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公開番号
2025107097
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-17
出願番号
2024000879
出願日
2024-01-05
発明の名称
緑内障視野進行予測を支援する方法、及び医薬組成物のスクリーニング方法
出願人
国立大学法人東北大学
代理人
個人
主分類
G01N
33/50 20060101AFI20250710BHJP(測定;試験)
要約
【課題】緑内障を臨床的に意味のあるエンドタイプに分類し、緑内障の視野障害の進行予測を行い、エンドタイプ毎に適切な医療が行えるように支援する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】複数の原発開放隅角緑内障患者から得られた血液試料のメタボローム解析を行い、解析結果を教師なし機械学習によりエンドタイプに分類する層別化モデルを作製した。これにより、被験者の血液試料のメタボローム解析を行い、層別化モデルに適用することにより、被験者のエンドタイプを決定することができる。分類されたエンドタイプにより、より適切な治療を行うことが可能となる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
原発開放隅角緑内障(POAG)の進行予測を支援する方法であって、
複数のPOAG患者から得られた血液試料のメタボローム解析を行い、
メタボローム解析結果を教師なし機械学習によりエンドタイプに分類する層別化モデルを作製し、
被験者の血液試料のメタボローム解析を行い、
前記層別化モデルに適用し、
被験者のエンドタイプを決定することを特徴とする緑内障進行予測支援方法。
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
前記メタボローム解析がNMRを用いて行うものであることを特徴とする請求項1記載の緑内障進行予測支援方法。
【請求項3】
前記血液試料が血漿であることを特徴とする請求項1記載の緑内障進行予測支援方法。
【請求項4】
前記層別化モデルが、
POAG患者に加え健常者試料を用いて作製されるものである請求項1記載の緑内障進行予測支援方法。
【請求項5】
前記層別化モデルが緑内障患者を5種類のエンドタイプに分類することを特徴とする請求項1記載の緑内障進行予測支援方法。
【請求項6】
前記層別化モデルが健常者と緑内障患者を層別化し、
さらに緑内障患者を5種類のエンドタイプに分類することを特徴とする請求項4記載の緑内障進行予測支援方法。
【請求項7】
被験者の血液試料のメタボローム解析結果からPOAGの進行を予測するための学習済みモデルであって、
複数のPOAG患者から得られた血液試料をメタボローム解析し、
得られた解析結果から変動の大きい代謝物を選択し、
教師なし機械学習によりクラスタリングし、エンドタイプに分類することを特徴とする学習済みモデル。
【請求項8】
POAGの治療に有効な化合物をスクリーニングする方法であって、
細胞に候補化合物を添加し、
メタボローム解析を行い、
候補化合物を添加した細胞の代謝物と候補化合物を添加していない細胞の代謝物を比較し、
請求項7の学習済みモデルを適用し、有効な化合物を選択することを特徴とするスクリーニング方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑内障の視野障害の進行予測を支援する方法、さらに、緑内障視野進行を治療・予防する医薬組成物のスクリーニング方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
緑内障は、眼圧の上昇などによって視神経に障害が起こり、視野狭窄や欠損が生じる疾患である。進行しても症状に気づかないことがあり、治療が遅れると失明に至る眼疾患である。緑内障は加齢とともに増加し、世界でおよそ7600万人が罹患し、2030年には9500万人まで罹患者が増加すると言われている。日本においても400万人の患者がいると言われており、日本における中途失明原因の第1位である。
【0003】
緑内障は大きく分けると原因が分からない原発緑内障、外傷、角膜の疾患等、他の眼疾患や、ステロイドホルモン剤などにより引き起こされる続発緑内障、隅角の先天的な異常により起こる小児緑内障がある。このうち原発緑内障が緑内障の90%を占めると言われているが、原発緑内障の中でも徐々に症状が進行する原発開放隅角緑内障(Primary open-angle glaucoma:POAG、以下原発隅角緑内障をPOAGと記載する。)が最も多く、世界中で7000万人程度が罹患していると考えられている。
【0004】
POAGは男女を問わず40歳以上に多く、40歳以上の20人に一人の割合で発症していると言われているが、進行が遅く自覚症状がないため初期の段階では気づかないことが多い。緑内障の診断には、眼圧検査、眼底検査、視野検査など、眼科における検査が必要であるが、自覚症状がないため、検査に至らないことも多い。そのため、気が付いたときには視野障害が進行していることが多い。失った視力や視野は薬や手術によって回復させることができない。したがって、早期に緑内障を検出することが必要である。
