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公開番号2025167333
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024071843
出願日2024-04-25
発明の名称難燃性紡績糸、難燃性編地および衣料
出願人大和紡績株式会社
代理人個人,個人
主分類D02G 3/04 20060101AFI20251030BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約【課題】難燃性を示すとともに、風合いに優れ、適度なハリとコシを有する編地を与える紡績糸を提供し、日常生活を含む様々な場面で違和感なく着用可能な衣料を提供する。
【解決手段】難燃性合成繊維、難燃性セルロース系繊維、および非難燃性セルロース系繊維を含む紡績糸であり、前記紡績糸の質量を100質量%としたとき、前記紡績糸は前記難燃性合成繊維を35質量%以上80質量%以下の割合で含み、前記難燃性セルロース系繊維を5質量%以上25質量%以下の割合で含み、前記非難燃性セルロース系繊維を15質量%以上60質量%以下の割合で含み、前記紡績糸は、無撚状態の無撚繊維群と、前記無撚繊維群の周囲に巻き付いている巻き付き繊維群とを含む、紡績糸、およびこれを含む編地、ならびに前記編地を含む衣料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
難燃性合成繊維、難燃性セルロース系繊維、および非難燃性セルロース系繊維を含む紡績糸であり、
前記紡績糸の質量を100質量%としたとき、前記紡績糸は前記難燃性合成繊維を35質量%以上80質量%以下の割合で含み、前記難燃性セルロース系繊維を5質量%以上25質量%以下の割合で含み、前記非難燃性セルロース系繊維を15質量%以上60質量%以下の割合で含み、
前記紡績糸は、無撚状態の無撚繊維群と、前記無撚繊維群の周囲に巻き付いている巻き付き繊維群とを含む、紡績糸。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記紡績糸の質量を100質量%としたとき、前記紡績糸は前記難燃性合成繊維と前記難燃性セルロース系繊維とを合わせて40質量%以上80質量%以下の割合で含み、
前記紡績糸の質量を100質量%としたとき、前記紡績糸は前記難燃性セルロース系繊維と前記非難燃性セルロース系繊維とを合わせて20質量%以上60質量%以下の割合で含む、請求項1に記載の紡績糸。
【請求項3】
前記難燃性合成繊維が、モダクリル繊維、難燃性ポリエステル繊維、難燃性ポリオレフィン繊維、難燃性ポリアミド繊維、難燃性ポリカーボネート繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の紡績糸。
【請求項4】
前記難燃性セルロース系繊維が、難燃剤を含有するビスコースレーヨン、難燃剤を含有する精製セルロース繊維、および難燃剤を含有するアセテート繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の紡績糸。
【請求項5】
前記非難燃性セルロース系繊維が、コットン繊維、麻繊維、ビスコースレーヨン繊維、精製セルロース繊維、およびアセテート繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の紡績糸。
【請求項6】
請求項1に記載の紡績糸を含む編地であり、
前記編地において、前記編地の質量を100質量%としたとき、前記編地は前記難燃性合成繊維を35質量%以上80質量%以下の割合で含み、前記難燃性セルロース系繊維を5質量%以上25質量%以下の割合で含み、前記非難燃性セルロース系繊維を15質量%以上60質量%以下の割合で含む、編地。
【請求項7】
編組織が平編組織、フライス編組織、パール編組織、鹿の子編組織、ジャガード編組織、およびメッシュ編組織からなる群から選ばれる一種以上であり、
目付が150g/m

