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公開番号2025154612
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057714
出願日2024-03-29
発明の名称工業用織物、不織布製造用支持体および不織布の製造方法
出願人大和紡績株式会社
代理人個人,個人
主分類D03D 25/00 20060101AFI20251002BHJP(織成)
要約【課題】ナックル部が他の部分よりも高く且つ急峻であって、ナックル部により不織布に模様を鮮明に付することを可能とする工業用織物を提供する。
【解決手段】経糸と緯糸とを有する工業用織物であって、経糸はn本の経糸からなる経糸A群と、経糸Bとを含み、経糸A群の経糸は経糸Bを挟んで、経糸A1、経糸A2、・・・経糸Anの順に配置され、緯糸はn本の緯糸からなる緯糸X群と、緯糸Yとを含み、緯糸X群の緯糸は緯糸Yを挟んで、緯糸X1、緯糸X2、・・・緯糸Xnの順に配置され、経糸A群において、経糸Amは緯糸Xmの上を通過した後、緯糸Y及び緯糸Xm以外の全ての緯糸X群を構成する緯糸の下を通過し、経糸Bは、緯糸X群の下を通過し、緯糸Yの上を通過し、経糸A群の経糸が緯糸X群の緯糸の上を通過して形成されるナックル部において、経糸方向の断面を観察したときに、経糸が緯糸の外周の40%以上と接している、工業用織物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
経糸と、緯糸とを有する工業用織物であって、
前記経糸はn本(ただし、nは正の自然数)の経糸(経糸A

、経糸A

、・・・経糸A
n
)からなる経糸A群と、経糸Bとを少なくとも含み、経糸は前記経糸A群を構成する経糸と、前記経糸Bとは交互に並び、かつ経糸A群を構成する経糸は経糸Bを挟んで、経糸A

、経糸A
2、
・・・経糸A
n
の順に配置され、
前記緯糸はn本の緯糸(緯糸X

、緯糸X

、・・・緯糸X

)からなる緯糸X群と、緯糸Yとを少なくとも含み、前記緯糸X群を構成する緯糸と前記緯糸Bとは交互に並び、かつ緯糸X群を構成する緯糸は緯糸Yを挟んで、緯糸X

、緯糸X

、・・・緯糸X

の順に配置され、
前記経糸A群において、前記経糸A

(1≦m≦n、n≧2 ただしmは正の自然数)は前記緯糸X

(1≦m≦n、n≧2 ただしmは正の自然数)の上を通過して、経糸A

が緯糸X

に対して浮きを形成し、緯糸Y及び緯糸X

以外の全ての緯糸X群を構成する緯糸の下を通過して、経糸A

が緯糸Yおよび緯糸X

以外の全ての緯糸X群を構成する緯糸に対し、沈みを形成しており、
前記経糸Bは、緯糸X群の下を通過し、緯糸Yの上を通過し、
前記経糸A群に属する経糸が、緯糸X群を構成する緯糸の上を通過して形成されるナックル部において、その経糸方向の断面を観察したときに、経糸が緯糸の外周の40%以上と接している、
工業用織物。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記経糸A群を構成する経糸の少なくとも一部はその横断面が横長形状を有している、モノフィラメントであり、前記横長形状の横断面の横方向が前記織物の緯糸方向と平行となるように配置されている、請求項1に記載の工業用織物。
【請求項3】
前記横断面が横長形状を有するモノフィラメントにおいて、横断面のアスペクト比が1:1.1~1:5である請求項2に記載の工業用織物。
【請求項4】
前記経糸A群を構成する経糸および前記緯糸X群を構成する緯糸が同じ材料からなるモノフィラメントであり、前記経糸A群を構成する経糸の少なくとも一部が緯糸X群を構成する緯糸の直径の40%以上80%以下の範囲内にある直径を有する、請求項1に記載の工業用織物。
【請求項5】
前記緯糸X群を構成する緯糸の直径が、前記緯糸Yの直径と同じであるか、それよりも大きい、請求項1に記載の工業用織物。
【請求項6】
前記経糸A群を構成する経糸の本数および前記緯糸X群を構成する緯糸の本数が、2~4本である、請求項1に記載の工業用織物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の工業用織物を含む、不織布を製造する際に繊維ウェブを載置する不織布製造用支持体。
【請求項8】
高圧流体流により繊維同士を交絡させる際に、高圧流体流の下で繊維ウェブを移動させるのに用いられるものである、請求項7に記載の不織布製造用支持体。
【請求項9】
スパンボンド法またはメルトブローン法により不織布を製造するに際し、スパンボンドウェブまたはメルトブローンウェブを堆積するのに用いられるものである、請求項7に記載の不織布製造用支持体。
【請求項10】
繊維ウェブを作製すること、
前記繊維ウェブを請求項7に記載の不織布製造用支持体に載置した状態で、前記繊維ウェブを構成する繊維同士を結合および/または交絡させる処理に付すること、
を含む、不織布の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、不織布および紙等の製造工程で使用される工業用織物に関し、特に不織布を製造する際に繊維ウェブを載置する不織布製造用支持体およびこれを用いた不織布の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
不織布を製造する際に、繊維ウェブは不織布製造用支持体(以下、単に「支持体」とも呼ぶ)に載置されて繊維同士の交絡、一体化工程に付されるところ、支持体の構成を適宜選択することにより、不織布の表面、より具体的には、支持体に接している側の不織布表面に対し、支持体の構成に対応した模様を付与できることが知られている。そして、不織布に所望の模様を付与するため、種々の支持体が提案されている。例えば、特許文献1は、不織布形成用ベルトにおいて、ベルト本体の成形側表面に模様付与突起を配設した不織布製造用ベルトを提案している。特許文献2は、経糸、緯糸によって形成された織物において、織物の少なくとも1つの表面がa.連続する緯糸の上を通って表面に経糸のロングクリンプ(“浮き糸”、あるいは単に“浮き”とも称される)を形成する組織からなる第1模様領域と、b.連続する経糸の上を通って表面に緯糸のロングクリンプを形成する組織からなる第2模様領域とによって形成されてなる凹凸織物を提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平4-327255号公報
特開2005-9013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、工業用織物に関するものであり、一方の表面において、特定の経糸が緯糸の上を通過する“浮き”によってナックル部が形成され、当該ナックル部が、当該一方の表面において、他の部分よりも高く且つその高さが急激に変化した急峻なナックル部であることで、当該ナックル部によって、模様が鮮明に付された各種不織布の製造を可能とする工業用織物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の工業用織物は、経糸と、緯糸とを有する工業用織物であって、
経糸と、緯糸とを有する工業用織物であって、
前記経糸はn本(ただし、nは正の自然数)の経糸(経糸A

