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公開番号2025107883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-22
出願番号2024001412
出願日2024-01-09
発明の名称フェライト系ステンレス鋼板、集電体及び非水電解質二次電池
出願人日本製鉄株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250714BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】硫化腐食などの各種腐食に対する耐性(耐食性)に優れ、活物質層との間の接触抵抗が低い集電体を製造可能なフェライト系ステンレス鋼板を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池の集電体に用いられるフェライト系ステンレス鋼板である。フェライト系ステンレス鋼板は、質量基準で、C:0.001~0.050%、Si:0.01~2.00%、Mn:0.01~1.00%、P:0.050%以下、S:0.010%以下、Ni:0.01~4.00%、Cr:10.0~32.0%、Mo:0.01~2.50%、Cu:0.01~0.80%、Al:0.001~0.150%、N:0.05%以下、Ti及び/又はNb:0.010~1.000%を含み、残部がFe及び不純物からなる組成を有する。また、フェライト系ステンレス鋼板の表面における円相当径が0.5μm以上のTi及び/又はNbの炭窒化物の面積率が0.0010%以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非水電解質二次電池の集電体に用いられるフェライト系ステンレス鋼板であって、
質量基準で、C:0.001~0.050%、Si:0.01~2.00%、Mn:0.01~1.00%、P:0.050%以下、S:0.010%以下、Ni:0.01~4.00%、Cr:10.0~32.0%、Mo:0.01~2.50%、Cu:0.01~0.80%、Al:0.001~0.150%、N:0.05%以下、Ti及び/又はNb:0.010~1.000%を含み、残部がFe及び不純物からなる組成を有し、
表面における円相当径が0.5μm以上のTi及び/又はNbの炭窒化物の面積率が0.0010%以上であるフェライト系ステンレス鋼板。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
質量基準で、Sn:0.001~0.300%、B:0.001~0.010%、Mg:0.001~0.100%、Ca:0.001~0.100%、REM:0.001~0.100%、V:0.001~1.000%、Zr:0.001~1.000%、W:0.001~1.000%、Co:0.001~1.000%、Hf:0.001~1.000%、Ta:0.001~1.000%から選択される1種以上を更に含む、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項3】
接触抵抗が20.0mΩ・cm
2
以下である、請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項4】
腐食減量が0.100mg/mm
2
以下である、請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項5】
体積抵抗率が63.0μΩ・m以下である、請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項6】
非水電解質が固体電解質である、請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項7】
前記固体電解質が硫化物系固体電解質である、請求項6に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のフェライト系ステンレス鋼板を備える集電体。
【請求項9】
正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に設けられた非水電解質とを備える非水電解質二次電池であって、
前記正極及び前記負極の少なくとも一つが、請求項8に記載の集電体を有する非水電解質二次電池。
【請求項10】
前記非水電解質が固体電解質である、請求項9に記載の非水電解質二次電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト系ステンレス鋼板、集電体及び非水電解質二次電池に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
携帯電子機器などの比較的小型の電子機器の電源に、非水電解質電池が広く利用されている。また、環境保護運動の高まりを背景として、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池車(FCV)の導入を促進すべく、これらのモータ駆動用電源やハイブリッド用補助用電源などの開発が行われており、これらの用途にも非水電解質二次電池が使用されている。非水電解質二次電池としては、リチウムイオン二次電池(LIB)が一般に知られている。LIBは、集電体に正極活物質層を形成した正極、集電体上に負極活物質層を形成した負極、及び正極と負極との間に設けられ、リチウムイオンの伝導を媒介することが可能な電解質を備えている。
【0003】
LIBなどの非水電解質二次電池は、可燃性の有機系電解液を電解質として用いているため、発火する恐れがあるとともに、用途によっては作動温度やエネルギー密度などの特性も十分ではない。そこで、近年、非水電解質二次電池の電解質を固体にした全固体電池の研究開発が進められている。全固体電池は、有機系電解液を電解質として用いる非水電解質電池に比べて、発火の恐れが少なく、作動温度が広く、エネルギー密度が高いなどの様々な利点がある。全固体電池に用いられる電解質としては、硫化物系固体電解質や酸化物系固体電解質が知られている。
【0004】
非水電解質二次電池の集電体には、正極にAl板、負極にCu板などを用いることが知られているが、耐久性や耐食性を向上させる観点からクロム含有鋼板やステンレス鋼板を用いることが検討されている。
例えば、特許文献1及び2には、非水電解質二次電池の集電体用のクロム含有鋼板が開示されている。また、特許文献3及び4には、硫化物系固体電池の集電体用のフェライト系ステンレス鋼板が提案されている。また、特許文献5には、二次電池正極用ステンレス箔集電体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第7006801号公報
特許第7103551号公報
特許第7014754号公報
特許第7057766号公報
特許第7148608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
全固体電池に用いられる硫化物系固体電解質は、腐食性が高いため、集電体が硫化腐食してしまう恐れがある。集電体が腐食すると、全固体電池の性能などが低下してしまう。また一般に、ステンレス鋼板の表面には不働態皮膜が形成されるため、その影響によって電気抵抗が高くなり易い。特に、電解質が固体である場合には、集電体とその上に形成される活物質層との間の接触抵抗を低くすることが難しくなる。
【0007】
特許文献1及び2に記載のクロム含有鋼板は、電解質として有機系電解液を用いる非水電解質二次電池の集電体に用いられるものであるため、電解質として硫化物系固体電解質を用いた場合の硫化腐食を抑制できない。
また、引用文献3及び4に記載のフェライト系ステンレス鋼板は、硫化腐食に対する耐性(耐硫化性)を有する集電体を形成し得るものの、集電体とその上に形成される活物質層との間の接触抵抗を低くできない。
さらに、引用文献5に記載の二次電池正極用ステンレス箔集電体は、電解質として有機系電解液を用いる非水電解質二次電池に用いられるものであるため、電解質として硫化物系固体電解質を用いた場合の硫化腐食を抑制できず、集電体とその上に形成される活物質層との間の接触抵抗も低くすることができない。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、硫化腐食などの各種腐食に対する耐性(耐食性)に優れ、活物質層との間の接触抵抗が低い集電体を製造可能なフェライト系ステンレス鋼板を提供することを目的とする。
また、本発明は、硫化腐食などの各種腐食に対する耐性(耐食性)に優れ、活物質層との間の接触抵抗が低い集電体、及びこのような特性を有する集電体を備える非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、フェライト系ステンレス鋼板について鋭意研究を行った結果、組成に加えて、表面における所定のTi及び/又はNbの炭窒化物の面積率を所定の範囲に制御することにより、上記の問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、非水電解質二次電池の集電体に用いられるフェライト系ステンレス鋼板であって、
質量基準で、C:0.001~0.050%、Si:0.01~2.00%、Mn:0.01~1.00%、P:0.050%以下、S:0.010%以下、Ni:0.01~4.00%、Cr:10.0~32.0%、Mo:0.01~2.50%、Cu:0.01~0.80%、Al:0.001~0.150%、N:0.05%以下、Ti及び/又はNb:0.010~1.000%を含み、残部がFe及び不純物からなる組成を有し、
表面における円相当径が0.5μm以上のTi及び/又はNbの炭窒化物の面積率が0.0010%以上であるフェライト系ステンレス鋼板である。
(【0011】以降は省略されています)

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