以上320g/m

以下であり、
コース度目(目/0.5インチ)が15.0以上25.0以下であり、
ウェール度目(目/0.5インチ)が12.0以上20.0以下である、請求項6に記載の編地。
【請求項8】
通気度が50cc/cm
2
・秒以上250cc/cm
2
・秒以下である請求項6に記載の編地。
【請求項9】
前記編地が、多層構造を有する編地、裏毛編地、および裏起毛編地からなる群から選ばれる一種以上である、請求項6に記載の編地。
【請求項10】
前記編地の表面を実質的に構成する表糸および前記編地の裏面を実質的に構成する裏糸がそれぞれ、請求項1に記載の紡績糸を含み、
前記表糸を構成する糸全体に含まれる非難燃性繊維の割合が50質量%以下であり、前記裏糸を構成する糸全体に含まれる非難燃性繊維の割合が50質量%以下である、請求項9に記載の編地。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、難燃性紡績糸、当該難燃性紡績糸を用いた難燃性編地、および当該難燃性編地を用いた衣料に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、難燃性を有する編地として種々のものが提案されている。例えば、特許文献1には、難燃性合成繊維とセルロース繊維とを含有する紡績糸を80質量%以上含む難燃性編地であって、裏面に配された前記紡績糸のみが撥水加工されており、かつ裏面全体に撥水加工が施されておらず、LOI値(限界酸素指数)が25以上であり、JIS L 1096に従って測定される蒸発性自由水分量が3g/202.5cm

以上であり、編地の裏面における、バイレック法に従って測定される吸水性が、表面の吸水性よりも小さい難燃性編地が提案されている。特許文献2には、リン系化合物を含有する天然セルロース系繊維とアンチモン化合物を含有するアクリル系繊維を含む難燃性布帛であって、引き裂き強度試験が1.5kgf以上且つ難燃性試験の炭化長4インチ以上である難燃性布帛が提案されている。
【0003】
特許文献3には、難燃繊維を含む紡績糸を用いてなる布帛であって、厚みが0.6mm以下、かつ通気度が10cc/cm

/sec以下である布帛が提案されている。特許文献4には、スズ酸亜鉛化合物を含有する難燃性アクリル系繊維と、天然繊維及び化学繊維からなる群から一つ以上の他の繊維とをそれぞれ所定の割合で含み、ISO15025燃焼試験で残炎時間が30秒以下である布帛が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7438519号公報
特許第6484554号公報
特開2023-25402号公報
国際公開WO2023/171286パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
難燃性を示すとともに、風合いに優れ、適度なハリとコシを有する編地を与える紡績糸を提供し、日常生活を含む様々な場面で違和感なく着用可能な衣料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の難燃性紡績糸は、
難燃性合成繊維、難燃性セルロース系繊維、および非難燃性セルロース系繊維を含む紡績糸であり、
前記紡績糸の質量を100質量%としたとき、前記紡績糸は前記難燃性合成繊維を35質量%以上80質量%以下の割合で含み、前記難燃性セルロース系繊維を5質量%以上25質量%以下の割合で含み、前記非難燃性セルロース系繊維を15質量%以上60質量%以下の割合で含み、
前記紡績糸は、無撚状態の無撚繊維群と、前記無撚繊維群の周囲に巻き付いている巻き付き繊維群とを含む、紡績糸である。
【0007】
本開示の難燃性編地は、
前記本開示の難燃性紡績糸を含む編地であり、
前記編地において、前記編地の質量を100質量%としたとき、前記編地は前記難燃性合成繊維を35質量%以上80質量%以下の割合で含み、前記難燃性セルロース系繊維を5質量%以上25質量%以下の割合で含み、前記非難燃性セルロース系繊維を15質量%以上60質量%以下の割合で含む、編地である。
【0008】
本開示の衣料は、前記本開示の難燃性編地を含む衣料である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の難燃性紡績糸は、難燃性合成繊維、難燃性セルロース系繊維、および非難燃性セルロース系繊維を含む紡績糸であり、これを編地に編成したときに、当該編地が難燃性を示すとともに、当該編地はセルロース系繊維を含むことで風合いに優れ、適度なハリとコシを有し、かつピリングが生じにくい編地を与える。この編地によれば、難燃性を発揮するとともに、日常生活を含む様々な場面で違和感なく着用可能である衣料が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本実施形態に至った経緯)
火気が発生し得る場所、例えば、製造工場、建築現場、溶接作業場等においては、安全の観点から、難燃性の衣料の着用が定着し、衣料としての着用感と難燃性との両立を目指して、様々な難燃性布帛が提案されている。また、難燃性のみならず、他の特性を有する布帛も提案されており、例えば、上記特許文献3は、上記構成により、透湿防水性、防風性および着用快適性に優れた布帛が得られると説明している。
(【0011】以降は省略されています)

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