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公開番号2025164442
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-30
出願番号2024068428
出願日2024-04-19
発明の名称セメント組成物及び水硬性組成物の製造方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C04B 7/153 20060101AFI20251023BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】セメント混合材を含むことでセメントクリンカの使用量を少なくするとともに、中性化の進行を抑制することができるセメント組成物を提供する。
【解決手段】クリンカ粉砕物、石膏、セメント混合材、及び中性化抑制剤を含むセメント組成物であって、中性化抑制剤がアミン類及び増粘剤の少なくともいずれか一方であり、セメント組成物中のクリンカ粉砕物の含有率が90質量%以下であるセメント組成物。該セメント組成物、水、及び骨材を含む水硬性組成物。該水硬性組成物を製造するための方法であって、クリンカ粉砕物と、石膏と、セメント混合材を混合して、粉末状混合物を得る粉末状混合物調製工程と、粉末状混合物と、中性化抑制剤と、水と、骨材を混合して、水硬性組成物を調製する水硬性組成物調製工程を含むセメント組成物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
クリンカ粉砕物、石膏、セメント混合材、及び中性化抑制剤を含むセメント組成物であって、
上記中性化抑制剤がアミン類及び増粘剤の少なくともいずれか一方であり、
上記セメント組成物中の上記クリンカ粉砕物の含有率が90質量%以下であることを特徴とするセメント組成物。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
上記セメント混合材が、高炉スラグ微粉末、シリカ質混合材、フライアッシュ、石灰石微粉末、及び焼成粘土の中から選ばれる1種以上であり、上記セメント混合材の量が、上記クリンカ粉砕物と上記石膏の合計量100質量部に対して、5質量部以上である請求項1に記載のセメント組成物。
【請求項3】
上記セメント混合材が、石灰石微粉末及び焼成粘土であり、上記セメント混合材の量が、上記クリンカ粉砕物と上記石膏の合計量100質量部に対して、5~240質量部である請求項2に記載のセメント組成物。
【請求項4】
上記中性化抑制剤の量が、上記クリンカ粉砕物、上記石膏、及び上記セメント混合材の合計量100質量部に対して、0.1~10質量部である請求項1に記載のセメント組成物。
【請求項5】
上記アミン類が水溶性アミンであり、上記増粘剤がグリコール系増粘剤である請求項1に記載のセメント組成物。
【請求項6】
上記アミン類が、メチルジエタノールアミン及びヒドロキシエチルピペラジンの少なくともいずれか一方であり、上記増粘剤がポリエチレングリコールである請求項5に記載のセメント組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のセメント組成物、水、及び骨材を含む水硬性組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の水硬性組成物を製造するための方法であって、
上記クリンカ粉砕物と、上記石膏と、上記セメント混合材を混合して、粉末状混合物を得る粉末状混合物調製工程と、
上記粉末状混合物と、上記中性化抑制剤と、上記水と、上記骨材を混合して、上記水硬性組成物を調製する水硬性組成物調製工程、
を含む水硬性組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント組成物、及び、該セメント組成物を含む水硬性組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
現在、温暖化対策によって、セメント製造業界においても、二酸化炭素の排出量の大幅な削減が求められている。セメント製造業界における二酸化炭素の排出量の多くは、セメントクリンカを製造する際に発生するものであり、二酸化炭素の排出量を削減するために、セメントクリンカの生産量を減らすことが求められている。
セメントクリンカの使用量を減らすことができるセメントとして、セメントクリンカの比率を小さくした混合セメントが知られている。混合セメントは、製造時のCO

