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公開番号2025124272
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-26
出願番号2024020208
出願日2024-02-14
発明の名称樹脂組成物およびその成形体
出願人大阪ガスケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 67/00 20060101AFI20250819BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】9,9-ビスアリールフルオレン骨格を有する添加剤を含まなくても、機械的特性や光学的特性を過度に低下させることなく、溶融流動性(成形性または加工性)に優れたポリエステル樹脂組成物およびその成形体、ならびに流動性改善方法および流動性改善剤を提供することにある。
【解決手段】ポリエステル樹脂と、下記式(1)で表されるフルオレン化合物とを少なくとも含むポリエステル樹脂組成物を調製する。
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(式中、R^2a、R^2b、R^2cおよびR^2dはHまたは置換基を示し、R^3aおよびR^3bはHまたは置換基を示し、X^1aおよびX^1bは式(X1)で表される基を示す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
ポリエステル樹脂と、下記式（１）
TIFF
2025124272000016.tif
46
153
［式中、Ｒ
１
は置換基を示し、ｋは０～８の整数を示し、
Ｒ
２ａ
、Ｒ
２ｂ
、Ｒ
２ｃ
およびＲ
２ｄ
は独立して水素原子または置換基を示し、
Ｒ
３ａ
およびＲ
３ｂ
は独立して水素原子または置換基を示し、
Ｘ
１ａ
およびＸ
１ｂ
は独立して下記式（Ｘ１）
TIFF
2025124272000017.tif
22
153
（式中、Ｒ
４
およびＲ
５
は、独立して水素原子もしくは炭化水素基を示すか、またはＲ
４
とＲ
５
とが互いに結合して隣接する窒素原子とともに形成する複素環を示す。）
で表される基を示す。］
で表されるフルオレン化合物とを少なくとも含むポリエステル樹脂組成物。
続きを表示（約 1,200 文字）【請求項２】
前記式（１）において、Ｒ
１
が、炭化水素基を示し、ｋが、０～４の整数を示し、
Ｒ
２ａ
、Ｒ
２ｂ
、Ｒ
２ｃ
およびＲ
２ｄ
が、独立して水素原子または炭化水素基を示し、
Ｒ
３ａ
およびＲ
３ｂ
が、独立して水素原子または炭化水素基を示し、
前記式（Ｘ１）において、Ｒ
４
およびＲ
５
が、独立して水素原子またはアルキル基である請求項１記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項３】
前記式（Ｘ１）において、Ｒ
４
およびＲ
５
が、水素原子である請求項１または２記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項４】
前記ポリエステル樹脂が、フルオレン骨格を有する構成単位を含む請求項１または２記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項５】
前記ポリエステル樹脂が、フルオレン骨格を有する構成単位として、下記式（２）
TIFF
2025124272000018.tif
44
153
（式中、Ｒ
６
は置換基を示し、ｍは０～８の整数を示し、
Ｚ
１ａ
およびＺ
１ｂ
は独立してアレーン環を示し、
Ｒ
７ａ
およびＲ
７ｂ
は独立して置換基を示し、ｎ１およびｎ２は独立して０以上の整数を示し、
Ａ
１ａ
およびＡ
１ｂ
は独立してアルキレン基を示し、ｐ１およびｐ２は独立して０または１以上の整数を示す。）
で表されるジオール単位を含む請求項４記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項６】
前記ポリエステル樹脂が、脂肪族ジカルボン酸単位、脂環族ジカルボン酸単位および芳香族ジカルボン酸単位から選択された少なくとも一種のジカルボン酸単位を含む請求項５記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項７】
前記フルオレン化合物の割合が、前記ポリエステル樹脂および前記フルオレン化合物の総量１００質量部に対して、０．０１～３０質量部である請求項１または２記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項８】
前記ポリエステル樹脂の割合が、組成物中の樹脂成分全体に対して、５０質量％以上である請求項１または２記載のポリエステル樹脂組成物。
【請求項９】
請求項１または２記載のポリエステル樹脂組成物を含む成形体。
【請求項１０】
請求項１記載の式（１）で表されるフルオレン化合物をポリエステル樹脂に添加して、流動性を向上する方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、ポリエステル樹脂と、特定の化学構造を有するフルオレン化合物（またはフルオレン誘導体）とを含む樹脂組成物（またはポリエステル樹脂組成物）およびその成形体、ならびに流動性改善方法および流動性改善剤に関する。
続きを表示（約 1,200 文字）【背景技術】
【０００２】
ポリエステル樹脂は様々な用途で広く利用されている。しかし、ポリエステル樹脂の中には流動性（溶融流動性）が低いものも多く、微細な形状に成形加工するのが困難な場合もあり、ポリエステル樹脂の流動性を改善する方法が提案されている。
【０００３】
特開２０１５－２１８２６５号公報（特許文献１）には、特定の構造単位を熱可塑性樹脂に導入することで、樹脂の溶融流動性を改善する方法について開示されている。
【０００４】
特開２０１８－２０３９７５号公報（特許文献２）には、エステル結合含有熱可塑性樹脂と、繊維状補強材と、９，９－ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを含む繊維強化樹脂組成物について開示され、この組成物では、高い機械的特性と高い溶融流動性（成形性）とを両立できることが記載されている。
【０００５】
特開２０１４－２１８６５５号公報（特許文献３）には、数平均分子量１００００以下のポリエステル樹脂の耐熱性を向上させるための添加剤として、９，９－ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物で構成された耐熱性向上剤について開示され、この耐熱性向上剤が、樹脂の粘度（溶融粘度）を高粘度化することなく維持できるため、低粘度化と耐熱性向上とを両立できることが記載されている。
【０００６】
なお、国際公開第２０２１／１７２３００号（特許文献４）には、新規なフルオレン誘導体、およびこのフルオレン誘導体と樹脂とを含む樹脂組成物について開示されており、前記フルオレン化合物が、樹脂に対する強度向上剤（機械的特性改善剤）、流動性改善剤などとして利用できることが記載されている。
【０００７】
また、米国特許第２２９９９４８号明細書（特許文献５）には、合成樹脂を調製するための中間体として、下記式で表される９，９－ジ－（β－カルバモイル－エチル）フルオレンが有用であることが記載されている。
【０００８】
TIFF
2025124272000001.tif
29
153
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
特開２０１５－２１８２６５号公報
特開２０１８－２０３９７５号公報
特開２０１４－２１８６５５号公報
国際公開第２０２１／１７２３００号
米国特許第２２９９９４８号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
特許文献１の実施例では、９，９－ビス［２－（メトキシカルボニル）エチル］フルオレン（ＦＤＰＭ）を含むジカルボン酸成分と、ジオール成分とを重合させ、得られたポリエステル樹脂が高い屈折率および耐熱性を維持しながら、溶融流動性が大きく改善されたことが記載されている。
（【００１１】以降は省略されています）

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