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公開番号
2025145686
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2024045998
出願日
2024-03-22
発明の名称
管理土圧の逐次更新システム
出願人
大豊建設株式会社
代理人
弁理士法人パテントボックス
主分類
E21D
9/093 20060101AFI20250926BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約
【課題】仮定や推定による管理土圧の設定ではなく、チャンバー内泥土圧と切羽付近の変位関係を直接計測することで管理土圧の妥当性を確認する、シールド掘進機における管理土圧の逐次更新システムを提供する。
【解決手段】シールド掘進機としての土圧式シールド1における管理土圧の逐次更新システムSである。管理土圧の逐次更新システムSは、チャンバー16内の泥土を排出する排土装置17と、チャンバー16内の泥土圧を計測する圧力計22と、切羽近傍FAの変位を計測する変位計測手段6(7)と、計測された泥土圧と計測された切羽近傍の変位に基づいて地盤の変形特性を解析する解析部41と、解析された変形特性に基づいて、管理土圧を設定する設定部42と、を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シールド掘進機における管理土圧の逐次更新システムであって、
チャンバー内の泥土を排出する排土装置と、
チャンバー内の泥土圧を計測する圧力計と、
切羽近傍の変位を計測する変位計測手段と、
計測された泥土圧と計測された切羽近傍の変位に基づいて地盤の変形特性を解析する解析部と、
解析された変形特性に基づいて、管理土圧を設定する設定部と、
を備える、管理土圧の逐次更新システム。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
シールド停止時において、前記チャンバー内の泥土圧が変化していく際に、前記解析部は地盤の変形特性を解析し、前記設定部は解析された前記地盤の変形特性に基づいて管理土圧を設定する、請求項1に記載された、管理土圧の逐次更新システム。
【請求項3】
前記解析部は、前記泥土圧と前記切羽近傍の変位グラフを解析し、前記設定部は、前記グラフの直線回帰判定、又は、勾配判定の少なくともいずれか一方を判定することによって管理土圧を設定する、請求項2に記載された、管理土圧の逐次更新システム。
【請求項4】
前記変位計測手段として、切羽近傍まで到達する探査治具と、前記探査治具の変位を計測する変位センサと、を有する、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された、管理土圧の逐次更新システム。
【請求項5】
前記変位計測手段として、多段式傾斜計及び/又は層別沈下計が、掘進予定の地盤内にあらかじめ設置されている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された、管理土圧の逐次更新システム。
【請求項6】
前記解析部は、
解析された地盤の変形特性に基づいて、地盤の力学定数を逆解析によって推定し、当該地盤の力学定数を用いてFEMモデルを更新するとともに、
更新されたFEMモデルを用いて、周辺の地盤及び/又は構造物への影響を予測するようになっている、請求項4に記載された、管理土圧の逐次更新システム。
【請求項7】
前記解析部は、
解析された地盤の変形特性に基づいて、地盤の力学定数を逆解析によって推定し、当該地盤の力学定数を用いてFEMモデルを更新するとともに、
更新されたFEMモデルを用いて、周辺の地盤及び/又は構造物への影響を予測するようになっている、請求項5に記載された、管理土圧の逐次更新システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機において使用されるチャンバー内泥土圧の管理土圧の逐次更新システムに関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、土圧式シールドにおけるチャンバー内泥土圧の管理は、切羽の安定を保持しながら周辺地盤の変形や沈下等を生じさせないようにシールドを掘進させるために不可欠なものであり、適正な管理を行うことで周辺地盤の変位を抑制することができる。
【0003】
土圧式シールドでは、チャンバー内泥土圧の管理土圧は、以下の範囲に設定されている。
(受働土圧+水圧)>チャンバー内泥土圧(管理土圧)>(主働土圧+水圧)
チャンバー内泥土圧が上記範囲内に保持されていれば、切羽の安定は理論上確保されるが、チャンバー内泥土圧が高くなることで、カッタートルクやジャッキ推力の増大を招き、施工上非効率となることから、切羽の安定が確保される範囲で管理土圧を低く設定することが望ましい。そこで、下限値については(主働土圧+水圧)にプラスαを加えた値を、上限値については前記下限値(主働土圧+水圧+α)に施工変動幅を更に考慮した値、または(静止土圧+水圧)を設定することが一般的である。
なお、ここで言う受働土圧、主働土圧および静止土圧とは、土粒子間で伝達される有効土圧の事を示し、間隙水圧を含まない。一方、チャンバー内泥土圧とは、チャンバー内の土粒子および間隙水を一体と考えた全土圧の事であり、間隙水圧を含む。
【0004】
従来の土圧式シールドにおけるチャンバー内泥土圧の管理手法には、以下に示す1)の方法と2)の方法がある。
1)事前の土質調査により推定される対象地盤の土質定数(φ、C、γ等)、地下水位や上載荷重から土圧の算定式を用いて、主働土圧、受働土圧や静止土圧などを算定し、その数値を基に、チャンバー内泥土圧の上限値と下限値を設定して管理する方法(例えば、特許文献1参照)。
2)シールドの停止時に測定される停止時チャンバー内泥土圧を基に、管理土圧を設定する方法(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-233372号公報
「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン」シールドトンネル施工技術検討会、令和3年12月、P.19
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
・管理手法 1)の課題:
事前の土質調査は通常ボーリングにより実施されるが、その頻度は路線延長に対して200(m)間隔程度で行われることが多い。したがって、調査地点の間で土質条件等が変化する場合には、適正な管理土圧を算定できないことがある。また、土圧の算定式自体が2次元に簡略化された力のつり合いだけに基づく理論的なものであることから、必ずしも実際の3次元状態のシールド切羽地盤の土圧を正確に算定できているとは限らない。
【0007】
・管理手法 2)の課題:
シールドの停止時に測定される停止時泥土圧は、シールド自体が動くことがなく、かつ、カッタヘッドに面板がない場合は、切羽に作用する土圧を比較的正確に反映していると考えられるが、これらの条件が維持されない場合には、停止時泥土圧が地盤の静止土圧又は主働土圧プラス水圧を表しているとは限らない。
【0008】
上述した管理手法1)や2)の泥土圧の管理手法では、地盤の条件等が変化するような場合には、適正な管理土圧を設定できないことになる。
【0009】
そこで、本発明は、仮定や推定による管理土圧の設定ではなく、チャンバー内泥土圧と切羽付近の変位関係を直接計測することで管理土圧の妥当性を確認する、シールド掘進機における管理土圧の逐次更新システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明のシールド掘進機における管理土圧の逐次更新システムは、チャンバー内の泥土を排出する排土装置と、チャンバー内の泥土圧を計測する圧力計と、切羽近傍の変位を計測する変位計測手段と、計測された泥土圧と計測された切羽近傍の変位に基づいて地盤の変形特性を解析する解析部と、解析された変形特性に基づいて、管理土圧を設定する設定部と、を備えている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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