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公開番号2025135157
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-18
出願番号2024032814
出願日2024-03-05
発明の名称軸受用絶縁カバー及び転がり軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16C 35/077 20060101AFI20250910BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】軌道輪に絶縁用樹脂のインサート成形を行うことなく、転がり軸受の絶縁を図る。
【解決手段】リング2と、リング2から当該リング2の軸線に沿った一方向へ突き出た二つ以上のカンチレバー3と、を備え、各カンチレバー3が前記軸線周りの円周方向に間隔を空けて同一円周上に並んでおり、リング2と各カンチレバー3とが樹脂によって一体に形成されており、前記樹脂の厚さが0.3mm以上に設けられている軸受用絶縁カバー1に構成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リングと、
前記リングから当該リングの軸線に沿った一方向へ突き出た二つ以上のカンチレバーと、を備え、
前記各カンチレバーが、前記軸線周りの円周方向に間隔を空けて同一円周上に並んでおり、
前記リングと前記各カンチレバーとが樹脂によって一体に形成されており、
前記樹脂の厚さが0.3mm以上に設けられている軸受用絶縁カバー。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記各カンチレバーが、前記各カンチレバーに内接する円周上に位置する内径面と、前記各カンチレバーに外接する円周上に位置する外径面とを有し、
一つ以上の前記カンチレバーが、前記内径面と前記外径面のいずれか一方の面に対して前記一方向に寄った位置で当該一方の面よりも高く突き出た突部を有する請求項1に記載の軸受用絶縁カバー。
【請求項3】
前記突部が、当該突部の頂上部から前記一方向に向かう程に低くなる挿入ガイド面を有する請求項2に記載の軸受用絶縁カバー。
【請求項4】
前記挿入ガイド面の前記一方向に対する勾配が60°以下に設けられている請求項3に記載の軸受用絶縁カバー。
【請求項5】
前記一方の面に対する前記突部の高さが0.3mm以上に設けられている請求項4に記載の軸受用絶縁カバー。
【請求項6】
前記カンチレバーが前記円周方向の三か所以上に均等間隔に形成されている請求項1に記載の軸受用絶縁カバー。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の軸受用絶縁カバーが嵌め込まれた軌道輪と、前記軌道輪に径方向に対向する他の軌道輪と、前記軌道輪と前記他の軌道輪との間に配置された複数の転動体と、を備える転がり軸受。
【請求項8】
前記リングが前記軌道輪の片側の幅面に重ねられている請求項7に記載の転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、軌道輪に取り付けることができる樹脂製の軸受用絶縁カバー及びこれを備える転がり軸受に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
電動モータや、電動モータと減速機とを一体化したe-Axleといった電気を使用する装置において回転部を転がり軸受で支持する場合、電圧が転がり軸受に印加されることがある。その電圧により、転がり軸受の外輪から内輪側へ、又は内輪から外輪側へ電気が流れると、転がり軸受の転動体と外輪、内輪との接触部に電食が発生する。このような電食を防止するため、従来、転がり軸受を絶縁する対策が取られている。
【0003】
その絶縁対策として、絶縁性の高い樹脂を軌道輪(内輪又は外輪)にインサート成形し、その軌道輪の嵌め合い面や側面を樹脂で被覆したものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第3068311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、そのインサート成形では、軌道輪を被覆する樹脂と、その軌道輪とを一体化するため、軌道輪の軌道面近傍を削った周溝に樹脂を充填している。インサート成形後のゲート痕の除去や、成形後の後加工時に軌道面等にゴミが付着しないようにするためのマスキング、洗浄といった注意すべき事項が多く、コストアップを招いている点で改良の余地がある。
【0006】
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、軌道輪に絶縁用樹脂のインサート成形を行うことなく、転がり軸受の絶縁を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、この発明は、リングと、前記リングから当該リングの軸線に沿った一方向へ突き出た二つ以上のカンチレバーと、を備え、前記各カンチレバーが、前記軸線周りの円周方向に間隔を空けて同一円周上に並んでおり、前記リングと前記各カンチレバーとが樹脂によって一体に形成されており、前記樹脂の厚さが0.3mm以上に設けられている、という構成1を採用した。
【0008】
上記構成1によると、軸受用絶縁カバーの各カンチレバーにおいて軌道輪の嵌め合い面に嵌め込み、各カンチレバーの弾性を利用して軸受用絶縁カバーを軌道輪に取り付けることができる。軸受用絶縁カバー付き軌道輪を対応の機械要素に嵌めるとき、この機械要素の軸受座と軌道輪の嵌め合い面とで各カンチレバーを挟んだ状態とし、これら両者間で絶縁を図ることができる。換言すると、カンチレバーは軸受用絶縁カバーを軌道輪に固定しつつ、軌道輪に絶縁性を付与する役割を担う。このように、軸受用絶縁カバーを用いて転がり軸受の絶縁を図れば、軌道輪に絶縁用樹脂のインサート成形を行うことが不要になる。
【0009】
ここで、軸受用絶縁カバーを軌道輪に取り付けるための弾性を得るには、軌道輪の嵌め合い面と、軸受用絶縁カバーとの間に径方向の締め代を設けることになる。軌道輪の嵌め合い面に全周で嵌め込むカンチレバーを採用した場合、樹脂と軌道輪との線膨張係数の差により、軸受使用中の温度変化で全周カンチレバーに過大な応力が生じて割れ等の破壊を生じる可能性があり、特に全周カンチレバーに成形時のウエルドがある場合にウエルドで破断する懸念が高まる。また、全周カンチレバーが軌道輪の嵌め合い面に対して過大な径方向の締め代をもった出来上がりになると、全周カンチレバーを軌道輪の嵌め合い面に嵌め込む際に全周カンチレバーに応力が過大に生じて割れたり、嵌め込みが容易に行えなくなったりする問題が生じないよう、全周カンチレバーの嵌め合い面を後加工で仕上げて締め代の寸法精度を確保しなければならず、コスト高になってしまう。
【0010】
一方、各カンチレバーが円周方向に間隔を空けて同一円周上に並んでいる場合、前述の線膨張係数の差による割れを防止することができ、また、後加工を要することなく前述の締め代の過大による割れを防止することができる。円周方向に隣り合うカンチレバー同士はスリットを形成するように断絶しているため、このスリットのところでは軌道輪の嵌め合い面と対応の機械要素との間に樹脂が挟まれない。しかし、樹脂の厚さが0.3mm以上あれば、スリットに臨むカンチレバーの断絶端面上で0.3mm以上の沿面距離が設けられるので、軌道輪の嵌め合い面と対応の機械要素の軸受座間で絶縁を図ることに支障はない。
(【0011】以降は省略されています)

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