排出原単位が低く、ポルトランドセメントと比較して環境に配慮されたセメントである。
セメントクリンカの使用量を少なくした混合セメントとして、例えば、特許文献1には、セメントクリンカ粉末、石膏、高炉スラグ微粉末、及び石灰石粉末を含む粉状の混合セメント組成物であって、上記セメントクリンカ粉末、上記高炉スラグ微粉末、及び上記石灰石粉末の合計量100質量%中、上記セメントクリンカ粉末の割合が42~59質量%であり、上記高炉スラグ微粉末の割合が27~55質量%であり、上記石灰石粉末の割合が2~26質量%であり、上記高炉スラグ微粉末と上記石灰石粉末の質量比(高炉スラグ微粉末/石灰石粉末)が1.4~25.0であることを特徴とする粉状の混合セメント組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-155004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セメント混合材を含むセメント組成物は、中性化が進行しやすいという問題がある。このため、セメント混合材を含むセメント組成物を用いたコンクリート等は、鉄筋腐食のリスクが高くなる。
本発明の目的は、セメント混合材を含むことでセメントクリンカの使用量を少なくするとともに、中性化の進行を抑制することができるセメント組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、クリンカ粉砕物、石膏、セメント混合材、並びに、アミン類及び増粘剤の少なくともいずれか一方である中性化抑制剤を含み、クリンカ粉砕物の含有率が90質量%以下であるセメント組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[8]を提供するものである。
[1] クリンカ粉砕物、石膏、セメント混合材、及び中性化抑制剤を含むセメント組成物であって、上記中性化抑制剤がアミン類及び増粘剤の少なくともいずれか一方であり、上記セメント組成物中の上記クリンカ粉砕物の含有率が90質量%以下であることを特徴とするセメント組成物。
[2] 上記セメント混合材が、高炉スラグ微粉末、シリカ質混合材、フライアッシュ、石灰石微粉末、及び焼成粘土の中から選ばれる1種以上であり、上記セメント混合材の量が、上記クリンカ粉砕物と上記石膏の合計量100質量部に対して、5質量部以上である前記[1]に記載のセメント組成物。
[3] 上記セメント混合材が、石灰石微粉末及び焼成粘土であり、上記セメント混合材の量が、上記クリンカ粉砕物と上記石膏の合計量100質量部に対して、5~240質量部である前記[2]に記載のセメント組成物。
[4] 上記中性化抑制剤の量が、上記クリンカ粉砕物、上記石膏、及び上記セメント混合材の合計量100質量部に対して、0.1~10質量部である前記[1]~[3]のいずれかに記載のセメント組成物。
【0006】
[5] 上記アミン類が水溶性アミンであり、上記増粘剤がグリコール系増粘剤である前記[1]~[4]のいずれかに記載のセメント組成物。
[6] 上記アミン類が、メチルジエタノールアミン及びヒドロキシエチルピペラジンの少なくともいずれか一方であり、上記増粘剤がポリエチレングリコールである前記[5]に記載のセメント組成物。
[7] 前記[1]~[6]のいずれかに記載のセメント組成物、水、及び骨材を含む水硬性組成物。
[8] 前記[7]に記載の水硬性組成物を製造するための方法であって、上記クリンカ粉砕物と、上記石膏と、上記セメント混合材を混合して、粉末状混合物を得る粉末状混合物調製工程と、上記粉末状混合物と、上記中性化抑制剤と、上記水と、上記骨材を混合して、上記水硬性組成物を調製する水硬性組成物調製工程、を含む水硬性組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のセメント組成物によれば、セメント混合材を含むことで、セメントクリンカの使用量を少なくし、セメントクリンカの生産量を減らすことで、セメント製造における二酸化炭素の排出量を削減することができる。
また、本発明のセメント組成物によれば、セメント混合材を含むにも関わらず、中性化の進行を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のセメント組成物は、クリンカ粉砕物、石膏、セメント混合材、及び中性化抑制剤を含むセメント組成物であって、中性化抑制剤がアミン類及び増粘剤の少なくともいずれか一方であり、セメント組成物中のクリンカ粉砕物の含有率が90質量%以下であるものである。
以下、詳しく説明する。
[クリンカ粉砕物]
本発明で用いられるクリンカ粉砕物は、セメントの主な原料であるセメントクリンカを粉砕してなるものである。
セメントクリンカとしては、特に限定されるものではなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントに用いられるポルトランドセメントクリンカ、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の混合セメントに用いられるセメントクリンカ等が挙げられる。
【0009】
セメント組成物中のクリンカ粉砕物の含有率は、90質量%以下、好ましくは30~80質量%、より好ましくは40~70質量%、特に好ましくは45~65質量%である。上記含有率が90質量%を超える場合、セメントクリンカの使用量を少なくし、セメントクリンカの生産量を減らすことで、セメント製造における二酸化炭素の排出量を削減するという本発明の目的を達成することができなくなる。また、セメント組成物を含む水硬性組成物の中性化が進行しにくいことから、中性化の抑制を考慮する必要性に乏しくなる。上記含有率が30質量%以上であれば、セメント組成物の強度発現性をより向上することができる。
クリンカ粉砕物のブレーン比表面積は、好ましくは2,500~6,000cm

/g、より好ましくは2,800~5,500cm

/g、特に好ましくは3,000~5,000cm

/gである。上記ブレーン比表面積が2,500cm

/g以上であれば、セメント組成物の強度発現性がより向上する。上記ブレーン比表面積が6,000cm

/g以下であれば、クリンカ粉砕物の製造にかかる労力が過大にならない。なお、本明細書中、ブレーン比表面積は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準拠した方法で測定できる。
【0010】
[石膏]
本発明で用いられる石膏の種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、天然二水石膏、排脱石膏(排煙脱硫石膏)、リン酸石膏、チタン石膏、フッ酸石膏等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、石膏の形態(水和物であるか否か)の例としては、二水石膏、半水石膏及び無水石膏が挙げられる。これらは1種の形態のみからなるものであってもよく、2種以上の形態を含むものであってもよい。
石膏の量は、セメント組成物中の石膏の含有率(SO

換算)が、好ましくは0.2~5.0質量%、より好ましくは0.5~4.0質量%、特に好ましくは1.0~3.5質量%となる量である。上記含有率が0.2質量%以上であれば、セメント組成物を含むコンクリート等の硬化前の使用可能時間(良好な流動性を保ちうる時間)が増大する。上記含有率が5.0質量%以下であれば、セメント組成物の強度発現性が向上する。
(【0011】以降は省略されています)

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