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公開番号2025135134
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-18
出願番号2024032770
出願日2024-03-05
発明の名称内燃機関の排気浄化システム
出願人株式会社豊田自動織機
代理人弁理士法人岡田国際特許事務所
主分類F01N 3/025 20060101AFI20250910BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】フィルタ床温を目標床温に近づけるように排気を昇温してフィルタに堆積している粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生制御において、目標床温をより高い温度に設定可能であるとともに熱暴走の発生が予測された場合は一時的に目標床温を下げて熱暴走の発生を未然に防止可能であり、熱暴走の発生をより適切に予測することでフィルタ再生制御の期間をより短くすることができる、内燃機関の排気浄化システムを提供する。
【解決手段】排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、排気昇温装置と、制御装置とを有し、制御装置は、内燃機関の運転状態に基づいたフィルタ内の温度分布に基づいてフィルタ内の温度勾配を取得し、目標床温を設定し、フィルタ床温が目標床温に近づくように排気昇温装置を制御し、温度勾配が温度勾配閾値を超えた、かつ、内燃機関の吸気量が吸気量閾値よりも少ない状態が所定時間以上となった場合は目標床温を低下させる。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の排気浄化システムであって、
前記内燃機関の排気経路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタよりも上流側に設けられて排気を昇温可能な排気昇温装置と、
前記内燃機関の運転状態を検出可能であるとともに前記排気昇温装置を制御する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、
前記排気昇温装置を制御して排気を昇温して前記フィルタに捕集されている粒子状物質を燃焼除去して前記フィルタを再生するフィルタ再生制御において、
前記フィルタの上流側の排気温度であるフィルタ上流側排気温度と前記フィルタの下流側の排気温度であるフィルタ下流側排気温度とを含む前記運転状態に基づいて前記フィルタ内の温度分布を取得し、
前記温度分布に基づいて前記フィルタ内の温度勾配を取得し、
前記フィルタに堆積している粒子状物質の量であるPM堆積量に応じて前記フィルタの目標温度である目標床温を設定し、
前記フィルタの温度であるフィルタ床温が前記目標床温に近づくように前記排気昇温装置を制御し、
前記温度勾配が温度勾配閾値を超えた、かつ、前記内燃機関の吸気量が吸気量閾値よりも少ない状態が所定時間以上となった場合は前記目標床温を低下させる、
内燃機関の排気浄化システム。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システムであって、
前記温度勾配閾値は、前記PM堆積量に応じて設定されており、前記PM堆積量が多くなるほど小さくなるように設定されている、
内燃機関の排気浄化システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システムであって、
前記所定時間は、前記温度勾配と前記PM堆積量に応じて設定されており、前記温度勾配が大きくなるほど短くなるように設定され、前記PM堆積量が多くなるほど短くなるように設定されている、
内燃機関の排気浄化システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システムであって、
前記内燃機関は車両に搭載されており、
前記制御装置は、
前記フィルタ上流側排気温度と、前記フィルタ下流側排気温度と、外気温度と、前記車両の速度と、前記フィルタを通過する排気の流速と、前記フィルタの熱容量とを含む前記運転状態に基づいて、前記フィルタ内における排気の流れる方向に対する複数位置のそれぞれの温度を前記フィルタ床温として求め、
前記複数位置における最も排気上流側の位置の温度と、最も排気下流側の位置の温度と、の温度差を前記温度勾配として取得する、
内燃機関の排気浄化システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、内燃機関としてディーゼルエンジンを搭載した車両は、排気ガス中の微細な粒子状物質(PM:Particulate Matter)を、排気通路に設けたフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)にて捕集し、大気中に放出しないようにしている。そして、フィルタに堆積した粒子状物質を定期的に除去しなければフィルタが目詰まりしてしまうため、フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生制御を定期的に行っている。
