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公開番号
2025110125
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-28
出願番号
2024003880
出願日
2024-01-15
発明の名称
未臨界性評価装置、未臨界性評価方法、およびMOX燃料集合体
出願人
株式会社東芝
,
東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人
弁理士法人サクラ国際特許事務所
主分類
G21C
19/40 20060101AFI20250718BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】燃料貯蔵ラックに収納される燃料集合体の未臨界性を合理的に評価する。
【解決手段】実施形態によれば未臨界性評価方法は、基本燃料集合体において長手方向に分割された最上部区画、最下部区画およびこれらの中間の少なくとも一つの区画からなる複数の区画のそれぞれにおける全燃焼期間を通じた無限増倍率の最大値である最大無限増倍率を読み込むステップと、各区画において最大無限増倍率を包絡する基準無限増倍率を設定するステップと、複数の前記区画を有するモデルバンドルについて、各区画においてのモデル無限増倍率が基準無限増倍率より大きくなるようにモデルバンドルの核燃料物質濃度を調整してモデル無限増倍率を導出するステップと、モデルバンドルを燃料貯蔵ラックに収納した状態での実効増倍率を導出するステップとを有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
軽水中に浸漬する燃料貯蔵ラックに収納され評価対象とする対象燃料集合体の未臨界性を評価する未臨界性評価方法であって、
前記対象燃料集合体において基本とする基本燃料集合体を選定し、前記基本燃料集合体において長手方向に分割された最上部区画、最下部区画およびこれらの中間の少なくとも一つの区画からなる複数の区画のそれぞれにおける全燃焼期間を通じた無限増倍率の最大値である最大無限増倍率を読み込むステップと、
複数の前記区画のそれぞれにおいて前記最大無限増倍率を包絡する前記無限増倍率の基準値である基準無限増倍率を設定するステップと、
前記未臨界性の評価のための解析モデルであり複数の前記区画を有するモデルバンドルについて、複数の前記区画のそれぞれにおいての前記無限増倍率であるモデル無限増倍率が前記基準無限増倍率より大きくなるように前記モデルバンドルの核燃料物質濃度を調整して前記モデル無限増倍率を導出するステップと、
前記核燃料物質濃度を調整した前記モデルバンドルを、前記燃料貯蔵ラックに収納した状態での実効増倍率を導出するステップと、
を有することを特徴とする未臨界性評価方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記核燃料物質濃度は、ウラン濃縮度および核分裂性プルトニウム富化度の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の未臨界性評価方法。
【請求項3】
前記対象燃料集合体は、第1の濃縮ウランを含むウラン燃料棒と、第2の濃縮ウラン及び可燃性毒物を含む可燃性毒物入りウラン燃料棒とを有することを特徴とする請求項1に記載の未臨界性評価方法。
【請求項4】
前記対象燃料集合体は、ウラン及びプルトニウムを含むMOX燃料棒と、濃縮ウラン及び可燃性毒物を含む可燃性毒物入りウラン燃料棒とを有するMOX燃料集合体であることを特徴とする請求項1に記載の未臨界性評価方法。
【請求項5】
前記最上部区画および前記最下部区画の少なくとも一方であって可燃性毒物を含まない前記区画では、前記基準無限増倍率を前記最大無限増倍率よりも小さく設定されることを特徴とする請求項1に記載の未臨界性評価方法。
【請求項6】
前記区画において、未燃焼時の前記MOX燃料集合体の核分裂性プルトニウム同位体重量割合が大きいほど、前記基準無限増倍率は大きく設定されることを有することを特徴とする請求項4に記載の未臨界性評価方法。
【請求項7】
前記基準無限増倍率は、前記MOX燃料集合体に含まれる前記核分裂性プルトニウム同位体重量割合をxとした場合に、以下の式(1)ないし(3)を満たすことを特徴とする請求項6に記載の未臨界性評価方法。
k
∞S
(i)<A×x+B …(1)
0<A≦0.002 …(2)
0<B≦1.126 …(3)
【請求項8】
前記燃料貯蔵ラックは、前記対象燃料集合体を前記長手方向に亘って収容するように第1の金属板を正方格子状に配列し、さらにその格子の周囲全体を第2の金属板で覆う構造となっていることを特徴とする請求項1に記載の未臨界性評価方法。
【請求項9】
MOX燃料を含む複数のMOX燃料棒と、
可燃性毒物を含む複数のポイズン燃料棒と、
筒状のウォータチャンネルと、
複数の前記MOX燃料棒と複数の前記ポイズン燃料棒と前記ウォータチャンネルを径方向外側から包囲するチャンネルボックスと、
を備えたMOX燃料集合体であって、
長手方向に分割された各ノードの無限増倍率が、当該MOX燃料集合体に含まれる核分裂性プルトニウム同位体重量割合(x)に対して以下の式(1)ないし(3)を満たすことを特徴とするMOX燃料集合体。
k
∞S
(i)<A×x+B …(1)
0<A≦0.002 …(2)
