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公開番号2025137390
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024230128
出願日2024-12-26
発明の名称リン酸イオン定量分析方法および装置
出願人水ing株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01N 31/00 20060101AFI20250911BHJP(測定;試験)
要約【課題】検水中、特に性状変動が大きい無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥などの検水中に含まれるリン酸イオン濃度を簡易的に測定することができる定量分析方法および装置を提供する。
【解決手段】イオン選択性電極を有する反応槽に検水を所定量で導入し、検水に、リン酸イオンを不溶化させるカチオン薬剤を添加し、イオン選択性電極による溶解性カチオンの検出を監視して、リン酸イオンと反応したカチオン量に基づいて検水中のリン酸イオン濃度を式1により算出することを特徴とするリン酸イオン定量分析方法。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025137390000018.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">19</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">155</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
イオン選択性電極を有する反応槽に検水を所定量で導入し、
検水に、リン酸イオンを不溶化させるカチオン薬剤を添加し、イオン選択性電極による溶解性カチオンの検出を監視して、
リン酸イオンと反応したカチオン量に基づいて検水中のリン酸イオン濃度を式1により算出することを特徴とするリン酸イオン定量分析方法。
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続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載のリン酸イオン定量分析方法であって、
イオン選択性電極を有する反応槽に検水を所定量A0(L)で導入し、
検水に、リン酸イオンを不溶化させるカチオン薬剤を所定濃度M(mg/L)で添加し、イオン選択性電極による溶解性カチオンの検出を監視して、不溶化反応の終点を把握し、
不溶化反応の終点までのカチオン薬剤の添加量A(L)およびカチオン薬剤の濃度M(mg/L)から求められる前記リン酸イオンと反応したカチオン量[M(mg/L)×A(L)]に基づき、検水中のリン酸イオン濃度(mg-P/L)を下記式2により算出することを特徴とするリン酸イオン定量分析方法。
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【請求項3】
請求項1に記載のリン酸イオン定量分析方法であって、
イオン選択性電極を有する反応槽に検水を所定量A0(L)で導入し、
検水に、リン酸イオンを不溶化させるカチオン薬剤を所定濃度M(mg/L)、所定量A1(L)で添加し、イオン選択性電極による溶解性カチオンの濃度を測定し、溶解性カチオン濃度が変動しなくなる点における溶解性カチオン濃度M1(mg/L)を把握し、
添加したカチオン量M(mg/L)×A1(L)と、溶解性カチオン濃度が変動しなくなる点における溶解性カチオン量M1(mg/L)×A0(L)との差から求められるカチオン薬剤の消費量に基づき、検水中のリン酸イオン濃度を下記式3により算出することを特徴とするリン酸イオン定量方法。
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【請求項4】
前記カチオン薬剤は、マグネシウム塩またはカルシウム塩であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
【請求項5】
前記検水は、無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
【請求項6】
前記検水は、リン酸態リンに対するアンモニウム態窒素の濃度比が1.6以下である無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥であり、
前記カチオン薬剤は、カルシウム塩であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
【請求項7】
前記検水は、リン酸態リンに対するアンモニウム態窒素の濃度比が1.6超過である無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥であり、
添加する前記カチオン薬剤はマグネシウム塩であり、検出する前記溶解性カチオンはアンモニウムイオンであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
【請求項8】
下記(1)~(3)の1以上を行い、前記検水中の共存イオンまたは阻害物質の副反応を低減することをさらに含む請求項1~3のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
(1)pH調整剤を添加して適正pH範囲に制御すること、
(2)キレート薬剤を添加して共存イオンを不溶化させること、
(3)希釈すること。
【請求項9】
リン酸イオン定量分析装置であって、
イオン選択性電極が設けられている反応槽と、
当該反応槽に、検水を導入する検水導入手段と、
当該反応槽に、リン酸イオンを不溶化するカチオン薬剤を添加するカチオン薬剤添加手段と、
を有することを特徴とするリン酸イオン定量分析装置。
【請求項10】
前記検水導入手段の前段に、検水を固液分離する固液分離手段をさらに有することを特徴とする請求項9に記載のリン酸イオン定量分析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸イオン濃度の分析方法および装置に関し、特に無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥などの検水中に含まれるリン酸イオン濃度の分析方法および装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥などの検水中に含まれるリン酸イオンの定量分析の公定法は、工場排水試験方法に規定されているモリブデン青(アスコルビン酸還元)吸光光度法(JIS K 0102-2016)に基づく。
【0003】
モリブデン青吸光光度法は、リン酸イオンが、酸性溶液中で七モリブデン酸六アンモニウムとタルトラトアンチモン(III)酸カリウムと反応して生成されるアンチモン-リンモリブデン酸のヘテロポリ化合物をL(+)-アスコルビン酸で還元し、生成したモリブデン青の吸光度を測定してリン酸イオン(オルトリン酸態リン、PO

3-
)を定量する方法である。定量範囲は25~75μg、繰り返し精度は2~1.0%、必要検水量は25mLである(JIS K 0102-2016 46.1.1)。
