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公開番号2025156752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-15
出願番号2024059371
出願日2024-04-02
発明の名称静電荷像現像用トナー
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G03G 9/087 20060101AFI20251007BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】耐折り曲げ性と耐ドキュメントオフセット性に優れる印刷画像が得られる静電荷像現像用トナーに関する。
【解決手段】非晶性樹脂A、結晶性ポリエステル樹脂C、及びポリウレタン樹脂Uを含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、結晶性ポリエステル樹脂Cが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、下記条件1及び2の少なくとも一方を満たし、かつ、エステル基濃度が6.0mmol/g以上10.5mmol/g以下である、静電荷像現像用トナー。
(条件1)アルコール成分がエチレングリコールを80mol%以上含有する
(条件2)カルボン酸成分が炭素数4のα,ω-脂肪族ジカルボン酸を80mol%以上含有する
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
非晶性樹脂Ａ、結晶性ポリエステル樹脂Ｃ、及びポリウレタン樹脂Ｕを含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、
結晶性ポリエステル樹脂Ｃが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、下記条件１及び２の少なくとも一方を満たし、かつ、エステル基濃度が６．０ｍｍｏｌ／ｇ以上１０．５ｍｍｏｌ／ｇ以下である、静電荷像現像用トナー。
（条件１）アルコール成分がエチレングリコールを８０ｍｏｌ％以上含有する
（条件２）カルボン酸成分が炭素数４のα，ω－脂肪族ジカルボン酸を８０ｍｏｌ％以上含有する
続きを表示（約 330 文字）【請求項２】
ポリウレタン樹脂Ｕが、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂及びポリカーボネート系ポリウレタン樹脂から選択される少なくとも１種を含む、請求項１に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項３】
結晶性ポリエステル樹脂Ｃが条件１を満たす、請求項１又は２に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項４】
トナー粒子中、非晶性樹脂Ａ、結晶性ポリエステル樹脂Ｃ、及びポリウレタン樹脂Ｕの含有量の合計に占めるポリウレタン樹脂Ｕの割合が、１０質量％以上５０質量％以下である、請求項１又は２に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項５】
トナー粒子がコアシェル構造を有する、請求項１又は２に記載の静電荷像現像用トナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
続きを表示（約 2,500 文字）【背景技術】
【０００２】
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した電子写真用トナーの開発が求められている。更に近年、カタログやパンフレットなど商業印刷分野においても電子写真方式での印刷需要が高まっており、印刷物の堅牢性の観点から、耐折り曲げ性に優れるトナーの開発が求められている。
【０００３】
特許文献１には、低温定着性を維持しつつ、耐折り曲げ特性および耐引っ掻き特性に優れるトナー等を提供することを目的として、非結晶性ポリエステル樹脂（Ａ）と、結晶性ポリエステル樹脂（Ｂ）と、ポリウレタン型熱可塑性エラストマー（Ｃ）と、を含む結着樹脂を含有するトナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１３－１６０８０１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
柔軟性及び弾性を持つポリウレタン樹脂を含むトナーにより、紙やプラスチックフィルム等の印刷媒体に印刷画像を形成して得られる印刷物は、耐折り曲げ性に優れる一方で、複数の印刷物を重ねて保存した場合に、印刷画像から、相対する印刷媒体側に色移りするというドキュメントオフセットが発生しやすい傾向がある。