、経糸A

、・・・経糸A
n
)からなる経糸A群と、経糸Bとを少なくとも含み、経糸は前記経糸A群を構成する経糸と、前記経糸Bとは交互に並び、かつ経糸A群を構成する経糸は経糸Bを挟んで、経糸A

、経糸A
2、
・・・経糸A
n
の順に配置され、
前記緯糸はn本の緯糸(緯糸X

、緯糸X

、・・・緯糸X

)からなる緯糸X群と、緯糸Yとを少なくとも含み、前記緯糸X群を構成する緯糸と前記緯糸Bとは交互に並び、かつ緯糸X群を構成する緯糸は緯糸Yを挟んで、緯糸X

、緯糸X

、・・・緯糸X

の順に配置され、
前記経糸A群において、前記経糸A

(1≦m≦n、n≧2 ただしmは正の自然数)は前記緯糸X

(1≦m≦n、n≧2 ただしmは正の自然数)の上を通過して、経糸A

が緯糸X

に対して浮きを形成し、緯糸Y及び緯糸X

以外の全ての緯糸X群を構成する緯糸の下を通過して、経糸A

が緯糸Yおよび緯糸X

以外の全ての緯糸X群を構成する緯糸に対し、沈みを形成しており、
前記経糸Bは、緯糸X群の下を通過し、緯糸Yの上を通過し、
前記経糸A群に属する経糸が、緯糸X群を構成する緯糸の上を通過して形成されるナックル部において、その経糸方向の断面を観察したときに、経糸が緯糸の外周の40%以上と接している、
工業用織物である。
【発明の効果】
【0006】
本開示の工業用織物は、経糸と緯糸を有する工業用織物であって、特定の経糸が特定の緯糸に対して浮きを形成し、別の特定の緯糸に対して沈みを形成するように織成される経糸の群を形成し、当該浮きよって形成されるナックル部の高さが、当該ナックル部が形成されている表面において、他の部分よりも高くなるだけでなく、当該ナックル部が急峻である、言い換えるならば、前記ナックル部を有する側の工業用織物表面おいて、当該ナックル部は工業用織物の厚みが急激に変化するような凸部として形成されている。このようなナックル部を有する工業用織物を不織布製造用支持体として用いた場合には、当該ナックル部の高さおよび配置に対応した模様をより鮮明に不織布に付することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施形態の工業用織物の一例の織組織である。
本実施形態の工業用織物の一例の経糸方向の断面を示す顕微鏡写真である。
本実施形態の工業用織物の別の例の織組織である。
本実施形態の工業用織物においてナックル部の急峻性を示す角度を測定する方法を示す経糸方向の断面図である。
実施例1で作製した不織布の表面の写真である。
実施例2で作製した不織布の表面の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
スパンレース不織布(水流交絡不織布とも称される)やエアスルー不織布(サーマルボンド不織布、熱接着不織布とも称される)を始めとする短繊維や、スパンボンド不織布やメルトブローン不織布といった長繊維不織布など各種不織布の表面に模様を付するために使用される支持体は、当該支持体の表面のうち、不織布または不織布の前段階である繊維ウェブなどの繊維集合物が載置される側の表面に、不織布に対して付する模様に対応した凹凸を有し、凸部の部分の高さを凸部周囲の支持体表面より高くすることで、不織布や繊維集合物に対し模様を付することを可能にしている。特許文献1においては、当該凸部に対応するものが模様付与突起であり、特許文献2においては、織物表面に連続する経糸の上を通る緯糸のロングクリンプを形成する組織からなる第2模様領域である。
【0009】
本発明者らは、別途突起部を設ける必要がなく、また、1本から数本の経糸が緯糸の上を通過して形成されるナックル部を模様形成のための凸部として、比較的小さな模様(言い換えるならば、製造された不織布について、当該不織布の表面を鉛直方向(または厚み方向)から観察した際に確認できる、模様を構成する凸部または凹部の面積が小さい模様)を不織布に形成する場合でも、鮮明な模様を不織布や繊維集合物表面に形成できる工業用織物の構成を検討した。
【0010】
そこで、本発明者は、特定の織組織を採用し、かつ経糸を湾曲しやすいものとすることで、特定の経糸が緯糸の上を通過することにより形成されるナックル部において、特定の経糸が緯糸の外周の40%以上と接するようにしてナックル部を工業用織物の表面に形成した。これにより、当該ナックル部は、当該ナックル部が設けられた側の支持体表面において、当該ナックル部の周囲に存在する支持体表面よりも高くなるだけでなく、当該ナックル部が急峻なもの、言い換えるならば、ナックル部周囲の支持体表面に対しナックル部は、その高さ(見かけの厚み)が急激に大きくなるナックル部となる。
(【0011】以降は省略されています)

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