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公開番号
2025179264
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-09
出願番号
2025160819,2023121766
出願日
2025-09-26,2023-07-26
発明の名称
優れた焼入性および耐造形割れ性を有する積層造形用高熱伝導熱間工具鋼粉末およびこれを用いた積層造形体
出願人
山陽特殊製鋼株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20251202BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】大型の積層造形においても、深部まで焼きが入りやすく、造形体および造形体と積層母材との界面に割れが発生しにくく、高い熱伝導率を有する、積層造形用熱間工具鋼粉末およびこれを用いた積層造形体を提供する。
【解決手段】質量%で、必須添加成分として、C:0.10%超~0.45%未満、Ni:2.00%超~8.00%未満、任意的添加成分として、Si:0.60%未満、Mn:5.00%未満、Cr:2.00%未満、Mo:1.20%未満、W:2.00%未満、V:0.60%未満、Al:0.10%未満、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、Ni+Mn:8.50%未満である積層造形用熱間工具鋼粉末およびこの粉末を用いて積層造形された造形体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、
必須添加成分として、
C:0.10%超~0.45%未満、
Ni:2.00%超~8.00%未満、
任意的添加成分として、
Si:0.60%未満、
Mn:5.00%未満、
Cr:2.00%未満、
Mo:1.20%未満、
W:2.00%未満、
V:0.60%未満、
Al:0.10%未満、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、
Ni+Mn:8.50%未満である
積層造形用熱間工具鋼粉末。
続きを表示(約 51 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の積層造形用熱間工具鋼粉末を用いて積層造形された造形体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層造形用の高熱伝導性の熱間工具鋼粉末およびこれを用いた積層造形体に関するものである。すなわち、本発明は、積層造形法(3Dプリンタ、三次元造形法、Additive Manufacturing、付加製造法などとも呼ばれる)による金型をはじめとした各種工具となる造形体および原料粉末に関し、とりわけ、大型の造形体でも、十分な焼入性、高い耐造形割れ性、高い熱伝導率を示すとともに、高い機械的特性も有する熱間工具鋼に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【0002】
なお、ここでいう高い耐造形割れ性とは、積層造形による急速溶融、凝固にともなう熱応力などにより、造形体そのもの(特に切欠きとなる部位)や、造形体と造形母材との界面に割れが発生しにくいことを指す。
【背景技術】
【0003】
積層造形法は、従来工法とは異なり、複雑形状や三次元構造を持つ部材を製造することが可能であり、近年、目覚しい技術発展および適用範囲拡大が進みつつある。積層造形法の各種工具への適用の検討が試みられており、とりわけ、内部に三次元構造の複雑な冷却水管を内在するダイカスト金型において実用化が図られつつある。
【0004】
さて、熱間工具鋼を用いた工具は様々な部品の加工にも用いられるが、加工方法や部品形状に応じ、その形状や大きさも様々である。もっとも、積層造形の工具への適用は、次のような造形割れがあるため、比較的小型のものに限定されざるを得なかった。
【0005】
一般に積層造形は原料となる粉末やワイヤーをレーザーや電子ビームなどの細く絞られた熱源により短時間加熱することで急速に溶融、凝固させ、その繰り返しにより凝固層を積層することで複雑な三次元形状の部品の製造を可能にしている。この工程では、部品の一部分のみが加熱され、溶融、凝固することから、局所的な凝固収縮や熱膨張・熱収縮によって熱応力が発生する。このとき、造形される材料や造形母材が硬く、脆い材料であれば、発生する熱応力に耐えられず、造形体そのものや母材との界面に造形割れを発生してしまう。
【0006】
このような熱応力は、大きな造形体を積層造形する場合にさらに大きくなり、結果として造形割れが発生しやすくなる。一般に工具にはJIS規格のSKD61のような高硬度合金が多用されるため造形割れが発生しやすい。こうした理由から、従来、積層造形の工具への適用は、熱応力が比較的小さい小型のものに限定されてきた。
【0007】
ダイカスト金型をはじめとした熱間工具の表面は、加工される高温の部品(ワーク)に接することから温度が上昇し、ヒートチェックをはじめとした損傷を受けやすい。また、特に温度上昇の激しい部位では焼付きを起こしやすい。
【0008】
これらを回避するために、熱間工具表面を効率よく冷却することは重要であり、熱間工具の材質としては高い熱伝導率の合金を使用することで、工具内部に配置された水冷管などによる冷却効果を熱間工具表面まで最大限利用することができる。
【0009】
また熱間工具を用いた部品加工においては、ひとつの部品を加工した後、次の部品を加工する前には工具が冷えている必要があるから、効率よく(短時間で)所定の温度まで工具を冷却できることは、部品の加工サイクルの短縮や、部品の生産効率を向上させるメリットもある。
【0010】
このような熱伝導率の高い熱間工具鋼による積層造形体として、出願人は、たとえば、質量%で0.20<C<0.60、Si<0.60、Mn<0.90、Cr<4.00、Ni<2.00、Mo<1.20、W<2.00、V<0.60、Al<0.10を含有し、残部をFeおよび不可避的不純物からなるFe基合金粉末から作製された、以下の式(1)~(3)を満足する造形体を提案されている(特許文献1参照)。
T1=71.7-5.9Mn-6.3Cr-2.8V-5.7Mo-1.1W-23.1C-5.8Ni-1.9Si-0.5Al-0.6PC>32.0・・・式(1)
T2=80.1+2.4Mn+1.6Si+7.1Cr-12.0PC>50.0・・・式(2)
造形体に含まれる炭化物の平均サイズ(μm):PC<3.0・・・式(3)
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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