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公開番号2025154126
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056955
出願日2024-03-29
発明の名称静電荷像現像用トナー
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G03G 9/09 20060101AFI20251002BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】カーボンブラックを用いて、高い画像濃度を有する印刷物を得ることができる静電荷像現像用トナーに関する。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含む静電荷像現像用トナーであって、結着樹脂が、アルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレートとの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂Aを含有し、着色剤が、BET比表面積150m2/g以上のカーボンブラックを含有する、静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂及び着色剤を含む静電荷像現像用トナーであって、
結着樹脂が、アルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレートとの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂Aを含有し、
着色剤が、BET比表面積150m

/g以上のカーボンブラックを含有する、
静電荷像現像用トナー。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
非晶性ポリエステル樹脂A中のポリエチレンテレフタレートの含有量が、テレフタル酸-エチレングリコールのユニットを1molとして、アルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレートの合計量中、3mol%以上85mol%以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項3】
着色剤が、BET比表面積200m

/g以上260m

/g以下のカーボンブラックを含有する、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項4】
結着樹脂が、更に、結晶性ポリエステル系樹脂Cを含有する、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項5】
樹脂粒子及び着色剤粒子を凝集させる工程及び融着させる工程を含む、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
樹脂粒子が、アルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレートとの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂Aを含有し、
着色剤粒子が、BET比表面積150m

/g以上のカーボンブラックを含有する、
静電荷像現像用トナーの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した電子写真用トナーの開発が求められている。黒色トナーにおいては、着色剤としてカーボンブラックが汎用され、印刷物の画像濃度の向上が検討されている。
【0003】
特許文献1には、高着色力であり、かつ環境安定性に優れた静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを目的として、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び有機溶剤を混合して、油相を調製する工程、及び前記油相と水相とを混合する工程を有し、前記着色剤が、DBP吸油量が25mL/100g以上45mL/100g以下、かつ、BET比表面積が65m

/g以上120m

/g以下のカーボンブラックであり、前記結着樹脂が、非晶性樹脂を含有し、前記非晶性樹脂が、側鎖に炭素数8以上の脂肪族炭化水素基を有する非晶性ポリエステル樹脂、及びポリエステルセグメントと付加重合樹脂セグメントとを含む非晶性複合樹脂の少なくともいずれかを含有する、静電荷像現像用トナーの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-154020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷物の画像濃度を高めるためには、トナー粒子中に着色剤を均一に分散させることが必須である。カーボンブラックは一次粒子が小さく、粒子の凝集力が強いためトナー粒子中に分散させることが容易ではなく、特許文献1に記載の製造方法により得られたトナーで印刷した場合でも、印刷物の画像濃度はいまだ十分であるとは言えなかった。
本発明は、カーボンブラックを用いて、高い画像濃度を有する印刷物を得ることができる静電荷像現像用トナーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、アルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレートとの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂と、BET比表面積が特定の値以上のカーボンブラックを含有する着色剤とを組み合わせて静電荷像現像用トナーに用いることで、当該トナー中、カーボンブラックの凝集を抑制することができ、当該トナーを用いて高い画像濃度を有する印刷物が得られることを見出した。
本発明は、以下の〔1〕及び〔2〕に関する。
〔1〕結着樹脂及び着色剤を含む静電荷像現像用トナーであって、
結着樹脂が、アルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレートとの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂Aを含有し、
着色剤が、BET比表面積150m

/g以上のカーボンブラックを含有する、
静電荷像現像用トナー。
〔2〕樹脂粒子及び着色剤粒子を凝集させる工程及び融着させる工程を含む、〔1〕に記載の静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
樹脂粒子が、アルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレートとの重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂Aを含有し、
着色剤粒子が、BET比表面積150m

/g以上のカーボンブラックを含有する、
静電荷像現像用トナーの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カーボンブラックを用いて、高い画像濃度を有する印刷物を得ることができる静電荷像現像用トナーが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[静電荷像現像用トナー]
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)は、少なくとも、結着樹脂及び着色剤を含む。
前記結着樹脂が、アルコール成分とカルボン酸成分とポリエチレンテレフタレート(PET)との重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂A(以下、単に「樹脂A」ともいう)を含有する。また前記着色剤が、BET比表面積150m

/g以上のカーボンブラックを含有する。
以上の特徴により、本発明のトナーを用いて、高い画像濃度を有する印刷物を得ることができる。本発明のトナーの記録媒体としては、紙やフィルムが例示される。
なお、少なくとも、結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子(以下、単に「トナー粒子」ともいう)を、本発明のトナーとしてそのまま用いることもできるが、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することが好ましい。
【0009】
本発明のトナーを用いて、高い画像濃度を有する印刷物を得ることができる理由は定かではないが、次のように考えられる。
BET比表面積の高いカーボンブラックは、一次粒子が小さいため着色力が高く、潜在的に高い画像濃度を有する印刷物が得られる点で有用である。しかし、BET比表面積が高いと、粒子表面に存在する質量単位当たりの官能基(例えば、カルボキシ基及びヒドロキシ基)の数も増加する。そのため、BET比表面積の高いカーボンブラックは結着樹脂中で分散しにくく凝集しやすい。結着樹脂を用いて、粉砕法での混練、又は、ケミカル法での融着工程を経てトナーを作製する場合、原料混合物を、非晶性樹脂のガラス転移温度以上で加熱して、粘度が低い状態で保持すると、BET比表面積の高いカーボンブラックは、水素結合等の作用により凝集してしまう。
本発明のトナーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いて得られる非晶性ポリエステル樹脂Aを含有する。樹脂Aの製造では、アルコール成分とカルボン酸成分とPETとの重縮合反応において、PETが解重合を受けながらエステル交換反応によりポリエステル樹脂鎖に取り込まれる。しかし、PETは、完全にランダム化して取り込まれるのではなく、得られる樹脂中にはPETセグメントと呼べるユニットが存在する。このPETセグメントは、エステル基濃度が高いことから、カーボンブラック表面の官能基と、水素結合等により互いに相互作用しやすい。この相互作用により、BET比表面積の高い(一次粒径の小さい)カーボンブラックが原料混合物中で凝集することが抑制され、カーボンブラックがトナー粒子中に均一に分散したトナーを得ることができる。その結果、着色力に優れるトナーが得られ、印刷物の画像濃度を向上させることができると考えられる。
【0010】
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
明細書中、ポリエステル樹脂のカルボン酸成分には、その化合物のみならず、反応中に分解してカルボン酸を生成する無水物、及び各カルボン酸のアルキルエステル(アルキル基の炭素数1以上3以下)も含まれる。
樹脂が結晶性であるか非晶性であるかについては、結晶性指数により判定される。結晶性指数は、後述する実施例に記載の測定方法における、樹脂の軟化点と吸熱の最大ピーク温度との比(軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される。結晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下のものである。非晶性樹脂とは、吸熱ピークが観測されないか、観測される場合は、結晶性指数が0.6未満又は1.4超のものである。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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