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公開番号2025113804
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-04
出願番号2024008147
出願日2024-01-23
発明の名称オレフィン系樹脂組成物、架橋体、積層体、成形体、およびシート
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/16 20060101AFI20250728BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】組成物製造の際に混練機の表面を傷つけず、成形体の薄型化が可能な、窒化物を含むオレフィン系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と、酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)と、エチレン・プロピレン共重合体(B)と、窒化物(C)と、を含み、共重合体(A1)および共重合体(A2)は、特定の要件を満たし、共重合体(A1)、共重合体(A2)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、共重合体(A1)および共重合体(A2)の合計含有量が21~79質量部であり、共重合体(B)の含有量が21~79質量部であり、窒化物(C)の含有量が1200~1500質量部であり、共重合体(A2)の含有量に対する共重合体(A1)の含有量の質量比が、99/1~1/99である、オレフィン系樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)と、酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)と、エチレン・プロピレン共重合体(B)と、窒化物(C)と、を含み、
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)は、下記要件(A1-1)~(A1-4)を満たし、
前記酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)は、下記要件(A2-1)~(A2-2)を満たし、
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)、前記酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)および前記エチレン・プロピレン共重合体(B)の合計100質量部に対して、前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)および前記酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)の合計含有量が21~79質量部であり、前記エチレン・プロピレン共重合体(B)の含有量が21~79質量部であり、前記窒化物(C)の含有量が1200~1500質量部であり、
前記酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)の含有量に対する前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)の含有量の質量比[共重合体(A1)の含有量/共重合体(A2)の含有量]が、99/1~1/99である、
オレフィン系樹脂組成物;
要件(A1-1)前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)は、エチレンから導かれる構成単位(i)と、炭素原子数4~20のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)と、を含む;
要件(A1-2)ASTM D1238に準拠して、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定したメルトフローレート(MFR)が、5~100g/10分である;
要件(A1-3)ASTM D2240に準拠して測定した、厚さ1mmの架橋シートを7枚重ねたサンプルにおける押針接触開始から15秒後のショアA硬度が、75~99である;
要件(A1-4)前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)は、未変性である;
要件(A2-1)前記酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)は、エチレンから導かれる構成単位(i)と、炭素原子数4~20のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)と、を含むエチレン・α-オレフィン共重合体を、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性したものである;
要件(A2-2)ASTM D1238に準拠して、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定したMFRが、5~100g/10分である。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A1)および/または前記酸変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A2)における構成単位(ii)を導くα-オレフィンが、1-ブテンである、請求項1に記載のオレフィン系樹脂組成物。
【請求項3】
下記要件(B-1)を満たすエチレン・プロピレン共重合体(B)を含有する、請求項1に記載のオレフィン系樹脂組成物;
要件(B-1)25℃で測定したブルック・フィールド粘度が、100,000~300,000mPa・sである。
【請求項4】
前記窒化物(C)が窒化アルミニウム(C1)である、請求項1に記載のオレフィン系樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のオレフィン系樹脂組成物を架橋した架橋体。
【請求項6】
請求項5に記載の架橋体を含むシートと、離型シートとが積層した、積層体。
【請求項7】
前記離型シートがポリエステルシートである、請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載のオレフィン系樹脂組成物を含む成形体。
【請求項9】
請求項5に記載の架橋体を含む成形体。
【請求項10】
請求項5に記載の架橋体を含むシート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィン系樹脂組成物、架橋体、積層体、成形体、およびシートに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高機能化および小型化が進行し、電子部品の高密度化が進んでいる。このため、電子機器および電子部品の正常動作および寿命を確保する等の目的で、これらから発生する熱の制御が大きな課題となっている。この課題に対する方策の一つとして、熱を電子機器および電子部品の外部へ逃がす手法が開発されており、多くの電子機器には、ヒートシンク、ヒートスプレッダー、ヒートパイプ、および冷却ファンなどの放熱部材が組み込まれている。また、携帯電話などの小型のデバイスには、筐体自身を放熱部材として機能させ、熱を外部へ逃がす設計となっているものもある。これら電子機器では、発熱体と放熱部材との間および放熱部材間の熱伝導性を向上させる目的で、Thermal Interface Material(以下「TIM」ともいう。)と呼ばれる部材が使用されている。
【0003】
TIMは大きく分けて2つの成分から構成されている。一つは熱伝導を担保する充填材である。これには熱伝導率の高い金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、金属炭化物、および金属の粉末などが用いられる。もう一つの成分は、充填材を保持し、TIMを所定の形状に保つバインダーである。前記バインダーとしては、TIMの種類により大きく異なるが、シリコーンおよびアクリルなどの硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、エラストマー、オイル、ならびにワックスなど種々の有機材料が用いられている。
【0004】
これらの中でも、バインダーとしては、TIM自体の耐熱安定性の観点から、シリコーン系化合物が使用されることが多い。例えば、特許文献1には、窒化アルミニウム、酸化亜鉛およびシリコーンオイルを含む放熱グリースが開示されている。
【0005】
しかしながら、シリコーン系化合物は、それ自体が含有している、または、シリコーン系化合物から徐々に分解生成する低分子量シロキサンが、二酸化ケイ素などの絶縁性の異物として電子回路上に析出し、接点障害を起こす場合があり、非シリコーン系TIMの開発が積極的に行われており、このような非シリコーン系TIMとして、例えば、特許文献2および3に記載の熱伝導性組成物が知られている。
【0006】
特許文献4には、α-オレフィン(共)重合体のグラフト変性体および特定の要件を満たすα-オレフィン(共)重合体から選ばれる1種以上と、オレフィン系樹脂、スチレン系熱可塑エラストマーおよびワックスから選ばれる1種以上とを含む樹脂組成物が開示されており、前記樹脂組成物はTIMとして利用できることが開示されている。
【0007】
TIMとして使用するために熱伝導性組成物または前記樹脂組成物をシートに成形する方法として、例えば、離型シート2枚で熱伝導性組成物または前記樹脂組成物を挟み、熱プレスおよび冷却プレスをすることにより、離型シートと熱伝導性組成物または前記樹脂組成物を含むシートとが積層された積層体を製造し、その後、離型シートから前記シートを剥離する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平10-110179号公報
特開2002-121354号公報
特開2008-88384号公報
特開2021-024942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、金属窒化物などの窒化物を充填剤として含む熱伝導性組成物または前記樹脂組成物から形成されたシートを薄くしようとする場合、上記のような製造方法では、離型シートから前記シートを剥離する際に、前記シートが破れることがあった。また、金属窒化物などの窒化物を充填剤として使用する場合、バインダーおよび充填剤を混練して熱伝導性組成物または樹脂組成物を製造する際に、混練機の表面を傷つけることがあった。
【0010】
本発明は以上のことに鑑みてなされたものであり、組成物製造の際に混練機の表面を傷つけず、さらに成形体の薄型化が可能な、窒化物を含むオレフィン系樹脂組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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