【0003】
フィルタ再生制御では、普段の運転状態では約300~400[℃]程度の排気ガスの温度を強制的に約600[℃]以上程度に昇温させて、フィルタ内に堆積している粒子状物質を燃焼させて除去している。排気ガスを強制的に昇温する場合、排気ガス中に燃料を添加して、当該燃料をフィルタの上流側に配置された酸化触媒で反応させて排気ガスを昇温しているので燃料の消費を伴う。従って、フィルタ再生制御の実行中は燃費が悪化するので、フィルタ再生時間をより短くして燃費が悪化する期間をより短くすることが所望されている。
【0004】
フィルタ再生制御を実行する場合、フィルタ内の粒子状物質の堆積量に応じてフィルタの目標温度である目標床温を設定し、フィルタの温度であるフィルタ床温が目標床温に近づくように排気ガス中に添加する燃料量を調整している。フィルタ再生時間をより短くするには、目標床温をより高い温度に設定すればよいが、目標床温が高すぎた場合、堆積している粒子状物質の燃焼が急激に進んで急激な温度上昇が発生(いわゆる熱暴走が発生)してフィルタにクラック(割れ)が生じて損傷する場合がある。このクラックの発生を確実に回避するために、従来では、安全マージンを考慮して目標床温を低めに設定せざるを得ず、フィルタ再生時間が長くなってしまっている。
【0005】
例えば特許文献1には、排気ガス流量、フィルタ前後差圧、フィルタ前後中心温度、フィルタ内のA/F(空燃比)、フィルタ内の粒子状物質の分布、排気ガス発熱量、昇温用燃料発熱量、フィルタ放熱量からフィルタ内の温度分布を推定し、推定した温度分布に基づいてフィルタ内の温度勾配を算出し、温度勾配が設定値(危険値α)を超えている場合は目標床温を下げる、内燃機関の排気浄化装置が開示されている。特許文献1によれば、目標床温を従来よりも高く設定し、熱暴走の発生を予測して熱暴走を未然に防ぐことができる。この結果、従来よりも目標床温が高い期間を確保できるので、フィルタ再生制御の期間を従来よりも短くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-203280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の内燃機関の排気浄化装置では、フィルタ内の温度勾配が設定値(危険値α)を超えている場合は熱暴走が発生すると予測して無条件で目標床温を低下させているので、必要以上に目標床温を低下させてしまっている。そして必要以上に目標床温を低下させた分、フィルタ再生制御の期間が長くなってしまっている。
【0008】
フィルタ内の温度勾配が設定値(危険値α)を超えている場合であっても、熱暴走が発生する内燃機関の運転状態と、熱暴走が発生しない内燃機関の運転状態がある。フィルタ内の温度勾配が設定値を超えており、かつ、熱暴走が発生する内燃機関の運転状態の場合にのみ、目標床温を低下させれば、熱暴走の発生を防止しつつフィルタ再生制御の期間をさらに短くすることができる。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、フィルタ床温を目標床温に近づけるように排気を昇温してフィルタに堆積している粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生制御において、目標床温をより高い温度に設定可能であるとともに熱暴走の発生が予測された場合は一時的に目標床温を下げて熱暴走の発生を未然に防止可能であり、熱暴走の発生をより適切に予測することでフィルタ再生制御の期間をより短くすることができる、内燃機関の排気浄化システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、第1の発明は、内燃機関の排気浄化システムであって、前記内燃機関の排気経路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、前記フィルタよりも上流側に設けられて排気を昇温可能な排気昇温装置と、前記内燃機関の運転状態を検出可能であるとともに前記排気昇温装置を制御する制御装置と、を有する。そして前記制御装置は、前記排気昇温装置を制御して排気を昇温して前記フィルタに捕集されている粒子状物質を燃焼除去して前記フィルタを再生するフィルタ再生制御において、前記フィルタの上流側の排気温度であるフィルタ上流側排気温度と前記フィルタの下流側の排気温度であるフィルタ下流側排気温度とを含む前記運転状態に基づいて前記フィルタ内の温度分布を取得し、前記温度分布に基づいて前記フィルタ内の温度勾配を取得し、前記フィルタに堆積している粒子状物質の量であるPM堆積量に応じて前記フィルタの目標温度である目標床温を設定し、前記フィルタの温度であるフィルタ床温が前記目標床温に近づくように前記排気昇温装置を制御し、前記温度勾配が温度勾配閾値を超えた、かつ、前記内燃機関の吸気量が吸気量閾値よりも少ない状態が所定時間以上となった場合は前記目標床温を低下させる、内燃機関の排気浄化システムである。
(【0011】以降は省略されています)

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