【0004】
モリブデン青吸光光度法では、定量範囲が低濃度であるため、検水の前処理として汚泥分離、限外ろ過、希釈が必要になり、操作が煩雑で、頻繁に実施することは困難である。また、定量分析後の検水には溶解性重金属であるモリブデンが含まれるため、廃液処理が必要になる。希釈に伴う測定誤差を少なくする方法として、検水にリン酸イオン不溶化試薬を添加してリンを沈殿させ、遠心分離により回収した沈殿物を強酸で溶解し、水を加えて滴定用試料溶液とし、この試料溶液にアルカリ溶液を用いて滴定を行う方法が提案されている(特開昭56-138117号公報)。しかし、この方法でも操作が煩雑で頻繁に実施することは困難であり、モリブデンを除去するための廃液処理の問題は解決できない。
【0005】
リン酸イオン濃度を選択的に測定できるリン酸イオン選択性電極が提案されている(特開平4-130262号公報、特開2002-90332号公報)。しかし、本発明者の知る限り、無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥などの検水を煩雑な前処理なしに、リン酸イオン濃度を簡易に測定できるリン酸イオン選択性電極は実用化されていない。依然として、特に性状変動が大きい無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥などの検水中に含まれるリン酸イオン濃度を簡易的に測定することができる定量分析方法および装置が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭56-138117号公報
特開平4-130262号公報
特開2002-90332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、検水中のリン酸イオン濃度を簡易的に測定することができる定量分析方法および装置、特に特に性状変動が大きい無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥などの検水中に含まれるリン酸イオン濃度を簡易的に測定することができる定量分析方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下のリン酸イオン定量分析方法を提供する。
[1] イオン選択性電極を有する反応槽に検水を所定量で導入し、
検水に、リン酸イオンを不溶化させるカチオン薬剤を添加し、イオン選択性電極による溶解性カチオンの検出を監視して、
リン酸イオンと反応したカチオン量に基づいて検水中のリン酸イオン濃度を式1により算出することを特徴とするリン酸イオン定量分析方法。
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[2] 上記[1]に記載のリン酸イオン定量分析方法であって、
イオン選択性電極を有する反応槽に検水を所定量A0(L)で導入し、
検水に、リン酸イオンを不溶化させるカチオン薬剤を所定濃度M(mg/L)で添加し、イオン選択性電極による溶解性カチオンの検出を監視して、不溶化反応の終点を把握し、
不溶化反応の終点までのカチオン薬剤の添加量A(L)およびカチオン薬剤の濃度M(mg/L)から求められる前記リン酸イオンと反応したカチオン量[M(mg/L)×A(L)]に基づき、検水中のリン酸イオン濃度(mg-P/L)を下記式2により算出することを特徴とするリン酸イオン定量分析方法。
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[3] 上記[1]に記載のリン酸イオン定量分析方法であって、
イオン選択性電極を有する反応槽に検水を所定量A0(L)で導入し、
検水に、リン酸イオンを不溶化させるカチオン薬剤を所定濃度M(mg/L)、所定量A1(L)で添加し、イオン選択性電極による溶解性カチオンの濃度を測定し、溶解性カチオン濃度が変動しなくなる点における溶解性カチオン濃度M1(mg/L)を把握し、
添加したカチオン量M(mg/L)×A1(L)と、溶解性カチオン濃度が変動しなくなる点における溶解性カチオン量M1(mg/L)×A0(L)との差から求められるカチオン薬剤の消費量に基づき、検水中のリン酸イオン濃度を下記式3により算出することを特徴とするリン酸イオン定量方法。
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[4] 前記カチオン薬剤は、マグネシウム塩またはカルシウム塩であることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
[5] 前記検水は、無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥であることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
[6] 前記検水は、リン酸態リンに対するアンモニウム態窒素の濃度比が1.6以下である無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥であり、
前記カチオン薬剤は、カルシウム塩であることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
[7] 前記検水は、リン酸態リンに対するアンモニウム態窒素の濃度比が1.6超過である無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥であり、
添加する前記カチオン薬剤はマグネシウム塩であり、検出する前記溶解性カチオンはアンモニウムイオンであることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
[8] 下記(1)~(3)の1以上を行い、前記検水中の共存イオンまたは阻害物質の副反応を低減することをさらに含む上記[1]~[3]のいずれか1に記載のリン酸イオン定量分析方法。
(1)pH調整剤を添加して適正pH範囲に制御すること、
(2)キレート薬剤を添加して共存イオンを不溶化させること、
(3)希釈すること。
【0009】
本発明は、以下のリン酸イオン定量分析装置も提供する。
[9] リン酸イオン定量分析装置であって、
イオン選択性電極が設けられている反応槽と、
当該反応槽に、検水を導入する検水導入手段と、
当該反応槽に、リン酸イオンを不溶化するカチオン薬剤を添加するカチオン薬剤添加手段と、
を有することを特徴とするリン酸イオン定量分析装置。
[10] 前記検水導入手段の前段に、検水を固液分離する固液分離手段をさらに有することを特徴とする上記[9]に記載のリン酸イオン定量分析装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリン酸イオン定量分析方法によれば、検水中、特に性状変動が大きい無機性排水、有機性排水、無機汚泥、または有機汚泥などの検水中に含まれるリン酸イオン濃度を簡易的に測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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