純物であり、
多結晶の金属組織を有しており、
この金属組織の、大角粒界にて判定された粒界に基づく結晶粒の粒度番号が、１１以上である、粉末高速度鋼。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本明細書は、粉末冶金法で得られた高速度鋼を開示する。
続きを表示（約 1,300 文字）【背景技術】
【０００２】
その材質が高速度鋼である切削工具が、賞用されている。高速度鋼は、「高速度工具鋼」とも称されている。粉末冶金法によって得られた高速度鋼は、「粉末高速度鋼」と称されている。粉末高速度鋼は、「粉末ハイス」とも称されており、「焼結高速度鋼」とも称されている。
【０００３】
切削工具は、被切削物と擦動する。従って切削工具には、耐摩耗性が必要である。耐摩耗性の改良が意図された粉末高速度鋼が、特開平２－１７５８４６号公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開平２－１７５８４６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
使用中の折損が生じにくい切削工具が、好ましい。折損の抑制の観点から、靱性に優れた粉末高速度鋼が望まれている。切削以外の用途でも、靱性に優れた粉末高速度鋼が望まれている。従来の粉末高速度鋼の靱性は、十分ではない。
【０００６】
本出願人の意図するところは、耐摩耗性及び靱性のバランスに優れた粉末高速度鋼の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本明細書が開示する粉末高速度鋼は、
Ｃ：１．００質量％以上１．５０質量％以下、
Ｓｉ：０．６０質量％以上１．２０質量％以下、
Ｍｎ：０．６０質量％以上１．５０質量％以下、
Ｃｒ：２．０質量％以上４．０質量％以下、
Ｍｏ：０．５質量％以上４．０質量％以下、
Ｖ：０．５質量％以上３．０質量％以下、
及び
Ｃｏ：２．０質量％以上６．０質量％以下、
を含有する。残部は、Ｆｅ及び不可避的不純物である。この粉末高速度鋼は、多結晶の金属組織を有している。この金属組織の、大角粒界にて判定された粒界に基づく結晶粒の粒度番号は、１１以上である。
【発明の効果】
【０００８】
この粉末高速度鋼は、耐摩耗性及び靱性のバランスに優れる。この粉末高速度鋼は、大きな摩擦力が生じかつ大きな応力が加わる用途に、適している。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
本実施形態に係る高速度鋼は、粉末の焼結を経て得られる。換言すれば、この高速度鋼は、焼結体である。粉末は、典型的にはアトマイズによって得られる。この粉末高速度鋼は、さらに熱処理を経て得られる。典型的な熱処理は、固溶化処理、焼鈍し、焼入れ及び焼戻しである。
【００１０】
［組成］
この粉末高速度鋼は、
Ｃ：１．００質量％以上１．５０質量％以下、
Ｓｉ：０．６０質量％以上１．２０質量％以下、
Ｍｎ：０．６０質量％以上１．５０質量％以下、
Ｃｒ：２．０質量％以上４．０質量％以下、
Ｍｏ：０．５質量％以上４．０質量％以下、
Ｖ：０．５質量％以上３．０質量％以下、
及び
Ｃｏ：２．０質量％以上６．０質量％以下、
を含有している。好ましくは、残部は、Ｆｅ及び不可避的不純物である。
（【００１１】以降は省略されています）

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