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公開番号2025119731
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-15
出願番号2024014685
出願日2024-02-02
発明の名称希土類磁石及び希土類磁石の製造方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人大島特許事務所
主分類H01F 1/06 20060101AFI20250807BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高磁気特性と低渦電流損失とを両立できる希土類磁石及びその製造方法を提供する。
【解決手段】希土類磁石1は、希土類磁石粉末2の表面に絶縁物質からなる被膜4が形成されてなる被膜磁石粉末5を含み、絶縁物質はナノ粒子を含み、ナノ粒子が希土類磁石粉末2の前記表面を被覆している。希土類磁石1の製造方法は、希土類磁石粉末2の表面に被膜4が形成されるように希土類磁石粉末2に絶縁物質を添加し、被膜4が形成された被膜磁石粉末5を得る工程において、転動流動させた希土類磁石粉末2に対し、ナノ粒子及び結合剤を含有するナノ粒子分散液を噴霧することで絶縁物質を添加する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
希土類磁石であって、
希土類磁石粉末の表面に絶縁物質からなる被膜が形成されてなる被膜磁石粉末を含み、
前記絶縁物質はナノ粒子を含み、前記ナノ粒子が前記希土類磁石粉末の前記表面を被覆している、希土類磁石。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記ナノ粒子は、アルカリ金属フッ化物又はアルカリ土類金属フッ化物からなり、1~100nmの粒子径を有する、請求項1に記載の希土類磁石。
【請求項3】
前記被膜磁石粉末の前記ナノ粒子を含む前記被膜の厚さが200nm~2000nmである、請求項2に記載の希土類磁石。
【請求項4】
希土類磁石の製造方法であって、
希土類磁石粉末の表面に被膜が形成されるように前記希土類磁石粉末に絶縁物質を添加し、前記被膜が形成された被膜磁石粉末を得る工程と、
加圧可能な型の内部に前記被膜磁石粉末を配置し、前記型により前記被膜磁石粉末を圧縮成形して希土類磁石を得る成形工程と、を含み、
前記絶縁物質はナノ粒子を含み、
前記被膜磁石粉末を得る工程では、転動流動させた前記希土類磁石粉末に対し、前記ナノ粒子及び結合剤を含有するナノ粒子分散液を噴霧することで前記絶縁物質を添加する、希土類磁石の製造方法。
【請求項5】
前記ナノ粒子分散液は、アルカリ金属フッ化物又はアルカリ土類金属フッ化物からなる1~100nmの粒子径を有する前記ナノ粒子、溶媒及び結合剤を混合して得られる、請求項4に記載の希土類磁石の製造方法。
【請求項6】
前記被膜磁石粉末を得る工程では、前記希土類磁石における前記ナノ粒子を含む前記被膜の厚さが200nm~2000nmになるように、前記絶縁物質を添加する、請求項5に記載の希土類磁石の製造方法。
【請求項7】
結合剤は、成形時の入熱温度以下での熱分解性を有するアクリル系結合剤である、請求項4に記載の希土類磁石の製造方法。
【請求項8】
前記成形工程は、
第1方向に加圧可能な前記型の内部に前記被膜磁石粉末を配置し、前記型により前記被膜磁石粉末を前記第1方向に加圧して圧縮変形させ、前記希土類磁石の一次成形品を得る一次成形工程と、
前記一次成形品を、前記第1方向に交差する第2方向に加圧して塑性変形させ、前記希土類磁石を得る二次成形工程と、を含む、請求項4に記載の希土類磁石の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類磁石及び希土類磁石の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、低炭素社会又は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化し、車両においてもCO2排出量の削減やエネルギー効率の改善のために、電動化技術に関する研究開発が行われている。エネルギー効率を改善するための手法の1つに、動力源に用いられるモータの効率を改善することがある。モータの効率を改善するために、近年は希土類磁石が多く使われている。希土類磁石は金属磁石であるためにその電気抵抗は低く、モータに組み込んだ場合に渦電流損失が増大することでモータの効率が低下する問題がある。渦電流損失を低減することを目的として、様々な提案がなされている。
【0003】
特許文献1には、渦電流損失を低減することが可能な希土類磁石として、希土類酸化物を含む膜状の被覆層で覆われた希土類磁石粉末を有するものが開示されている。この希土類酸化物によって被覆された状態の磁石粉末の粒子間には、希土類酸化物の粒子を含む結着部が介在している。希土類磁石は、希土類酸化物で被覆された状態の希土類磁石粉末と希土類酸化物との混合体を高温加圧成形することにより製造される。
【0004】
特許文献2には、高電気抵抗を目的として、Nd-Fe-B系磁石粉末と、CaO等の酸化物、BN等の窒化物又はCaF2等のフッ化物とを混合し、この混合物を熱間塑性加工して異方性を有する磁石素材を得る希土類磁石の製造方法が開示されている。
【0005】
特許文献3には、希土類磁石の第1の製法として、Nd-Fe-B系磁石粉末等の等方性急冷粉末を作製する工程、等方性急冷粉末と絶縁層となる所定の化合物を混合する混合工程、混合物を冷間成形(仮成形)する工程、冷間成形体を熱間成形(緻密化)する工程、熱間塑性加工(異方化)する工程、からなる製法が開示されている。この製法で製造した磁石は、長辺が100~400μm、厚さが20~40μmのNd-Fe-B系急冷粉末が、概ね化合物粉末を介して積み重なった構成となることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4784173号公報
特開2003-22905号公報
特開2010-27852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
希土類磁石の磁気特性の低下を抑制するためには、磁石粉末に混合する絶縁化合物の量が少ない方がよい。ところが、磁石粉末が薄片状(フレーク状)をしているため、磁石粉末と絶縁化合物との混合物を緻密化する工程において、磁石粉末が概ね積層した状態となる。そのため、従来の製造方法で磁石を製造する場合、熱間塑性加工する工程において、磁石粉末及び絶縁化合物は加圧方向に直交する方向(すなわち、磁石粉末の主面に沿う方向)に広がるように変形する。したがって、絶縁物質を少なくすると、熱間塑性加工において絶縁層が途切れ、絶縁層によって隔てられていた磁石粉末同士が電気的に接続される。これにより、渦電流経路が大きくなる(渦電流経路の分断効果が小さくなる)ため、モータ作動時に発生する渦電流損が大きくなる。
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑み、高磁気特性と低渦電流損失とを両立できる希土類磁石及び希土類磁石の製造方法を提供することを目的とし、延いてはエネルギー効率の改善に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、希土類磁石(1)であって、希土類磁石粉末(2)の表面に絶縁物質からなる被膜(4)が形成されてなる被膜磁石粉末(5)を含み、前記絶縁物質はナノ粒子を含み、前記ナノ粒子が前記希土類磁石粉末の前記表面を被覆している。
【0010】
この態様によれば、絶縁物質がナノ粒子を含むため、希土類磁石粉末の表面に形成される被膜が薄く且つ均一になり、被膜が途切れることが抑制される。これにより、被膜磁石粉末の磁気特性の向上と、渦電流の低減との両立が可能になる。
(【0011】以降は省略されています)

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