そこで、本発明は、耐折り曲げ性と耐ドキュメントオフセット性に優れる印刷物が得られる静電荷像現像用トナーに関する。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者らは、非晶性樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、及びポリウレタン樹脂を含む静電荷像現像用トナーであって、結晶性ポリエステル樹脂がアルコール成分とカルボン酸成分の重縮合物であり、アルコール成分がエチレングリコールを特定量以上で含有し、及び／又は、カルボン酸成分が炭素数４のα，ω－脂肪族ジカルボン酸を特定量以上で含有し、結晶性ポリエステル樹脂のエステル基濃度が特定の範囲内にある静電荷現像用トナーにより、紙やプラスチックフィルム等の印刷媒体に印刷画像を形成することにより、耐折り曲げ性と耐ドキュメントオフセット性に優れる印刷物を得られることを見出した。
本発明は、以下の〔１〕に関する。
〔１〕非晶性樹脂Ａ、結晶性ポリエステル樹脂Ｃ、及びポリウレタン樹脂Ｕを含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、
結晶性ポリエステル樹脂Ｃが、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であり、下記条件１及び２の少なくとも一方を満たし、かつ、エステル基濃度が６．０ｍｍｏｌ／ｇ以上１０．５ｍｍｏｌ／ｇ以下である、静電荷像現像用トナー。
（条件１）アルコール成分がエチレングリコールを８０ｍｏｌ％以上含有する
（条件２）カルボン酸成分が炭素数４のα，ω－脂肪族ジカルボン酸を８０ｍｏｌ％以上含有する
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、耐折り曲げ性と耐ドキュメントオフセット性に優れる印刷物が得られる静電荷像現像用トナーが提供される。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
［静電荷像現像用トナー］
本発明の静電荷像現像用トナー（以下、単に「トナー」ともいう）は、非晶性樹脂Ａ、結晶性ポリエステル樹脂Ｃ、及びポリウレタン樹脂Ｕを含有するトナー粒子を含み、結晶性ポリエステル樹脂Ｃが、アルコール成分とカルボン酸成分の重縮合物であり、アルコール成分がエチレングリコールを８０ｍｏｌ％以上含有し、及び／又は、カルボン酸成分が炭素数４のα，ω－脂肪族ジカルボン酸を８０ｍｏｌ％以上含有し、結晶性ポリエステル樹脂Ｃのエステル基濃度が６．０ｍｍｏｌ／ｇ以上１０．５ｍｍｏｌ／ｇ以下である。
なお、非晶性樹脂Ａ、結晶性ポリエステル樹脂Ｃ、及びポリウレタン樹脂Ｕを含有するトナー粒子（以下、単に「トナー粒子」ともいう）を、本発明のトナーとしてそのまま用いることもできるが、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することが好ましい。
【０００９】
本発明のトナーにより、耐折り曲げ性と耐ドキュメントオフセット性に優れる印刷物が得られる理由は定かではないが、次のように考えられる。
【００１０】
ポリウレタン樹脂を含むトナーを用いて、印刷媒体に印刷画像を形成して得られる印刷物の耐ドキュメントオフセット性が低下する原因は、印刷時にポリウレタン樹脂が印刷塗膜（印刷画像）表面に露出して、ポリウレタン樹脂のウレタン結合由来の凝集性が接着性として発揮されるため、印刷物を重ね合わせて保存した場合に、印刷画像が、相対する印刷媒体側に貼りつきやすくなるためだと考えられた。
本発明では、非晶性樹脂Ａ中で、ポリウレタン樹脂Ｕに対し、アルコール成分がエチレングリコールを８０ｍｏｌ％以上含有し、及び／又は、カルボン酸成分がフマル酸やコハク酸に代表される炭素数４のα，ω－脂肪族ジカルボン酸を８０ｍｏｌ％以上含有し、エステル基濃度が６．０ｍｍｏｌ／ｇ以上１０．５ｍｍｏｌ／ｇ以下である結晶性ポリエステル樹脂Ｃを組み合わせる。結晶性ポリエステル樹脂Ｃ中、エチレングリコールや炭素数４のα，ω－脂肪族ジカルボン酸由来の近接したエステル基と、ポリウレタン樹脂Ｕ中に存在するウレタン結合との間で強い水素結合が働くとともに、エステル基濃度を６．０ｍｍｏｌ／ｇ以上１０．５ｍｍｏｌ／ｇ以下とすることで、結晶性ポリエステル樹脂Ｃと非晶性樹脂Ａとの親和性も保つことができる。そのため、ポリウレタン樹脂Ｕのトナー中での分散性が向上する。その結果、印刷塗膜表面へのポリウレタン樹脂Ｕの露出が抑えられ、かつ、トナー中でのポリウレタン樹脂Ｕの弾性と凝集性が顕著に発揮されることにより、耐折り曲げ性と耐ドキュメントオフセット性のいずれにも優れる印刷物が得られるものと推測される。
なお、本発明が効果を奏する理由は推定であり、上記記載に限定されるものではない。
（【００１１】以降は省略されています）

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