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公開番号2025154815
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024058014
出願日2024-03-29
発明の名称リジェネレイティブバーナ、工業炉、焼成品の製造方法及び加熱処理品の製造方法
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類F23L 15/02 20060101AFI20251002BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】アンモニア含有燃料の燃焼を高い出力で持続させるのに有用なリジェネレイティブバーナを提供する。
【解決手段】燃焼室、熱交換室、及び、燃焼室と熱交換室の間の連通路を備え、前記燃焼室は、アンモニア、水素及び炭化水素から選択される一種又は二種以上を含有する第一燃料を供給するための第一燃料供給路及び空気供給路に連通する着火口と、アンモニアを含有する第二燃料を供給するための第二燃料供給路に連通する少なくとも一つの燃料ノズルの先端と、火炎噴射口とを有しており、前記燃焼室は、前記着火口で発生する第一火炎と、前記熱交換室から前記連通路を通って前記燃焼室内に供給される燃焼空気との存在下で、前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端から前記燃焼室内に供給される第二燃料を前記燃焼室内で燃焼して、前記火炎噴射口から第二火炎を噴出させることができるように構成されている、リジェネレイティブバーナ。
【選択図】図1-1
特許請求の範囲【請求項1】
燃焼室、熱交換室、及び、燃焼室と熱交換室の間の連通路を備えるリジェネレイティブバーナであって、
前記燃焼室は、アンモニア、水素及び炭化水素から選択される一種又は二種以上を含有する第一燃料を供給するための第一燃料供給路及び空気供給路に連通する着火口と、アンモニアを含有する第二燃料を供給するための第二燃料供給路に連通する少なくとも一つの燃料ノズルの先端と、火炎噴射口とを有しており、
前記燃焼室は、前記着火口で発生する第一火炎と、前記熱交換室から前記連通路を通って前記燃焼室内に供給される燃焼空気との存在下で、前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端から前記燃焼室内に供給される第二燃料を前記燃焼室内で燃焼して、前記火炎噴射口から第二火炎を噴出させることができるように構成されており、
前記リジェネレイティブバーナで燃焼する第一燃料の全量が、第一燃料供給路から前記着火口に供給され、前記リジェネレイティブバーナで燃焼する第二燃料の全量が、前記第二燃料供給路から前記少なくとも一つの燃料ノズルに供給されるように構成されている、
リジェネレイティブバーナ。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記着火口における開口面Sから延ばした垂線Nに直交する方向であって水平な方向から燃焼室を観察した時、垂線Nと、前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端Tからの第二燃料の供給方向に向かって延ばした線分Mとの交点をPとすると、線分TPと線分PSによって形成される角(∠TPS)が、90°≦∠TPS≦110°である請求項1に記載のリジェネレイティブバーナ。
【請求項3】
前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端から供給される第二燃料の供給方向は、前記着火口に向かって傾斜している請求項1又は2に記載のリジェネレイティブバーナ。
【請求項4】
前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端に設けられている吹き出し孔は、第二燃料を放射状に噴射可能な構造を有する請求項1又は2に記載のリジェネレイティブバーナ。
【請求項5】
前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端は、前記連通路の燃焼室側におけるポートに対向する位置に設けられている請求項1又は2に記載のリジェネレイティブバーナ。
【請求項6】
前記火炎噴射口と対向する位置に前記着火口が設置されている請求項1又は2に記載のリジェネレイティブバーナ。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のリジェネレイティブバーナを複数備えた工業炉。
【請求項8】
請求項7に記載の工業炉を用いて、セラミックス成形品を焼成する工程を含む焼成品の製造方法。
【請求項9】
保炎室、燃焼室、熱交換室、及び、燃焼室と熱交換室の間の連通路を備えるリジェネレイティブバーナであって、
前記保炎室は、アンモニア、水素及び炭化水素から選択される一種又は二種以上を含有する第一燃料を供給するための第一燃料供給路及び空気供給路に連通する着火口と、前記燃焼室に連通する火炎出口とを有しており、
前記燃焼室は、前記保炎室の火炎出口に連通する火炎入口と、アンモニアを含有する第二燃料を供給するための第二燃料供給路に連通する少なくとも一つの燃料ノズルの先端と、火炎噴射口とを有しており、
前記燃焼室は、前記火炎入口を通って前記燃焼室内に入る第一火炎と、前記熱交換室から前記連通路を通って前記燃焼室内に供給される燃焼空気との存在下で、前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端から前記燃焼室内に供給される第二燃料を前記燃焼室内で燃焼して、前記火炎噴射口から第二火炎を噴出させることができるように構成されており、
前記リジェネレイティブバーナで燃焼する第一燃料の全量が、第一燃料供給路から前記着火口に向かって供給され、前記リジェネレイティブバーナで燃焼する第二燃料の全量が、第二燃料供給路から前記少なくとも一つの燃料ノズルに供給されるように構成されている、
