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公開番号2025136237
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034555
出願日2024-03-07
発明の名称イムノクロマトキット
出願人株式会社ニップン
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 33/48 20060101AFI20250911BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明は、イムノクロマト法を用いた固形食品、特に魚介類における寄生虫の検出方法において、一般的な食品検査の前処理で用いられる、試料を粉砕・均質化するために用いられる機器類(ストマッカーやホモジナイザ等)を使用することなく、試料を簡便に処理することができ、被験物質(抗原タンパク質)をより効率的に抽出し、検出することができるイムノクロマト検査用キットを提供することを目的とする。
【解決手段】試料の摩砕に使用するネット(網)、試料を入れて摩砕処理を行うための摩砕袋、試料から目的の抗原タンパク質を抽出するための抽出液及びイムノクロマト試験片を含むイムノクロマトキットであって、
前記ネットは下記条件(1-1)もしくは(1-2)及び(2)を満たす
(1-1)網目の面積が0.4mm2以上23.5mm2未満かつ、目合いの長手と短手の長さの比(短手/長手)が、1~0.4である、又は
(1-2)網目の面積が23.5mm2以上であり、且つ撚糸の幅が1.2mm以上3.0mm未満である、
(2)ネットの厚さが0.2mm以上3.5mm未満である、
前記イムノクロマトキットにより上記課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
試料の摩砕に使用するネット(網)、試料を入れて摩砕処理を行うための摩砕袋、試料から目的の抗原タンパク質を抽出するための抽出液及びイムノクロマト試験片を含むイムノクロマトキットであって、
前記ネットは下記条件(1-1)もしくは(1-2)及び(2)を満たす
(1-1)網目の面積が0.4mm
2
以上23.5mm
2
未満かつ、目合いの長手と短手の長さの比(短手/長手)が、1~0.4である、又は
(1-2)網目の面積が23.5mm
2
以上であり、且つ撚糸の幅が1.2mm以上3.0mm未満である、
(2)ネットの厚さが0.2mm以上3.5mm未満である、
前記イムノクロマトキット。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
ネットの編織方法が、ラッセル編み、メリヤス編み、コード編み及び平織りから選択される、請求項1に記載のイムノクロマトキット。
【請求項3】
魚介類の寄生虫を検出するための請求項1又は2に記載のイムノクロマトキット。
【請求項4】
寄生虫がアニサキスである請求項3に記載のイムノクロマトキット。
【請求項5】
請求項4に記載のイムノクロマトキットを使用する、アニサキスの検出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はイムノクロマトキットに関するものである。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
魚介類の寄生虫に起因する健康被害には食中毒と食物アレルギーがある。
生鮮魚介類に寄生したアニサキス(線虫)による食中毒発生状況は毎年増加している。その幼虫(以下、アニサキス幼虫と言う)はサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケなどの魚介類に寄生する。アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られている。アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生(または不十分な加熱や不十分な冷凍)で食べることで、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こす。平成30年以降のアニサキス食中毒の発生件数は増加傾向にあり、その要因は海水温が高い状況が続くことなどによると推測されている。現在では、食中毒発生件数は年間1,061件で、そのうち328件(31%)がアニサキスによる食中毒で、次いで、カンピロバクターの286件(27%)、ノロウイルスの212件(20%)になる。
アニサキスアレルギーはアニサキスのタンパク質をアレルゲンとして生じるアレルギーのことである。我が国では魚介類の国内消費量が多いことから魚介類が卵に次ぐ主要な食物アレルギーの原因となっているが、魚介類そのものがアレルゲンになっているのではなく、魚介類に寄生するアニサキス幼虫を原因とする場合が圧倒的に多いということが分かってきた。魚介類を食した時に生きたアニサキスがいなくても、アニサキスが存在した痕跡、例えばアニサキスの死骸、アニサキスの体液、分泌物や排泄物などがあればアレルギーを引き起こす可能性がある。
寄生虫の検査に関して公定法(通知)が示されているのは、クドア(厚生労働省:生食官監発0427第3号)およびサルコシスティス(厚生労働省:生食官監発0427第4号)に対するもので、アニサキスに対するものはない。現在のアニサキスの検査は、目視検査の直接観察法とキャンドリング法が主流であり、アニサキスによる食中毒やアレルギーを予防するためには、肉眼で確認してアニサキス幼虫を除去する方法が一般的である。しかしながら、直接観察法は感染源となる魚介類の腹腔や内臓の表面および筋肉を肉眼で観察しアニサキス幼虫を検出する方法であるが、効率が悪く、またキャンドリング法は白色光に替えて紫外線を照射し虫体の検出効率を上げる方法だが、設備費用がかかるという問題があった。
