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公開番号2025135913
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024033994
出願日2024-03-06
発明の名称アクアポニックスシステム
出願人大和ハウス工業株式会社
代理人個人,個人
主分類A01K 63/04 20060101AFI20250911BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】飼育水の成分管理の負担を軽減することができる。
【解決手段】淡水及び塩分を含む飼育水Wを用いて、海水魚Fの飼育及び植物Pの栽培を行うアクアポニックスシステム1であって、養殖槽10と、栽培槽20と、飼育水Wの成分調整を行う濾過槽30と、淡水供給装置41と、塩水供給装置42と、カリウム水供給装置43と、水位センサ31と、水位センサ31による検知結果に基づいて、給水停止位置から減少した分の飼育水Wを濾過槽30へ給水するように、淡水供給装置41及び塩水供給装置42の少なくとも一方を動作させる給水処理と、給水処理を実行した後、所定の供給量のカリウムを、濾過槽30に供給するようにカリウム水供給装置43を動作させる第一~第三カリウム水供給処理と、を実行可能な制御装置50と、を具備する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
淡水及び塩分を含む飼育水を用いて、海水魚の飼育及び植物の栽培を行うアクアポニックスシステムであって、
前記海水魚を飼育する養殖槽と、
前記植物を栽培する栽培槽と、
前記養殖槽及び前記栽培槽から排出された前記飼育水の成分調整を行う調整槽と、
前記淡水を前記調整槽へ供給する淡水供給装置と、
前記塩分を含む塩水を前記調整槽へ供給する塩水供給装置と、
前記塩分を構成する成分であって前記植物に吸収される特定成分を、前記調整槽へ供給する特定成分供給装置と、
前記調整槽内の前記飼育水の水量を検知可能な水量検知部と、
前記水量検知部による検知結果に基づいて、所定の第一水量から減少した分の前記飼育水を前記調整槽へ給水するように、前記淡水供給装置及び前記塩水供給装置の少なくとも一方を動作させる給水制御と、前記給水制御を実行した後、所定の供給量の前記特定成分を、前記調整槽に供給するように前記特定成分供給装置を動作させる特定成分供給制御と、を実行可能な制御部と、
を具備するアクアポニックスシステム。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記制御部は、
所定の開始時刻から予め設定された期間が経過した場合に、前記給水制御及び前記特定成分供給制御を実行する、
請求項1に記載のアクアポニックスシステム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記特定成分供給制御において、
前記調整槽内の前記飼育水の前記特定成分の濃度を示す特定成分濃度情報に基づいて決定された供給量の前記特定成分を、前記調整槽に供給するように前記特定成分供給装置を動作させる、
請求項2に記載のアクアポニックスシステム。
【請求項4】
前記特定成分の濃度には、
前記海水魚を飼育可能な前記特定成分の下限の濃度である第一濃度と、
前記第一濃度より高く、前記飼育水における前記特定成分の目標となる濃度である第二濃度と、
が含まれ、
前記制御部は、
前記特定成分供給制御において、前記特定成分濃度情報が示す前記飼育水の前記特定成分の濃度が、前記第一濃度よりも高く、前記第二濃度よりも低い場合、前記飼育水の前記特定成分の濃度が前記第二濃度となるように設定された供給量の前記特定成分を、複数日ごとに複数回に分けて供給するように前記特定成分供給装置を動作させる、
請求項3に記載のアクアポニックスシステム。
【請求項5】
前記特定成分の濃度には、
前記第一濃度よりも高く、前記第二濃度よりも低い濃度である第三濃度が含まれ、
前記制御部は、
前記特定成分供給制御において、前記特定成分濃度情報が示す前記飼育水の前記特定成分の濃度が、前記第一濃度以下である場合、前記飼育水の前記特定成分の濃度が前記第三濃度となるように設定された供給量の前記特定成分を1日で供給するように前記特定成分供給装置を動作させた後、前記飼育水の前記特定成分の濃度が前記第二濃度となるように設定された供給量の前記特定成分を、複数日ごとに複数回に分けて供給するように前記特定成分供給装置を動作させる、
請求項4に記載のアクアポニックスシステム。
【請求項6】
前記栽培槽の前記植物の植え替えが行われたことを検知可能な植え替え検知部を具備し、
前記制御部は、
前記植え替え検知部が、前記植物の植え替えを検知した場合に、前記給水制御及び前記特定成分供給制御を実行する、
請求項1に記載のアクアポニックスシステム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記特定成分供給制御において、前記栽培槽の前記植物の植え替えから収穫までの期間のうちの前半の期間の前記特定成分の供給量よりも、前記植え替えから収穫までの期間のうちの後半の期間の前記特定成分の供給量が大きくなるように、前記特定成分供給装置を動作させる制御を実行可能である、