リジェネレイティブバーナ。
【請求項10】
前記火炎入口における開口面Sから延ばした垂線Nに直交する方向であって水平な方向から燃焼室を観察した時、垂線Nと、前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端Tからの第二燃料の供給方向に向かって延ばした線分Mとの交点をPとすると、線分TPと線分PSによって形成される角(∠TPS)が、90°≦∠TPS≦110°請求項9に記載のリジェネレイティブバーナ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はリジェネレイティブバーナに関する。また、本発明はリジェネレイティブバーナを備えた工業炉に関する。また、本発明は焼成品の製造方法に関する。また、本発明はリジェネレイティブバーナを用いた加熱処理品の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、加熱炉や燃焼炉等に用いる燃焼装置としてリジェネレイティブバーナが知られている。リジェネレイティブバーナは、燃料を燃焼させる機能に加えて、内部に設置された蓄熱体により燃焼排ガスの熱を回収する機能を有する。リジェネレイティブバーナは、燃焼と排気を交互に繰り返し、バーナ自身で排熱回収が可能であり、高効率な燃焼を行うことができる。このため、リジェネレイティブバーナは燃焼装置の燃料消費量を削減し、省エネルギー化に貢献するとして、各種の工業炉に採用されて普及している。
【0003】
従来のリジェネレイティブバーナは、燃料としてLNG等の炭化水素燃料を使用するのが一般的であった。このため、リジェネレイティブバーナの構造も炭化水素燃料を燃焼するのに最適な構造となっていた。例えば、特開2019-086202号公報には、燃焼室、熱交換室、及び、燃焼室と熱交換室の間の連通路を備えたリジェネレイティブバーナであって、燃焼室には、燃料ノズルの先端及び火炎噴射口が設置されており、連通路を通って燃焼室内に導入される燃焼空気を用いて燃料ノズルから燃焼室内に導入される燃料を燃焼室内で燃焼して、火炎噴射口から火炎を噴出させることができるように構成されており、燃料ノズルは該リジェネレイティブバーナで燃焼する燃料の全量が燃焼室内に導入されるように構成されているリジェネレイティブバーナが記載されている。
【0004】
しかしながら、昨今では脱炭素化社会の実現が叫ばれており、CO
2
を排出しないカーボンニュートラル燃料であるアンモニアが注目を浴びている。一方、アンモニアは難燃性で燃焼速度がメタンの約1/6であり、失火しやすいという性質がある。このため、アンモニアを燃料として使用する場合は、アンモニアの燃焼特性に合わせたリジェネレイティブバーナを開発することが望ましい。
【0005】
特開2016-130619号公報には、アンモニアのような難燃性燃料の供給流速を炭化水素系燃料の燃焼速度に相当する流速と同レベルまで大きくなるように燃料の混合気の流速を速くした場合であっても、保炎を安定化させることができる難燃性燃料燃焼装置が記載されている。この難燃性燃料燃焼装置は、難燃性燃料と酸化剤との混合気を燃焼室内に供給し、燃焼させるバーナと、前記燃焼室内で前記混合気を旋回させるスワラと、を備えることを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-086202号公報
特開2016-130619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のリジェネレイティブバーナはアンモニアの燃焼に最適化されたものではなく、改善の余地が残されている。特許文献2に記載の燃焼装置はアンモニアを安定して燃焼させるのに役立つが、リジェネレイティブバーナではない。また、高出力化の検討が不十分である。このため、アンモニアを燃料として使用するのに適したリジェネレイティブバーナは未だ存在しない。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、アンモニア含有燃料の燃焼を高い出力で持続させるのに有用なリジェネレイティブバーナを提供することを課題の一つとする。また、本発明はそのようなリジェネレイティブバーナを備えた工業炉を提供することを別の課題の一つとする。また、本発明はそのようなリジェネレイティブバーナを用いた加熱処理品の製造方法を提供することを更に別の課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した。従来のリジェネレイティブバーナにおいては熱交換室を通って空気が燃焼室に供給され、また、燃焼室にはこの空気と燃焼反応を起こすための燃料が供給されるように構成されている。しかしながら、このような構成のみではアンモニア含有燃料を高い出力で安定的に燃焼させることはできない。アンモニア含有燃料を安定的に燃焼させる上では、アンモニア含有燃料を燃焼室に供給することに加え、燃料及び空気に連通する着火口を別途設け、この着火口で発生した火炎を燃焼室に供給することが有利であることを見出した。本発明は当該知見を基礎として完成したものであり、以下に例示される。
【0010】
[態様1]
燃焼室、熱交換室、及び、燃焼室と熱交換室の間の連通路を備えるリジェネレイティブバーナであって、
前記燃焼室は、アンモニア、水素及び炭化水素から選択される一種又は二種以上を含有する第一燃料を供給するための第一燃料供給路及び空気供給路に連通する着火口と、アンモニアを含有する第二燃料を供給するための第二燃料供給路に連通する少なくとも一つの燃料ノズルの先端と、火炎噴射口とを有しており、
前記燃焼室は、前記着火口で発生する第一火炎と、前記熱交換室から前記連通路を通って前記燃焼室内に供給される燃焼空気との存在下で、前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端から前記燃焼室内に供給される第二燃料を前記燃焼室内で燃焼して、前記火炎噴射口から第二火炎を噴出させることができるように構成されており、
