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公開番号2025099112
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023215519
出願日2023-12-21
発明の名称測定装置および測定方法
出願人日置電機株式会社
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人
主分類G01R 21/133 20060101AFI20250626BHJP(測定;試験)
要約【課題】高周波領域の電力の周波数成分を精度よく測定する測定装置および測定方法を提供する。
【解決手段】上記課題は、プロセッサ(10)を備え、電流センサ(2)と接続して測定対象(4)の電力の周波数成分を測定する測定装置(1)であって、プロセッサ(10)が、電流センサ(2)の位相特性を補正するための補正データを取得し、時系列の、測定対象(4)の電圧データと電流センサによって検出された測定対象(4)の電流データとを取得し、補正データに基づいて、電圧データと電流データとの位相をずらすように、電圧データおよび電流データのうちの少なくとも一方を補正し、補正後の電圧データおよび電流データに基づいて、電圧および電流の周波数成分を求め、電圧および電流の周波数成分に基づいて、有効電力および無効電力のうちの少なくとも一方の周波数成分を測定するように構成されている測定装置(1)等により解決することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
プロセッサを備え、電流センサと接続して測定対象の電力の周波数成分を測定する測定装置であって、
前記プロセッサが、
前記電流センサの位相特性を補正するための補正データを取得し、
時系列の、前記測定対象の電圧データと前記電流センサによって検出された前記測定対象の電流データとを取得し、
前記補正データに基づいて、前記電圧データと前記電流データとの位相をずらすように、前記電圧データおよび前記電流データのうちの少なくとも一方を補正し、
補正後の前記電圧データおよび前記電流データに基づいて、電圧および電流の周波数成分を求め、
前記電圧および電流の周波数成分に基づいて、有効電力および無効電力のうちの少なくとも一方の周波数成分を求めて出力する
ように構成されている、
測定装置。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記電力の周波数成分を表示する表示装置をさらに備える、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記電流センサが、前記測定装置に着脱自在に取り付け可能であり、
前記プロセッサが、前記電流センサから前記補正データを取得するように構成されている、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項4】
前記電流センサを着脱自在に取り付けるためのコネクタをさらに備える、請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記電力の周波数成分が、10kHz以上の周波数領域を含む、請求項1に記載の測定装置。
【請求項6】
測定対象の電力の周波数成分を測定する測定方法であって、
プロセッサが、電流センサの位相特性を補正するための補正データを取得するステップと、
前記プロセッサが、時系列の、前記測定対象の電圧データと前記電流センサによって検出された前記測定対象の電流データとを取得するステップと、
前記プロセッサが、前記補正データに基づいて、前記電圧データと前記電流データとの位相をずらすように、前記電圧データおよび前記電流データのうちの少なくとも一方を補正するステップと、
前記プロセッサが、補正後の前記電圧データおよび前記電流データに基づいて、電圧および電流の周波数成分を求めるステップと、
前記プロセッサが、前記電圧および電流の周波数成分に基づいて、有効電力および無効電力のうちの少なくとも一方の周波数成分を求めて出力するステップと、
を含む、測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置および測定方法に関し、特に電力の周波数成分を測定する測定装置および測定方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
電力の測定装置は、測定対象からサンプリングされた電圧と電流との積の値を時系列的に積算平均することにより、電力を求める。このとき、測定系の周波数特性が測定精度に大きな影響を与える。例えば、電流を測定する電流センサのセンシング部や回路部やケーブル長の伝搬遅延特性により位相誤差が生ずる。特許文献1には、この位相誤差を補正する技術が記載されている。また、信号入力部に帯域フィルタを備えた測定系では、帯域フィルタの周波数特性が測定精度に影響を与える。特許文献2には、このような周波数特性による誤差を補正する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-73904号公報
特開平4-50668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した電圧と電流の積の積算平均による電力測定方法では、全ての周波数成分を含む電力を測定することができる。しかしながら、近年、より詳細な電力解析のために、周波数成分ごとの電力を測定する測定装置および測定方法が求められている。新たなパワー半導体(SiC、GaN)の普及により、電力インバータのスイッチング周波数などの交流源で使用する周波数は高周波化しており、高周波領域を含めた電力の周波数成分を精度よく測定する測定装置が求められている。また、測定対象を流れる電流波形が三角波や矩形波などの非正弦波形である場合には、波形自体に、3次高調波(例えば三角波では11%)、5次高調波(同4%)、7次高調波(同2%)などの高調波成分が含まれるため、高周波領域を含めた解析が必要となる。しかしながら、周波数が高くなるほど電流センサの遅延特性による位相誤差が大きくなり、高周波領域の周波数成分の測定精度が低下してしまうという課題があった。例えば、300V 30A 100kHzでスイッチングし、リアクトルの損失が1%の電力インバータの場合、リアクトルの電力損失は0.09kWであり、電圧と電流の位相差は89.43°である。もし、測定装置に100kHzの電圧電流位相誤差が0.1°あった場合、本来であれば0.09kWの損失が、0.0738kWと、真値から18%も異なった値として測定されることになる。
【0005】
図6に、一般的な電流センサの周波数特性を示す。図6(a)は、電流センサで検出される電流の大きさの周波数特性であり、横軸に周波数を、縦軸に検出された電流の大きさ(レベル)の真値からの誤差を示す。また、図6(b)は、電流センサで検出される電流の位相の周波数特性であり、横軸に周波数を、縦軸に検出された位相と真値との位相差を示す。電流の大きさの誤差60は、100kHzを超える周波数領域でも比較的小さな誤差に留まっているのに対し、位相誤差61は、10kHz以上の高周波領域において顕著となることがわかる。このことから、高周波領域を含めた電力の周波数成分の測定においては、位相誤差を抑制することが、測定精度向上に欠かせないことができることがわかる。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、高周波領域の電力の周波数成分を精度よく測定する測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題は、プロセッサを備え、電流センサと接続して測定対象の電力の周波数成分を測定する測定装置であって、プロセッサが、電流センサの位相特性を補正するための補正データを取得し、時系列の、測定対象の電圧データと電流センサによって検出された測定対象の電流データとを取得し、補正データに基づいて、電圧データと電流データとの位相をずらすように、電圧データおよび電流データのうちの少なくとも一方を補正し、補正後の電圧データおよび電流データに基づいて、電圧および電流の周波数成分を求め、電圧および電流の周波数成分に基づいて、有効電力および無効電力のうちの少なくとも一方の周波数成分を求めて出力するように構成されている測定装置により、解決することができる。
【0008】
すなわち、電流センサの位相特性を補正するための補正データに基づいて補正された、電圧データや電流データに基づいて電力の周波数成分を求めて出力することにより、位相誤差による測定精度の低下を抑制し、高周波領域の電力の周波数成分を精度よく測定することが可能となる。
【0009】
ここで、測定装置は、電力の周波数成分を表示する表示装置をさらに備えることが望ましい。表示装置の画面に、求めた電力の周波数成分を数値やグラフで表示することによって、各周波数領域の電力の状況を一目で把握することが可能となる。
【0010】
また、電流センサが、測定装置に着脱自在に取り付け可能であり、プロセッサが、電流センサから補正データを取得するように構成されていることが望ましい。電流センサがセンサ固有の位相誤差に対する補正データを搭載し、測定装置が当該補正データを取得するように構成することにより、電流センサの周波数特性に合わせた補正を自動的に行うことが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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