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公開番号2025096048
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023212510
出願日2023-12-15
発明の名称劣化状態推定装置及び劣化状態推定方法
出願人日産自動車株式会社,ルノー エス.ア.エス.,RENAULT S.A.S.
代理人弁理士法人とこしえ特許事務所
主分類G01R 31/392 20190101AFI20250619BHJP(測定;試験)
要約【課題】劣化度合いの推定精度を高めた劣化状態推定装置及び劣化状態推定方法を提供するを提供する。
【解決手段】二次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定装置1であって、二次電池の初期状態の初期データを記憶する記憶部と、二次電池の電流及び電圧を取得する取得部11と、二次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定部13とを備える。初期データは、初期状態の二次電池の電池容量とOCVとの関係で示される初期OCVカーブのデータを含む。劣化状態推定部13は、取得部11により取得された二次電池の電流及び電圧に基づき、劣化後の二次電池の電池容量とOCVとの関係で示される劣化後OCVカーブを演算し、初期OCVカーブと劣化後OCVカーブとの差に基づき、二次電池の正極容量の劣化度合いを示す正極容量劣化係数α、負極容量の劣化度合いを示す負極容量劣化係数β、及び、正負極容量のずれ量を示す容量ずれ量γを演算する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定装置であって、
前記二次電池の初期状態の初期データを記憶する記憶部と、
前記二次電池の電流及び電圧を取得する取得部と、
前記二次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定部とを備え、
前記初期データは、初期状態の前記二次電池の電池容量とOCVとの関係で示される初期OCVカーブのデータを含み、
前記劣化状態推定部は、
前記取得部により取得された前記二次電池の電流及び電圧に基づき、劣化後の前記二次電池の電池容量とOCVとの関係で示される劣化後OCVカーブを演算し、
前記初期OCVカーブと劣化後OCVカーブとの差に基づき、前記二次電池の正極容量の劣化度合いを示す正極容量劣化係数α、負極容量の劣化度合いを示す負極容量劣化係数β、及び、正負極容量のずれ量を示す容量ずれ量γを演算し、
前記正極容量劣化係数αの演算に使用されるOCVカーブの範囲は、正極開回路電位差が±12mV以下の範囲、及び/又は、正極開回路電位が3.75V以上の範囲であり、
前記正極開回路電位差は、所定の正極容量に対する前記初期状態の正極開回路電位と、前記所定の正極容量に対する前記劣化後の正極開回路電位との差である劣化状態推定装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1記載の劣化状態推定装置であって、
前記取得部は、前記二次電池の温度を取得し、
前記劣化状態推定部は、
前記二次電池の充放電中、前記取得部により取得された前記電流を積算することで前記劣化後の前記電池容量を演算し、
前記温度、前記二次電池のSOC、前記電流、前記二次電池の充放電時間、前記二次電池の劣化度合いのうち少なくとも1つの要素に基づき、前記二次電池の内部抵抗を演算し、
前記取得部により取得された前記電圧、前記取得部により取得された前記電流、演算された前記内部抵抗、及び前記劣化度合いに基づき、前記劣化後OCVカーブを演算する劣化状態推定装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の劣化状態推定装置であって、
前記取得部は、充放電開始時の前記二次電池の電圧である開始電圧、充放電終了時の前記二次電池の電圧である終了電圧、及び、充放電中の電流を取得し、
前記劣化状態推定部は、
前記充放電開始時から前記充放電終了時までの電流を積算することで劣化後の電池容量を演算し、
前記開始電圧に対応するOCV、前記終了電圧に対するOCV、及び前記劣化後の前記電池容量に基づき、前記劣化後OCVカーブを演算する劣化状態推定装置。
【請求項4】
請求項3記載の劣化状態推定装置であって、
前記開始電圧は、前記二次電池の上限電圧及び下限電圧のうち一方の電圧であり、
前記終了電圧は、前記二次電池の上限電圧及び下限電圧のうち他方の電圧である劣化状態推定装置。
【請求項5】
請求項3記載の劣化状態推定装置であって、
前記劣化状態推定部は、
前記開始電圧に対応するOCV、前記終了電圧に対するOCV、及び前記劣化後の前記電池容量に基づき、前記劣化後の前記二次電池の電池容量とSOCとの関係で示されるSOCカーブを演算する劣化状態推定装置。
【請求項6】
プロセッサにより実行される、二次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定方法であって、
前記プロセッサは、
初期状態の前記二次電池の電池容量とOCVとの関係で示される初期OCVカーブのデータを記憶部から取得し、
前記二次電池の電流及び電圧を取得し、
前記二次電池の電流及び電圧に基づき、劣化後の前記二次電池の電池容量とOCVとの関係で示される劣化後OCVカーブを演算し、
前記初期OCVカーブと劣化後OCVカーブとの差に基づき、前記二次電池の正極容量の劣化度合いを示す正極容量劣化係数α、負極容量の劣化度合いを示す負極容量劣化係数β、及び、正負極容量のずれ量を示す容量ずれ量γを演算し、
