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公開番号
2025096601
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-26
出願番号
2025067464,2020188521
出願日
2025-04-16,2020-11-12
発明の名称
偏光板並びにその偏光板を用いた画像表示装置
出願人
住友化学株式会社
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20250619BHJP(光学)
要約
【課題】層間充填構成の画像表示装置に用いられた場合においても、高温環境下での透過率の低下が抑制された偏光板を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムとを有する偏光板であって、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含む尿素系化合物含有層を有し、前記偏光素子の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下である、偏光板。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムとを有する偏光板であって、
尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含む尿素系化合物含有層を有し、
前記偏光素子の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度38%の平衡含水率以下である、偏光板。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムとを有する偏光板であって、
尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含む尿素系化合物含有層を有し、
前記偏光板の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度38%の平衡含水率以下である、偏光板。
【請求項3】
前記尿素系化合物含有層が、尿素誘導体及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含有する、請求項1または2に記載の偏光板。
【請求項4】
前記尿素系化合物含有層が前記偏光素子に接している、請求項1~3のいずれか1項に記載の偏光板。
【請求項5】
前記尿素系化合物含有層が接着剤層である、請求項1~4のいずれか1項に記載の偏光板。
【請求項6】
前記尿素系化合物含有層がポリビニルアルコール系樹脂を含む、請求項5に記載の偏光板。
【請求項7】
前記尿素系化合物含有層において、前記尿素系化合物の合計含有量が、前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上400質量部以下である、請求項6に記載の偏光板。
【請求項8】
前記尿素系化合物含有層の厚みが0.01~7μmである、請求項5~7のいずれか1項に記載の偏光板。
【請求項9】
ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムとを有する偏光板であって、
前記偏光素子は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含み、
前記偏光素子の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度38%の平衡含水率以下である、偏光板。
【請求項10】
ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムとを有する偏光板であって、
前記偏光素子は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含み、
前記偏光板の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度38%の平衡含水率以下である、偏光板。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板に関する。さらに、本発明は当該偏光板の一方の面が画像表示セルと貼り合せられ、他方の面がタッチパネルや前面板等の透明部材と貼り合せられた画像表示装置に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)は、液晶テレビだけでなく、パソコン、携帯電話等のモバイル、カーナビ等の車載用途などで広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に粘着剤で偏光板を貼合した液晶パネル部材を有し、バックライト部材からの光を液晶パネル部材で制御することにより表示が行われている。また、有機EL表示装置も近年、液晶表示装置と同様に、テレビ、携帯電話等のモバイル、カーナビ等の車載用途で広く用いられて来ている。有機EL表示装置では、外光が金属電極(陰極)で反射され鏡面のように視認されることを抑止するために、画像表示パネルの視認側表面に円偏光板(偏光素子とλ/4板を含む積層体)が配置される場合がある。
【0003】
偏光板は上記のように、液晶表示装置や有機EL表示装置の部材として、車に搭載される機会が増えて来ている。車載用の画像表示装置に用いられる偏光板は、それ以外のテレビや携帯電話等のモバイル用途に比較して、高温環境下に曝されることが多く、より高温での特性変化が小さいこと(高温耐久性)が求められる。
一方、外表面から衝撃による画像表示パネルの破損防止等を目的として、画像表示パネルの偏光板よりもさらに視認側に、透明樹脂板やガラス板等の前面板(「ウインドウ層」等とも称される。)を設ける構成が増えて来ている。また、タッチパネルを備える表示装置では、画像表示パネルの偏光板よりもさらに視認側にタッチパネルが設けられ、タッチパネルよりもさらに視認側に前面板を備える構成が広く採用されている。
【0004】
このような構成において、画像表示パネルと前面板やタッチパネル等の透明部材との間に空気層が存在すると、空気層界面での光の反射による外光の映り込みが生じ、画面の視認性が低下する傾向がある。そのため、画像表示パネルの視認側表面に配置される偏光板と透明部材との間の空間を、空気層以外の層(以下「層間充填剤」と称する場合がある)で充填する構成(以下「層間充填構成」と称する場合がある)、好ましくはこれらの材料と屈折率が近い材料で充填する構成を採用する動きが広まっている。層間充填剤としては、界面での反射による視認性の低下を抑止すると共に、各部材間を接着固定する目的で、粘着剤やUV硬化型接着剤が用いられる(例えば特許文献1参照)。
【0005】