前記リジェネレイティブバーナで燃焼する第一燃料の全量が、第一燃料供給路から前記着火口に供給され、前記リジェネレイティブバーナで燃焼する第二燃料の全量が、前記第二燃料供給路から前記少なくとも一つの燃料ノズルに供給されるように構成されている、
リジェネレイティブバーナ。
[態様2]
前記着火口における開口面Sから延ばした垂線Nに直交する方向であって水平な方向から燃焼室を観察した時、垂線Nと、前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端Tからの第二燃料の供給方向に向かって延ばした線分Mとの交点をPとすると、線分TPと線分PSによって形成される角(∠TPS)が、90°≦∠TPS≦110°である態様1に記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様3]
前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端から供給される第二燃料の供給方向は、前記着火口に向かって傾斜している態様1又は2に記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様4]
前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端に設けられている吹き出し孔は、第二燃料を放射状に噴射可能な構造を有する態様1~3の何れかに記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様5]
前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端は、前記連通路の燃焼室側におけるポートに対向する位置に設けられている態様1~4の何れかに記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様6]
前記火炎噴射口と対向する位置に前記着火口が設置されている態様1~5の何れかに記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様7]
態様1~6の何れかに記載のリジェネレイティブバーナを複数備えた工業炉。
[態様8]
態様7に記載の工業炉を用いて、セラミックス成形品を焼成する工程を含む焼成品の製造方法。
[態様9]
保炎室、燃焼室、熱交換室、及び、燃焼室と熱交換室の間の連通路を備えるリジェネレイティブバーナであって、
前記保炎室は、アンモニア、水素及び炭化水素から選択される一種又は二種以上を含有する第一燃料を供給するための第一燃料供給路及び空気供給路に連通する着火口と、前記燃焼室に連通する火炎出口とを有しており、
前記燃焼室は、前記保炎室の火炎出口に連通する火炎入口と、アンモニアを含有する第二燃料を供給するための第二燃料供給路に連通する少なくとも一つの燃料ノズルの先端と、火炎噴射口とを有しており、
前記燃焼室は、前記火炎入口を通って前記燃焼室内に入る第一火炎と、前記熱交換室から前記連通路を通って前記燃焼室内に供給される燃焼空気との存在下で、前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端から前記燃焼室内に供給される第二燃料を前記燃焼室内で燃焼して、前記火炎噴射口から第二火炎を噴出させることができるように構成されており、
前記リジェネレイティブバーナで燃焼する第一燃料の全量が、第一燃料供給路から前記着火口に向かって供給され、前記リジェネレイティブバーナで燃焼する第二燃料の全量が、第二燃料供給路から前記少なくとも一つの燃料ノズルに供給されるように構成されている、
リジェネレイティブバーナ。
[態様10]
前記火炎入口における開口面Sから延ばした垂線Nに直交する方向であって水平な方向から燃焼室を観察した時、垂線Nと、前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端Tからの第二燃料の供給方向に向かって延ばした線分Mとの交点をPとすると、線分TPと線分PSによって形成される角(∠TPS)が、90°≦∠TPS≦110°態様9に記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様11]
前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端から供給される第二燃料の供給方向は、前記火炎入口に向かって傾斜している態様9又は10に記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様12]
前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端に設けられている吹き出し孔は、第二燃料を放射状に噴射可能な構造を有する態様9~11の何れかに記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様13]
前記少なくとも一つの燃料ノズルの先端は、前記連通路の燃焼室側におけるポートに対向する位置に設けられている態様9~12の何れかに記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様14]
前記着火口の上流側に第一燃料及び空気を混合させて予混合気を形成するための空間を有しており、当該空間にスワラが設置されている態様9~13の何れかに記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様15]
前記火炎噴射口と対向する位置に前記火炎入口が設置されている態様9~14の何れかに記載のリジェネレイティブバーナ。
[態様16]
態様9~15の何れかに記載のリジェネレイティブバーナを複数備えた工業炉。
[態様17]
態様16に記載の工業炉を用いて、ワークを加熱処理する工程を含む加熱処理品の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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