請求項6に記載のアクアポニックスシステム。
【請求項8】
前記調整槽内の前記飼育水の前記塩分の濃度を検知可能な塩分濃度検知部を具備し、
前記制御部は、
前記水量検知部の検知結果と、前記塩分濃度検知部の検知結果と、を用いて前記給水制御及び前記特定成分供給制御を実行するか否かを判定可能である、
請求項1に記載のアクアポニックスシステム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記水量検知部の検知結果に基づいて、前記調整槽内の水量が前記第一水量から、前記第一水量よりも小さい第二水量になるまでの減少タイミングを測定可能であり、
前記減少タイミングが規定時期の範囲内であり、前記第二水量の前記飼育水についての前記塩分濃度検知部の検知結果が所定の第一塩分濃度未満であって、かつ前記第一塩分濃度よりも小さい第二塩分濃度以上である場合、前記給水制御及び前記特定成分供給制御を実行する、
請求項8に記載のアクアポニックスシステム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記減少タイミングが規定時期の範囲内であり、前記第二水量の前記飼育水についての前記塩分濃度検知部の検知結果が前記第一塩分濃度以上である場合、前記水量検知部の検知結果に基づいて、前記調整槽内の水量が前記第一水量となるまで前記淡水供給装置を動作させる制御を実行可能である、
請求項9に記載のアクアポニックスシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、魚の養殖と植物の栽培とを組み合わせたクアポニックスシステムの技術に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、魚の養殖と植物の栽培とを組み合わせたアクアポニックスシステムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、魚海類を飼育する飼育槽と、植物を栽培する栽培ベッドと、を備えるアクアポニックスシステムが開示されている。上記アクアポニックスシステムでは、飼育槽及び栽培ベッドに液体(飼育水)を循環させることで、魚海類の飼育と植物の栽培とを同時に行うことができる。
【0004】
特許文献1の飼育槽では淡水魚が養殖されているが、淡水魚よりも食用として好まれる海水魚を前記飼育水槽で養殖することができれば、アクアポニックスシステムによる収益性を向上させることができる。こうした海水魚の養殖に関して、天然海水よりも低い塩分濃度の飼育水を使用したとしても海水魚を生育可能あることが、研究によって明らかとなっている。この塩分濃度の低い飼育水で海水魚の生育及び植物の栽培を行うことで、植物に対する塩害の発生を抑制することができる。
【0005】
ここで研究によると、海水魚を生育するためには、飼育水に含まれるカリウム(K

)等の特定の成分のイオンバランスを保つ必要がある。しかしカリウムは植物にとって肥料成分であるため、特許文献1に記載のアクアポニックスシステムと前記研究とを組み合わせただけでは、カリウムが植物に吸収されて飼育水のイオンバランスが崩れてしまい、海水魚の生育に悪影響が出ることが懸念される。そこで飼育水の成分管理として、所定のタイミングで飼育水にカリウムを添加する必要があるが、このようなカリウムの添加の作業を人の手で行うのは、作業者の負担になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許6047749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、飼育水の成分管理の負担を軽減することができるアクアポニックスシステムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、淡水及び塩分を含む飼育水を用いて、海水魚の飼育及び植物の栽培を行うアクアポニックスシステムであって、前記海水魚を飼育する養殖槽と、前記植物を栽培する栽培槽と、前記養殖槽及び前記栽培槽から排出された前記飼育水の成分調整を行う調整槽と、前記淡水を前記調整槽へ供給する淡水供給装置と、前記塩分を含む塩水を前記調整槽へ供給する塩水供給装置と、前記塩分を構成する成分であって前記植物に吸収される特定成分を、前記調整槽へ供給する特定成分供給装置と、前記調整槽内の前記飼育水の水量を検知可能な水量検知部と、前記水量検知部による検知結果に基づいて、所定の第一水量から減少した分の前記飼育水を前記調整槽へ給水するように、前記淡水供給装置及び前記塩水供給装置の少なくとも一方を動作させる給水制御と、前記給水制御を実行した後、所定の供給量の前記特定成分を、前記調整槽に供給するように前記特定成分供給装置を動作させる特定成分供給制御と、を実行可能な制御部と、を具備するものである。
【0010】
請求項2においては、前記制御部は、所定の開始時刻から予め設定された期間が経過した場合に、前記給水制御及び前記特定成分供給制御を実行するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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