【0005】
従来から緑内障を簡便に検査する方法が提案されている。特許文献1には、構造的検査と機能的検査の組み合わせに基づいて、緑内障の検出及び進行速度の評価を改善するための組み合わせ解析が開示されている。モダリティの異なる検査を組み合わせて評価することにより、緑内障を検出し、その進行度を評価することが開示されている。特許文献2には、被験対象の生体試料中の自己抗体やタンパク質の量、又は濃度を測定し、緑内障を検出する方法が開示されている。しかし、これらの方法は臨床で使用されるには至っていない。
【0006】
また、網膜神経節細胞の脆弱性が異なるため、POAGでは視野欠損の部位による臨床症状や、転帰に不均一性が生じる。疾患が均一ではないことも、早期発見や治療の障害となっている。POAGのリスク及び進行の不均一性の原因としては、種々の要因が考えられる。POAGのリスク因子は眼圧の上昇であることが確認されているが、眼圧の上昇は、遺伝的及び環境的因子の影響が報告されており(非特許文献1~3)、これらが不均一性の一因であると考えられる。また、緑内障患者は、ゲノム(非特許文献4)、トランスクリプトーム(非特許文献5)、サイトカイン(非特許文献6)、メタボロミクスプロファイル(非特許文献7)にばらつきがあることが報告されており、これらが緑内障の不均一性を誘発する全身的要因である可能性も示唆されている。
【0007】
さらに、網膜神経節細胞軸索は無髄であり、体内で最も長いランビエ結節を持つため、ミトコンドリアからのエネルギーをより必要としている。中心性視野欠損を伴うPOAGの病因において、代謝の変化が重要な役割を果たしていることが示唆されている。遺伝子発現や環境因子の最終産物である代謝物を測定するメタボロミクスは、緑内障研究でも用いられており、様々な試料を用いた18のメタボローム研究の系統的レビューにより、生物学的メカニズムと密接に関連するバイオマーカーが複数同定されている(非特許文献7)。また、POAG症例599例とマッチさせた対照599例による大規模なコホート内症例対照研究では、診断から10年前であっても、緑内障における脂質代謝異常が認められており、その役割が示唆されている(非特許文献8)。このように、POAGが、不均一な疾患であり、代謝が重要な役割を果たす可能性が示唆されはじめているものの、緑内障をエンドタイプに分類し、治療に利用することは未だ行われていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2013-501553号公報
特開2023-129215号公報
【非特許文献】
【0009】
Nakazawa T. AsiaPac J Ophthalmol (Phila) 2016; 5: 38-44.
Kiyota N, et al.,Ophthalmology 2021; 128: 663-71.
Omodaka K, et al.,BMC Ophthalmol 2022; 22: 373.
Gharahkhani P, etal., NatCommun 2021; 12: 1258.
Li L, et al., Neuron 2022; 110:2646-2663.e6.
Mravec Bencurova D, etal., Int Ophthalmol 2023; 43: 3559-68.
Wang Y, et al.,Invest Ophthalmol Vis Sci 2021; 62: 9.
Zeleznik OA, et al. Nat Commun 2023; 14:2860.
Sakurai-YagetaM, et al. J Biochem 2021; 170: 399-410.
NagaiA, et al. J Epidemiol 2017; 27: S2-8.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、緑内障はエンドタイプによって進行が異なるため、リスクが異なる可能性が大きい。そのため、早期に緑内障を検出するとともに、エンドタイプに分類し、各タイプにおける進行予測を行い、エンドタイプ毎に適切な治療を行うことが重要である。しかしながら、特許文献1に記載の発明は、検査結果を精度良く解析できる可能性があるが、緑内障をエンドタイプに分類し、進行の速度や患者の将来的なQOLを評価する検査方法ではない。特許文献2に記載の発明は、緑内障の検出や罹患確率を算出することができるものの、緑内障患者における進行予測を行うことができる方法ではない。また、緑内障の不均一性に関与していると言われている遺伝的因子、環境因子はエンドタイプと関係付けられていない。バイオマーカーや脂質代謝異常に関する研究では、緑内障と非緑内障の集団を比較したメタボローム解析が行われているが、緑内障の異なるエンドタイプを特徴付け、臨床転帰との関係を明らかにしているわけではない。
(【0011】以降は省略されています)
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