前記正極容量劣化係数αの演算に使用されるOCVカーブの範囲は、正極開回路電位差が±12mV以下の範囲、及び/又は、正極開回路電位が3.75V以上の範囲であり、
前記正極開回路電位差は、所定の正極容量比に対する前記初期状態の正極開回路電位と、前記所定の正極容量比に対する前記劣化後の正極開回路電位との差である劣化状態推定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の劣化状態を推定する劣化状態推定装置及び劣化状態推定方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来より二次電池の劣化程度を推定する電池状態推定装置が知られている。例えば特許文献1記載の電池状態推定装置は、推定電流積算値と実測電流積算値とに基づいて、正極容量の劣化度合いを示す正極容量劣化係数α、正極遷移金属の価数変化に伴う正極の開回路電位のずれ量を示すOCPずれ量β、及び劣化状態の二次電池における正極OCP特性と負極OCP特性との間の容量のずれ量を示す容量ずれ量δを演算し、開回路電圧が取得された積算開始時点から、再度開回路電圧が取得される積算終了時点までに流れる電流積算値の推定値を、α、β、δを用いて表し、演算されたα、β、δと記憶部が記憶する初期特性データとに基づいて劣化特性データを推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-109367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の電池状態推定装置は、OCPずれ量βを電池容量の全体にわたって同じ値で加算して劣化特性データを得ているため、劣化度合いの推定精度が低いという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、劣化度合いの推定精度を高めた劣化状態推定装置及び劣化状態推定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電池セルの電流及び電圧に基づき、劣化後OCVカーブを演算し、初期OCVカーブと劣化後OCVカーブとの差に基づき、電池セル20の正極容量劣化係数α、負極容量劣化係数β、及び、容量ずれ量γを演算し、正極容量劣化係数αの演算に使用されるOCVカーブの範囲を、正極OCP差(開回路電位差)が±12mV以下の範囲、及び/又は、正極OCPが3.75V以上の範囲とすることにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、劣化度合いの推定精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本発明の一実施の形態に係る劣化状態推定装置、バッテリ、充電装置、及び負荷のブロック図である。
図2は電池セルの劣化前後のOCVおよび正負極のOCP曲線を示すグラフである。
図3は、電池セルの正極の劣化度合いと正極OCPとの関係(以下、正極OCPの形状変化と称する)を示すグラフ、及び、正極の劣化度合いと劣化前後のOCP差との関係を示すグラフである。
図4は、CCPの演算処理で使用される正極OCPカーブの下限値と正極容量維持率の演算結果を示すグラフである。
図5は、CCPの演算処理で使用される、劣化前後の正極OCPの差と正極容量維持率の演算結果を示すグラフである。
図6は、電池セルの劣化前のOCVおよび正負極のOCP曲線と、劣化後のOCV曲線を示すグラフである。
図7は、電池セルの電池容量軸に対する劣化前後の正極OCPの差を示すグラフである。
図8は、電池セルの電池容量軸に対する劣化前後の負極OCPの差を示すグラフである。
図9は、本実施形態に係る劣化状態推定方法の制御手順を示すフローチャートである。
図10は、本実施形態の変形例に係る劣化状態推定方法の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る劣化状態推定装置及び劣化状態推定方法の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、劣化状態推定装置1、バッテリ2、充電装置3、及び負荷4のブロック図である。劣化状態推定装置1は、車両に搭載されるバッテリ2の劣化状態(劣化度合い)を推定するシステムである。劣化状態推定装置1は、車両等の装置から取り出したバッテリを接続して、バッテリの劣化状態を推定する。劣化状態推定装置1は、車両など、電池を備えた装置に搭載されてもよく、車両に搭載されたバッテリの劣化状態を推定してもよい。
【0010】
劣化状態推定装置1は、コントローラ10及びメモリ14を備えている。コントローラ10は、プロセッサであり、プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、ROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とを備える。コントローラ10は、取得部11、劣化状態推定部13、及び充放電制御部12を有する。コントローラ10は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、取得部11、充放電制御部12、及び劣化状態推定部13の各機能を実行する。なお、取得部11等の各機能ブロックの詳細は後述する。なお、コントローラ10は必ずしも充放電制御部12を有していなくてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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