上記の層間充填構成は、屋外で使用されることが多い携帯電話等のモバイル用途での採用が広がっている。また、近年の視認性に対する要求の高まりから、カーナビゲーション装置等の車載用途においても、画像表示パネル表面に前面板を配置し、パネルと前面板との間を粘着剤層等で充填した層間充填構成の採用が検討されている。
しかし、このような構成を採用する場合、加熱耐久試験(95℃で200時間等)の結果、偏光板面内中央部に、透過率の著しい低下が見られること、その一方、偏光板単独では95℃で1000時間でも著しい透過率の低下は見られないことが報告されており、これらの結果から、高温環境における偏光板の透過率の著しい低下は、偏光板の一方の面が画像表示セルと貼り合せられ、他方の面がタッチパネルや前面板等の透明部材と貼り合せられている層間充填構成を採用する画像表示装置が高温環境に暴露された場合に特有の問題であることも報告されている(特許文献2)。
【0006】
そして、上記特許文献2には層間充填構成で透過率が著しく低下した偏光板は、ラマン分光測定で1100cm
-1
付近(=C-C=結合に由来)および1500cm
-1
付近(-C=C-結合に由来)にピークを有していることから、ポリエン構造(-C=C)
n
-を形成していると考え、偏光素子を構成するポリビニルアルコールが脱水によりポリエン化されて生じたものであると推定している(特許文献2、段落[0012])。
【0007】
特許文献2ではその問題の解決策として、偏光板の単位面積当たりの水分量を規定量以下とし、なおかつ偏光素子に隣接する透明保護フィルムの飽和吸水量を規定量以下とすることにより透過率の低下を抑制する方法を提案している。
しかしながら、このような手段を以ってしても、高温耐久試験における透過率低下の抑制効果は十分でないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平11-174417号公報
特開2014-102353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以下の偏光板、画像表示装置、及び偏光板の製造方法を提供する。
〔1〕 ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムとを有する偏光板であって、
尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含む尿素系化合物含有層を有し、
前記偏光素子の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下である、偏光板。
〔2〕 ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムとを有する偏光板であって、
尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含む尿素系化合物含有層を有し、
前記偏光板の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下である、偏光板。
〔3〕 前記尿素系化合物含有層が、尿素誘導体及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含有する、〔1〕または〔2〕に記載の偏光板。
〔4〕 前記尿素系化合物含有層が前記偏光素子に接している、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔5〕 前記尿素系化合物含有層が接着剤層である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔6〕 前記尿素系化合物含有層がポリビニルアルコール系樹脂を含む、〔5〕に記載の偏光板。
〔7〕 前記尿素系化合物含有層において、前記尿素系化合物の合計含有量が、前記ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上400質量部以下である、〔6〕に記載の偏光板。
〔8〕 前記尿素系化合物含有層の厚みが0.01~7μmである、〔5〕~〔7〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔9〕 ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムとを有する偏光板であって、
前記偏光素子は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含み、
前記偏光素子の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下である、偏光板。
〔10〕 ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子と、透明保護フィルムとを有する偏光板であって、
前記偏光素子は、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の尿素系化合物を含み、
前記偏光板の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下である、偏光板。
〔11〕 前記偏光板は画像表示装置に用いられ、
前記画像表示装置において、前記偏光板の両面には空気層以外の層が接して設けられている、〔1〕~〔10〕のいずれか1項に記載の偏光板。
〔12〕 画像表示セルと、前記画像表示セルの視認側表面に積層された第1粘着剤層と、前記第1粘着剤層の視認側表面に積層された〔1〕~〔11〕のいずれか1項に記載の偏光板と、を有する画像表示装置。
〔13〕 前記偏光板の視認側表面に積層された第2粘着剤層と、前記第2粘着剤層の視認側表面に積層された透明部材と、をさらに有する〔12〕に記載の画像表示装置。
〔14〕 前記透明部材がガラス板または透明樹脂板である、〔13〕に記載の画像表示装置。
〔15〕 前記透明部材がタッチパネルである、〔13〕に記載の画像表示装置。
〔16〕 〔1〕または〔9〕に記載の偏光板の製造方法であって、
前記偏光素子の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下となるように調整する含水率調整工程を有する、偏光板の製造方法。
〔17〕 〔2〕または〔10〕に記載の偏光板の製造方法であって、
前記偏光板の含水率が温度20℃かつ相対湿度30%の平衡含水率以上、かつ温度20℃相対湿度50%の平衡含水率以下となるように調整する含水率調整工程を有する、偏光板の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、層間充填構成の画像表示装置に用いられた場合においても、高温環境下での透過率の低下が小さく、高温耐久性に優れる偏光板を提供することが可能となり、さらに、本発明の偏光板を用いることで高温環境下での透過率低下が抑制された画像表示装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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