また、遺伝子検査による検出を行おうとする場合、試料から核酸を抽出しなければならず、PCR条件と設定等に時間と労力を要するという問題があった。
食品検査において、食品成分及び食品中に存在するアレルゲンや毒物、また寄生虫の検出などで簡易的方法としてイムノクロマト検査が使用されることがある。固形食品のイムノクロマト検査を行う場合は、固形物を液中で破砕し均質化する必要がある。一般に食品分析の分野ではストマッカーやホモジナイザなどの機器を使用し試料を破砕し均質化することが多い。ところがストマッカーは高価であり一般的な機器ではない。また試料から検査の対象となる物質を溶出させる場合は界面活性剤を使用することがあるが、界面活性剤の作用で泡立ち、抽出液の回収が困難になることもあった。またホモジナイザは試料を機械的に破砕することができ、フードプロセッサーやミキサーは刃が回転し試料を破断・均質化できるが、毎回容器を洗浄しなければならない等、メンテナンスが必要である。さらに、手動で試料を摩砕する場合に使用する乳鉢・乳棒や簡易的なマイクロチューブホモジナイザ(マイクロチューブ内でペッスルにより手動で摩砕する)は乳棒やペッスルに刃が付いていないので、肉片や骨、皮を破壊することは困難であった。
固形食品、特に魚介類における寄生虫の検出方法について、特許文献1には食品抽出物中のアニサキス種の抗原を検出する酵素免疫検定法(ELISA)が開示されているが、食品抽出物の調製方法についての言及はない。特許文献2では、ヒラメの生食による食中毒の原因物質であるクドア属粘液胞子虫のイムノクロマト法による検出法が記載されているが、ヒラメの筋肉からの寄生虫の抽出はマイクロチューブホモジナイザを用いて行っている。
固形食品、特に魚介類における寄生虫の存在や寄生虫由来のアレルゲンを検出するに際し、特別な機器を使用することなく、試料を簡便に処理することができ、寄生虫のタンパク質をより効率的に抽出することができる簡易な検査方法が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2009-542243
特開2015-127666
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イムノクロマト法を用いた固形食品における抗原タンパク質の検出方法において、一般的な食品検査の前処理で用いられる、試料を粉砕・均質化するために用いられる機器類(ストマッカーやホモジナイザ等)を使用することなく、試料を簡便に処理することができ、被験物質(抗原タンパク質)をより効率的に抽出し、検出することができるイムノクロマト検査用キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、試料の摩砕に使用するためのネット(網)を含むイムノクロマトキットによって、一般的な食品検査の前処理で用いられる、試料を粉砕・均質化するために用いられる機器類(ストマッカーやホモジナイザ等)を使用することなく、試料を簡便に処理することができ、被験物質(抗原タンパク質)をより効率的に抽出し、検出することができることを見いだした。
【0006】
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]試料の摩砕に使用するネット(網)、試料を入れて摩砕処理を行うための摩砕袋、試料から目的の抗原タンパク質を抽出するための抽出液及びイムノクロマト試験片を含むイムノクロマトキットであって、
前記ネットは下記条件(1-1)もしくは(1-2)及び(2)を満たす
(1-1)網目の面積が0.4mm
2
以上23.5mm
2
未満かつ、目合いの長手と短手の長さの比(短手/長手)が、1~0.4である、又は
(1-2)網目の面積が23.5mm
2
以上であり、且つ撚糸の幅が1.2mm以上3.0mm未満である、
(2)ネットの厚さが0.2mm以上3.5mm未満である、
前記イムノクロマトキット。
[2]ネットの編織方法が、ラッセル編み、メリヤス編み、コード編み及び平織りから選択される、[1]のイムノクロマトキット
[3]魚介類の寄生虫を検出するための[1]又[2]のイムノクロマトキット。
[4]寄生虫がアニサキスである[3]のイムノクロマトキット。
[5][4]のイムノクロマトキットを使用する、アニサキスの検出方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のイムノクロマトキットを使用することにより、イムノクロマト法を用いた固形食品における抗原タンパク質の検出方法、特に魚介類における寄生虫の検出方法において、一般的な食品検査の前処理で用いられる、試料を粉砕・均質化するために用いられる機器類(ストマッカーやホモジナイザ等)を使用することなく、試料を簡便に処理することができ、被験物質(抗原タンパク質)をより効率的に抽出し、検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
ネット(網)の各部位の説明である。
イムノクロマト試験片(テストストリップ)の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、試料の摩砕に使用する所定の性状を有するネット(網)、試料を入れて摩砕処理を行うための摩砕袋、試料から目的の抗原タンパク質を抽出するための抽出液及びイムノクロマト試験片を含むイムノクロマトキットに関する。
【0010】
本発明の試料としては、魚介類、畜肉類、野菜類、果物類、加工した鶏卵、乳製品などやそれらを使用して製造された固形食品を挙げることができる。試料の摩砕処理の困難性等の観点から、魚介類から採取した試料である場合に、より本発明の効果を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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