0<B≦1.126 …(3)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、未臨界性評価装置、未臨界性評価方法、およびMOX燃料集合体に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
沸騰水型軽水炉に装荷する燃料集合体は、燃料集合体内の出力分布の最適化を図るため、燃料集合体に含まれるウラン濃縮度、またはプルトニウム富化度、あるいはその両方(以下、核燃料物質濃度)の異なる複数種類の燃料棒を有する。燃料棒には燃料ペレットが充填されている領域、及び燃料ペレットが充填されていない領域があり、前者の長手方向の長さは燃料有効長と呼ばれる。沸騰水型軽水炉の場合、燃料有効長は約3.7mである。燃料棒は燃料有効長を長手方向に等分割(通常は24分割)したノードに区分され、燃料棒に含まれる核燃料物質濃度は、ノード位置によって異なる設計とされている。このため、燃料集合体を構成する核燃料物質の核種組成は、燃料集合体の水平方向および長手方向によって異なる。
【0003】
110万kWe級の沸騰水型軽水炉の炉心には764体の燃料集合体が装荷される。これらは炉心装荷位置と炉内滞在期間によって燃焼履歴が異なるため、燃料集合体毎に燃焼後の核種組成が異なり、反応度も異なる。
【0004】
燃料集合体を収容する燃料貯蔵プールの未臨界性評価において、燃焼後の燃料集合体のあらゆる核種組成を個別に取り扱うのは煩雑であり、大変な労力を伴う。このため、あらゆる燃焼履歴の燃料集合体(新燃料を含む)の炉心装荷状態における冷温時無限増倍率(以下、無限増倍率:k
∞
)よりも無限増倍率が高くなるような核種組成を代表して設定し、この核種組成を用いて未臨界性評価を行う方法が合理的である。この代表した核種組成を有する仮想的な燃料集合体はモデルバンドルと呼ばれる。
【0005】
沸騰水型軽水炉の場合、燃料集合体は一般に、可燃性毒物として燃料ペレットにガドリニアを含む燃料棒を有する。以下、可燃性毒物としてガドリニアを例にとって説明する。ガドリニアは熱中性子捕獲断面積が大きく、中性子を捕獲することで核分裂反応を抑制することから、負の反応度をもつ。ガドリニアを含む燃料集合体の未臨界性評価を行う場合、このようなガドリニアの負の反応度を解析的に考慮することができ、これはガドリニアクレジットと呼ばれる。
【0006】
燃料集合体に含まれるガドリニアは、燃料集合体の燃焼に伴い減少する。このため、ガドリニアを含む燃料集合体の無限増倍率の最大値(k
∞R
)は、燃料集合体の燃焼途中におけるガドリニアが消失した時点において生じる。ガドリニアクレジットを用いた未臨界性評価では、燃焼途中で生じる無限増倍率の最大値(k
∞R
)を包絡する値をモデルバンドルの無限増倍率(k
∞M
)として設定し、保守的に評価を行う。なお、燃料集合体の燃焼特性はノードにより異なるが、運転期間中のいずれのノードにおいても、無限増倍率の最大値(k
∞R
)はウラン燃料で1.3、MOX燃料(固体酸化物燃料であるウランとプルトニウムを混合した混合酸化物燃料)で1.23を下回るように設計されている。このため、モデルバンドル設定においては、モデルバンドルの無限増倍率(k
∞M
)を設定する際の基準値(k
∞S
)をウラン燃料で1.3、MOX燃料で1.23とし、モデルバンドルの無限増倍率(k
∞M
)が基準値(k
∞S
)よりも大きくなるようにしている。なお、モデルバンドルの核種組成は、未燃焼の燃料集合体の核種組成をベースとして、はじめにガドリニアを取り除き、次に所定の無限増倍率が達成されるように核燃料物質の濃度を調整することにより設定している。
【0007】
図22は、モデルバンドルの組成の分布の従来例を示す概念的な分布図である。このように、従来のモデルバンドルでは、解析モデルを簡略化するために、核種組成を長手方向に一様に設定している。また、モデルバンドルの無限増倍率(k
∞M
)はノード位置によらず、ウラン燃料で1.3、MOX燃料で1.23よりも大きくなり、燃料有効長の全長に亘って実燃料の無限増倍率の最大値(k
∞R
)を包絡するため、保守的な設定となる。
【0008】
燃料集合体の設計においては、燃料貯蔵ラック等の原子力設備における臨界安全性を確保するために、燃料集合体の全燃焼期間を通じた無限増倍率の最大値が、ウラン燃料で1.30、MOX燃料で1.23よりも小さくなるように制限されている。言い換えれば、燃料集合体の全燃焼期間を通じた無限増倍率の最大値が上記の制限値以上となる燃料集合体は、燃料貯蔵ラック等の原子力設備の臨界安全性を確保する観点から、設計が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第4713224号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の要因として、従来のモデルバンドルの長手方向の組成分布及び無限増倍率の設定が挙げられる。従来のモデルバンドルは、ノード位置によらず無限増倍率が一定となるため、ノード位置によっては実際の燃料集合体の無限増倍率と比べてモデルバンドルの無限増倍率が過度に高くなり、燃料貯蔵ラックの未臨界性評価における評価値(例えば、実効増倍率)を過大評価してしまう傾向がある。この結果、燃料貯蔵ラックに収納可能な燃料集合体の本数を過度に低く評価する結果となっている。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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