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公開番号2025150757
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024051810
出願日2024-03-27
発明の名称白色織物
出願人ユニチカトレーディング株式会社
代理人
主分類D03D 15/20 20210101AFI20251002BHJP(織成)
要約【課題】無染色であっても白度に優れ、また透け感の異なるフィラメントの配列模様が生地表面に現れて、立体感やデザイン性のある織物を提供する。
【解決手段】酸化チタン微粒子の含有量が0.1質量%以下であるポリエステル樹脂からなる無染色のフィラメントAと、酸化チタン微粒子を1.5質量%以上含有するポリエステル樹脂からなる無染色のフィラメントBと、白色導電性フィラメントCで構成される無染色の織物であって、任意の経方向2.54cm×緯方向2.54cmで囲まれる正方形において、フィラメントAが45~55質量%、フィラメントBが45~55質量%、フィラメントCが0.1~5質量%含まれており、かつ、織物を構成する経糸、緯糸ともにフィラメントA及びフィラメントBが含まれており、かつ、織物のカバーファクターが2000~3000、白度(WI)が70以上である、白色織物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
酸化チタン微粒子の含有量が0.1質量%以下であるポリエステル樹脂からなる無染色のフィラメントAと、酸化チタン微粒子を1.5質量%以上含有するポリエステル樹脂からなる無染色のフィラメントBと、白色導電性フィラメントCで構成される無染色の織物であって、
任意の経方向2.54cm×緯方向2.54cmで囲まれる正方形において、フィラメントAが40~55質量%、フィラメントBが40~55質量%、フィラメントCが0.1~5質量%含まれており、
かつ、織物を構成する経糸、緯糸ともにフィラメントA及びフィラメントBが含まれており、
かつ、織物のカバーファクターが2000~3000、白度(WI)が70以上である、白色織物。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
織物の経糸本数が90~130本/2.54cm、緯糸本数が70~100本/2.54cmであり、
フィラメントA及びフィラメントBの繊度は100~350dtex、フィラメントAとフィラメントBの繊度の差が20dtex以下である、請求項1記載の白色織物。
【請求項3】
フィラメントAを2本以上引き揃えた経糸と、フィラメントAを2本以上引き揃えた緯糸が交差している部分が、任意の経方向2.54cm×緯方向2.54cmで囲まれる正方形において、2か所以上存在する、請求項1記載の白色織物。
【請求項4】
タテ糸方向の引裂強さが20N以上、かつヨコ糸方向の引裂強さが15N以上である請求項1記載の白色織物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化チタン微粒子の含有量が異なる2種類のポリエステルマルチフィラメントを特定量使用し、無染色で使用することを前提とする白色織物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、作業環境のクリーン化の一環として、作業者のユニフォームに白衣を使用することが多くなっている。白衣に使用される織編物には、摩擦により発生した電荷をコロナ放電によって空気中に放電することで制電性を高める導電性繊維が含まれている。
例えば、特許文献1や特許文献2において、食品白衣用や病院白衣用に使用する織編物であって、導電性繊維を含む白色の織編物が提案されている。これらの織編物は、白衣に適した白色の織編物とするために、製編織後に白色に染色することによって、斑のない白色の織編物を得ている。
【0003】
一方、近年、持続可能な社会の実現を目標として様々な取り組みが進められる中で、環境配慮型素材である織編物も求められている。作業者用ユニフォームは一度に同じ規格の生地を使用するため、ユニフォーム用に使用される織編物を環境配慮型素材に置き換えることは、前記目標の達成に効果的である。ここで織編物に色や柄を表す方法を大別すると、予め複数の色で染色された原料の糸を適宜組合せながら製織編して柄を表す先染めと、無地の織編物を製織編した後に染色する後染めがある。しかしながら、先染めと後染めのいずれも染色工程においては、各種染料を使用し、高温で熱水処理などを行う必要があり、また、染料による廃水を処理する必要もあり、エネルギーコストがかかるものである。
【0004】
白衣用に使用される白色の生地としては、前記したように従来染色により白色の織編物としたものは提案されているが、環境配慮の面からより好ましい、無染色の生地(染色前の生地)で使用可能な白色の織編物は未だに提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-33654号公報
特開昭48-62732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決し、無染色の織物であって、白色に染色しなくても十分な白度に優れ、白衣用の織物として好適に使用することができる白色織物を提供することを技術的な課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、酸化チタン微粒子の含有量が一定量以下であるポリエステルフィラメントと、酸化チタン含有量が一定量以上であるポリエステルフィラメントを特定量使用した織物とすることで、透け感の異なるフィラメントの配列模様が生地表面に現れて、立体感やデザイン性のある生地表面となり、これにより染色を施すことなく白色織物として使用することが可能となることを見出し、本発明に到達したものである。
【0008】
すなわち、本発明は下記の(イ)~(ヘ)を要旨とするものである。
(イ)酸化チタン微粒子の含有量が0.1質量%以下であるポリエステル樹脂からなる無染色のフィラメントAと、酸化チタン微粒子を1.5質量%以上含有するポリエステル樹脂からなる無染色のフィラメントBと、白色導電性フィラメントCで構成される無染色の織物であって、任意の経方向2.54cm×緯方向2.54cmで囲まれる正方形において、フィラメントAが40~55質量%、フィラメントBが40~55質量%、フィラメントCが0.1~5質量%含まれており、かつ、織物を構成する経糸、緯糸ともにフィラメントA及びフィラメントBが含まれており、かつ、織物のカバーファクターが2000~3000、白度(WI)が70以上である、白色織物。
(ロ)織物の経糸本数が90~130本/2.54cm、緯糸本数が70~100本/2.54cmであり、フィラメントA及びフィラメントBの繊度は100~350dtex、フィラメントAとフィラメントBの繊度の差が20dtex以下である、(イ)記載の白色織物。
(ハ)フィラメントAを2本以上引き揃えた経糸と、フィラメントAを2本以上引き揃えた緯糸が交差している部分が、任意の経方向2.54cm×緯方向2.54cmで囲まれる正方形において、2か所以上存在する、(イ)記載の白色織物。
(ニ)タテ糸方向の引裂強さが20N以上、かつヨコ糸方向の引裂強さが15N以上である(イ)記載の白色織物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の白色織物は、無染色であっても、白度に優れ、また透け感の異なるフィラメントの配列模様が生地表面に現れて、立体感やデザイン性のある生地表面となるものである。このため、本発明の白色織物は染色を施すことなく使用することが可能であり、ユニフォーム用途を始め、各種の衣料用途に好適な縫製品として使用することが可能となる。
そして、本発明の白色織物は、染色を施す必要がないため、染色工程において要していたエネルギーコストを削減することが可能となる、環境配慮型素材である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の白色織物の織組織の一実施態様(ブッチャー組織)を示す模式図である。
本発明の白色織物の織組織の一実施態様(リップ組織)を示す模式図である。
実施例1にて得られた白色織物の織組織を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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